Killing Floor
【きりんぐふろあ】
ジャンル
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CO-OPサバイバルホラーFPS
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対応機種
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Windows
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開発元 発売元
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Tripwire Interactive
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発売日
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2009年5月14日
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定価
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Steam:1,980円(税8%込)
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プレイ人数
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1~6人
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判定
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良作
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Killing Floorシリーズ:1 - 2
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概要
元々は『Unreal』シリーズの1作であり、マルチプレイ特化のFPSである『Unreal Tournament 2004』のMODとして開発されたゲームだった。
だが、非常に人気が高かったためMODの開発メンバーごとTripwire Interactiveが買い取り、単独販売されるに至った。
MOD出身ということもあってユーザーのカスタムマップやルールが豊富。100を越すマップを遊ぶことができる。
英語のみだが有志によって一部日本語化されている。だが、そこまで難しくないのでわざわざ日本語化する必要もない。
大量のゾンビ相手にCO-OP前提ということで、『LEFT 4 DEAD』シリーズとよく比較される。
だが、あちらが敵から逃げ延びて生き残るのが目的ならこちらは敵を殲滅させて生き残るのが目的となる。
システム
Wave
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1Waveにつき指定された数の敵を倒すことでインターバルを置いて次のWaveへと移行する。基本的に後のWaveの方が強力な敵が登場する。
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Waveの数は難易度やルールによって異なるが5~10Waveが基本となる。
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Wave中にプレイヤーが死亡すると次のWaveまで復活はできない。また所持していた武器も無くす。全プレイヤー死亡でゲームオーバー。
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全Waveを終えるとボスが登場し、ボスを倒すとゲームクリアとなる。
装備
本ゲームには装備品ごとに重量が設定されており、一部のPerkを除き制限(15kg)を越えて持つことは出来ない。
逆に制限内なら自由に持ち運べる。例えばプライマリやセカンダリを2丁ずつ携行することもできる。
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格闘
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ナイフなどの弾を必要としない接近戦用武器。
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ナイフは無いよりはマシ程度だが斧や刀は格闘が得意でないPerkでも主戦力たりうる。
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格闘武器を持つと銃より移動速度が少しアップする。
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セカンダリ
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無いよりはマシ程度だが、Perkによってはスペシャル武器をポンポン撃てないので雑魚はコレで相手をする必要があったり、他Perkのプライマリ並みに威力を引き上げるPerkもある。
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スペシャル
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強力だが基本的に重いものが多く、なかには10kgを超えるものも存在し装備の幅を制限する。
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しかしその分威力は高く、大物を一撃で倒すことも出来る。
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補助装備
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上記に該当しない、全Perkの共通装備。
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ハンドグレネード、ライフジャケット、注射器、溶接機が該当。
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ハンドグレネードはPerkに寄って微妙に性能が異なる。ライフジャケットはHPをある程度肩代わりして被ダメージを軽減出来る。
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注射機はチームメイト若しくは自分の体力回復だが、基本的にチームメイトに対してなら連続で2回分使える。
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溶接機はマップ内の扉を溶接し、敵に壊されるまでの間は侵攻ルートを減らすことが出来る。
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敵は扉を優先して攻撃し易いので、マップによって扉を囮に使ったり、生命線として死守したり戦略が異なる。
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重量は全部まとめて1kgで固定。
Perk
他FPSで言う所の兵科のようなもの。持てる武器に制限はないが、得意とする武器やPerk特性などが異なる。
後述のTraderでPerkの得意武器は値引き販売される。
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Field Medic
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回復に特化したPerk。注射器の回復速度やライフジャケットの耐久力が上がり、グレネードにも味方の回復効果が追加される。
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メンバーの生存率があがるがダメージボーナスがないので、チームにいすぎると殲滅力が下がり、敵に対抗できなくなる。
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Support Specialist
