魁!!クロマティ高校
【さきがけくろまてぃこうこう】
| ジャンル | 男気パーティゲーム |  
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| 対応機種 | プレイステーション2 | 
| 発売元 | デジキューブ | 
| 発売日 | 2003年2月20日 | 
| 定価 | 4,800円(税抜) | 
| プレイ人数 | 1~4人 | 
| 判定 | クソゲー | 
| ポイント | 笑いも盛り上がりも欠けるボードゲーム 1回のゲームが長丁場すぎる
 原作要素は申し訳程度
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| 少年マガジンシリーズ | 
| 魁!!クロマティ高校シリーズ 魁!!クロマティ高校 / 魁!!クロマティ高校 ~これはひょっとしてゲームなのか!?編~
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概要
少年マガジンにて2000年~2006年まで連載されていた野中英次による漫画『魁!!クロマティ高校』。
池上遼一風の劇画調の画風で、不良たちがバカバカしいことを大真面目にやるシュールな作風が人気となり、アニメ化、そしてゲーム化された。
なお本作より後に実写映画も作られ、更に小説化、絵本化もされている。
本作は、ベーシックなすごろく形式のボードゲームとなっている。
システム
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原作コミック3巻の主人公・神山たちが甲子園出場を目指して部員や野球道具をどうにか調達しようとするエピソードがベースになっている。
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プレイヤーは神山の立ち位置になって(プレイヤーとして選択できるキャラクターについては後述)部員集めや野球道具の調達をして、マップ中央の野球場をゴールとして進んでいく。
 
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CPUと合わせて4名でのプレイとなり、足りない分だけCPUキャラが必ず加わる。例えばプレイヤー1人で遊ぶ場合は強制的にCPUが3人加わることになる。
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ナワバリと男気
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プレイヤーが通過したマスはそのプレイヤーの「ナワバリ」となる。ナワバリが一定以上になるごとに「男気」のパラメータがアップする。
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部員の勧誘は「部員マス」に止まることで行うが、男気の値が規定値を超えていないとそのマスの部員は勧誘できないため、ちまちまとした移動だけでは不利になっていく。
 
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部員たち
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上記の通り部員勧誘は「男気」で判定される。そのキャラの「格」がプレイヤーの男気よりも低ければ勧誘成功となる。
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他のプレイヤーとの戦闘も部員によって行わる。その場合「個性」が戦闘力となり(アイテムで増やすことも可能)、負けた部員は持っていかれてしまう。
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ただし一部のキャラはアイテムでも引き抜かれて行ってしまうが。
 
 
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野球道具とゴール
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部員を規定数あつめるとスタートした場所に野球道具が置かれる。
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野球道具を獲得し、部員もきちんとそろった状態でマップ中央の野球場に到着したプレイヤーの勝利となる。
 
問題点
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マップが1種類しかない。
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アナログゲームならともかく、デジタルのボードゲームでマップが1種類というのは薄っぺらいとしか言えない。やりこみ要素も特にないので違った遊び方などはできず、一度遊んでしまえばそれっきりになりがち。
 
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盛り上がらないBGM・SE
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パーティゲームらしい場を盛り上げるBGMがなく、淡々とした無機質な音ばかりである。
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だらけた不良学生キャラが中心なので、ある意味合っているのかもしれない…が、ゲームをプレイしている側のテンションは下がりっぱなしになる。
 
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存在感の薄いアイテム・ミニゲーム
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アイテムは主に他のプレイヤーの妨害目的だが、使い勝手のいいものがほぼなく、アイテムの入手機会もそう多くない。
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ミニゲームのマスはマップ上に2つしかなく、ミニゲームをやる機会は数少ない。また、仮に勝利しても得るものがないも同然。
 
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1回のゲームがかなり長い。
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マップを回って部員集め→スタート地点に野球道具を取りに行く→マップ中央の野球場に行くと3段階あり、すぐにゴールまで移動できるわけではない。
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部員は8人も集めないといけないためおそろしく手間がかかる。その上他のプレイヤーの妨害行動も入るため、かなりの長丁場になる。
 
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ナワバリのシステムと勧誘とがかみ合っていない。
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いくらナワバリを広げても部員マスにぴったり止まらなければ勧誘できない。ナワバリはあれど勧誘が進まず足踏み状態になるのはしばしば。
 
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一応原作ネタを踏襲しているところは多いが、原作を知らないとどうにも面白くない。
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ミニゲームの内容に特に多いが、とにかく原作でネタを知っていることありきである。ゲーム内の部分だけで笑いをとろうという気は全く感じられない。
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特に画像三番目は「フレディの次の行動を当てろ」というミニゲームだが、これが完全にランダム。一応それ自体は原作通りなのだが…。
 
 
賛否両論点
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原作の主要登場人物を仲間キャラやイベントキャラとして割いているため、プレイヤーが操作キャラとして選ぶことができるのはいずれもパッとしない人選。
 触覚カチューシャの「高橋秀樹」やマスクド竹之内の弟分のハイジャック犯「ケン」、メカ沢や前田、林田のモデルのキャラが登場する前作『課長バカ一代』の「焼肉ロボ2号」をモチーフにした「歯車ジョン」など。
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原作の名キャラをプレイヤーとするか、仲間となるキャラとして配置するかの2択で開発側が後者を選んだのは間違いというわけではない。
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ただ、出番が一話しかない山本一郎に感情移入出来るかどうかは微妙だが…。
 
評価点
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原作を知っていれば多少は笑えるかもしれない点があること。
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前田母の「個性」と「格」がやたら高かったり、喫茶店のマスターまで出てきたりとマニアックさは結構高い。
 
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ゲーム起動時のオープニングとして、「クロマティ高校校歌」が、歌ありバージョン・カラオケバージョンの双方収録されている。
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元々は単行本に小ネタとして収録されたもので、原作者直々の作詞である。曲と歌がついたのは当然初めてで、ある意味、本ゲームで一番大きな原作ファンサービスと言える。
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後にアニメ版の特殊エンディングとしても曲が付けられたが、そちらはサンプラザ中野氏のロックであり、こちらはちゃんとした校歌なので差別化出来ている。
 
総評
クロマティ高校という漫画をガワに使っただけの典型的クソゲーである。
ボードゲームとしては盛り上がりに欠け、原作を知っていることありきのネタの連続である。
このゲームを買うぐらいなら原作コミックをまとめ買いして読破するほうがよほど楽しく笑える時間を過ごせるだろう。
余談
最終更新:2024年06月01日 14:25