ONE PIECE アンリミテッドアドベンチャー
【わんぴーす あんりみてっどあどべんちゃー】
| ジャンル | アクションアドベンチャー |  
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| 対応機種 | Wii | 
| 発売元 | バンダイナムコゲームス | 
| 開発元 | ガンバリオン | 
| 発売日 | 2007年4月26日 | 
| 定価 | 7,140円(税込) | 
| レーティング | CERO:A(全年齢対象) | 
| 廉価版 | Welcome Price 3800:2009年11月5日/3,990円(税込) | 
| 判定 | なし | 
| ポイント | アンリミテッドシリーズの門出 良質なオリジナルストーリー
 原作での必殺技も再現した爽快感あるアクション
 連載時点までのボスキャラが続々登場
 良くも悪くも素材集めゲー、なのに倉庫は狭い
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| ONE PIECEシリーズ | 
 
概要
尾田栄一郎氏原作の海賊漫画『ONE PIECE』のアクションアドベンチャーゲーム。
格闘ゲームがほとんどだったONE PIECEにおいて、本作は珍しい3Dアクションゲームとなっている。
本作のストーリーはパラレルワールド的な解釈を多分に含んだオリジナルストーリーが展開される。
発売当時の最新のキャラとして、麦わらの一味にはフランキーが登場する他、ボスキャラもそれまでに登場したキャラを多量に登場させている。
映像はトゥーンレンダリングのようなものを用いており、原作やアニメとの印象の差は薄くなっている。
特徴
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本作は8人の麦わらの一味を操作しながら「人の想いを形にする宝玉」とされているオーブの封印を解くために突如現れた謎の島を探索するのが主な内容となっている。
 島の道中では様々な敵がルフィ達の行方を阻む。また、時には何かしらの障害物が道を塞いでいることも。このような障害物はオーブの力を使うことで突破できる。
 ただしオーブの力を使うには必要なポイント分アイテムをポイント化する必要がある。
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そのほかミニゲーム要素として釣りや虫取り、ツルハシによる採掘などを行うことも可能。これらはただのミニゲーム要素だけではなく、素材集めをする上で重要な要素となっている。
 
操作方法
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本作はWiiリモコン+ヌンチャク専用となっている。
 ヌンチャクのコントロールスティックを倒すことで移動を行う。Cボタンを素早く2度押しかつ、2度目の入力で長押しすることでダッシュが可能。ダッシュをしている間はSPを消費する。
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1ボタンを押すといわゆる主観視点のキャラクタービューに切り替わり、キャラクターの目線で周囲を見渡せる。
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Aボタンを押すと攻撃を行う。攻撃技は最大で3連続繰り出すことが可能。一部の攻撃技はボタン長押しで溜めることができ、溜めることで強力な攻撃を行う。
 Wiiリモコンを振ると特殊技が発動し、より強力な攻撃を行うことができる。
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CボタンとAボタンを同時に押す、またはCボタンを押しながらWiiリモコンを振ることでSPを消費して必殺技を発動する。
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AボタンとBボタンを押すことで回避アクションを行う。回避アクション中は一瞬だけ攻撃を無効化できる。
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敵や一部のオブジェクトに黄色の錨のようなアイコンが出た場合はZボタンを押すことで対象に狙いを定めることが可能。
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プラスボタンでメニューを開き、アイテムや一味のステータスを確認などを行うことができる。
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マイナスボタンを押すとキャラクターセレクト画面に入り、冒険するキャラクターを交代することができる。
 キャラクターセレクト画面ではZボタンを押すことで全員のHPやSPを一覧で表示可能。
 操作しているキャラクターのHPが無くなると戦闘不能となり、強制的にキャラクターセレクト画面に入る。一味全員が戦闘不能になるとゲームオーバーとなり、タイトル画面に戻る。
評価点
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完成度の高い世界観。
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本作は「オーブ」というアイテムをルフィが拾うところから全てが始まり、その矢先突如現れた島を麦わらの一味が冒険するのが大まかなストーリーとなっている。
 このオーブは冒険の鍵となるだけでなく、今まで戦ってきた相手や伝説的な存在を再現するものもあり、この設定を利用してかつての強敵を登場させている。
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島には場所ごとに四季が存在し、ゲーム的にステージのバリエーションを増やすための口実を上手いこと用意出来ている。
 舞台の世界観も秀逸で、一つの島なのにもかかわらず、まるで広大な世界を冒険しているかのような雰囲気作りはちゃんと出来ている。
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本作オリジナルのコスチュームデザインは、原作での麦わらの一味のコスチュームを元にしつつディティールの多いものとなっており、どのキャラの衣装も良く出来ている。
 
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誰でもプレイ出来る戦闘システム。
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基本的に操作は簡単であり、難しいコマンドが必要な技はほとんどなく、とりあえずボタンが押せてリモコンを触れればゲームは基本無理なく進められる。
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技にはレベルが設定されており、その攻撃を当てることで技のレベルが上がっていく。レベルが上がっていくと新たな技が開放されることもあり、キャラの強さも増していく。
 
