爆突機銃艇
【ばくとつきじゅうてい】
ジャンル
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アクションシューティング
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対応機種
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アーケード(SYSTEM I)
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発売・開発元
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ナムコ(源平プロジェクト)
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稼働開始日
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1988年8月
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プレイ人数
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1~2人(交互交代プレイ)
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配信
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バーチャルコンソールアーケード 【Wii】2009年10月13日/800Wiiポイント アーケードアーカイブス 【Switch】2023年8月3日/838円(税10%込) 【PS4】2023年8月3日/837円(税10%込)
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判定
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シリーズファンから不評
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UGSFシリーズリンク
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概要
ナムコが発売した『バラデューク』の続編。開発は『源平討魔伝』や『超絶倫人ベラボーマン』を作った源平プロジェクト。
ファイターを操作し、オクティ族と戦う任意スクロール制横シューティングで、新たな要素も追加された。
ストーリー
宇宙辺境警備隊第一次救出隊の活躍により、オクティ族が潜むバラデューク要塞は消滅、パケット星は救われたかにみえた。
しかし、そうではなかった。最後に与えられた使命、それは凶悪宇宙生命体オクティ族を殲滅する事だ。
(VCA版説明書より)
特徴
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8方向レバー+1ボタン操作。
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レバーで移動、ボタンで波動銃というシステムは前作同様。ただし、前作と違って波動銃は右方向にしか撃てず、方向転換はできない。
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ゲームの目的はステージ右端にあるゴールへ辿り着く事。前作と違ってオクティを全滅させる必要はない。
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前作と異なり一撃死で、体力は存在しないが、機銃艇を装備していた場合はパワーダウンと引き換えに一度だけ防御できる。死亡時はステージ最初からとなる。
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タイトルにある通り新要素として「機銃艇」が登場する。
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リボルバー拳銃をモチーフとした乗り込み型の射撃兵器。ファイター用とパケット用の2種類があり、どちらも攻撃力を大幅に向上させる力がある。
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ファイター用を取得するとショットが高速連射されるようになる。機銃艇によって一度に連射される数が変化する。
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パケット用を取得するとパケットが攻撃を行うようになる。
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今作ではパケットに複数の種類が存在し、黄色パケットは前作同様ボーナス、白パケットは最初から機銃艇に乗って攻撃に参加してくれるがボーナスにはならない。
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なお、パケットはファイターの周囲を回転し、弾避けにもなるが黄色パケットが被弾して死ぬととボーナスもなくなる。
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機銃艇や波動銃などのアイテムをカプセルから取得する点は前作同様。
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今作ではカプセルの色が分かれており、色によってどのアイテムが出現するかある程度目安になる。罠としてバガンやブラックパケットが出現するのも同様。
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特定のステージをクリアしたり、コンティニュー時にはルーレットに挑める。
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前作と違って機銃艇や波動銃、パケットを取得してパワーアップする事が出来る。
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波動銃がパワーダウンするはずれも存在するが、コンティニュー時のルーレットには登場しない。
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全36面。一周エンド。
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なお、本編は30面でエンディングで、条件を満たすとおまけステージとして残り6面が遊べる。
評価点
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演出面の強化
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ステージ開始時や敵の爆発エフェクトが非常に滑らかになっており、アニメーションは非常に美麗になった。
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ファイターがやられた際にヘルメットが吹っ飛んで頭が黒焦げになる、被弾したパケットが目玉を残して燃え尽きるなど前作を意識したと思われる不気味な演出もあるが、やや悪趣味な域に入っている。
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ちなみに燃え尽きたパケットの目玉を取ると1点入る。これを一定数集める事がボーナス面への鍵になっているのだが、意識せずとも条件を満たせている事が多い。
賛否両論点
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グラフィック・世界観
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前作の世界観を引き継いでいる……はずなのだが、なぜかコメディ要素を取り入れておりファイターの頭にプロペラが付くなど、シリアスなはずのストーリーを茶化して不評を買った。
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その最たるものがステージ間に登場するヒゲの生えたパケット「パケじい」の存在。『超絶倫人ベラボーマン』の爆田博士のようにプレイヤーに一言言ってくるのだが、その大半がストーリーに関係のない雑談で終わる。むしろ『カイの冒険』のイシター(おまけステージ)に近い。
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自機ミス時の演出もホラーらしくショッキングだった前作と比べると上記のヘルメットが飛んで頭が黒焦げに加えて頭上のプロペラが上へ飛んで行ったり、コミカルな効果音が鳴ったりとギャグ寄りの描写になっている。
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グラフィックもアニメ調に変更されており、前述のように滑らかのアニメーションなどクオリティ自体は高いのだが一部で見せる不気味さとミスマッチになっている。
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パケットのグラフィックなども前作ほどの可愛さはなく、美麗な演出面に比べて途中のブレイクタイムに表示される一枚絵も質が高いとは言えない。
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BGM
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前作のゲーム開始時の曲をアレンジした曲が流れるようになった。EDも前作のED曲のアレンジになっている。
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曲単体は良アレンジだが、コミカルさと明るさが付加されたグラフィックと相まって前作のような独特な雰囲気はなくなっている。
問題点
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大味なゲームバランス
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全体的に硬い敵が多く、倒すのに数十発かかる場合も珍しくない。それらが通路を塞いだり上下に揺れるという意地悪な配置も相まって基本攻略は少しずつ進みながら永パ防止キャラを映さないようにしつつ、硬い敵に延々打ち込む…という身も蓋もないものになっており非常に単調。
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特にクリスタルに脳みそが入っている敵などが代表格。波動銃がパワーアップした状態でもなかなか倒せないので爽快感は感じられない。
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そして、硬い敵に撃ち込み続けるうちに時間制限を知らせる「Hurry Up!」の文字が流れてきて急かされる。もっとも永パ防止用のターニングアイを消せばカウントはリセットされるので、実質制限時間の意味は薄い。
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ステージもやたらと狭く、自機が大きめな事もあって簡単に被弾しやすい。
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ステージによっては中に入れない小部屋に敵がいる場合もあり、そういった敵はパケットの貫通ショットでないと攻撃不可能。
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新要素の機銃艇自体は悪くないのだが、被弾しやすい事もあって取得してもすぐに失ってしまい、その力を発揮しきれずに終わる事が多い。
総評
大味なゲームバランスと、カラーを変えつつ好評だった前作の雰囲気を中途半端に残した内容で、前作ほどの評価は得られず、駄作と言われやすい作品となってしまった。
移植
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Wii版
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バーチャルコンソールアーケードで配信。サービス終了のため現在は配信終了している。
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アーケードアーカイブス版
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Nintendo Switchとプレイステーション4にて配信。「こだわり設定」にてステージセレクトを行う事が可能。キャラバンモードは「ステージ1から開始」と「ステージ31から開始」の2つから選べる。
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連射機能では秒間6、12、20連射に加えて機銃艇パケットのショットを高速連射できる「特殊連射」が実装されている。
余談
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本作の主人公は前作主人公のKISSYではなく2P側のTAKKYだが、UGSF上の公式年表では、KISSY(トビ・マスヨ)が本作の事件も続けて解決したことになっており、TAKKYの存在がなかったことになっている。
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この後、源平プロは『超絶倫人ベラボーマン』や『ステラニアン』の開発を最後に活動を停止し、一部スタッフが退社したため実質解散状態となっている。
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一部はナムコに残留し、ベラボーマンのスピンオフ作品『ピストル大名の冒険』を開発し、ライフプランニング(現:KAZe)に移籍したスタッフは『暴れん坊天狗』を制作している。
最終更新:2025年01月11日 09:23