ブルーキッド 2
【ぶるーきっどつー】
ジャンル
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アクション
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対応機種
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ニンテンドー3DS
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メディア
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ダウンロード専売ソフト
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発売元
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テヨンジャパン
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開発元
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winterworks
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配信開始日
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2015年10月21日
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定価
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300円
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プレイ人数
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1人
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セーブデータ
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4箇所・オートセーブ方式
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レーティング
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CERO:A(全年齢対象)
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判定
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良作
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ポイント
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2頭身キャラが活躍するレトロ風横アクション ボリューム・クオリティ共に上質 微妙な難易度の水増し感
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概要
テヨンジャパン発売のニンテンドー3DSダウンロードソフト。開発はドイツのメーカーであるwinterworksが担当。
ジャンルとしては王道の横スクロールアクションゲームに該当。ゲームシステムだけでなくグラフィックやBGMに至るまでレトロ風に描かれているのが特徴。
魔物にさらわれた恋人「ピンクキッド」を助けるため、2頭身の主人公「ブルーキッド」が5つのワールドを駆け巡るというストーリー設定。
主人公がその名の通りの青カラーなので誤解されやすいが、ゲームタイトルのアルファベット表記は「Bloo Kid 2」である。
なお、ゲームタイトルに「2」とあるが、1にあたるゲームはCS機では発売されていない。
ゲームルール
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ゲームの流れ
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まず初めに「かんたん」「ふつう」「むずかしい」の難易度からセーブデータを作成する必要がある。
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難易度によって出現するハートアイテムの数や目標タイムに相違があるが、ゲームそのものの難易度の差はない。一度作成した難易度の変更は不可能。
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「ストーリーモード」がゲームの重心となっており、ゲーム開始時はこのモードのみのプレイとなる。
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ステージセレクト制となっており、5つのワールドからプレイしたいステージを選択できる。全60ステージ構成(5ワールド×12ステージ)。
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ゲーム開始時はワールド1のステージ1しかプレイできないが、ステージのクリアを続けると選べるステージ及びワールドの範囲が増えていく。
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各ワールドの最後に待ち構えるボスステージをクリアすればワールド制覇となる。なお、各ワールドには隠しステージが3つずつ存在する。
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ラスボスを倒しストーリーモードをオールクリアすると、隠し難易度及び新モードが解禁され次回からプレイ可能となる。
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難易度「げきむず」が選択可能となり、別途セーブデータから作成の上でプレイできる。初期ライフの減少やチェックポイントのカットといった厳しい制限あり。
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「ボスチャレンジ」と「タイムアタック」もストーリーモードと別にプレイできる。共に難易度に関わらずかんたん仕様となる。
前者はすべてのボスを倒すまでのクリアタイムを、後者は各ステージ及びワールド内の総ステージのクリアまでのタイムが記録される。
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操作体系
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原則としてブルーキッド(以下:キッド)の移動とジャンプのみで操作を行う。
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スライドパッド及び十字ボタン左右で左右移動操作。走行移動なので速度はやや速い。特定地形にいる状態でキー下でそこから降りられる。
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Aボタンでジャンプが行え、さらには二段ジャンプもできる。ジャンプ中の移動制御やジャンプ力調整も可能。水中にいる場面では浮き操作になる。
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本作には直接的な攻撃操作はなく、キッドの攻撃手段はジャンプ中の敵踏み付けがメインとなる。踏み付けからの再ジャンプというテクニックもできる。
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その他にも画面のアングルを少し上に動かせる操作があり、視界の外にいる敵やアイテムなどを映すのに役立つ。
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ビッグスターについて
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ストーリーモードのステージを特定条件を満たしてクリアすると、6種類の「ビッグスター」が獲得できる。
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状況次第では2種類以上のビッグスターを同時獲得する事も可能だが、6種類全部のビッグスターの同時獲得は条件の関係上行えない。
