ミスターナッツ

【みすたーなっつ】

ジャンル アクション
対応機種 スーパーファミコン
発売元 ソフエル
開発元 Ocean
発売日 1994年10月7日
定価 8,800円
判定 なし


概要

リスの「ミスターナッツ」が主人公の2Dアクションゲーム。 元々はAmiga用のソフトとして作られていたゲームだが、Ocean側の開発計画変更によりSNES及びメガドライブ*1用のソフトとなってリリースされた。本作はその日本版に当たる。


ゲーム内容

  • ライフ制と残機制。ステージの道中でアイテムによる回復や1UPも可能。
  • 全26ステージ。各エリアの終盤にはボスと戦える。
  • ステージによってはゴールまで進むシンプルなクリア方法や鍵を入手してゴールに持ち越すなどのクリア方法を要求させるステージもある。
  • 操作面ではマリオのようにダッシュしたり、敵を踏みつけてジャンプしたりできる。
    • 他にも消費アイテムのどんぐりを投げて攻撃したり、しゃがみながら攻撃ボタンで尻尾を回して攻撃するアクションもできる。

評価点

  • シンプルかつ良好な操作性
    • 操作のレスポンスもかなり良く、ストレスを感じさせない。
    • どんぐり投げもかなり有用なアクションで弾速は遅いが、ジャンプで対処しきれない敵などに有効。
      • ステージ中に多くのどんぐりを入手する事ができるので、使いどころに注意すればほぼ弾切れになる事はないだろう。
  • 美麗なグラフィック
    • 可愛らしいキャラクターや細かく描き込まれたグラフィックはスーファミの中でも屈指の美しさを誇る。
    • ステージを進んでいくにつれて、空がだんだん暗くなっていくなど演出面も臨場感アリ。
  • 高品質なサウンド
    • 各ステージの雰囲気と非常にマッチしていて、聴き心地の良い出来。
    • 公園ステージや火山ステージのBGMも冒険心が誘わせる雰囲気を出せている。
  • 個性豊かなステージ
    • 森、公園、小屋、火山、空、遊園地、雪国と様々なステージがあり、個性豊かな内容に仕上がっている。
    • 魔界村のようにステージを進んでいくとマップで主人公のいる場所を示される演出が入り、先に進む楽しみにつながっている。

問題点

  • パスワード、バックアップ機能がない
    • 本作最大の問題点。本作はアクションゲームとしてはそこそこ長いゲームなので、中断できないのは痛手と言える。
      • 後に海外のみで発売されたメガドライブ版ではパスワード機能が追加され、遊びやすくなった。
    • ステージセレクトの裏技が存在するが、日本語版では何故か使用できなくなっている。
  • 難易度が高い
    • 序盤は割とストレスなく遊べるが、小屋ステージから敵の配置やステージ構成がいやらしくなっていき、手ごわい敵キャラも出てくる。
    • 空ステージはジャンプでは届かない跳んでいる敵や主人公を追尾する敵キャラも多く、それらに加えて、落下死も多くなっている。
    • 終盤の雪国ステージは滑る床や入ると即死する水面が登場。
      • 水面に浮かぶ足場も小さくて滑る上に突然敵キャラが出てきたりするので、タイミングよく攻略しないと即死してしまう。
    • 日本語版では体力が8つになっているので、元の海外版(ライフが5つ)よりは少し難易度が低くなっている。
  • ボス戦が単調。
    • 森ステージや公園ステージのボスは簡単に倒しやすいが、小屋ステージ以降のボスは一定のタイミングでしか攻撃が出来ず、そのタイミングが出るまでが長いので待ちゲーになっている。
      • 特に遊園地ステージのボスは攻撃可能なタイミングが出るのが非常に遅く、ほぼ同じパターンを6回も繰り返す必要があるので、ストレスが溜まりやすい。
  • 一部世界観にそぐわない演出
    • 空のステージのボスの攻撃方法がかなりイカれている。
      • 巨大なヒゲオヤジの顔が雲から突き出ているというビジュアルだけでもかなりキているが、攻撃パターンの一つがなんと目玉を次々と弾として射出してくるというもの。ファンシーな絵面で進んできただけにギャップが大きくさすがに悪趣味。
  • ローカライズ関連
    • 日本語表記はタイトル画面のみで、ゲーム中のテキストは全部英語。
      • 特に公園ステージは鍵を見つけないとゴールできないので迷ってしまう可能性がある。
  • その他
    • しゃがみながら攻撃ボタンを押す事で出せる尻尾回転攻撃だが、リーチが短く使いどころが難しい。

総評

わかりやすく快適な操作性、可愛らしい主人公、個性的なステージ、美麗なグラフィックに高品質な音など面白い要素が詰め込まれたアクションゲーム。

しかし、パスワード機能の不在と後半のいやらしい難易度で足を引っ張りがちなのは残念なところ。

マイナーで高難易度のアクションゲームが遊びたい人にはよいかもしれない。


余談

  • 本作の開発チームはなんとたったの 2人。
    • ゲームデザイン、グラフィック、プログラミングなどをこれだけの人数でここまでの水準に仕上げられているのはさすがである。
  • 海外では元となったSNES版の他にもメガドライブ*2、ゲームボーイ、ゲームボーイカラー、ゲームボーイアドバンスにも移植された。尚、GBA版はSNES/MD版では削除されてしまったステージがボーナスレベルの形で復活している。
  • Amigaにも本作の続編である『 Mr.Nutz Hoppin' Mad 』が発売。
    • 本作と同じくアクションゲームではあるが、『マリオ3』のように自由に操作できるマップが採用された。
      • こちらを移植したメガドライブ版も発売予定ではあったが、お蔵入りになってしまった。
  • 本作のタイトルは当初『Mr.Nuts』になる予定だったが、「Nuts」が侮辱的かつ別の意味に解釈されてしまうこと*3を恐れ、最終的に1文字変えて『Mr.Nutz』にしている。
  • 現在ではスーパーファミコン版が中古で4千円するなどプレミアがかかっており、入手難易度は少し高い。
最終更新:2021年05月05日 18:46

*1 ちなみに欧州版メガドライブのことである

*2 欧州版メガドライブでのみ発売された

*3 英語表現では「頭のおかしい輩」や「キ○タマ」を指す言葉として使われることもあるのが理由と思われる。