初音ミク Project DIVA MEGA39's
【はつねみく ぷろじぇくと でぃーゔぁ めがみっくす】
ジャンル
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リズムアクション
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対応機種
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Nintendo Switch
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発売元
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セガゲームス
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発売日
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2020年2月13日
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定価
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通常版:5,990円 10thアニバーサリーコレクション:9,990円 (ともに税別)
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プレイ人数
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1人
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レーティング
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CERO: C(15歳以上対象)
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判定
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良作
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ポイント
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シリーズ10年の集大成 ハード違いによる×ノートの扱いの違いには注意
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SEGA feat. HATSUNE MIKU Projectシリーズリンク
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概要
『初音ミク Project DIVA』などSEGA feat. HATSUNE MIKU Projectシリーズの10周年を記念したタイトル。
モードは通常の4ボタン操作であるアーケードモードと、Joy-Conを持ってプレーするミックスモードの2種類。
アーケードモードはスライドノートありなどのFuture Tone仕様。
限定版「10thアニバーサリーコレクション」にはシリーズ各作品に収録された曲を収録した5枚組CD「初音ミク Project DIVA MEGA39's CDコレクション」と本作のテーマソング「Catch the Wave」がダウンロード可能なSONOCAカードを同梱。
ミックスモード概要
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両手にJoy-Conを一方ずつ持ってプレーする。このとき、L/Rボタンを上に向けたいわゆる「いいね持ち」で持つ必要がある。
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赤いノートの場合、Joy-Con(R)を持った右手をひねってカーソルの場所をノートに合わせ、タイミングを合わせてZRを押す。青いノートの場合は左手で同様に行う。
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EASYでは赤いノートしか出現せず、この場合は右手のみのプレーとなる(左手は一切反応しなくなる)。
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黄色く光るロングノートの場合はその区間中ZL/ZRのうちカーソルを合わせている側をホールド。(NORMAL以上では)単体の場合どちらでも行える。
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傾いているためにそれに合わせて手首をひねる必要がある場合もあり、中には途中で傾きの方向が変化するものも。
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ロングノーツ2つのため双方を別々の位置に合わせてLZ+RZのホールドとなる場合や、ロングノート中に他方の単発ノートが出現するためロングを処理する側が必然的に決定されるケースもある。
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アーケードモードはHARDをクリアした曲のEXTREME/EXTRA EXTREME開放だが、ミックスモードではNORMALをクリアした曲のHARDが開放となっている。
その他
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モジュールにプレイヤーが任意でデザイン可能なTシャツが5枠用意されている。
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2020年4月末のアップデートでタッチパネルを横方向に4分割して各ボタンに割り当てるタッチプレーが追加された。
評価点
シリーズ集大成といっていいボリューム
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ゲーム本体だけでも101曲収録。
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PS4版『Future Tone』と比べるとさすがに見劣りするが、あちらは体験版クラスの無料ダウンロードに対する2つのDLCを基本とする構造なのに対し、こちらはSwitch用の1本のゲームであることを考慮すれば十分ではある。
