忍者龍剣伝
【にんじゃりゅうけんでん】
ジャンル
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アクション
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対応機種
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アーケード
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発売元
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テクモ
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開発元
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テクモ(ストロングチーム)
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稼働開始日
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1989年2月
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配信
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アーケードアーカイブス 【Switch・PS4】2019年5月9日/823円(税込)
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プレイ人数
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1~2人(同時)
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判定
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なし
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ポイント
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忍者龍剣伝/NINJA GAIDENシリーズの源流 異様に濃いグラフィックと世界観 ゲームバランスは練られているが痛いバグあり 高評価のBGM
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忍者龍剣伝/NINJA GAIDENシリーズリンク
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概要
アーケードゲームとして稼働していた忍者龍剣伝シリーズの第1作目。開発は『スターフォース』『アルゴスの戦士』のストロングチームが担当。国内ではFC版の後に稼働したが、
本作が1作目として扱われるのは初めてシリーズ作品が世に出たのが本作の北米版であるため
。後のシリーズ作品とはストーリーや時系列面での繋がりはない。
『ダブルドラゴン』や『ファイナルファイト』的なベルトスクロールアクションゲーム。忍者らしいアクションもあるものの、基本的には生身での泥臭い格闘戦がゲーム性の中心となっており、後発のFC版とはかなりイメージの異なる作品である。
なお本作の主人公は「忍者」としか表記されておらず、FC版忍者龍剣伝シリーズやNINJA GAIDENシリーズの主人公リュウ・ハヤブサと同一人物かは明言されていない。
ストーリー
1999年、アメリカのアルカトラズ監獄で大規模な脱獄事件が発生。事件を裏で手引きしていたのは、ノストラダムスの末裔である悪の総帥『ブレードダムス』であった。ブレードダムスはノストラダムスの大予言を実現させ、世界を破滅に導こうとしていたのである。彼は脱獄犯達を手引きしアメリカ全土へ拡散させて巨大な犯罪組織を作り上げ、遂にアメリカ大統領を誘拐。ICBMの発射スイッチを手中に収めた。
うかつに手出しができなくなった政府は、東京から二人の伝説の暗殺者『忍』を呼び寄せる。忍者はブレードダムスとその組織を壊滅させるため、アメリカの都市ジャングルへ旅立つ。
システム
1レバー2ボタン式のベルトスクロールアクション。レバーは本作独自のもので、縦に細長く頂点にボタンが付いている。出現する敵を倒しながら進んでいき、ステージの最後にいるボスを倒せばクリア。全6面1周エンド。
レバーと「跳べ」「闘え」「握れ」(※公式名称)の3ボタンを使い、忍者五体技と呼ばれる動作を使い分けて進んでいく。レバーに付いたボタンは「握れ」を担当し、看板や木の枝などに掴まる事が出来る。この状態からジャンプや攻撃も可能。
ライフは初期設定で3メモリ。3発分の攻撃を受けることで1メモリ減り(丸太男の丸太攻撃など1発でライフが減る攻撃もある)、ライフが減ると必ずダウンする。空中で攻撃を受けた場合はメモリが減らなくてもダウンする。ライフが全て無くなると1ミス。落とし穴に落ちた場合はライフ残量に関係なく1ミスとなる。
2人同時プレイ可能。
基本操作一覧
忍者五体技
名称
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操作
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説明
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三段連続拳
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闘えボタン連打
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拳と蹴りによる3連続の打撃攻撃。基本となる攻撃手段だが、 タイミングを間違えると逆に連続攻撃を喰らうリスクがある。 また、攻撃しながら左右にレバーを振ることで 前後の敵を殴り飛ばすことが可能。剣を持っている間は使えない。
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飛鳥返し
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跳べボタンor 壁(オブジェクト含む)の近くでレバー前
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ジャンプ動作。緊急回避にも攻撃にも多用する。 またジャンプ中はどんな攻撃を喰らっても 1発でダウンするため、連続攻撃を受けずに済む。
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首切り投げ
