SIMPLE DSシリーズ Vol.27 THE 密室からの脱出 ~THE推理番外編~
【しんぷる でぃーえすしりーず ぼりゅーむ とぅえんてぃせぶん ざ みっしつからのだっしゅつ ざ すいり ばんがいへん】
| ジャンル | 脱出アドベンチャー |  
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| 対応機種 | ニンテンドーDS | 
| メディア | 256MbitDSカード | 
| 発売元 | D3パブリッシャー | 
| 開発元 | インテンス | 
| 発売日 | 2007年11月29日 | 
| 定価 | 2,800円(税込) | 
| レーティング | CERO:A(全年齢対象) | 
| 判定 | なし | 
| ポイント | 『THE 推理シリーズ』の番外編だが関連性は薄め 値段のわりに推理難易度は高め
 SIMPLEシリーズの中でも多産な作品に成長
 
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| SIMPLE DSシリーズ | 
 
@SIMPLE DLシリーズ for Wii U Vol.1 THE 密室からの脱出 ~すべての始まり16の謎~
【あっとしんぷる でぃーえるしりーず ふぉー うぃー ゆー ぼりゅーむ1 ざ みっしつからのだっしゅつ すべてのはじまりとじゅうろくのなぞ】
| 対応機種 | Wii U(Wii Uダウンロードソフト) |  | 
| メディア | ダウンロード専売 | 
| 発売日 | 2014年4月9日 | 
| 定価 | 1,000円(税込) | 
| レーティング | CERO:B(12才以上対象) | 
| 判定 | なし | 
| @SIMPLE DLシリーズ for Wii U | 
 
概要
SIMPLEシリーズを代表するアドベンチャーのひとつ『THE 推理シリーズ』のスピンオフ作品。
いわゆる脱出ゲームと呼ばれる類の探索アドベンチャーゲームである。
『THE 推理』の番外編とあるが、同作の主人公が少しだけ登場するなどの要素があるだけで、『THE 推理』をプレイしていなくても楽しめる内容となっている。
なお、後述するように、次作以降はスピンオフ要素を廃した『THE 密室からの脱出』シリーズとして独立することになる。
『密室のサクリファイス』や『女の子と密室にいたら○○しちゃうかもしれない。』などのインテンス脱出ゲーの源流となった作品でもある。
また、SIMPLEシリーズの中でもトップレベルの派生作品を持つシリーズでもある。
特徴
本作で既にシリーズの基礎は完成しており、どの作品もタイトル通り密室から脱出を目指すアドベンチャーゲームである。
画面上をタッチして脱出に必要な情報やアイテムを探り当て、それを当てはめたりしながら脱出を目指す。
ストーリー性に乏しかったり、あっても荒唐無稽だったりするものの、SIMPLEシリーズの中ではクオリティが安定しており、どの作品もさほどハズレがない。
2014年に本作の画質を向上させ、WiiUゲームパッドの操作に対応したWiiU版が発売された。
実質リメイクであるが、謎の内容などはほぼ変わっていない。
ストーリーは「鍵を残して消えた父親の行方を追い、主人公があらゆる場所を探索する」というこれまたシンプルなもの。
WiiU版の変更点
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タイトルの変更。
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ゲームパッド向けにテキストを変更。
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映像をアップコンバート。
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Miiverseに対応。
評価点
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推理する意欲と好奇心さえあれば誰でもプレイ出来るハードルの低さ。
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SIMPLEシリーズとして重要な部分の一つである「手軽さ」はしっかり押さえてある。
 
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値段のわりに謎解きパートはしっかりしている方。
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しっかりプレイヤーに考えさせる余地が用意されており、ヒントなどは薄いがちゃんと考えればわかる内容となっている。
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WiiU版は元が2,800円というパッケージソフトの値段をさらに抑えてあるため、1,000円でありながら値段以上に楽しめる密度になっている。
 
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BGM・SEはしっかりと雰囲気を出している。
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元が推理物であることから、ミステリーチックなBGM、SE、ジングルなど、安価なりに雰囲気作りに尽力している。
 
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タッチ画面をよく活かしている。
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アイテムなどはタッチによって裏返したりすることができ、ゲームの世界観にうまく入り込める作りになっている。
 
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多彩な脱出の舞台。
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和風の牢屋、倉庫内、何かの施設など、毎度舞台は様変わりするため、わりと飽きない作りになっている。
 