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一度獲得したビッグスターは次回ステージ時において、すでに獲得した扱いとなる。よって、すべてのビッグスターの獲得はステージの周回クリアが必須。
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隠しステージの解禁はビッグスターの累計獲得数が深く関わってくる。ビッグスターは全ワールド及びステージの総合で360個存在する。
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ビッグスターの獲得条件を以下に表記する。
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ビッグスターの獲得条件一覧
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風船
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ゴールポイント寸前に出現する風船を割った状態でクリアする。
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星回収
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ステージ内にある星アイテムすべてを回収した状態でクリアする。
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青星回収
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ステージ内にある青い星アイテムすべてを回収した状態でクリアする。
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敵全滅
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ステージ内にいる敵すべてを倒した状態でクリアする。ボスステージはボスしか敵がいないので獲得確定となる。
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ライフ全快
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ライフ全快の状態でクリアする。ステージ途中でダメージを受けてもハートアイテムで回復すればセーフ。
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急ぎ足
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各ステージに定められた目標タイム以内にクリアする。目標タイムは高い難易度であるほどに厳しくなる。
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アイテムと仕掛けについて
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各ステージには以下のアイテム及び仕掛けがあり、ステージ攻略やビッグスター獲得のための重要な要因となる。
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アイテムはそのまま放置か宝箱の破壊により出現する。仕掛けに関してはキッドに襲い掛かるトラップも複数登場するが、このページでの紹介は割愛する。
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アイテム・仕掛け一覧
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アイテム
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星
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ステージ内のいたるところに複数配置されている。配置数はピンキリだがボスステージの配置数は少ない。
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青い星
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ステージ内の非常に分かりにくい位置に3箇所配置されている。一度回収すると次回ステージプレイ時では獲得された扱いとなる。
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ハート
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ライフを1つ回復する。ライフ全快状態では回収できない。高い難易度であるほどに出現数が少なくなる。
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薬
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一定時間、キッドの移動速度が劇的に増し、無敵化による体当たりであらゆる敵を倒せる。ただし、水中に入ると効力が失せる。
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仕掛け
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宝箱
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踏み付けで破壊でき、中から星やハートのアイテムが出現する。ただし、中身が空の場合もある。
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チェックポイント
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これに触れた後にミスしても、ミス前の状態からの再開ができる。難易度げきむず・隠しモード・ボスステージでは登場しない。
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トロッコ
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特定ステージに出現する乗り物。キッドを乗せると強制スクロールとなる。
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風船
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ゴールポイント寸前に出現し、キッドが触れると割れる。出現次第に浮いていき、見逃すと二度と戻ってこない。
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ゴールポイント
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ステージの奥に配置されたゴールで、キッドをここに到達させるとクリアとなる。
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ステージクリアとミス条件について
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ステージ奥にあるゴールポイントにキッドを到達させるとステージクリア。
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ボスステージはゴールポイントの前にいるボスを必ず倒す必要あり。各ステージにはミスになるような制限時間は定められていない。
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キッドのライフがすべてなくなるとミス。残機の概念はなく、何度ミスしようがゲームオーバーになる心配はない。
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初期ライフは3つで、敵や攻撃などに触れると1つ消費される。落とし穴に落ちたり強制スクロールに挟まれると即ミス。
