注意:この記事では、『ロードランナー レジェンドリターンズ』(良作)と、その続編である『ロードランナー・エクストラ』(スルメゲー)を扱う。
『エクストラ』に「修正依頼」が出ています。評価点、問題点を追記できる方はご協力をお願いします。
ロードランナー レジェンドリターンズ
【ろーどらんなー れじぇんどりたーんず】
ジャンル
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アクションパズル
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PS版
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SS版
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対応機種
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プレイステーション セガサターン
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開発元
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Presage Software
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発売元
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パトラ
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発売日
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【PS】1996年2月16日 【SS】1996年3月8日
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廉価版
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【PS】『SuperLite 1500シリーズ ロードランナー レジェンドリターンズ』 サクセス/1999年7月1日/1,500円(税別)
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判定
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良作
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バンゲリング帝国三部作 チョップリフター (FC) / ロードランナー (FC / スーパー / レジェンドリターンズ エクストラ / POWER / ドムドム団のやぼう / キュービック) / バンゲリング ベイ (FC)
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特徴
懐かしのゲーム『ロードランナー』をプレイステーション/セガサターンに移植し、様々な要素を追加したもの。金塊を取って目的地にたどり着く、地面を掘って敵を埋める、倒された敵は復活する等といった基本的な部分は変わらない。
新システム
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アイテムが多数追加された。
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扉の鍵:鍵と同じ色の扉を開けることが可能。このアイテムがステージにある場合、大抵はこれを持っていないとクリアできない。ただし一部のステージではどうあがいても同じ色の扉に辿り着けないような配置で、金塊を全て取ると別の位置に鍵なしでも入れる扉が出現することもある。
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小型爆弾:他のアイテムとは別に1度に4個まで持てる。セットして数秒後に爆発し、周囲2マスの敵を倒す(倒れた敵は復活する)、掘れる地面を破壊するといった効果がある。地面は時間が経過すると元に戻る。また、周囲に別の爆弾があった場合は火がつき、やはり数秒後爆発する。自分が巻き込まれると即死するので注意。
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大型爆弾:他のアイテムとは同時に持てない。小型爆弾と範囲は同じだが、範囲内のものであれば、掘れない地面(ゲーム内の名称は「岩盤」)、ハシゴやバー、さらに扉の鍵を含むアイテムや金塊すらも容赦なく消し飛ばす。またこれで地面を破壊した場合もとに戻らない。
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タールバケツ:地面に粘液をばらまき、敵や自分がその上を歩くと速度が落ちる。その地面は掘れなくなるので注意。始めから粘液がばらまかれているケースもある。
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モンスタートラップ:罠をしかけて、敵をひっかける。引っかかった敵は二度と動けなくなる。自分がひっかからないように注意。
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削岩ドリル:使用すると真下の岩盤を破壊すると共に自分が1マス下へ移動。通常の掘れる地面は破壊できない。また、破壊した地面は2度と復活しないため、考えて使うこと。タールの地面は掘れない。何度でも使用可能。
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スプレーガン:このスプレーを撃たれた敵は、一定時間感覚が麻痺し動けなくなる。何度でも使用可能。
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つるはし:斜め右上や左上にブロックがあるときのみ使用可能。そこから岩を落とし、その岩を足場にして渡ったり壁にして敵に襲われなくすることが可能。何度でも使用可能。
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他にも様々な仕掛けがある。
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シェルター:これに入っている間は敵に見つからない。ずっと入ったままでいられるので、作戦をじっくり練るのも可。
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スポットライト:画面が真っ暗で、主人公の周囲しか照らしてくれない。
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転送機:一方通行のワープゾーン。触れると強制的にワープさせられる。敵も同様。
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エディットモードがあり、自分のステージを作ることが可能。
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アイテムや仕掛けを使わなければ、システムは旧作と同じ。
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2人で遊ぶ協力モードが追加された。
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また、エディットで協力用のステージを作ることも可能。
評価点
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初見要素への配慮
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初めてアイテムや仕掛けが登場する場合、その前に実際に使っているデモが表示される。なかなかの親切設計である。
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また、最初のステージでいきなりアイテムが出るわけでもなく、充分簡単なので初めてロードランナーをプレイする人でも問題はない。
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ここが『エクストラ』との違いである。詳しくは下記。
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これらのアイテムや仕掛け、地面に埋められた金塊に加え、落とし穴と化した地面、閉じ込め要素、敵の頭超え、敵に金塊を取らせるケースなど、既存の難解さも健在。
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そのため、後半のステージになると1ステージのクリアのために何回も試行錯誤をする場合が多い。