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跳べボタンでの飛鳥返し中、 敵の頭上付近で闘えボタン
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敵の首を掴んで投げ飛ばす。投げ動作中は無敵。 三段連続拳1セット分の威力を持ち、敵を大きく吹っ飛ばせる。 ただし技の終了後に大きな隙があるのが欠点。 剣を使わないため、温存したい時にも便利。 通常、ジャンプ中はこれ以外の攻撃手段は使えない。 掴み判定にやや癖があり、しっかり敵の頭部近くに跳ばないと投げられない。
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綱渡り術
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鉄棒や木の枝等の近くで握れボタン
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ものにぶら下がる。この状態から跳んだり、反動蹴りを出せる。 4面後半の川はこの技で木の枝を飛び移っていかないと、 ノーミスでの突破は不可能。
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反動蹴り
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ぶら下がった状態で闘えボタン
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身を伸ばして両足で蹴る。 リーチが非常に長く、首切り投げと威力は同等。 但し出が遅く、引きつけすぎると逆にボコボコにされてしまう。
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その他の動作
名称
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操作
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説明
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ハイジャンプ
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レバー上+跳べボタン
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画面奥へ大ジャンプする。高い崖へ飛び移ることもできる。 囲まれた状態からの脱出に役立つ重要動作。 動作中は攻撃できない。
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剣
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剣を持って闘えボタン
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龍剣で斬りつける。リーチが長く攻撃発生も早い強力な武器。 一発で三段連続拳1セット分のダメージとダウンを奪える。 ただし、10回当てるとなくなってしまう。
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飛鳥返しからの剣攻撃
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剣を持ち、壁を経由した 飛鳥返し中に闘えボタン
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飛鳥返しで敵の背面を取り、剣で斬りつける。 隠し操作で存在自体知らない人もいるかも知れない。 魅せ技としての要素が強く、使わなくてもクリアは可能。
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アイテム一覧
ステージ内にはドラム缶や看板などのアイテムが入ったオブジェクトが複数存在し、首切り投げなどの攻撃で敵をふっ飛ばしてぶつければ破壊可能。自機が吹っ飛ばされた場合も後方にオブジェクトがあれば破壊される。逆に言うと敵がいなければオブジェクトの破壊は不可能。
出現アイテムはオブジェクトの場所によってランダムか固定かが決められている。
アイテム
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効果
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剣
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剣を使用可能になる。 敵に10回当てるか次のステージに進むと消滅。確定出現ポイントあり。
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カプセル
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ライフを回復する。青は1ポイント、赤は全回復。 確定出現ポイントあり。
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時計
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残りタイムが20カウント回復する。
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宝石
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得点アイテム。小は100点、大は300点。
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忍者の人形
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残機が1増える。本作唯一の1UP手段。 確定出現ポイントが数カ所あるので、 1コインクリアを目指すなら取り逃がさないようにしたい。
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濃い世界観
いわゆる「典型的なアメリカ人の間違った日本&ニンジャ観」を前面に押し出した世界観となっており、独特の演出センスや全体的なグラフィックの塗りの粗さも手伝って異様な雰囲気を醸し出している。突っ込み所も非常に多いため、本作はバカゲーと受け取られることも少なくない。
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主人公がとにかく必要以上にムキムキマッチョ。腕の太さが尋常ではない。小柄で華奢、素早い忍者という今までの概念をひっくり返す程である。
