遊戯王5D's TAG FORCE5
【ゆうぎおうふぁいぶでぃーず たっぐふぉーすふぁいぶ】
| ジャンル | 対戦型カードゲーム |  
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| 対応機種 | プレイステーション・ポータブル | 
| 発売元 | コナミデジタルエンタテインメント | 
| 開発元 | コナミデジタルエンタテインメント テンキー
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| 発売日 | 2010年9月16日 | 
| 定価 | 5,250円 | 
| レーティング | CERO:A(全年齢対象) | 
| 判定 | 良作 | 
| ポイント | 前作の問題点をほぼ解消 新要素も好評
 ガスタとリチュア、機皇帝が使用可能
 
 
カードゲームもできるギャルゲー化
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| 遊戯王シリーズ | 
 
概要
TFシリーズ5作目。前作は『3』から若干劣化してしまった部分が目立ったが、今作は『3』までのGX期作品で好評だった仕様を復活、UIの更なる改善などが行われている。
なお、本作の個別ストーリーは『4』から仕切り直しされており、『6』へと続くものになっている。
特徴・システム
基本的な部分については『TF4』も参照。変更点やその他の仕様を記述。
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サウンドモードが復活。また、フリーデュエルでは好きな曲で決闘できるようになった。
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『1』~『3』ではシステム画面など曲を使いまわししていたが、今回は全て新曲となっている。
 
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「デュエル地蔵」が新たに登場。『3』までのカード変換機に近い役割。
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自動的にダブったカードを蓄積し、一定枚数までダブったカードがたまるごとに好きなカードを1枚コピーできる。
 
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開始時に『4』のセーブデータがあると『4』のデッキレシピを引き継げる。
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各MAPのグラフィックが綺麗になり、背景の噴水などがちゃんとアニメーションするようになった。
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サレンダー(投了)が以前までは開始10ターン経過しないとできなかったが、『WCS2010』と同様に5ターン以降にできるようになった。
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収録カードは拡張パック『STARSTRIKE BLAST』までに登場したカードほぼ全てを網羅。合計は4727枚。
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また、『EXTRA PACK Volume 3』のカードがOCGに二日先駆けて収録された。
 
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キャラクターはD1が17人、D2が72人で合計89人。
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遊星・アキ・龍可・龍亞は衣装変更版があるので実質的には93人。また、攻略不可能な敵限定キャラとしてディアブロが登場する。
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D1の内わけは前作キャラ+イェーガーとシェリー、当時はアニメではまだ本格的に決闘をしていなかったイリアステルの三皇帝や謎のDホイーラー、そしてまさかの偽ジャックがD1。
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一方ダークシグナー勢とラリーは全員リストラ。ただし大きな話題となった「満足街編」の主役である鬼柳は衣装変更・セリフは全て新録でちゃんと続投。
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鬼柳の登場デモはよりにもよってあのハーモニカ演奏シーン(しかも背景がちゃんと夕日)という、ファン心情を良く理解したチョイスに。
 
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前作からのキャラもアニメの進行に合わせて立ち絵や言動が番組中期のものに変更された。
 
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ストーリーはWRGP直前の記念タッグマッチ大会が行われているという設定。
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アニメで言えば65話~95話に相当。いわゆる「日常編」~「満足街編」のifストーリーと言ったところ。
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ただし遊星のアクセルシンクロ習得などWRGP編の内容も一部先取りしている。誠に残念ながらプラシド究極体はないが。
 
評価点
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好感度・機嫌システムの改善
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前作では原作序盤に合わせてか、トップス・シティとサテライト住民の間で好感度が上がりにくかったが、今作ではアニメのストーリーの進行に合わせて住民感のわだかまりが薄くなっており、相性が改善されているキャラが多い。
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「嫌われがちなヒールキャラ」にも、好印象を持つキャラが必ず複数人いるように相性設定されたので、全体的に好感度を上げやすい。
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前作だと数日話さないだけですぐ機嫌が低下してドクロだらけになったが、今作ではある程度は話さなくても機嫌は低下しないようになった。
 
