タッチバトル戦車3D-3
【たっちばとるせんしゃすりーでぃーすりー】
ジャンル
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戦車アクションシューティング
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対応機種
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ニンテンドー3DS
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メディア
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ダウンロード専売
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発売・開発元
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シルバースタージャパン
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配信開始日
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2015年4月28日
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定価
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509円
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プレイ人数
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1人
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セーブデータ
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1箇所・オートセーブ方式
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レーティング
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CERO:A(全年齢対象)
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判定
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なし
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ポイント
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タッチバトル戦車シリーズの3作目 初心者に優しい途中コンティニューを採用 ボタン操作の悪夢増強
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タッチバトル戦車3Dシリーズ 3D / 3D-2 / SP / 3D-3 / 3D-4 / SP
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概要
シルバースタージャパンの人気ゲーム『タッチバトル戦車シリーズ』のナンバリング3作目。ジャンルはいつも通りのトップビューによるアクションシューティング。
他のシリーズと同様に青と赤の戦車のどちらかを選んで使用できる。各機体には変形機能が搭載されており、前2作とはまた違った特殊操作が行える。
全90ステージ構成(通常60ステージ + エクストラ30ステージ)のステージセレクト制。
前作からの変更点
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使用できる戦車は「ブレードタイプ」と「ブーストタイプ」の2機種。『1』『2』で使用できた戦車とはまた違った性能となる。
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『2』のスーパーボスタイプに相当する敵戦車として「四天王」が登場する。ほとんどの四天王は10の倍数ステージに出現し、その顔ぶれはステージによって異なる。
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敵戦車やギミックの種類に一部変更が加えられている。ホバータイプは通常の敵戦車の派生型となり、一部の四天王を除きホバータイプのみの敵戦車は存在しない。
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ステージ中において3回までの途中コンティニューが可能となった。コンティニューなしでのクリアでノーコンティニュークリアマークが獲得できる。
ゲームルール
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操作体系
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シリーズの通例通り、スライドパッドで自機戦車の移動、タッチでショット関連の操作となり、ボタンを使う局面もある。
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スライドパッドで8方向移動操作。自機が戦車という関係上、移動範囲に制限がかかる場面が多い。
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下画面全体がサイトに見立てた表示になっており、タッチすると自機戦車の射程方向の調整を行え、タッチ連打で自機戦車前方にショットを撃つ。
Aボタンを押すと照準モードを2タイプのどちらかに切り替えできる。また、サイトの端側には敵戦車の位置情報などを示すレーダー表示がされる。
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L・R・Yボタンのいずれかで自機戦車を変形させて特殊行動が行える。行動中にもう一度ボタンを押すと行動のキャンセルが可能。
行動中は「エネルギーゲージ」が徐々に消費され、ゲージが尽きるとオーバーヒートを起こし一定時間行動ができなくなる。消費したゲージは時間経過で回復する。
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自機の性能差について
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本作にはブレードタイプ(青)とブーストタイプ(赤)の自機戦車があり、それぞれ使い勝手が大きく異なる。以下、各自機による性能の違いを表記する。
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自機性能一覧
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ブレードタイプ
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ショットの連射力はやや低いが、攻撃力がブーストタイプの2倍あり弱い敵弾をかき消せる。
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最大ライフ数は5つ。
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特殊行動は自機戦車前方に剣型の光線を発射する「エネルギーブレード」。 エネルギーブレードは射程は短いものの、高い攻撃力と大きな攻撃判定を持ち、通常では破壊不能な赤い敵弾や茶色ブロックを破壊できる。 エネルギーブレード発射中に素早く2回タッチするとその方向へと突進する。突進中は無敵だがエネルギーゲージがより激しく消費されるリスクもある。
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ブーストタイプ
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ショットの連射力は高いが、攻撃力が低く弱い敵弾を素通りしてしまう。Bボタンを押すとタッチホールドでオート発射が可能。
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最大ライフ数は3つ。
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特殊行動は自機戦車以外の動くものすべてをスローモーション化させる「超加速」。 Xボタンを押すと敵に近づくだけで超加速をオート起動できる。しなしながら敵の過密地帯ではエネルギーゲージの消費量が必然的に激しくなりやすい。
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敵戦車・ギミックの種類について
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本作では以下の種類の敵戦車及びギミックが登場する。
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敵の耐久度は「通常(ホバー含む) ⇒ 通常ボス(ホバー含む)と小型四天王 ⇒ 四天王 ⇒ 合体四天王」の順で高くなる。
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ダメージによる自機戦車のライフ消費は0.5~2つで、即死ダメージはない。また、一部のギミックや通常の敵戦車(ホバー含む)に触れてもダメージは受けない。
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敵・ギミック一覧
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通常の敵戦車
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基本タイプ
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緑の戦車。前方1方向に弾を撃つ。
