本稿では初出となるPC88版(判定なし)と、移植であるSFC版(劣化ゲー)・FC版(判定なし)・PS2版(クソゲー/劣化ゲー)を紹介しています。
【わんだらーず ふろむ いーす いーすすりー】
ジャンル | アクションRPG | ※画像は『イース大全集』収録のPC-88版 |
対応機種 |
PC-8801mkIISR以降 PC-9801VM/UV以降 X68000、MSX2 Nintendo Switch |
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発売・開発元 | 日本ファルコム | |
発売日 | 1989年7月21日 | |
定価 | 8,700円 | |
判定 | なし | |
ポイント | トップビュー ⇒ サイドビュー | |
イースシリーズ |
『イース』シリーズのナンバリング第3作。
『II』から3年後の話で、『I』と『II』に登場したドギの故郷フェルガナ地方でのアドルの冒険を描く。
レドモントの街から周辺の攻略ポイントをクリアしていく事でストーリーが進行するアクションRPG。
+ | 多重スクロールのオープニングデモ動画 |
ストーリーに関して前作ほどの起伏や壮大さは無く、話としてはやや短め。前作までとの多少の矛盾に目を瞑ればまとまりは良い。
アクション性は向上したものの、家庭用ゲーム機やアーケード等のアクションゲームと比べるとやや見劣りする。
全体として悪い作品では決してないが、「イース」シリーズの続編としても横スクロールアクションRPGとしても当時の水準からして双方のファンを満足させる出来ではない。
総じて中途半端なゲームになってしまったことは否めない。
国内のみ。発売元が日本ファルコム以外の場合は発売年の後に注記。
ジャンル | アクションRPG | ![]() |
対応機種 | スーパーファミコン | |
メディア | 8MbitROMカートリッジ | |
発売元 | トンキンハウス | |
開発元 | アドバンスコミュニケーション | |
発売日 | 1991年6月21日 | |
価格 | 8,800円(税抜) | |
判定 | 劣化ゲー(管理人裁定による) | |
ポイント |
邪神アドル(旧称:モッコス) 「パペパプー」とネタにされた残念なBGMアレンジ |
PC88で発売された『WANDERERS FROM Ys』(以下『III』)のX68000移植版をベースにしている。
X68kの長所と短所、SFCの長所と短所を合わせ持っている。
FC版より3ヶ月も前に発売されたSFC版『III』。
FCの性能では再現し切れなかった仕様が多数盛り込まれている一方で、難易度の高さやCG・BGMの残念さなど、本家から劣化している箇所も多いのが惜しいところ。
【いーすすりーわんだらーずふろむいーす】
ジャンル | アクション | ![]() |
対応機種 | ファミリーコンピュータ | |
メディア | 3MbitROMカートリッジ | |
発売元 | ビクター音楽産業 | |
開発元 | アドバンスコミュニケーション | |
発売日 | 1991年9月27日 | |
定価 | 7,500円(税別) | |
判定 | なし | |
ポイント |
サイドビュー SFC版の後に発売 ファミコン『イース』最終作 |
FC版『イース』の3作目である。
展開されるストーリーは原作と同様である。
オープニングは、過去作の『I』と『II』を振り返る…『I』ではタイトル画像、『II』ではリリアは瞬きまで再現。
そして、「I」と「II」が合わさり「III」になる。
FC版の後にSFC版が発売されるのが一般的であるが、本作はSFC版の後にFC版という珍しい流れ。
『イース』シリーズは現在でも最新作が登場しており世界観は非常に広大なものである。
本作はFCの性能を限界まで引き出して『III』をファミコンに移植しようと色々と情熱を注力したのが伝わって来る。
それを以てしてイースの世界を再現するには足りない事を示した作品とも言える。
どうしても多重スクロール、漢字フォント、回転する歯車…それらをFCで再現出来ないのは仕方のないところであるが、ラスボスは本当にテストプレイしたのかと言われるとこ。
本作独自の要素も薄いのも相まってファミコンイースは竜頭蛇尾のような格好で本作で最後になってしまった。
もしファミコンにはこだわらず他の機種をお持ちならそちらの方で『III』を購入する事を薦める。
ジャンル | アクションRPG | ![]() |
対応機種 | プレイステーション2 | |
メディア | CD-ROM | |
発売元 | タイトー | |
開発元 | アクセス | |
発売日 | 2005年3月24日 | |
価格 | 6,090円(税込) | |
判定 | クソゲー | |
劣化ゲー | ||
ポイント |
邪神アドルの起源 明らかにミスマッチなキャラデザ クインテットが作ったとは思えない糞BGM PCEより長いローディングと操作性の低下 |
2005年にPS2にも移植された。
他にもタイトーは『IV』『V』の移植を発表しており、その第1弾として発売されたが…。
+ | 画像 |
BGMやUIなど、PS2というハードにしては全体的にチープで安っぽい作りになってしまい
旧作のファンからは発売前のビジュアル等から問題作扱いされる事が多かったが
進行不能になるような重大なバグはなく、ゲームとしての体裁は保たれている。
同年に本家ファルコムが原作の良リメイク『イース -フェルガナの誓い-』を発売したこともあり、当時は満遍なく叩かれてしまうことになった。
*1 当時のコンシューマー機はRFやAV接続だったため、(基本的に)デフォルトがRGB出力であるPCほど鮮明な画質ではなかった。
*2 …と言うのは匿名のスタッフロールがあるが故の誤解で。ディスク内の隠しメッセージで他機種版も含めたスタッフが判明しており、MSX2版の移植は畠山孝一氏が手掛けているが。以後のファルコム作品のスタッフロールでは見かけなくなった為、橋本氏らと同様に退社した模様。
*3 BGMの追加、本作やそれをベースとした移植はラスボスの動きが見直され、ハード性能を活かしアクション性が強くなった。
*4 スプライトによる動作の軽さは、裏を返せばキャラクターの体重を感じない軽薄な動きに成りがちで、PC88版のゲームを他に移植した場合はその補正を怠るケースも多く、軽いというよりもチープな印象を受けがちだった。
*5 X68k版では多重とはいえせいぜい地形と背景程度でPC88版のように3重4重スクロールまではしない。
*6 その為ちらつき・がたつきが多く目が疲れるのが難点。
*7 普通に立っているキャラクターの身長と同じだけある。
*8 スタッフロールを見比べると直ぐわかる。
*9 一応フォローするならOPのアレは人だかりによる暗がりの中で水晶玉の光が下から仄かに照らされているという状況だったので不気味に見えるのもやむなしである。
*10 それ以前から某モッコスに掛けてモッコスアドルと呼ばれることも。
*11 『翼を持った少年』および『バレスタイン城』という曲のイントロ。バレスタイン城については下記のPS2版の参考動画を参照。
*12 この手の名称を考えた・使っている人はパブリッシャーとデベロッパーの違いをまるで理解していない可能性が非常に高いと思われる。
*13 この辺りの事情は[[古代祐三氏のコラム>https://igcc.jp/int-actraiser-01/]]が詳しい
*14 イースIIIのオリジナルスタッフが開発に関わっている。
*15 『III』のリメイクである『フェルガナの誓い』では黒幕に踊らされた哀しき悪役に変更されたため混同されがちだが、『III』では自らの野心のために世界の征服さえも考えていた完全な悪役である。
*16 SEVENもボイスはあるが、戦闘中の掛け声のみなので問題はない。
*17 『フェルガナの誓い』もPSP版でアドルを除いてフルボイスとなったが、実力派の声優を多数起用しているため、批判の声はあまりない。