ぐんまのやぼう for ニンテンドー3DS
【ぐんまのやぼう ふぉー にんてんどーすりーでぃーえす】
| ジャンル | シミュレーション | 
| 対応機種 | ニンテンドー3DS | 
| メディア | ダウンロード専売ソフト | 
| 発売元 | PUMO | 
| 開発元 | RucKyGAMES | 
| 配信開始日 | 2014年6月25日配信開始 2017年4月6日配信停止
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| 定価 | 500円 | 
| プレイ人数 | 1人 | 
| セーブデータ | 1箇所・オートセーブ方式 | 
| レーティング | CERO:A(全年齢対象) | 
| 判定 | なし | 
| ポイント | 群馬があらゆる地域を制圧するゲーム 宇宙規模の制圧劇と豊富なカード集め
 GUNMAを集めて爆買いすればいい
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| ぐんまのやぼう - 3DS / Switch | 
 
概要
ぐんまのやぼうとは、地図上に現れる、ねぎ・こんにゃく・きゃべつといった特産品を収穫しG(GUNMA)を手に入れて、集めたG(GUNMA)を使って、ほかの地域を「せいあつ」して群馬県にしていくゲームです。
とてもわかりやすいしんぷるなげーむです。
(ニンテンドーeショップの紹介文より)
かつて存在したメーカーのPUMOが発売、有名アプリゲームの開発者であるRucKyGAMESが開発を行ったニンテンドー3DSソフト。
人気を博したアプリゲーム『ぐんまのやぼう』を3DS向けにチューニングした移植作品で、ジャンルとしては(一応)シミュレーションゲームという事になっている。
「日本の都道府県すべてを群馬県にしてしまえ」というストーリー設定。何いってるのか分からないかもしれないが、本当にそういう設定なので仕方がない。
発売元のPUMOは2017年に倒産してしまい、それに伴い本作も配信停止となってしまった。よって、現状では本作を購入する事はできない。
ゲームルール
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ゲームの流れ
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大まかな流れとしては「特産物をひたすらに収穫して、地域制圧やカード購入を行う」の繰り返しでゲームが進行する。
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下画面には日本地図が表示され、その中に大量の特産物アイコンが発生するのでそれらをスライド等で収穫していく。特産物は枯渇せず、収穫後に一瞬で復活する。
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日本地図は一画面に収まりきらないので、スライドパッドで画面を調整する必要がある。タッチホールドしながらパッド操作をする事でも特産物を収穫できる。
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ゲーム開始時は群馬県しか特産物が発生しないが、他の都道府県を制圧する事で特産物の出現範囲が増す。最終的には日本全国が収穫範囲となる。
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プレイヤーの操作以外でも、群馬県のマスコットキャラである「ぐんまちゃん」が自動で収穫してくれる。ただし、収穫頻度はほとんど気休め程度のものでしかない。
 
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特産物を収穫すると「G」(GUNMA)という通貨に換金され、それを元手に地域制圧やカード購入に使用できる。
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1つの特産物で得られる"G"は地域制圧とカードの購入を繰り返すと段階的に増加する。よって、"G"の獲得効率を上げるにはひたすら消費していけばいい。
 
 
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特産物について
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「特産物」は上記で述べた"G"の獲得の他に、コレクションとしての需要もある。
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群馬県には50種類、他の都道府県には5種類の特産物があり、それをすべて収穫するのもやり込みの一環となる。
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各都道府県の特産物は最初のうちは出現する種類に制限がある。すべての特産物を収穫するには、該当する都道府県のカードを1枚以上購入する必要あり。
 
 
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地域制圧について
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本作における大きな目的にあたる。ありとあらゆるステージの地域を「制圧」して群馬県に改名できる。
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ゲーム開始時に制圧できる地域は日本の都道府県全域で、特定の"G"を消費して該当する地域を制圧できる。制圧した都道府県は特産物の収穫とカード購入の対象となる。
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日本全域を制圧すると「世界」「太陽系」「宇宙」の順でステージ範囲が広がり、宇宙を全制圧するとエンディングとなる。しかし、すべての制圧はまだ終わっていない…。
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原則として制圧を行えば行う程に要求される"G"が増えていき、先のステージの地域では易々と制圧し辛くなってくる。
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あらゆる地域をすべて制圧すると「再制圧」が可能となり、該当する地域の総制圧数がカウントされる。再制圧をする理由はあまりないが、ネタ向けの行動といえる。
 