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3方向タイプ
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白の戦車。前方3方向に弾を撃つ。
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連射タイプ
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青の戦車。前方1方向に3連射の弾を撃つ。
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誘導弾タイプ
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茶色の戦車。前方にホーミングミサイルを撃つ。
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シールドタイプ
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黄色の戦車。前方1方向に弾を撃つ。前方に装備されたシールドは自機戦車の攻撃によるダメージを軽減してしまう。
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弾道ミサイルタイプ
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黒の戦車。地形効果を無視した投下型ミサイルを自機戦車めがけて投下してくる。
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通常の敵戦車の派生型
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ホバータイプ
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キャタピラの代わりにホバー装備となり、穴場を通行できる敵戦車。
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ボスタイプ
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巨大化した敵戦車。触れるだけでダメージを受ける上に、強力な赤い弾を撃つ。
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ホバーボスタイプ
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ホバータイプとボスタイプの両面を併せ持つ敵戦車。
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四天王
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フォーカスタイプ
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青の四天王。前方に自機戦車を集中攻撃する拡散弾を撃つ。
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アサルトタイプ
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赤の四天王。前方1方向に連射式の赤い弾を撃つ。他の四天王に比べ移動速度が速く、デフォルトでホバーを装備している。
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ファントムタイプ
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黒の四天王。前方に赤いホーミングミサイルと投下型ミサイルを撃つ。攻撃すると分裂し、ダミーの敵戦車を発生させてくる。
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トルネードタイプ
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緑の四天王。前方に大量のホーミングミサイルと投下型ミサイルを同時に撃つ。
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合体四天王
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四天王4体が合体した敵戦車で、作中最強の耐久度と圧倒的火力を持つ。本作におけるラスボスに相当する。
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小型四天王
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四天王4体の派生縮小版といえる存在で、総合的な攻撃性能や耐久度は元の四天王よりも劣る。四天王の中で唯一非ボスステージにも登場する。
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ギミック
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壁
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全ステージにおいて必ず配置されている壁。破壊不可能。
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穴場
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通行の妨げになる穴場で、あらゆる攻撃が素通りする。ホバー装備の敵戦車のみが穴場を通行できる。
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ブロック
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「緑」と「茶色」の2種類。前者は自機・敵戦車を問わず何かの攻撃で破壊でき、後者はブレードタイプのエネルギーブレードでしか破壊できない。
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ドアブロック
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自機戦車の攻撃のみで沈められるブロック。
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反射ブロック
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自機・敵戦車のショット(弾)を当てると反射するブロック。破壊不可能。
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地雷
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普段は隠れており、自機戦車が近づくと1秒後に爆発する。爆発に触れると自機・敵戦車に関係なくダメージ。
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爆弾
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何かの攻撃を加えると爆発する。爆発に触れると自機・敵戦車に関係なくダメージ。爆発後はすぐに復活するので除去は不可能。
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エネルギーボール
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常にジグザグ移動しているボール。自機戦車がこれに触れるとダメージ。破壊不可能。
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固定砲台
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一定間隔でショットを撃ってくる砲台。破壊不可能。
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ベルトコンベア
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自機・敵戦車(ホバー除く)を問わず、コンベアに乗ると矢印の方向へと流される。コンベアの色によって流される速度に相違あり。
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ワープポイント
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これに自機戦車が触れると離れた位置にある同色のポイントへとワープできる。ステージによっては複数の色のポイントが配置されている。
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ステージクリアとミス条件について
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ステージ内にいるすべての敵戦車を倒せばステージクリアとなる。制限時間やアイテムの類は存在しない。
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ステージクリアは各ステージはもちろんの事、使用機種別でもカウントされる。そのため、完全攻略を目指すならば各ステージを最低2回分はクリアする必要がある。
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コンティニューをせずにクリアするとノーコンティニュークリアとなり、ステージセレクト画面に「ノーコンティニュークリアマーク」が付く。
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自機戦車のライフが0になるとミスで、3回までの途中コンティニューが行える。
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コンティニュー後は微小の無敵時間が発生した上で、それまでの状況からの再開となる。コンティニュー回数はステージを抜ける度にリセットされる。