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このほか、DLCの楽曲追加パックが2020年2月~5月に6つ(1つ900円、シーズンパス(4,500円)によるまとめ買いあり。なお2020年3月/4月は2個ずつの配信)、7月~9月で5つ(計34曲、8月/9月は2個ずつの配信。各900円 or シーズンパス(3,900円))、また7月には3曲+モジュール1つの無料配信パックも用意されている。
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モジュール(コスチューム)も300種類以上収録。
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余談だが、『f/F』でレーティングが上がった元凶とも言えるMEIKOのブルークリスタルもしっかり収録されている(ので本作のレーティングもC判定)。
極力60fpsを維持する努力
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PVやモジュール・アクセサリの組み合わせによっては背景のみ30fpsとすることで、リズムゲーム自体は60fpsで動作するようになっている。
賛否両論点
お高いアイテムアンロックキー
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全アイテムを即座にアンロックできるキーのお値段が1,000円(税抜)とお高い。
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それでも『X』(モジュール1,500円+アクセサリ1,000円(それぞれ税抜))や『Future Tone』(1,450円(税抜))に比べると安い。
問題点
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起動が遅い
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OPムービーが流れるまでの間に飛ばせない画面が多い。
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コントローラーのレイアウト上の問題
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PS4版『Future Tone』と同様に、通常のコントローラーではレイアウト上押しづらい組み合わせがあったりする。
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×ノートに対応するボタンが非常に混乱しやすい。
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メロディアイコンのうち×は色が青であるが、これは今までのProject DIVAシリーズ作品が出ていたプレイステーション系(PSP/PS3/PS Vita/PS4)なら下ということになるのに対し、メロディアイコンの表示体系を任天堂系にしていると×マークに対するボタンはXボタン(上)になってしまう。
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ここでいう「プレイステーション系」は△□×○(色は順に緑桃青赤)での表示、「任天堂系」はXYBA(色は順に青緑黄赤)での表示のこと。
どちらの表示にするかで×マークの意味も根本的に違うのだが、「任天堂系表示でX(上)を押すべきなのにB(下)を押してしまう」「PS系表示でB(下)を押すべきところでX(上)を押してしまう」という混乱の種であり過去作経験者ほど危ない。
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混乱を防ぐためにはメロディアイコンのうち最低でも×マークに対するものを矢印にしておくことをお勧めする。
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PS系と任天堂系のどちらかをベースに、任意で隣接する2つを矢印にすることができる(ただし右&下は不可)。PS系なら△←↓○、任天堂系なら↑←BAもしくは↑YB→を推奨。
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PS系のカラーリングで4つすべて矢印(↑←↓→)にすることも可能であり、全て上下左右の方向での表示となるためこの問題に対しては最も強力な解決策となる。ただし任天堂系カラーリングの4方向矢印という設定は不可なので注意。
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アーケードモードにおいて、一部楽曲ではEASYもしくはNORMAL譜面が収録されていない
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文字通り。2020/5/13現在、全DLC適用で総曲数141曲に対しアーケードモードのEASY譜面は114曲、NORMAL譜面も「恋するVOC@LOID」「Packaged」を除く139曲となっている。
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ただ、これはアーケード版の仕様そのままとも言えるため、「アーケード版にせよ本作にせよ追加しようと思わなかったのか?」というツッコミどころと言った方がいい。
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EXTRA EXTREMEはわずか60曲(シーズン2までの時点)だが、「元々スライドノートがない曲にスライドノート付きの高難度譜面を追加した」「元々スライドノートありだが更に高難度の譜面を追加した」といったものがあり、こちらの有無もアーケード版準拠と思われる。
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ただし、ランキングにおける曲リストでは全曲EXTRA EXTREMEがあるかのように表示されるという別の問題がある。
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衣装チェンジ対応曲の場合サブ衣装のキャラがメインと同キャラで固定になる
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「裏表ラバーズ」のように衣装チェンジに対応している曲の場合、サブ衣装はメイン印象と同じキャラの別モジュールを選択できるがキャラを別にすることができない。
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例えば、「裏表ラバーズ」では過去作ではデフォルト設定こそ同キャラになっているものの別キャラを指定することもでき、ミクとルカ双方のコンフリクトを指定するといったこともできたのだが、本作ではそれが不可能になっている上、メインをルカにしてサブを選択する際にLZ+RZでのおすすめ衣装選択を行うことで見かけ上サブをミクに切り替えることができても実際にはルカになってしまう。