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爽快感のあるバトル演出。
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技の再現度は高い方で、バリエーションも豊かなので使ってて楽しめる。
 特にギア2はルフィの性能が大きく向上するだけでなく、技もパワーアップするため使っていて特に爽快である。
 
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自由に麦わらの一味のキャラを交代させることが出来る。
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全員で冒険するため、麦わらの一味は全員ほとんどいつでも変更が可能。
 
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それぞれのキャラ個性を活かしたキャンプ要素。
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冒険の拠点となるキャンプでは仲間に頼んでいろんなものを開発することが出来る。
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例えば医者のチョッパーは薬の調合による回復アイテムの製造、ウソップはツルハシや虫取りアミや釣り竿といった便利アイテムの開発、フランキーは施設増強や戦闘で役立つ兵器制作、そしてサンジは体力(HP)と技ポイント(SP)の上限を増やす料理を作るなど。
 
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完全オリジナルストーリーなのに原作再現はバッチリ。
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原作とは一切関係ないストーリーの本作だが、オーブから登場する敵達は、全てルフィ達の記憶などから誕生し、原作とほぼ同じ台詞で戦いを挑んでくる。
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原作ではまだ実現していない対戦カードなどもあり、それらがストーリー性ありきで戦えるというのは熱い。
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シャンクス・ミホーク・白ひげといった面々は「所詮偽物、本物はこんなもんじゃない」という結論を一味が出すため、オリジナルの人物も貶めない。
 ボスとして登場する関係上、どの面子も鬼のように強く、一筋縄ではいかないので原作さながらの死闘を楽しめる。
 
 
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おまけ要素が多い。
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ストーリークリア後もいくつか解禁される要素がある。やりこみも可能。
 本編で倒したキャラなどを操作できるチームバトル&サバイバルモードは、大味ながらキャラの鑑賞に向いている。
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本編でも背景に「パンダマン」がいるなど、ファンならニヤリとする要素も。
 
問題点
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セーブが出来るのはキャンプのみ。
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キャンプは一つしかなく、セーブするにはそこまで戻らなくてはならない。
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アイテムの整理なども当然ここになる。それらのために戻るのはかなり面倒。
 
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アイテム収集がやや面倒なうえに倉庫が少ない。
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しかもアイテム収集が便利アイテムの製造など、ストーリーに関係しないものなら良いが、新たなストーリーやステージの開放に必要なため問題と言える部分。
 塞がれた道を開くためにオーブにアイテムの力を溜めるのだが、そのための素材集めは最初こそ楽しいものの、終盤になるにつれて条件が複雑化して面倒かつ退屈になる。
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アイテムの保管数は手持ちと倉庫をフル活用しても物足りず、スペースを開けるためにやむなく捨てたアイテムが後で必要になることも…。
 
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技のレベルあげが非常に面倒くさく、素材集め以上に作業感。
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新技は開放に必要な技のレベルを上げることで習得出来るようになるが、攻撃を当てないとレベルが上がらないので当てやすい技と当てづらい技でレベル格差が生まれる。
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特に後半に出せるようになる技や、ダッシュ技などは当てるために調整をしなくていけないことも多い。
 
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気軽に使えるダッシュがない。
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本作はダッシュをするにはCボタンを2度押しかつ、2度目で押しっぱなしにする必要があるやや面倒な操作が要求されるうえ、ダッシュをしてもそこまで早くならない。しかもダッシュする際は必殺技に使うSPを消費する。
 ちなみにダッシュで消費した分のSPは回復されないため、「スタミナパウダー」などのSP回復アイテムが必要。
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ダッシュから放つ専用技もあるが、使い勝手は必ずしも良いとは言えない。使えないわけでもないが。
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なお、通常移動時のスピードはそんなに遅いわけではないが、広い世界観とキャンプの往復からどんどん野暮ったくなる。
 
 
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ロードは長くないが、タイミングは多い。
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キャラ選択時は長すぎるとまでは言わないものの決して短くないロード時間があるため、気軽にキャラを変えられるとは言えない。
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ロード面で問題なのはギア2の技演出。必ずポンプのように血液を送り出しているシーンで少しムービーが止まる。
 恐らくこの時点でルフィをギア2仕様に移行させているためと思われる。
 
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ボスの必殺技の威力が強すぎる。
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ただでさえボスの攻撃力は高い上、攻撃で吹き飛ばす→超必殺技のコンボは逃れようがなく、一瞬で戦闘不能になりがち。
 本作は麦わらの一味全員が戦闘不能になるまでゲームオーバーにならないのがまだ救いではあるが…。
 
総評
新たなジャンルでのシリーズ1作目としては上々の出来と言える作品。
原作が好きなのであれば、良くしゃべり、良く再現されたキャラ達を自分の思うように操作することが出来る。
操作性もよく、アクションゲームが苦手な人や、初心者などでもそこまで操作に難しさは感じないだろう。
本作でもっとも長いと思われる収集要素はやや単調なうえ、システム的に不便さが目立つのは残念。
しかしながら本作の成功を機に、アンリミテッドシリーズとして新作が発売されてきたのは喜ばしいことだろう。
最終更新:2024年05月17日 23:28