重装機兵ヴァルケン2
【じゅうそうきへいう゛ぁるけん つー】
| ジャンル | シミュレーション |  
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| 対応機種 | プレイステーション | 
| 発売元 | メサイヤ(日本コンピュータシステム) | 
| 開発元 | TAMTAM | 
| 発売日 | 1999年7月29日 | 
| 定価 | 5,800円(税別) | 
| 廉価版 | サイクロンズベスト:2001年8月30日/2,000円(税別) | 
| 配信 | ゲームアーカイブス 【PS3/PSP】2009年3月25日/571円
 【PSV】2012年9月4日/572円(全て税別)
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| 判定 | なし | 
| ポイント | 2DアクションシューティングからSRPGにシステム変更 | 
| 重装機兵シリーズリンク | 
 
概要
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本作は従来の『
重装機兵
シリーズ』の世界観と同一である。
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本作は『重装機兵レイノス』のストーリーを『重装機兵ヴァルケン』の設定を加えて再構築したものとなっている。
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『レイノス1』の主人公がそのまま今作の主人公であり通信士もリーナのまま。『ヴァルケン1』の主人公はNPCとして登場する。
 
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本作は当初のリリースでは安彦良和のキャラクターデザインで3Dアクションシューティングになるとされ、安彦良和のイラスト入りのパンフレットが実際に配布されていた。
 ところが、キャラクターデザインは衣谷遊に、メカニックデザインは宮武一貴(スタジオぬえ)に変更となり、しかもシステムはSRPGとなった。
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デザイナーの変更については理由は知られていない。
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システムの変更については、装備を変更するシステムを違和感なく取り入れるにはシミュレーションが最適だと判断したためといわれている。
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『ヴァルケン1』を制作したスタッフは独立して大宮ソフトを立ち上げて既に『フロントミッションシリーズ ガンハザード』を製作している。このため、本作を担当したスタッフのうち前作に関わったスタッフは1人だけとされており、前作にあまりとらわれない大胆な決断を後押しすることとなった。
 逆に、『ガンハザード』は「まんま『初代ヴァルケン』」という声もある。
 
 
システム
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SRPGである
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戦闘で敵機に与えたダメージなどからパイロットに経験値、部隊には功績値が得られる。
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レベルは重装機兵の装備タイプ毎に分かれている。装備タイプは"Type A (偵察型)"、"Type B (近接型)"、"Type C (遠距離型)"の3種類がある。
 戦闘で得られた経験値は出撃した際の装備タイプのみに加算される。
 ただしどのタイプにも属さないNORMAL装備で出撃すると全タイプに経験値が入る。NORMAL装備は他の装備より守備力もしくは回避率が見劣りするものの、武器の選択の幅が広がるという利点もある。
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経験値が溜まると新しいサポートプログラムが使えるようになることがある。
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功績値が溜まると、新型の機体が使えるようになることがある。
 
 
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装備
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ゲーム内にお金の話は全く出てこず、ストーリー的には武器会社のバックアップを受けているため、お金を払って装備を買う必要はない。
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孤立無援な状況で続々と上位パーツが解禁されるのは奇妙ではある。
 
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ハンガーで装備を変更する
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パイロットを選び、マニュアルまたはオートで装備を決定する。
 パイロット毎に得手不得手な装備タイプが有り、いくら他のタイプのレベルが上っても、オートでは初期で得意なタイプでセットアップされる。
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例えば"Type B (近接型)"のレベルが上った場合、同じ"Type B"でも「白兵戦(格闘戦用)」タイプが選べるようになるなど、レベルに応じて新しい装備タイプが選べるようになる。
 
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サポートプログラム
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機体のオプション装備を使用するために必要。サポートプログラムがサポートしていない装備はたとえ搭載されていても使用できない。
 ただし、補助アーマーはその限りではない。
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使用できるサポートプログラムは、なぜか機体の種類ごとではなくパイロットのレベルに応じて違う。
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機体にインストールできるサポートプログラムは数に制限がある。
 
 
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作戦
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カタパルトに出撃するパイロットを登録する
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カタパルトの番号によってマップでの初期位置が変わってくる。
 
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APを消費して行動する
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移動や攻撃や装填は、機体及びパイロットのレベルによって上限が決定されるAPを消費して行う。APが残っていれば攻撃後の移動も可能。
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APは毎ターン付与されるが、使い残したAPを次のターンに繰り越すことは出来ない。
 
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作戦の内容は戦闘中の突発的なイベントによって変わること多々がある。
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ただし、HPや弾は回復していることが多い親切設計。
 
 
評価点
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広い戦術性
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出撃するパイロットも選べるようになり、そして使用する機体も主人公以外は重装騎兵、多脚砲台、戦闘機などの中から選択出来、装備タイプも重装備から軽装遠距離攻撃型まであり、さらに武器の選択、予備の銃弾や回復アイテム、補助アーマーなども追加可能で、非常に選択肢が多い。
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カタパルトの設定により出撃位置も変更可能。
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パイロットをどう育てるかという戦略性もある。
 
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作戦中にペナルティ無しで最初からやり直すコマンドがあり、リセットしなくて済む。
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ただし、前の作戦終了直後からのやり直しとなり、装備が変更できるのは嬉しいが、会話イベントもすべてやり直さなければならない。
 
問題点
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ビジュアルにこだわり過ぎている
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フォントがデザイン重視で、特に英字が読みづらいにも拘らず英字表記が過半を占め、普段あまり目にしない英単語も多く、さらに略されていることもあり、何が書かれているのか判別しにくいモノが多々ある。
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装備変更画面では、文字がさらに小さく肝心のパラメータが見辛くなっている。
 
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戦闘シーンがスキップできない
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もともと3Dシューティングとして開発されていたため、戦闘シーンは確かに刺激的で良い出来だが、結果的にテンポが削がれることとなっている。
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NPCの戦闘はオプション設定でスキップ可能だがプレイヤーが動かすキャラへの攻撃はスキップできない。
 
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照準
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攻撃対象を選ぶ際にFPSのような照準を手動で合わせる必要があるのだが、『戦場のヴァルキュリア』のように照準の合わせた位置によって与えるダメージが変わるわけでもなく、正面からでも背後からでも同じ結果となることから、その演出が毎回入るのは正直煩わしい。
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しかも、敵機はごちゃごちゃと動くため照準が合わせ難い。
 
 
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これまでの作品と同様に戦闘中に会話シーンが挿入されるのだが、会話を行うキャラが既に撃破されてフィールドから撤退している場合には、会話イベント自体が発生しない。
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ゲームシステム的に撃破されてもキャラロストしないため、会話イベントがあったことに気づかないまま次の作戦に進んでしまうプレイヤーもいるのではないか。
 
総評
グラフィックは凝っているため見応えはあるものの、デザイン性を優先して操作性を犠牲にしているため、プレイに多少のストレスを感じる。
装備の購入に悩む必要が無いこともあり難易度はそこまで高くなく、SRPGが初めての人でも問題ないレベルとなっている。
製作者がゲームのシステムを変えてまで語りたかったストーリーは『レイノス1』のトレースとなっているものの、テスト機体の暴走の謎などの様々な謎によってプレイヤーを惹き込む展開となっている。
その後の展開
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10年の歳月を経て、イエローサブマリンから本作登場の重装機兵のガレージキットが発売された。
最終更新:2021年05月07日 13:19