スペクトラルブレイド
【すぺくとらるぶれいど】
| ジャンル | ロールプレイング |  
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| 対応機種 | プレイステーション | 
| 発売元 | アイディアファクトリー | 
| 発売日 | 1999年12月22日 | 
| 定価 | 5,800円(税抜) | 
| プレイ人数 | 1人 | 
| 廉価版 | IFコレクション 2000年2月22日/2,800円(税抜)
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| 判定 | クソゲー | 
| ポイント | クソすぎる戦闘 主体性の感じられない主人公
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| ネバーランドシリーズリンク | 
 
概要
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アイディアファクトリーから発売された『ネバーランドシリーズ』の1つ。
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第一次ネバーランド大戦の終結した魔導世紀1012年と第二次ネバーランド大戦の勃発する魔導世紀1030年の間をつなぐ作品である。
ストーリー
第一次ネバーランド大戦を制し大陸を統一したシンバ帝国は大陸中にある魔力を秘めた武器「魔剣」を帝国が一元管理する「魔剣法」を制定した。
その魔剣を扱うことを許された者は「ソードマスター」と呼ばれ、帝国軍の中でも優秀な人間が集められていた。
魔導世紀1025年、大陸の半島南端のエレジタット地方に出現したモンスターの討伐のためにソードマスターが派遣されることになり、主人公のクライスもこの討伐に参加するように命じられた。
しかしクライスはただのモンスター討伐にソードマスターを投入するほどの意義を感じられず、今回の出征に違和感を覚えていた…
特徴・システム
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キャラの装備品によって戦闘中に使用可能な技が変化する。
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装備品ごとに固有の技が付いていることに加えて、特定の装備品の組み合わせ装備で使用可能になる技も存在する。
 
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戦闘は技を専用のカウンターを消費して使用する。
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技ごとに使用するのにそれぞれ必要な個数があり、必要数を満たしていれば発動する。
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もし不足している場合はランダムに1~3個補充され、それを加えて必要数を満たせば発動し、それでも足りなければ何もせずに敵の行動が行われる。
 
問題点
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戦闘システムの劣悪さ
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敵味方とも最大3人が戦闘に参加するが、前衛の1人だけが戦い後の2人は何も戦闘に貢献しない。単なる前衛がやられたときの交代要員でしかない。そのため主人公さえ装備を充実させておけば基本的にOKになってしまっている。
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戦闘中はアイテム一切使用不可能。状態異常回復アイテムも含めて移動中しか使用できない。
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システムの根本は同社が本作の約半年前に発売した育成RPG『モンスターコンプリワールド』からの流用である。
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しかし『モンスターコンプリワールド』では戦闘中にアイテムを使用することが可能であり、後ろに控えているメンバーも前衛のキャラをアシストする役目があったため、後発でありながら大きく劣化するという悲惨なことになっている。
 
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単調な展開の戦闘
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雑魚敵はその時点の最強技を使えばほぼ一撃で倒せるので個性を感じられない。
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ボスはそれなりに耐久力があるが、システム上回復技の使用回数に制約がないため回復と攻撃を交互に行うワンパターンになる。
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中盤以降は与えたダメージと同じ量だけ自分を回復する技が使用可能になるため延々とそれで殴るだけになる。
 
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主人公クライスの主体性のなさが目に付くストーリー展開
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シナリオ前半は軍人として上官命令を忠実に遂行しようとする展開ばかりである。職業上仕方ない面もあるが、上官は無愛想だが実直な軍人であるためあまり気にならない。
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ところがシナリオ中盤以降はストーリーで登場したとある神の意志・思想をほぼまるっきりトレースするだけになってしまう。まるでたちの悪い新興宗教に嵌ってしまった信者である。
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かつての仲間と対決したり国家反逆者になるのだが、クライス個人の考え・葛藤はほとんど出てこない。そのため周囲からは完全に頭がおかしくなった人扱いである。
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作中用語や登場人物に関しては過去のシリーズ作品や背景設定を予習しておかないと理解できないところが多い。シリーズを知らない初見ユーザーがついていけないのはいかがなものか。
 
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単調な仕掛けのダンジョン
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ゲーム中のダンジョンはどれも同じような仕掛けばかりであり外壁などの見た目の差ぐらいしか感じられない。
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仕掛けもほぼ「行く手を阻む柵や障害物とそれを解除・破壊するスイッチ」「触れるとダメージを受ける落石やトゲ」ぐらいしかない。
 
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ローディングの微妙な長さ
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PSのゲームではあるが3Dはほぼ使用されておらず、昔ながらの2Dグラフィックである。
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しかしマップ間移動ごとに数秒のロード時間が挟まる。1回ごとの時間は多少であってもゲームを通しでプレイしていると相当な時間をローディングに食われる。
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例えば、最初に訪れる拠点の村は外観が1画面分のマップ4つに区切られているが、相互に移動するたびにこの微妙な読み込みが入る。
 
評価点
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攻撃と同時に回復する技の存在やレベルアップが速いためゲーム全体のバランスはヌルく、クリアは難しくない。
総評
2つのシリーズをつなぐ橋渡し作品とは言っても、あまりにもゲームとして劣悪であるといわざるを得ない。
流用したシステムを劣化させたり、単調な戦闘、感情移入できないシナリオとクソRPGとして隙がないゲームである。
本作をプレイしていなくとも後の時代を描いた作品である『ジェネレーションオブカオス』の内容の理解する上では何の妨げにもならないので
余程入れあげているわけでもないなら、シリーズファンでもスルーして構わないだろう。
その後の展開
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格闘ゲーム『スペクトラル VS ジェネレーション』にクライスが参戦している。
    
    
        | + | 一応、ネタバレ注意 | 
後に旅の途中ある夫婦に襲われて天魔剣を奪われ、その際のショックで発狂して世界を彷徨っている。
その天魔剣は夫婦の娘であるミュウ(『ヴァラノワール』の主人公で、『新紀幻想 スペクトラル ソウルズII』の主人公の一人。)に受け継がれ、世界を救うのに役立つのだが、クライスについてはろくに語られておらず歴史の闇に埋もれて終わってしまっている。尤も、本編での主体性や意志の無さを見るとこんな末路を辿ったとて仕方ないような気もする。
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最終更新:2024年05月12日 15:44