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以下、制圧できる地域の一覧を表記する。
 
    
    
        | + | 制圧地域一覧 | 
| ステージ | 制圧できる地域 |  
| 日本 | 群馬県を除く各都道府県 |  
| 世界 | 北アメリカ大陸・南アメリカ大陸・南極大陸・アフリカ大陸・ヨーロッパ大陸・アジア大陸・オーストラリア大陸 |  
| 太陽系 | 太陽・水星・金星・火星・木星・土星・天王星・海王星 |  
| 宇宙 | おひつじ座・おうし座・ふたご座・かに座・しし座・おとめ座・てんびん座・さそり座・いて座・やぎ座・みずがめ座・うお座 |  
| ? | ??? |  
    
    
        | + | 最後は…… | 
宇宙制圧後、なんと群馬県の各市町村を制圧することになる。すなわち、群馬県にある1つ1つの自治体が群馬県となってしまう。
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カード収集について
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47の各都道府県毎に対応した「カード」を購入し、それらをコレクションできる。
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カードは「各都道府県に存在する(していた)自治体もしくは都道府県そのもの」の地形の絵柄と名称が描かれている。
 2010年度における全国の自治体及び都道府県のカードが収録対象。さらには平成の大合併で今は存在しない自治体や、合併前と後の自治体の双方も対象となる。
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システムの関係上、同じ種類のカードが何度でもダブる場合があり、それは事実上のはずれカードとなる。
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各都道府県のカードがどの位の種類を集められたのかはパーセンテージで表示され、すべてのカードを集めると100%となる。
 
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特定の"G"を消費してカードの購入を行う。カードは1枚もしくは10枚パックでの購入が可能。
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その都道府県におけるカードを連続購入すれば消費される"G"が段階的に上がっていく。新しい種類のカードを入手するとさらに跳ね上がる。
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すべての都道府県を合わせると4000種類近くのカードが存在する。これらをすべて集めるとなると莫大な"G"の消費とプレイ時間がかかるのは間違いない。
 
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初めからすべてのカードが入手できる訳ではなく、「先に何かのカードを入手しないと出現しない」カードも多く存在する。
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平成の大合併で合併した自治体カードの場合、対応する合併前の自治体カードすべてを入手しないと出現しない。
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政令指定都市カードの場合、対応する行政区カードすべてを入手しないと出現しない。
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都道府県カードの場合、対応する各都道府県の自治体カードすべてを入手しないと出現しない。よって、都道府県カードは必ず最後に出現する。
 
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カードには5段階の「N」から「SSSR」までのランク分けがあり、各ランクによってカードの色が異なる。以下、ランクの一覧を表記する。
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カードの出現率は低いランクである程に高くなる仕様となる。逆に高いランクの出現率はあまり高くない。
 
 
    
    
        | + | カードランク一覧 | 
| ランク | 対象の自治体・都道府県 | カードの一例(東京都・愛知県・大阪府) |  
| N (赤)
 | 村 | 東京都西多摩郡檜原村 愛知県海部郡飛島村
 大阪府南河内郡千早赤阪村
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| R (青)
 | 町 | 東京都島嶼部大島町 愛知県北設楽郡東栄町
 大阪府泉南郡熊取町
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| SR (緑)
 | 市 | 東京都八王子市 愛知県あま市
 大阪府泉佐野市
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| SSR (金)
 | 特例市・中核市 | ---- 愛知県豊田市
 大阪府吹田市
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| 政令指定都市の行政区 | ----- 愛知県名古屋市昭和区
 大阪府大阪市天王寺区
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| SSSR (プリズム)
 | 東京23区 | 東京都新宿区 -----
 -----
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| 政令指定都市 | ----- 愛知県名古屋市
 大阪府堺市
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| 都道府県 | 東京都 愛知県
 大阪府
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その他のシステムについて
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ゲーム中に何かの条件を満たすと「称号」が獲得でき、「その他」というメニューで鑑賞できる。称号は全部で100種類存在する。
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それまでに回収した特産物は「お宝」というメニューで簡易な解説と共に鑑賞でき、特産物毎に回収した数がカウントされる。
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それまでに入手したカードもお宝で鑑賞でき、カード毎に入手した(ダブった)数がカウントされる。また、合併などによる特定のカードの組み合わせも鑑賞できる。
 
評価点
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清々しいまでのくだらなさ
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大多数の人が真っ先に思うであろう特徴。非常にくだらない(誉め言葉)設定が素晴らしい。
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「群馬県が日本から始まりから宇宙までをも制圧し、あらゆる舞台を群馬県にしてしまう」という超展開がいい意味で馬鹿っぽい。
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地域を制圧する度に淡々と「○○○は群馬県になりました」と表示される様がかなりシュール。このゲームでは制圧されれば何でも群馬県になるのが当たり前。
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特産物を収穫する度に「グンマ」という電子ボイスが発せられる。連続で収穫しようものなら「ググググググンマ」とラップ調になるのがこれまたシュール。
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画面全体に漂う脱力系グラフィックや、いかにも田舎という感じののどかなBGMが独特の雰囲気を醸し出している。
 
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そもそも評価点といえるのかどうかは置いといて、プレイヤーのハートを掴む程のインパクトがあるという意味では表記しておくべきだろう。
 
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ゲームとしての分かりやすさ
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ジャンル上ではシミュレーションという事になっている本作だが、小難しいルールは全くなく誰でも楽しめる。
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「特産物をスライドして"G"を稼ぎまくり、それを地域制圧やカード購入に使いまくる」 誇張でも何でもなく、本作におけるプレイ目的はこれだけである。
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特産物はほぼノーウエイトで無限発生し、制圧と購入をすればする程に入手できる"G"が増えていくため、"G"が枯渇する心配は一切ない。
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一言でいえば「GUNMAを集めて爆買いすればいい」で済む。"G"を節約する理由が全くないので、湯水の如く使いまくるのが本作における常識である。
 
 
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やり込み要素とネタの多さ
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本作最大の目的である地域制圧に意外性があって面白い。
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全都道府県の制圧だけでも十分なのに、宇宙にまで群馬に侵略される展開がおかしい。惑星や星座が群馬県になる意味がよく分からないが細かいことは気にしてはいけない。
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宇宙を制圧した後の最後の舞台がさらに輪をかけておかしい。群馬にゲシュタルト崩壊されそうなあたり、プレイヤーの精神までをも制圧するつもりなのだろうか?
 