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前作ではゲームオリジナルキャラの容姿がコンパチ気味だったが、女性陣の大部分はちゃんと別物化された。
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また、男女問わず全てのキャラの立ち絵が一新され、アニメ本編風の絵柄になった。
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主にGX期の人気キャラ(委員長や雪乃など)がGX期の容姿に近い姿に変更されたが、『4』からの新キャラでも容姿が変わったキャラが多い。特に特徴的なピンクのショート髪になったツァンは(モブキャラながら)プレーヤーからの人気が非常に高い。
 
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D2キャラに「発信器」がつけられるようになり、居場所が分かるようになった。ただし一名のみ。
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狙って好感度を上げられる他、すでにハートMaxのキャラや強化なデッキを持つキャラとの遭遇を回避するという使い道もある。
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余談だが幼女や美少女にこっそり発信機つけるって…。牛尾さんこっちです
。
 
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OCG化が難しいと思われていた三体の機皇帝が、アニメ版仕様に近い形で収録されている。
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というか本体以外のパーツも攻撃可能になっており、同時に収録されたオリジナルカード《ゴーストコンバート》が強いためアニメより強化されていると言ってよい。
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なお、グランエルはまだアニメで正式に登場していなかったために先にゲームで本格登場となった。
 
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ちなみに使い手のイリアステルの三皇帝の正体は発売当時まだ明らかになっていなかったため、彼らの話はゲームオリジナルストーリーとなっているのだが、相変わらずぶっ飛んだ内容になっている。
 
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発売からしばらくして事実上禁止・制限が一切無いオリジナル制限リストが配信された。
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文字通りなんでもありで、ドローソースを突っ込みまくった【エクゾディア】等で1killし放題の世紀末状態となる。
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NPCの禁止カード投入デッキと対戦できなくなることへの配慮のためかツンドラの大蠍1枚だけが禁止カードに指定されているが、初期のバニラのためネタデッキでも作らない限りはまず使う事はないと言っても良い。
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ただし、かねてより禁止カードを使ってみたくとも使えない、という需要が存在しており、デュエル番付を埋めるのが容易になるという利点もある。
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何よりもOCGと違って対人戦ではなく、CPUが相手なので「相手に暴虐されて不快な思いをすることはない」ためか結果的に好評となった。そもそも使いたくなければ使わなければよいだけの話でもある。
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配信されたのも発売から半年以上経ってからで、『STORM OF RAGNAROK』まで収録していたWCS2011が発売されていたので、未だにプレイしていたのはやりこみ勢ぐらいだったという事情もある。
 
賛否両論点
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データインストールに対応したことで、前作までかなり遅かったデュエル中の動作が改善された。ロード時間もスピーディー。
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ただ、「動作」が軽いだけで、CPUの思考時間はよりいっそう長くなってしまったのであまり実感がわかない。
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この時期のKONAMIのゲームに共通する問題だが、PSPをスリープ状態にすると何故かデータインストールがOFFになってしまうため、その都度設定画面からONにする必要がある。
 
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CPUの思考ルーチンが強化され、動作に難があったカードもある程度使えるようになった。
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特に顕著になったのがD2キャラの安田宇里亜。前作では切り札の《神炎皇ウリア》を場に出すことすらロクにできなかったが、本作では攻撃力10000を超えたウリアを二体同時展開ということも。
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全体的に相手の伏せ除去を重視するようになった。状況によってはメリットにもデメリットにもなる。
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前作ではシンクロ召喚のルーチンが未成熟だったためか、低攻撃力モンスターが絡むシンクロがなかなか繋がらなかったが、今作は低攻撃力モンスターも効果でシンクロ召喚につなげられる場合なら積極的に場に出すようになった。
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だが、やはり完璧に人間通りとはいかない部分はある。特に遊星の《クイック・シンクロン》の使い方はかなり難があり、アドバンス召喚してしまうどころかシンクロ召喚できるのにしないという謎の行動をする場合もある。
 