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エディットモード
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相変わらず独自ステージを作る楽しみや、懐かしのステージの再現等、自由な遊び方ができる。
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背景の追加により森や洞窟を探検しているような雰囲気が出ている。
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これまでは背景がなく地面はブロックのみであり、非常に無機的な印象が強かった。
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それに合わせ音楽も環境音を混ぜたようになっていて、背景としっかりマッチしている。
問題点
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エディットでステージを作ると、ステージ1つだけでもメモリーカードの容量を1ブロック使用する。
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そのため、メモリーカード1枚につき15個までしかステージが作れない。
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「掘れる地面」と「岩盤」を区別しにくい。
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背景にもよるが、非常に分かりにくい。旧作ではくっきりしていた。
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初見殺し要素
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前述の通り、すべての金塊を取るまではゴールの位置が分からない為、初見殺し要素が増した。
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ゴールに扉がある場合はそれが分かる為、ある意味扉があったほうがわかりやすい。が前述したとおりトラップの可能性もある。
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金塊が地面に埋められているケースがある。当然掘って手に入れるしかない。
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地面に金塊が埋められていても、見た目では普通の地面と区別がつかない。
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ステージがクリアできなくて初めて埋められていることに気付くが、どこに埋められているかわかるはずもない。
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もともと落とし穴と化した床、全ての金塊を取ると出現するハシゴといった初見殺し要素のあるゲームではあるが、さらに拍車をかけている。
総評
システム変更による初見殺し要素もあるが、仕掛けが増えた事で単調さが緩和され、また、やりこみ要素も増えた。
独自システムを追加した順当な進化とも言える移植作である。
余談
ロードランナー・エクストラ
【ろーどらんなー えくすとら】
ジャンル
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アクションパズル
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PS版
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SS版
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対応機種
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プレイステーション セガサターン
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開発元
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Presage Software
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発売元
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パトラ
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発売日
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1997年1月10日
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廉価版
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【PS】『SuperLite 1500シリーズ ロードランナー2』 サクセス/2000年3月30日/1,500円(税別)
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判定
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スルメゲー
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特徴(エクストラ)
前作の拡張パック。
前作の続編に当たる内容となっている。システム上の変更点は特にない。
賛否両論点(エクストラ)
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難易度が大幅に上昇している。初心者はステージ1から戸惑う。
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それでも序盤は仕掛けやアイテムがあるわけでもなく、敵もいないため閃けばそこまで難関ではない。前作をプレイしていなくても、より古いものを経験さえしていればまず問題ないだろう。しかし……
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ステージが進むにつれ、1ステージに配置されるアイテムの数が多かったり、初見殺し要素が増えるなど、前作よりはるかに難しくなり、同時にやりごたえも充分である。
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爆弾が大量に配置され、誘爆を利用するステージもある。うかつに進めず、またどこに地面があったか忘れやすい。何度もゲームオーバーになり、試行錯誤を繰り返すことになる。
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そのため、前作をプレイしてもっと難易度が高いものに挑戦したい、やりごたえのあるゲームを求めている人におすすめである。
総評(エクストラ)
懐かしのゲームが、高い難易度とアイテム等の様々な仕掛けをもって生まれ変わった。アクション要素も強化されたが、それ以上にパズル要素が強化され、閃きと試行錯誤を重視するゲームになった。
旧作に慣れた人でも十分なやりごたえである一方で、初見殺し要素が大幅に増えたため、計算高い人には却って受け入れ難くもなっただろう。
とはいえクリアするための試行錯誤もまた面白く、見た目は単純、中身は難解という点は相変わらずであり、好きな人にはやみつきになりやすい。
余談(エクストラ)
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米国ではPS版のみのリリースで、NATSUME INC.が1998年に『Lode Runner』のタイトルで『Lode Runner:The Legend Returns』と共に収録して発売された。日本国内ではパトラから前作とは別々の単体でPS版とSS版で発売されている。
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廉価版の『SuperLite 1500シリーズ ロードランナー2』は「2」とあるが、MSX用のソフト『ロードランナー2』とは無関係である。
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中古市場にて一時期前作よりも値段が安いという事態が起きていた。
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原因は不明だが、この超絶難易度によりプレイヤーが敬遠していた結果だろうか。
最終更新:2021年05月22日 18:28