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ショットガンや溶接が得意。また所持可能重量を増やすことが出来る唯一のPerk。グレネードは威力も上がる。
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扉の溶接速度が上がるので、敵の足止めが行いやすい。またショットガンは大型の強敵に威力を発揮するため、地味ながら重要なPerk。
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Sharp Shooter
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ヘッドショットにダメージボーナスが付くPerk。
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強敵を少ない弾数で素早く倒すことができるが正確なAIM力が要求される。特に強力な武器は弾倉の数が少ない。
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Commando
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アサルトライフルにダメージボーナスが付くPerk。
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また、敵の体力ゲージが表示されるため透明な敵にも対応しやすい。弾数も豊富なので初心者向けPerkだが、それでもヘッドショットを狙えないとジリ貧になる。
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Berserker
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近接攻撃が得意なPerk。移動スピードと防御力もあがる。
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高い耐久力を活かして囮役としても活躍できるが、敵の攻撃をまともに受けるので立ち回りが重要。
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Demolition
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爆発物に特化したPerk。グレネードも威力アップ。
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爆発物は強力だが粉塵による視界の妨害や自爆には注意。また、弾数も少ないので慎重に立ち回りたい。
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Firebug
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火炎放射器が得意なPerk。敵や味方の火炎弾に耐性があり、炎上しない。レベルが上がるとグレネードで自爆しなくなる。
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大量の雑魚の殲滅力はあるが、HPの高い強敵は不得意。
各Perkは特定の行動をこなすことで最大6までレベルアップする。
各Perk毎にレベルが設定されており、レベルアップで初期装備が9mmハンドガンからPerkに対応した強力な物となり、レベルアップでPerk特性もパワーアップする。
Trader
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各Waveの合間にだけマップのどこかに現れる武器商人。敵を倒して得たお金で武器のアップグレードや弾薬の補充ができる。
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イギリスが舞台なので通貨はポンド。キャラクターたちもイギリス訛で話す。
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基本は女性が店番をしているが、コラボで別のキャラが担当することもある。
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出現ポイントは決まっているが、次にどこに現れるかはWave毎にランダムに決まる。
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60秒(Beginnerでは90秒)という短い時間なのでWave最後の敵はTrader付近まで引きつけて倒すのが暗黙の了解。
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ここでWave間につき一度だけPerkを変更できる。
Zed-Time
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いわゆるバレットタイム。プレイヤーの誰かがヘッドショットで敵を倒すと、全プレイヤーが同時に一定時間スローモーになる。
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Zed-Time中にヘッドショットをすると時間を延長できる。
評価点
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大量の弾丸と大量の敵が織りなす爽快感溢れるFPS
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大量に現れるクリーチャー(Specimen)を大量の銃弾と爆薬でなぎ倒す爽快感溢れるゲーム。
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元が古いゲームだったためか、ヒットボックス(当たり判定)が結構大雑把。FPS初心者にもおすすめ。
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フレンドリファイアもないため混戦でも遠慮なくぶっ放せる。
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弾切れはあるが、マップにポップするアイテムで補給も可能。思う存分トリガーハッピーを満喫できる。
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協力プレイ
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仲間との協力を前提とした難易度である。強敵や大量の敵を協力して切り抜けるカタルシスは他のゲームでは味わえない特徴。
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所持金や武器を渡すことができるので、途中のWaveから入ってきた人に渡してあげることで素早く戦力補給ができる。
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1人のうまいプレイヤーで殲滅もできなくはないが、あまり効率的ではない。
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個性豊かな敵
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本作は生化学実験で生まれたSpecimenと呼ばれる化物から生き延びることを目的としている。
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ゾンビのように鈍重な者から透明になって忍び寄ってくる者、巨大で強力な者など多彩な敵を相手する。
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敵によって倒し方の最適解が異なるため、チーム内でPerkのバランスをとり、協力しあって倒すことになる。
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多彩なカスタムマップ
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上記の通りユーザーによるカスタムマップやルールをサーバにおいて誰でも気軽に遊べるようになる。
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基本はWaveごとに現れる敵を殲滅するのみだが、ゴールまで生き延びることを目的にしたマップやバイオハザードを模したマップなど色々。