問題点
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一部の登場しなかったキャラ。
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「満足街編」の内容も含むのだが、クラッシュタウンの住民たちが登場しない。そのためオリジナルキャラたちがクラッシュタウンの住民の代役となるのだが、どうも学芸会レベルの代物を見ている気にしかならない。
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特にリアリストことロットンが登場せず、彼の代役となるオリキャラがいないまま話が進むので原作を知っていると違和感しか感じない。彼のエースの《ガトリングオーガ》はオリジナルカードとして収録されているのだが。
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ボマーやゴドウィン超官は前作で登場しなかったので今作で出るのでは?と言われていたが結局登場せず。ただしこの二人は『6』にて登場した。
 
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連動なしでキャラクターの衣装違い版が出せるようになったが、条件が厳しい。なんと同キャラに50勝もしなければならない。
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もっとも衣装違い版の報酬カードはそれほど重要でもないカード…と思いきや、遊星(ポンチョ)のクリア特典はまさかの《スクラップ・ドラゴン》である。TF5環境では重要度の高い星8シンクロなので過去作を持っていないと困る。
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フリーデュエルで初期ライフポイントを2000にしたルールで勝っても1勝とカウントされる救済処置もある。
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そのためタッグデュエルで相手を同キャラ2人にして自分とパートナーをフルバーンにしてひたすら焼き続けるという勝ち数稼ぎの方法もある。
 
 
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シリーズ通してだがOCGと異なる仕様・バグなどがある。ただしフリーズするような致命的なものはごく少数。
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特に《D‐HERO ダイヤモンドガイ》は普通に効果発動できる場合も多いが、複雑な処理が絡むためかカードによっては確実にバグるので要注意。
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《ネフティスの導き手》などの効果がフィールドが5体埋まっていると使えないバグ(仕様?)についても『TF1』から本作までずっと残っていた。この件に関しては次回作にてようやく修正された。
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ややこしいがオリカ版TGシリーズの「機械族として扱う」効果は、永続効果であって効果外テキストではないので注意。遊戯王はこういう紛らわしいルールが多いので、詳しくは攻略サイト等で確認しておくこと。
 
 
総評
やや不満点が目立った『4』の問題点をある程度解消し、良作と言える内容となった。
ただ現在だと5D's期の完全版である『6』が存在する。あちらに無くて本作にあるものと言えばポン星と偽ジャック、『6』にてD2降格してしまったキャラがD1扱いであることそしてガスタとリチュアが序盤から手に入るぐらいである。
もっとも、本作の個別ストーリーは次回作と地続きになっており、『5』→『6』ではカードの引継ぎ要素等の特典もある。
「長らく遊戯王を離れていてその間登場したカード効果が分からない」あるいは「アニメ5D'sを観ておらずストーリーを詳しく知らない」という人ならば、こちらの後に『6』をプレイするのがよいかもしれない。
余談
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《ドラグニティ-アキュリス》は旧裁定で収録されている。
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未OCGプレイヤーにはまるで意味が分からないと思われるので解説すると、このカードは墓地に送られた場合に効果が発動出来るのだが、登場直後はその効果範囲がかなり広く、一言で言えば強いカードだった。
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だが、ちょうどTF5発売の直前になって裁定が変更され、アキュリスはカードテキストはそのままなのに使い勝手が大きく落ちるという不可思議なことになってしまった。
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連絡が追い付かなかったのか本作ではこの変更前の裁定で収録されており、【ドラグニティ】や【サイバーダーク】が現実よりも強い。もっとも【ドラグニティ】は複雑な動きをするためやはりCPUは使いこなせないが。
 
 
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遊星の声に違和感があるが、本作の収録当日に遊星役の宮下氏が風邪をひいていたのが原因。
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海外のタッグフォースシリーズは本作で最後となった。欧州では、ダウンロード版が配信されている。
最終更新:2022年05月22日 14:15