カービィのピンボール

【かーびぃのぴんぼーる】

ジャンル アクション
対応機種 ゲームボーイ
発売元 任天堂
開発元 ハル研究所
発売日 1993年11月27日
定価 2,940円
プレイ人数 1人
レーティング 【VC】CERO:A(全年齢対象)
配信 【3DS】バーチャルコンソール:2012年8月29日/411円
書換 ニンテンドウパワー
2000年3月1日/800円/F×2・B×1
判定 良作
ポイント ゲームボーイで気軽に遊べるピンボール
キャラゲーとしても良質
カービィとして見ると非常に高難度
星のカービィシリーズリンク


概要

星のカービィシリーズ初の番外編。文字通りカービィ版ピンボールである。
以前ハル研が発売したピンボールゲーム『66匹のワニ大行進』を元にしている。

ストーリー(カービィのピンボールへようこそ)

お待ちどおさま!おなじみまんまるカービィがゲームボーイに帰ってきました。
今度の舞台はなんとピンボール!ちっともこりないデデデ大王と、3つのピンボールランドを守るボスを相手に
カービィ自身がボールになって所せましと大活躍します。
いろんなしかけやボーナスゲーム、内容もりだくさんのピンボール。
さあ、めざせハイスコア。それではカービィ、ボールに変身(コピー)!
(説明書より)


特徴など

  • 操作は至ってシンプル。ピンボールの玉になったカービィを落とさないよう左右のフリッパーで跳ね上げるだけ。
    • ちゃんと台揺らし用のコマンドもついている。なお、乱用してもティルト*1は無い。
    • ちなみに、本作ではカービィの代名詞であるコピー能力要素はない。後の番外編カービィでもコピー能力が不採用の作品は多い。
      • ボールにコピーしているという設定。ボス戦ではノーマルに戻る。
  • ゲームをスタートするとステージセレクト画面になり、ボールとなったカービィを弾いて3つの台から遊ぶ台を選ぶ。
    • 台はウィスピーウッズ台、クラッコ台、ポピーブロス台の3つがあり、それぞれやくものなどが異なる。
  • 3つの台はどの台も上・中・下の3つの階層に分かれており、ステージセレクトから入った場合中層からスタートする。
  • 各階層ではそれぞれ条件を満たせばワープスターが出現する。
    • うまくカービィを上層に運んでワープスターを取るとボス戦へ挑戦できる。その台のボスを倒したら他の台へ…というのが基本的な流れ。
    • ただし、各層の台に仕掛けられたギミックはなかなか難易度が高く、一筋縄では上に行かせてくれない。
  • また、中層でワープスターを取るとボーナスステージ(ミニゲーム)で遊べる。ミニゲームはどれも時間制限有り。
    • ウィスピー台:ブロック崩し。ブロック上部にいるワドルディとブルームハッターを倒せば1UPが登場する。
    • クラッコ台:画面右から流れてくる食べ物にボールとなったカービィをうまくぶつけて、画面上部に配置されている別のカービィに食べさせてあげる。
    • ポピー台:PK戦。キーパーとなったスクイッシーをうまくよけてゴールを狙う。
      • クラッコ台以外はボールが2つに分裂する。うまく連携させるのが高得点を狙うコツ。
  • 下層でワープスターを出現させて取ると、ステージセレクトへ戻ることができる。
  • 下層から落下するとジャンプ台があり、タイミングよくボタンを押せば復帰できる。失敗すると1ミス。
    • 落ちるたびにジャンプ台が小さくなり、タイミングがシビアになってくるため、安易に落ちない方が身のためである。
      • 最初に落ちたときはジャンプ台も大きく、タイミングが合えば一気に上層まで飛ぶことも可能。
    • 初期残機は3。全て失うとゲームオーバーになる。1UPアイテムは一応あるが、入手するのは難しい。
  • 全てのボスを撃破すると、最終ボスのデデデ大王と対決できる。
    • 最後の敵だけあってとにかくタフで、フリッパー封じの攻撃も多用するため手強い。しかも1層構成なので落ちたら最初からやり直しとなるので難易度はかなり高い。
      • ちなみに本作のデデデ、手からビームらしきものを出してフリッパーの動きを止める。後続作ではこのような行動は一切見られないため、貴重なシーンかもしれない。
    • ちなみにカービィシリーズで唯一スタッフロールが無い。
      • 一応デデデを倒せばエンディングらしきショートムービーが流れるものの、それを見たらステージセレクトに戻って続行するだけ。ゲームオーバーになるまで終わらない。
    • 50万点とるとお祝い画面が登場する。……が、それだけ。以降50万点ごとに流れる。
      • 規定スコアに到達した瞬間流れるため、プレーを阻害されてしまう場合も。
    • ゲームの目的はエンディングを見ることではなく、あくまでハイスコアを目指すことである。
  • 中断セーブ機能があり、セーブした場面からすぐ再開できる機能もある。
    • カービィはすぐに落ちてこないので、安心してゲームを再開することができる。
    • ボーナスゲームでセーブした場合は、ボーナスゲーム終了し、上段からのスタートになる。
    • ボス戦でセーブした場合、ボスのダメージは回復して元に戻ってしまう。
  • スコアは99999990点まで。これを超えると0点に戻ってしまう。