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申し訳程度の課金要素
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DLCなどで課金要素はあるが、そのほとんどはキャラの見た目変更。なくても攻略にはまったく困らない。
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後年になって武器パックの販売を始めたが、すでにデフォルト武器での攻略が確立していたためやはり無くても問題ない。あれば楽になるが無くてもどうにかなる程度の性能。
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さらに後年にはデフォルト武器の弾薬を値上げするなどのテコ入れもあったが、ささやか過ぎてやはり問題視されなかった。
賛否両論点
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初心者に優しくないゲームデザイン
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ソロプレイモードがあるが、マルチプレイとの違いは同じルールを1人でさせられるオマケのようなもの。
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当然難易度が高いため生き残るのは困難極まりない。ソロでセオリーを覚えてから、といったことは出来ないと考えた方がよい。
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一応1人用に敵の出現数、最大体力やプレイヤー回復速度などは調整されるが、Beginner以外のクリアにはコツが必要。
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Normal以上でもBerserkerやFire bugでマラソンし、ボスはDemolitionで倒せるがその経験はマルチではあまり活かされない。
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そのため、ゲームを楽しむためにはマルチプレイに飛び込むのが一番だが、篭り場所やWaveの最後の敵はTrader付近まで引っ張るなど、暗黙の了解を理解するまではなかなか楽しめない。
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ただ、こういった問題は低難易度モードで勝手に覚えていくので問題視するほどでもないだろうか、
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参加人数で難易度が異なる
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最大6人参加できるが参加人数によってWave毎の敵の体力や湧き数が異なってくる。
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1人はもちろんのこと、2人や3人でも最後まで生き残るのは難しい。逆に6人だと非常に楽になる。
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この温度差が非常に激しくバランスが悪く不満に感じるプレイヤーもいる。
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鯖立が面倒
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古いゲームなのでDedicatedサーバー形式で、自分でサーバーを立てるには手動でポートを開放したり初心者にはハードルが高い。
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一応自サバに拘らなければゲーム自体は普通に楽しめる。
問題点
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マップは多彩だが戦略は単純
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基本的にどのマップでも有効なキャンプに適した場所を見つけ、味方と固まって籠城し、向かってくる敵をひたすら撃ち倒すのみである。
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敵の種類は多いが、マップごとに異なる動きも見せないため10Waveもこなせば一通りの敵を見ることができる。
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季節限定マップなどでは異なる敵(限定グラの中身は通常敵)が現れたりする。
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デフォルトが単純な分、カスタムマップで色々遊べるようにはなっている。
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全体マップが無い
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マップ構造は複雑なものが多いが、ゲーム中に全体マップを確認できない。繰り返し遊んで覚えるか、メンバーからはぐれないよう頑張るしかない。
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立体構造だとマップを作り辛かったり、そもそも全体マップが標準搭載のゲーム自体は多くはない。しかしチームに一人欠員が出ただけで難易度が急変する、チームワークが大事なゲームなのでなにか欲しいところではある。
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死亡したりゲーム参加前の状態だとカメラを自由に動かして周囲の様子を探る機能はある。
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Waveの途中ではゲームに入れない。
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途中で入った場合インターバル(Trader)まで待つことになる。
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しかし、途中からの参戦だと初期装備と少ない所持金しかないので戦力を整えるのは難しい。特に終盤近いと生き残りは絶望的。
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Perkのレベルが高くなると初期装備が強力になるため即戦力になるが、高レベルになるには結構な時間がかかる。
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高難易度ともなれば敵の数も増えてくるため、スポーン直後の初期装備では弾がまったく足りない。
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先に参加しているプレイヤーからお金を貰えれば整えることもできるが、インターバルは短いため素早くこなす必要がある。
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Traderの出現位置がスポーン地点から遠かった場合はもうお手上げといわざるを得ない。
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また、キャンプが基本になるゲームデザイン上、Wave数にもよるがゲームに参加できるまでの待ち時間が長い。
総評
古いゲームを元にしたゲームだが、現在までもプレイヤーの多いFPS史に名を残す名作である。
Steamで英語のみで日本語未対応となっているが、安価でお手軽なので気軽に楽しめることができる。
ただし、Steamではレーティング無しだがCERO:Z(18歳以上のみ対象)に相当する残虐表現があることは要注意である。
また、続編の『Killing Floor 2』がWin/PS4/Oneで発売されているので、そちらもチェックしてみてもよいだろう。
最終更新:2022年02月25日 12:00