問題点
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操作方法などのヒントが薄い。
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いきなり要求される新操作などへの説明はあまりなく、そこで詰まるプレイヤーも多い。
 
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何もないところをクリックすると一々「何もない」と表示される。
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すぐ消えるから良いのだが、それ以外に情報が表示されるものや、物を拾った後の「そこにはもう何もない」は、若干メッセージ送り可能時間が遅いためストレスになる。
 
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一部、クリックしても反応が悪い箇所がある。
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謎を安易に説かせないための措置と言えるが、どうせなら他の方面で頑張ってもらいたかったものである。
 
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「脱出」ではなく「捜査」なステージがある。
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元が『THE 推理』なだけに、この点は仕方ない面もある。以降の作品はほぼ脱出などの謎解きがメインになっている。
 
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たまに雰囲気に見合わない呑気な台詞が入る。
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例えば、ステージ1においてはホテル火災に見舞われ、爆風で扉がひしゃげて脱出不可能になる。これだけ聞いてもかなりヤバイ状況なのだが……。
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命の危機が迫っているのにベッドを見て「フカフカのベッドだぁ」とつぶやいたり、ホテルの風呂場を見て「安っぽい作りだなぁ」と割合どうでもいいことを口にするのでシュールである。
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ただ、この点はSIMPLEシリーズらしいシュールさであるとも言える。
 
 
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もはや脱出ゲームである意義が見当たらない後半ステージ。
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ステージ7「入植」では時間制限がある。
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じっくりと謎を考えながら進めるのがメインのこのゲームと時間制限はただでさえ相性が悪いのだが……。
 
 
    
    
        | + | ネタバレ注意 | 
指定された形の鉱石(全4種類)を装置に入れることで10分の時間制限がリセットされるのだが、暗号を解くまでは3個までしか手に入れられない。そのうえ内1つはすぐに消費させられる。
暗号のヒントは装置の下の階にあるため、分からずに悩んでいる場合頃合いを見ていちいち上の階まで戻らなければならず非常に面倒。残り時間が表示されないのも拍車をかける。
暗号を解いた後はUFOキャッチャーの要領で鉱石を手に入れることが出来るのだが、正面からの視点固定のため奥行きの調整がしにくく、2回目以降は鉱石の種類が完全ランダム。それにもかかわらず鉱石は4個までしか持てない。
前者はボタンを離すタイミングのコツを掴んでしまえばそれほど気にならなくなるが、問題は後者。
鉱石はヒント入手にも必要となるのだが、この際にも特定のものでないといけないため運が悪いと小一時間UFOキャッチャーと装置を行き来するハメになる。
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ステージ8「宇宙」では初っ端から何故かマインスイーパを解かされ、しかもルールの説明は一切無い。
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因みに数回失敗するとゲームオーバーになるペナルティ付きである。
 
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最終場面ではいくつもの部屋が連なったフロアを攻略していくのだが、全ての部屋がほぼ同じ内観のため単純に見飽きるほか、構造が非常にわかりにくい。
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フロア中を動き回って謎解きをしなくてはならないのでかなり面倒な作業と化しており、攻略を見ずにクリアするのはそれなりの根気がいる。
 
    
    
        | + | 最後の展開(ネタバレ注意) | 
なお最後には謎の侵入者が登場し、倒す羽目になる。
脱出のためとはいえ大半のプレイヤーが求めているであろうゲーム性と大きくかけ離れている上に、再び先程のフロアを動き回らなければならないのも辛い要素。ここで挫折したプレイヤーも多いのでは?
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総評
説明不足と一部操作性の難は否めず、特に脱出ゲームという軸がブレてしまっている後半ステージは不評を買ってしまった。
とはいえ中盤までは堅実な出来の脱出ゲームとなっているので、手に取りやすい価格ということもあり謎解きゲームが好きな人であれば十分に楽しめるだろう。
その後
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本作は後に、様々なプラットフォームに展開されるようになった。
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特に多いのはステージ数を絞って価格を下げた『THE 密室からの脱出』シリーズ。この派生作品は@SIMPLEシリーズ(DL版シリーズ)の主力作品となり、2015年現在においてもリメイクを含めて展開は継続中。
 
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WiiU版は2014年のダウンロード売上げランキングでトップ25位中21位にランクインした。ちなみに『Wii Fit U』よりも売上が上である。
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2012年8月1日、『THE 密室からの脱出 ~推理番外編~』のタイトルでiOSに移植された。
最終更新:2023年12月28日 21:57