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タッチプレーの準備の面倒さ
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2020年4月末のアップデートで追加されたタッチプレーだが、本体の設定によりタッチパネル感度をタッチペン用にする必要がある。
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また、ONにしているとボタン操作を一切受け付けない。
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収録曲の格差
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巡音ルカ・KAITO・MEIKOの年長組の曲が少なく、追加曲のほとんどがミク曲で明らかにミク偏重である。
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追加曲の半分が固定PV
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新しく10曲の曲が追加されたがその半分が固定PVである、さらに「ロキ」に至ってはみきとPとは関係のない光収容氏とNEGI氏がデザインした『ブラックスター』と『ブルームーン』でモジュール固定されており、(この楽曲ではモジュールの変更がPVに反映されない仕様となっている。)
早い話手抜きといっても過言ではない。
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さらには新モジュールも初音ミクの1体だけで新鮮味に欠ける。
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現在は修正されているがスカートを穿いたモジュールがパンツ全開になるバグやジターバグの譜面がPVとずれるバグ、「大江戸ジュリアナイト」などのPVでボタンを連打すると白時に選んだモジュールが棒立ちしているバグなど初期はバグが多かった。
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DLCの曲が全て過去作の使いまわしでまったく新しさが感じられない。
総評
シリーズ10周年記念作品に相応しい出来ではある。
移植元と比べると曲数としては物足りない気もしないではないが、
新曲の追加やミックスモードという新たな要素はその埋め合わせには十分だろう。
余談
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「初音ミク Project DIVA MEGA39's CDコレクション」のうち4枚目まではPS Vita版の『初音ミク -Project DIVA- F 2nd』においてエクストラマーカーでそれぞれ『無印』『2nd』『extend』『F』として認識される。これは『F 2nd(PS3版)』が当てられた5枚目も含めて各作品のパッケージイラストをレーベル面に当てたため。
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店舗によっては特典としてTシャツデザインのダウンロードコードが用意されていたが、2020/5/21より無料配信となっている。
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発売して7か月後SEGAからソーシャルゲーム「プロジェクトセカイ」が公開されるとDLCの音沙汰が無くなった。その後もDIVA公式Twitterには何の連絡もなくただプロセカの情報を流すだけになっており、事実上DIVAシリーズは打ち切りとなってしまったかに思えたが…?(詳細は下記)
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「プロセカ」はガチャ等を備えたオーソドックスなソシャゲであり、他にも人間の少年少女たちを交えたストーリーや収録曲の多くがボカロと声優の混声カバーである等、DIVAシリーズとは作風が大きく異なっている。
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製作発表当初はソーシャルゲームということもあり多方面から不安視された時期があったが、いざリリースされると、元々のファンだけでなく10代を中心とした従来とは異なる層からの人気も獲得。いちゲームに留まらずボカロシーン自体が大きく活性化するほどの成功を収め、一躍スマホ音ゲー屈指の人気作となった。
DIVAの新作の見通しが立たないのは寂しい所ではあるが、ボカロのゲーム、そしてボカロ界隈そのものは良い形で新たな局面を迎える事が出来たといえるだろう。
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北米でのタイトルはDIVA Mega Mixであり、日本語でいうミクと数字の39をかけたタイトルになっていない。
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英語圏の人間に39でMikuと読むネタが通じないためなのだろうが、北米での通常版の希望小売価格は39.39USドル。
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2022年5月27日にSteamにてPC移植版である『初音ミク Project DIVA MEGA39's+』がサプライズ発表および配信が開始された。
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PVのモジュールのグラフィックをPS4版仕様に切り替え可能になっていたり、全曲のMVが60fps化されたりしている。ただし、ミックスモードは削除されている。
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Switch版のシーズン2までのDLC曲が収録済みであるのに加えてSwitch版では未収録だったPS4版『Future Tone』の曲もDLCで追加されている。
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一部未収録の曲もあるが、PS4版『Future Tone』で未収録だった「鏡音八八花合戦」が復活している。
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この作品の配信によりDIVAシリーズが完全に潰れてしまったわけではないことが確認された。
最終更新:2023年05月18日 22:37