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アドバタイズデモで主人公が刀で素手のホッケーマスク男とぶつかり合うが、どう考えても主人公の方が圧倒的に有利に見えてしまう。
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タイトル画面やステージクリア時の「忍者、龍剣伝!」と言うボイスが「忍者、ゆうてんねん!」とネタにされやすい。
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ゲーム開始直後のオープニング画面で忍者が一人、木の小船に乗って『NINJA in U.S.A』。忍者以外載っていないように見えるが、よく見ると漕いでいる老人の背中が見える。
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バーからドアごとホッケーマスク男を張り倒して力士が出てくる。しかも背中に入れ墨を彫り、まわしを着けた土俵入りスタイル。
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力士は突っ張りの攻撃発生が早く、大きく前に踏み込むためリーチも長いとゲーム全体を通してもかなりの難敵となっている。剣を持って来られれば楽になるのだが。
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車が多数走っている道路を律儀に通る忍者。撥ねられれば当然ダメージ。
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掴めるパイプがあるため、忍者らしく綱渡り術で飛びながら渡っていくことも可能。ただし歩いて渡った方が楽ではある。
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『熱血硬派くにおくん』のように、バイクに乗って突っ込んでくる敵もいる。
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渓谷の川から胴体の長い海坊主が出てくる。
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各ステージクリア時に挿入される一枚絵が突っ込み所満載の内容。
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任務の合間の主人公が描かれるが、どれも明らかに本来の任務からかけ離れたことをやっている。寿司屋に寄る、列車に乗って新聞を読むのはまだ序の口で、面が進むと頭巾を被ったままのスーツ姿でカジノで遊ぶ(しかも無駄に勝っている)、滝でカヌーを楽しむ、映画に出演と、全然忍ばないどころかアメリカンライフをエンジョイしている。
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ちなみに、このアイキャッチ時のBGMは全ステージ違っており、無駄に凝っている。
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コンティニュー画面は「磔にされた主人公の上から回転ノコギリが迫ってくる」というもので、絵的にも非常にエグい。しかも周囲でやたら濃い面構えの魑魅魍魎の群れが嘲笑う。人によっては見たらトラウマになりかねない。
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ゲームオーバー時のBGMに何故か「どすこいどすこい!」と言う力士の声が入っている。凄惨なイメージを軽減するためなのかは不明。
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ネームエントリー画面は木版の隙間から男が血眼でこちらを見ているという、これまた他に類を見ない異様なものとなっている。デモ画面時のみ、更にギョロギョロ左右を見渡す演出がある。
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なお誤解されがちだが、本作では流血・身体切断などの演出はない。ゲームオーバー時も画面がレッドアウトするに留まっている。残虐演出が顕著になったのは開発チームの次作である『ワイルドファング』から。
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最終面は不気味な仮面の壁画、磔にされた女性のステンドグラス等があって趣味が悪い。かと思えばラスボスの部屋に金魚の水槽が置いてあったりとカオス。
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エンディングについて
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エンディングでも老人が漕ぐ小船に乗って「BACK TO TOKYO」。
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EDのBGMは微妙にアレンジが掛かっているが、どう聞いても坂本九の『上を向いて歩こう(SUKIYAKI)』。重々しい最終面のBGMの雰囲気から一転して、脱力感が凄まじい。
上を向いて帰ろうとでも言いたいのか。
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しかもその忍者の帰る東京も東京タワーがあると思ったら富士山や五重塔や奈良の大仏らしきものがあったりと、これまたカオス。
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その後のスタッフロールでは椅子に足を組んでふんぞり返る主人公の一枚絵が表示されるが「悪人にしか見えない」「邪鬼王より邪悪そう」とネタにされている。
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評価点
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位置取りや攻撃のタイミングが重要な、緊張感のある戦いが楽しめる。各々の場面でダメージを喰らわずに進めるかはプレイヤーの立ち回りにかかっており、純粋な実力と状況判断力が試される。
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自機の忍者は敵を圧倒できるような性能は持っていない。突出して強い行動もなく、状況に応じて使い分ける必要がある。
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ハイジャンプは敵との間合いを取って仕切り直すのに大いに役立つ。ただし画面奥にいるとその逃げ道がなくなってしまうため、できるだけ画面手前で戦うのが本作のセオリーである。