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おまけと称号について
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ステージをオールクリアすると、作中の登場戦車を好きなアングルで鑑賞できる「おまけ」モードが解禁される。
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特定条件を満たすとやり込みの証である「称号」が獲得できる。称号は全5種類あり。
評価点
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シリーズ譲りの安定した面白さ
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「ステージにいる敵戦車すべてを破壊する」という単純明快なルールで、すんなりと入り込める敷地の低さは相変わらず。
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基本的なゲームシステムに大きな変更は加えられておらず、過去のシリーズのプレイ経験者はもちろんの事、未経験者でも問題なくプレイできる。
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移動がスライドパッド・タッチでショットというやや特殊な操作体系ではあるが、直観的に分かりやすい操作性で慣れるのにさほど時間はかからない。
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総ステージ数が90もあるので、500円のダウンロード専売ソフトとしてはプレイボリュームはかなり多い。機体別での攻略を視野に入れるとより多く楽しめる。
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より洗練されたゲームバランス
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『2』以前に比べると陰険な攻撃をしかける敵戦車の割合が大分落とされ、ゲームバランスの改良がなされている。
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あからさまな回避不能な敵弾や反則気味な攻撃が減り、『2』以前に比べると余裕をもった攻略が行いやすくなっている。
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その一方でボスステージやエクストラステージは難関が多くやりがいがある。とはいえ、闇雲な難しさではなくちゃんと「バランスの計算がされた」難易度である。
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敵の移動法則のランダム性は相変わらずだが、そもそも敵の攻撃が大人しめになっているので理不尽さはあまり感じられない。
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途中コンティニューの採用により、ゲームオーバーまでのダメージ許容回数が大幅に増したのも優しい配慮。
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3回までなら途中コンティニューがし放題なので、『2』以前では考えられなかったある程度のごり押しクリアも可能となる。
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とはいえ、ノーコンティニュークリアという目標もあるので、やり込む上ではそれ相当の腕前も必要不可欠。決して甘くなっただけの難易度ではない。
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外見の安定感もシリーズ譲り
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シリーズの例に漏れず外見の地味さは否めないが、そこもまたシリーズの伝統行事といえる。
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むしろ無駄な飾りつけがなく事の状況が分かりやすいといえる。戦車同士が密着しやすい環境なのに、あまりごちゃごちゃしていないは流石というべきだろうか。
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王道ながらもスタイリッシュさを兼ねた戦車のデザインもシリーズ通りの安定さで、大小様々な戦車が入り乱れる様が賑やかである。
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四天王の登場により、ボスステージのバリエーションが『2』に比べても華やかになっている。また、四天王は単なる色替えでなく個別のデザインで描かれているのも見所。
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曲数は多くないものの、爽やかさとかっこよさを併せ持ったBGMのクオリティもなかなか高い。
問題点
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敵戦車のバリエーションの減少
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『2』に比べると通常の敵戦車の種類が減らされており、各ステージにおける敵の顔ぶれの変化が乏しくなった感がある。
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実質6種類の敵戦車しかおらず、後はホバーなどの派生バリエーションが登場するのみ。なお、『2』における通常の敵戦車は12種類いた。
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四天王の追加がなされているが、原則ボスステージ専用の敵戦車なので遭遇する機会が少ない。総合的にいえば戦車のバリエーションの多さは『2』の方に軍配が上がる。
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無理やりなボタン操作の増強
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『1』『2』の一部機体にあった明らかに無理のあるボタン操作が、あろうことか本作では両方の機体に採用されてしまった。
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特殊行動は両機体共に攻略する上で重要な操作なのに、そのどちらもボタンを押さないと発揮できない。スライドパッドとタッチに両手が塞がれているにもかかわらず。
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スタッフもボタンの押しにくさに考慮したのか、Rボタンも操作対象になったのだが、根本的な問題の解決にはほとんどなっていない。
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特に深刻なのがブレードタイプの機体で、敵の猛攻が激しい最中でとっさにボタンを押さなければならない過酷っぷり。
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エネルギーブレードは射程距離が短いので、微小の入力遅延が命取りとなりやすい。突進に至ってはボタン押しからの即タッチを行わなければならず混乱してくる。
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結果、遠距離からショットを撃った方が安心かつ楽に攻撃しやすいという結論に至る。エネルギーブレードの性能そのものは高いので、あまりにももったいない。
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一方でブーストタイプの機体は、オート起動を使う事でボタンを使用せずに済み、操作の煩わしさがなくなる。
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自動的に超加速が発動するので、激戦区であろうが関係なしという優遇さ。エネルギーゲージを消費しやすい欠点はあるものの、戦い方次第ですぐに回復できる。
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超加速はいわば意図的な処理落ちみたいなもので、敵の攻撃がかなり見極めやすくなる。その使い勝手はエネルギーブレードをも遥かに凌ぐほどに高性能。
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この操作体系の影響で、ショットの連射性能の高さも相まってブーストタイプの方が圧倒的に使いやすい。
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特有の爽快感の減少
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『2』にあったスーパーチャージショットやバリアといった一撃必殺性の高かった攻撃がなくなった影響で、クリア時間が長引きやすくなっている。
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両方の機体も「ほぼ一撃で硬い敵を葬れる」というべき攻撃手段に乏しいので、ヒットアンドアウェイな攻略が重視される傾向にある。
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とはいえ『2』における先述攻撃が強力すぎた面もあったので、むしろ本作の方が適正な性能に落ち着いたといえる。
総評
シリーズ譲りの安定した面白さは健在で、前2作以上に洗練されたゲームバランスや初心者に考慮したシステムの改良といった面が光る一作。
相変わらず一部の操作性に難はあるものの、価格以上のボリュームがありやり応えは十分。シンプルながらもアクションシューティングとしての完成度は高い。
最終更新:2022年10月08日 14:51