評価点

  • どのステージでもバラエティー豊かなギミックと顔なじみの敵キャラ達が待ち受け、プレイヤーを楽しませてくれる(もちろん足止めも兼ねているが)。
    • 各種SEも初期カービィで使用されていた物を多く使用しているので、ファンならば原作を思い出しつつ楽しめるだろう。
  • ステージギミックは一工夫してあり、ボス戦やボーナスステージではピンボールながらアクションゲームのような駆け引きが要求されるので面白い。
    • 単にキャラがカービィ仕様になっただけでなく、電子ピンボール故のランダム性やタイミングを求められるギミックが多いので通常のピンボールとは一味違う持ち味がある。
  • 全体的にやや難易度は高いが、条件を満たすとどの台でもマキシムトマト(フリッパーの間に出現し、カービィが落ちなくなる)と元気ドリンク(左右のゾーンに出現し、カービィの落下を防いでくれる)が出現するという救済策がある。
    • 下層から落下してもジャンプ台があるため、1度や2度くらいなら一気に上層まで飛んで大逆転できることもあり、タイミングはシビアだが意図的に下層からショートカットする手段として使うこともできる。以上のようにピンボールにあまり慣れていない人でもクリアしやすいよう配慮してある。
  • タイトル画面で裏コマンドを入力することで、ボーナスステージだけ、またはボスステージだけをとことんやり込むこともできる。
    • どちらもルールこそ単純ながらなかなか面白く、たどり着くまでには結構手間がかかるので普通にピンボールをプレイするよりこちらをやっていた人も多いのでは?
      • ボーナスステージは「左+SELECT+Aボタン」、ボスステージは「右+SELECT+Bボタン」で遊べる。成功させると、ランキング画面でボーナスの場合は白猫、ボスの場合は黒猫が歩いてくる。
  • 他作品からの流用曲もあるものの、本作のための新規BGMはポップでコミカルなカービィの世界観とピンボールという題材にマッチした良曲。

問題点

  • 要はピンボール三台+αである。ボリュームという意味では若干不足している。GB発売初期のゲームではなく、GB発売からある程度時期は経っているのだが。
    • ただその分価格は他のGBソフトに比べると安めである。
  • 救済措置はあると上述したものの、他のカービィシリーズのように「万人がエンディングまで見れる」難易度ではない。
    • 元々『カービィ』以前のハル研は難易度が高いゲームばかり作っており、本作は(ピンボールゲーム自体の性質上避けがたいとはいえ)、『カービィ』のエクストラゲームとともに確実にその気質が残っているといえる。
    • 特に上層でボス戦用のワープスターを出すのが難しく、中層に半強制的に戻されるギミックもあるので子供がプレイするとなかなかボス戦にたどり着けない。
      • 一番難しいのがポピー台上層のギミックで、三体のヒヨコを敵から守りながら孵化させ、その後ランダムでヒヨコが運んでくるワープスターにタッチするというものでかなり難しい。しかもワープスターを取り逃がしたら最初からやり直しである。

総評

まさにタイトル通りのゲーム。それゆえにシンプルな面白さがあり、ピンボールが好きな人なら満足できる一作だろう。
現代の大ボリューム・美しい映像のゲームもいいが、たまにはこういう単純なゲームで遊ぶのも一興である。
もちろん「とにかくカービィが好き」という人にもオススメ。


余談

  • 2周目以降、ある場所で特定の条件を満たすと隠しキャラが登場する。
  • デフォルト状態のスコアランキングは
    1 ZEPHYRA
    2 PHYSALI
    3 DENDROB
    4 GARBERA
    という名前で登録されているが、これは『機動戦士ガンダム0083』に登場するガンダム1号機~4号機に対応した名前である。
    • 3号機が単体形態(ステイメン)ではなく合体形態の名称(デンドロビウム)だったり、本編に登場しなかった4号機(ガーベラ)*2がある等、地味に芸が細かい。
  • 後にDSで発売された『あつめて!カービィ』に本作にそっくりのミニゲームが収録されている。
    • 台は1つのみなのでほぼ同じというわけではないが。題字はそのままである。
    • ボスもウィスピー以外は別のキャラに変更されている。特にラスボスはシリーズから意外なキャラが再登場するのでこちらも要チェック。
  • 当時ゲームボーイの全盛期だった事もあり、売上本数は国内だけでも約112万本。これは本シリーズの番外編としては最高記録である。
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最終更新:2024年03月24日 20:36

*1 ピンボールでは揺らしすぎると反則となり、フリッパーがロックされる台が多い。このことをティルトという。

*2 一応4号機を非ガンダムタイプにした「ガーベラ・テトラ」という機体は本編に登場する。