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確定でカプセル・剣・1UPアイテムが出るオブジェクトを覚え、確実に取るようになれれば攻略が楽になる。
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敵は一斉に殴りに来るわけではなく、時間差で波状攻撃をかけようとする。他の敵との応戦中に背後に回って来ることも多く、左右両方殴り飛ばす、首切り投げで片方を遠ざける、逃げると言った対策は必須。
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高次面になるほど敵の攻撃までの隙が少なくなっていき、真正面から戦うだけでは被害が大きくなってしまう。そのため地形をフル活用する必要があり、立ち回りにおける戦略が重要視される。
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高低差のある場所では敵と違う地形に予め陣取って敵が上り下りしてきた所を殴り倒したり、握れるものがある場所では威力とリーチに優れた反動蹴りを活用して敵を片付けていくと言った戦法を取る必要が出てくる。
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ただし反動蹴りは使える場所が決まっていて、無闇に多用するとオブジェクトを破壊するための敵を全部片付けてしまいかねない。また、丸太男は反動蹴りの間合い外から攻撃を狙ってくる場合があるため、その場合は飛んで間合いを離すと言ったことも必要になってくる。
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空中からの地上投げ「首切り投げ」を採用したこと。
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敵の攻撃をジャンプでかわしながら投げるという攻防一体の技で、AC版龍剣伝を象徴する技とも言える。アクションゲームにおいて空中からの地上投げはあまり採用例がなく、本作の個性ともなった。
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投げ動作中は無敵だが動作の終わり際に隙があり、状況によっては出すと残った敵の反撃を喰らってしまう場合もあるため、これだけでは進めないバランスとなっている。
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ちなみに一般的なアクションゲームの投げ技と違い、投げた敵に攻撃判定はなく、他の敵へぶつけてダウンさせることは不可能。
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メタルユーキ(斎藤幹雄氏)によるBGM。
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FC版とは全く異なる曲となっているが、その多くは場面のイメージに合った分かりやすく聴き応えのある曲。バリエーションも豊富で、似たようなイメージの曲は少ない。
賛否両論点
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テクモシアターとして発売されたFC版と違い、ストーリー演出は皆無と言ってよい。
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そもそもどんなストーリーなのかということ自体、ゲームだけでは一切分からない。上記のストーリーにあった大統領やICBMの話も完全にスルーされている。
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一応、このようなことはアーケードゲームでは珍しくないと付け加えておく。
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やたら自己主張する制作チーム。
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アドバタイズデモからしてストロングチームのロゴから始まり、ステージ中でもしばしばストロングチームの広告を見られるのだが、目立つ場所にあまりにも大々的に広告されている。人によってはくどく感じるかも知れない。
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敵忍者のグラフィックが主人公の色違い。
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自機をそのままザコ敵に流用している例はあまり類を見ない。色は大きく違うので、自機と敵を見間違えることはまずない。
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なおこの敵忍者は首切り投げをすると受け身を取り、ダメージを連続拳1発分に軽減する。低確率ではあるが刀を振ってくることもある。
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ラスボスのブレードダムスが弱い。
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一応初見殺し要素はあるが、行動法則さえ知ってしまえば一気に弱ボスと化す。攻撃発生が特別早いわけでもなければ耐久力も他のボスと大差なく、慣れてしまえば呆気なく殴り倒せてしまう。はっきり言って6面道中のザコの方が手強い。
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見た目も肉体派の幹部と言った趣であり、加えて野球の審判のセーフにしか見えない斬り攻撃や、今一つ迫力のない炎を吐くなど組織の大ボスらしい威厳が感じられない。
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後者の炎を吐く攻撃は漫画『北斗の拳』でやられ役のザコが使った「火闘術」に動作が似ていると言われ、ネットでは「これが元じゃ弱くてもしょうがない」と言われたことまである。
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ラスボス戦のBGMはかなり気合いが入った作りとなっているが、意図的に戦闘を長引かせないと完全に聴けない。尤もボスの動きは遅く、逃げ続けること自体は簡単。
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全体を通して露骨なパロディが目立つ。
