この記事ではAC『がんばれ運転士!!』とCS移植版である『電車でGO! 旅情編』を併せて紹介します。
【がんばれうんてんし】
ジャンル | 電車運転シミュレーション | ![]() |
対応機種 | アーケード | |
使用基板 | Type-Zero | |
発売・開発元 | タイトー | |
稼動開始日 | 2000年10月 | |
判定 | スルメゲー | |
ポイント |
シリーズ唯一の路面電車主体作 操作性の徹底再現 それゆえに複雑化した運転方法 |
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電車でGO!シリーズ |
『電車でGO!』シリーズの旧筐体における最終作にあたる作品。
前作から大きく方向転換して路面電車主体の作風となり、観光案内などといった一見さん向けの要素も採用。
3Dポリゴンで描かれた沿線風景などは更に強化され、操作系統も収録路線の雰囲気に合わせて自動空気ブレーキ操作を再現したものに変更された。
そのため、マスコン・ブレーキ・ドアスイッチ等、筐体に改造を施す必要があり、コンバージョン自体も大掛かりなものとなった。従来作との互換性が無くなったゆえに出回りも少なく、現存している筐体は『電車でGO!3 通勤編 ダイヤ改正』に次いで少ない。
初級と上級は操作説明、中級とプロ級は観光案内が用意されている。
『のんびり運転』
基本操作からして、従来作と大幅に異なる動作を要求されることを考慮してか、それらのレクチャーを受けることができる難易度である。減点項目もさほど厳しくないため、複雑な動作が苦手なユーザーはこちらプレイしよう。
初級「電GO!とは、まったくちがう!」
中級「基本を踏まえて楽しく運転!」
『ほんもの運転』
この難易度では、江ノ電なら制限速度、伊予鉄ならポイント操作が追加される。また停止位置の判定がシビアになるなど、その他減点項目が増加する。
また、一気にフルノッチで加速しようとするとブレーカーが飛び、減点を喰らうシチュエーションも追加されるため、起動加速時は1段ずつゆっくりマスコンを入れ、細心の注意を払いながらプレイする必要も発生する。
上級「プロへの道は厳しい!」
プロ級「いよいよ本番!」
「江ノ島電鉄」
「伊予鉄道」
ゲームの進行順
今作では以下の点が新規に追加されている
全体的な難易度緩和と路面電車向けのバランス調整
ほっこりするグラフィック群
音声関係
恐ろしいほどに複雑な操作系統
ライフを回復させる手段
やや特殊なオーバーラン判定
やはり発生した現実との乖離
その他の問題点
シリーズ初の路面電車主体作品ということもあり、観光案内などを採用するなど、全体的な雰囲気をのどかなものに一新。従来比で丁寧なチュートリアルを設けたことにより、一見さんでもある程度の操作を体得できる程度までに難易度を低下させた点は、ゲームとしては特筆に値できるだろう。
しかし、自動空気ブレーキの調整の難しさを筆頭に、停止位置のシビアさと言った根本的な難しさもあり、不安定とまでは行かずとも人を選ぶ出来栄えに落ち着いた。
人気が落ち着いて久しい時期に稼働したこともあり、これ以後2017年11月7日に『電車でGO!!』が稼働開始するまで、アーケードの系譜は長きに渡って休眠状態に移行するに至った。
【でんしゃでごー りょじょうへん】
ジャンル | 電車運転ゲーム | ![]() ![]() |
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対応機種 |
プレイステーション2 Windows |
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発売元 | PS2 | タイトー | |
Win | アンバランス | ||
開発元 | オフィスクリエイト | ||
発売日 | PS2 | 2002年7月25日 | |
Win | 2003年6月5日 | ||
定価 | PS2 | 7,140円 | |
Win | 6,500円 | ||
廉価版 | PS2 |
TAITO BEST 2004年12月2日/3,300円 |
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Win |
本格的シリーズ 2006年1月13日/1,980円 |
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判定 | なし | ||
ポイント |
ゲーム性改善でより初心者に優しく 路線が2つ追加 観光案内が大幅増 快適な操作には専用コン推奨 |
『がんばれ運転士!!』の事実上の家庭用移植作。内容が大きく変わったからか、あるいは電GOシリーズだと分かりにくかったからか、タイトルは全く別のものとなっている。
追加路線
「京福電鉄」
「函館市交通局」(*4)
なお京福電鉄と函館市交通局が全線の上下線が収録されたのに合わせて、江ノ島電鉄の上下全線と、伊予鉄道も環状線・市駅線・松山駅前線・本町線と全線収録となった。
また各路線毎に季節が決められており、伊予鉄は春、江ノ電は夏、京福電車は秋、函館市電は冬となっており、沿線の風景もそれぞれ各季節をモチーフにしている。
江ノ電や函館市電で時間帯を夜に設定すると一部区間で花火を見ることが出来るなど、粋な演出もある。
その他の変更点
+ | キャラクター |
シリーズでも最大級となったボリューム
ゲームシステムのさらなる改善
各社独自のシステムの再現度の高さ
その他
ブレーキの難しさ
現実との乖離
UI周りの劣化点
その他
煩雑な操作の省略や入門編の設定によって初心者への配慮もより明確となり、何よりボリュームが急増して長く楽しめる作品となった。
一寸も許されないオーバーランという厳しさやブレーキングの難しさなどは健在で、慣れるまでには時間がかかるという惜しい点もある。
ただし、電車運転ゲームでは珍しい「ワンマン運転」「自動空気ブレーキ車」というマニアックな要素を詰め込んだのは評価点でもあり、やり込む自信があるなら手を出しても惜しくない逸品でもある。