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280種類の特色のある特産物が収録され、それぞれに専用のアイコングラフィックが用意されている細かさ。
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特産物の大半は野菜・畜産物・郷土料理などの食べ物系が占めるが、鑑賞用の花や置物といったものもある。変わり種としてはプラモデルや勾玉などの特産物も。
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特産物の簡易解説の多くがネタ全開でまともじゃないのもある意味見どころ。「もういっかいもういっかい(さくらんぼ)」「麻雀強いぜ(ムツゴロウ)」など。
 
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4000種類近くもの都道府県カードを集める楽しみも本作におけるやり込みの一つ。
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カードはパックを買って開封するという形で、それぞれ「(都道府県名)コレクション」という名が付いている。
当然、群馬県だけパックのデザインが豪華になっている。
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平成の大合併により今は存在しない自治体のカードまでもが対象になっている収録網が凄い。同じ自治体でも合併前後の2種類が用意されているのも細かい。
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カードは某天使悪魔シールをパロディ化したかのようなデザインで、ランクが高いカードほど神々しさが増すという再現もなされている。
 
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健気に特産品を収穫してくれるぐんまちゃんが非常に可愛い。また、ネタバレなので詳細は伏すが無駄に壮大なエンディングの締め方に謎の感動がある。
 
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凄まじいインフレのぶつかり合い
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地域制圧やカード集めを繰り返すと、恐ろしい勢いで要求される"G"の額が増えていく。その上がり方はまさにハイパーインフレそのもの。
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ゲーム開始時では数千Gで制圧できた地域も、先のステージに進むと桁がどんどん上がっていき、最終的には99,999,999Gにまで額が上がる。
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カード購入も同じで、初回は10枚3,000Gだったものが、購入を繰り替えすと99,999,999Gまで上がる。もちろん、欲しいカードが出なくてもインフレは止まらない。
 
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しかし、プレイヤー側の"G"の入手額も同様にインフレ化するので、結果としては制圧・購入のしやすさにあまり差がでない。
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ゲーム開始時における換金額は1つの特産物につき数百Gだが、こちらも最終的に99,999,999Gまで上がる。なお、最大で999,999,999Gまでの所持が可能。
 
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この消費側・入手側の"G"のインフレ具合の無茶苦茶さが、本作の馬鹿っぽさを象徴する要因の一つとなっているのかもしれない。
 
問題点
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所詮は作業ゲーでしかない
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好意的にみれば分かりやすいゲーム性だが、悪くいえば全編通して作業でしかないゲーム性でもある。
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"G"を集めてひたすらに地域制圧とカード購入をするだけなので、やれる事はほぼ一本道でしかない。プレイの仕方によってその後の展開が変わるという要素は一切ない。
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そもそもシミュレーション要素がほぼ0のゲームなので、「本格的に戦略的なゲーム性を求める」となると何が楽しいのか理解できない恐れもある。
 
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特にカード集めの作業感は莫大であり、本作におけるプレイ時間の半数以上はここに費やされるといっていい。
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どのカードが入手できるかはランダムなので、出ないカードは滅多に出ない。その結果、各都道府県におけるすべてのカードが出揃うまで購入し続ける作業と化す。
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ランクの低いカードほど出現率が高くなるので、10枚パックで購入したカードすべてが村(N)だったなんて結果が頻繁に起こる。
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特に23区すべてがSSSRである東京都はかなりの難関となる。自治体の数が多数の都道府県や、政令指定都市(SSSR)の行政区(SSR)が多い都道府県も難関となりやすい。
 
 
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バカゲー要素はさほど高くない
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清々しいくだらなさが特徴的な本作ではあるが、バカゲーとしては意外と大人しい。
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あからさまに笑わせる演出やギャグシーンはあまりなく、どちらかといえば「くすっと笑える」「じわじわくる」系のゲームである。
 
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笑えるかどうかは人それぞれなので断定はできないが、本wikiにおける本作の分類はバカゲー判定に指定していない。
 
総評
その(良い意味での)くだらなさやシュール加減に魅力を見いだせるのならば、プレイする価値が大いにある一作。群馬に洗脳されたい人(?)向けともいえる。
しかし、終始似たような作業を繰り返すだけのゲーム性でもあるので、そういう路線が苦手な人にはお勧めできるものではない。
余談
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PVのナレーションを前橋市出身の声優である田中敦子が担当していた。
最終更新:2022年12月22日 21:08