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分かりやすいのは先述のジョジョネタだが、他にも2面ボスの見た目やBGMが当時存在した海外プロレスのロードウォーリアーズそっくりだったりする。
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BGMもどこかで聴いたことのあるような曲がちらほら見受けられる(更にそういった曲は曲名も原曲と酷似している。許諾を得ているのかはソースがなく不明)。
問題点
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デフォルト設定では初期ライフが3、残機が1しかない。
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殆どの敵は一度攻撃がヒットするとダウンするまで連続で攻撃を加えてくるため、少しのミスで残機を持って行かれてしまう。操作や立ち回りを覚えるまでは、1面でゲームオーバーになってしまう可能性も高い。
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ジャンプを多用することで、打撃のダメージは軽減可能。
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1UPは確定出現ポイントが幾つかあるが、ライフ上限は最後まで変化しない。
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筐体によってはオプションでライフ上限や残機を上げた状態で稼働していることもある。また、家庭用版では自分でこれらの設定を変更可能。
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忍者とは思えないほど移動速度が遅く、スピード感は期待できない。
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敵も全体的に移動速度が遅いので、攻防はじりじりとした地味な展開に終始しがち。
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本作は後のシリーズ作品と異なり、手裏剣や忍法が存在しないため遠距離攻撃は不可能。
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壁やオブジェクトの近くで飛鳥返しが暴発しやすい。
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壁方向にレバーを入れるだけで出る上、飛鳥返しの出る判定が広めなのが原因。更に壁からの飛鳥返しは首切り投げができない。後方の敵の目前に突っ込んで殴られることもあるので困りもの。
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ライフが0になってやられた場合、タイムが回復しない。
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このため、もしタイムが0になる近くでライフ0でやられると、すぐにタイムオーバーが発生して更にもう一機減ってしまう。
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通常はステージ中の特定地点を通過するとタイムが99までリセットされるため、意図的に同じ場所へ居座らない限りタイムアップが発生することはないように作られているはずだったのだが、後述のバグのせいでこの問題が深刻なものになってしまった。
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残りタイムが99にリセットされる特定地点を通過しても、タイムがリセットされないバグが発生することがある。
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主に発生するのは2面と5面。どちらもその後のタイムリセットポイントはなく道中も長いため、発生してしまった場合タイムオーバーはまず免れない。しかも結構な確率で発生するのが困りもの。
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タイムを回復する時計は出現が完全ランダムで、あてにすることもできないのが更に問題。
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もしバグが起こってしまった場合、ライフが0になる前に必ずタイムオーバーでミスすること。
AC版のみの問題点
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独自のレバーを採用している関係で、レバーが故障すると交換が難しい。
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『怒』のループレバー、『ロストワールド』のローリングスイッチ、『超絶倫人ベラボーマン』のベラボースイッチなど、独自のレバーやボタンを採用したACゲームでは避けて通れない問題である。
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具体的にどういったレバーかと言うと、ナムコの『アサルト』などと同種のレバーであり、縦長のスティック状のレバーの頂点にボタンが付いていた。
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…と、いかにも問題点かなにかのように語ってきたが、実際は通常のレバーに3ボタンの配線をすれば操作には困らない。むしろ普通のベルトスクロールアクションなのに、縦長レバーで操作する純正の操作系の方が遊びにくかった。
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実はDIPスイッチの設定で通常の3ボタン設定(JAMMA規格標準仕様)に切り替えが可能になっている。これは同じレバーを使用した『シルクワーム』でも同様である。
総評
「異様な世界観」「高い難易度」「エグいゲームオーバー画面」と言ったイメージが一人歩きして語られがちな本作品だが、内容はアクションとしての攻略性と上達する楽しみに重点を置いた、ストイックな作りのゲームである。やり込んでいくと、自機の性能・敵のアルゴリズム・アイテム配置などがしっかり調整された作品であることが分かるだろう。バグの存在が理不尽な形で難易度を上げてしまっているのが残念でならないが、1UP自体は確定出現ポイントが4箇所ある為、バグで残機が減ったとしても1クレジットクリア自体は可能。
独自レバー採用のため汎用性に欠けることから、稼働当時の出回りはあまり良くなかったようである。AC版はレバーが故障すると再稼働が難しいこと、長らく移植されなかったこと、FC版の評価と知名度が高かったことなどが重なりプレイヤー人口は少なかったと見られ、そのまま埋もれてしまうことになった。しかしFC版には継承されなかった首切り投げや飛鳥返しと言ったAC版ならではのアクションは、後年の『DEAD OR ALIVE』シリーズや『NINGA GAIDEN』シリーズに反映されている。
現在プレイするならば移植版で遊ぶことになるだろう。家庭用ならば設定でライフや残機を自由に増やせ、クレジットも使い放題なので、クリアだけならかなり楽になる。
海外版について
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FC版同様、海外版のタイトルは『NINGA GAIDEN』。つまり海外ではAC版の時点で既に外伝と呼ばれていた。
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GAIDENと付けられた理由は「現地での格好のいい響きのよさ」からとの事で、別に何かの外伝という訳ではない。その為、後のNINJA GAIDENシリーズに至るまで本伝でありながら外伝を名乗り続けてる訳である。
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北米版の稼働は1988年10月で、国内FC版の発売よりも先。
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タイトル画面やステージクリア時の「忍者、龍剣伝!」のボイスがない。
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4面のBGMが重々しい雰囲気の『大自然のシンフォニー』ではなく、激しい曲調の『一口坂に陽が昇る』になっている。
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ブレードダムスに即死攻撃がある。
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ちなみに日本版から1年後の1990年に欧州地域にて『Shadow Warriors』のタイトルでAC版が出ている。内容自体は北米版準拠。
家庭用移植
海外では各種PC及び、アタリLynxなど数多くのハードに移植されているが、
日本国内では稼働から長らくAC版の移植は行われておらず、国内初移植までには実に10年以上を要した。
また下記以外にもベルトスクロールタイプということ以外はほぼオリジナルのメガドライブ版が開発されていたが、発売されなかった。
家庭用ではボタン付きスティック型レバーがないので、握れボタンはLボタン側に初期設定される形で擬似的に再現している。また、前述にもあるAC版2面ボス&5面ボス&6面中ボスBGMの『I am man』と言う曲は削除され、その場面では道中BGMのままになっている。
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Xbox版
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Wii版
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バーチャルコンソールアーケードで単品配信されていた。価格は823Wiiポイント(税込)。
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アーケードアーカイブス
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2019年5月9日にSwitchとPS4で配信開始。価格は823円(税込)。
その他
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本作とFC版1作目のBGMを収録したサントラCDが『忍者龍剣伝 -G.S.M.TECMO 1-』として発売されていたが、現在では廃盤となっており中古相場は高めで推移している。海外版のBGMも収録されている。
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2014年6月7日にスーパースィープから発売された『テクモ・アーケードゲーム・クロニクル』に本作のBGMが収録されている。ただしCD&DVD10枚組という構成のため、税込15,984円と非常に高額。
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2017年にはブレイブウェーブから本作とFC版三部作のBGMを収録した『忍者龍剣伝 オリジナルサウンドトラック コンプリートコレクション』が発売された。CD盤に加えてダウンロード配信もされている。
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当作と同じベルトスクロール作品として続編の『ニンジャ外伝2』がMVS対応作品として1994年7月に都内のテクモ直営店でロケテストが行われていたが、同月のうちにお蔵入りが決定してしまっている。作風はシリーズ中一番あか抜けており、プレイヤーキャラも3人から選択出来る事が可能になっていた。
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リュウ・ハヤブサは忍者装束を脱いでジャンパーを着た野生味溢れる格好に変更され、その他は元アメフト選手の『スラッシュ』と売れないアイドルの『ラン』というキャラチョイスになっていた。
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韓国ではアーケード版『忍者龍剣伝』のデッドコピーとして『ドラゴンボウル』がニックス社から発売されているが...色々とアレなのでお察し下さい。
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翌年に稼働した『ワイルドファング』は本作を元に制作されているため、実質的に本作の続編的存在として扱われている。開発メンバーも本作と同じくストロングチームが担当している。
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2017年に発売した、リュウ・ハヤブサ出演作である『無双☆スターズ』には本作がアーケードゲームとして登場している。
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ゲーム画面こそ映らないものの、プレイ中のキャラに話しかけるとしっかり本作のBGMやSEが聴こえる。
「忍者、ゆうてんねん!」のタイトルコールも勿論完備。
最終更新:2024年01月15日 00:43