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チェックポイントに触れた状態であれば、ミスしてもそこからの再開となる。触れていない(登場しない)ステージ及びモードでは最初からのやり直しとなる。
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目標について
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ゲーム中にとある条件を達成すると、タイトル画面の「目標」の項目に印が付く。
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目標は全部で27項目が存在し、達成していない項目にはヒントが表示される。目標はすべてのセーブデータ共用での記録となる。
評価点
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非常に優れたゲームバランスと操作性
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総合的なゲームバランスは非常に優秀であり、簡単すぎず理不尽すぎずの絶妙な難易度となっている。
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ステージを進めるたびに段々と難しくなってくる昔ながらの硬派な難易度でありながらも、極端な難易度の偏りが皆無という完成度を誇る。
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各ステージの構造は適切な長さの道のりとなっており、攻略の手順が分かればテンポ良くクリアできる小気味良さが堪能できる。
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ミスまでの許容ダメージ数がゆるめかつハートアイテムが適度に出現する反面、落とし穴やトラップの配置も程よく配置されており攻略のやり応えは大きい。
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ほとんどのステージは自分のペースで攻略でき、チェックポイントによる無限途中復活も可能と、初心者にもやさしい配慮が多い。
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操作性に関しても優秀で、分かりやすい操作で軽々とキッドを動かせる。
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入力ラグや複雑な操作とは一切無縁であり、アクションゲームとしての操作性は3DSソフトの中でもトップクラスの軽快さといっていい。
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実質移動とジャンプのみというシンプルな操作体系ではあるが、ステージによっては水中での泳ぎやトロッコ乗車といった特殊な操作を行う場面も多い。
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敵を連続ジャンプで踏みつける操作が非常に爽快感があり、極めれば相当回数の踏み付けが行える。なお、このテクニックを行わないと進めない地形が複数ある。
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多彩なステージボリューム
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総ステージ数が60もあり、300円のソフトとは思えないほどにボリューム感が高い。
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敵やトラップの種類やステージバリエーションも安価DLソフトとしてはかなり豊富。先のステージを進めるたびに新鮮な展開が待ち構えている。
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その一方でさくさくとゲームが進行するので、長ったらしさは全くといっていい位に感じない。露骨なステージの引き延ばしは特に見受けられず。
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ビッグスター獲得による周回クリアが前提なので、より長くプレイが楽しめる作りとなっている。
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個々のビッグスター獲得はそこまで難関というほどではないが、ステージによっては地味に獲得が難しい局面もあり一筋縄ではいかない。
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ステージクリア画面で6種類のビッグスターが勢揃いする様が気持ちいい。全ステージのビッグスターを完全収集した時の達成感はかなりのもの。
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レトロ感満載なグラフィック・BGM周り
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あえて荒々しいドットで描かれたグラフィックには独特のレトロ感があって味わい深い。
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レトロでありながらもしっかりとした書き込みがなされており、キッドを中心とした登場キャラの顔ぶれがなかなかに個性的である。
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各ワールドにおけるステージの背景に大きな差別化が図られており、きちんと「複数のワールドを駆け巡っている」感が表現されている。
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ピコピコサウンドが耳に残る、洗練されたメロディーが際立つBGMに関しても評価は高い。
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こちらもワールド及びステージによって様々な楽曲が用意されている。そのどれもが一聴の価値がありというべき良曲となっている。
問題点
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余分な難易度の水増し感
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全4段階の難易度があるものの、ゲームそのものの内容はどれも同じで水増し感が強い。
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ハートアイテムの出現数などの差異しかなく、敵の出現数や行動パターンによる違いはない。そのため、どの難易度でも攻略法はほぼ共通となる。
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そもそもこの程度の差異ならばオプションの設定で事足りるわけで、わざわざ難易度分けをする必要性があるのかという疑問がある。
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セーブデータを難易度別で作成しなくてはならず、難易度変更ができない点も不便なところ。
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セーブデータが4箇所あるとはいえ、他の難易度を始めるたびに一からプレイし直さなければならないのが非常に面倒である。
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突発的なダメージの恐怖
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キッドの位置によって頻繁にスクロールが上下左右に動く場面が多いため、突発的な敵やトラップなど餌食になりやすいのが困りもの。
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許容ダメージ回数が多いため致命傷を負わされる心配は少ないものの、初見プレイでは結構な頻度でスクロール後のダメージに遭遇しやすい。
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とはいえ、敵などの配置は完全固定で運が絡む要因はないため、あらかじめ覚えていれば十分にダメージ回避は可能である。
総評
300円とは思えないボリュームとゲームとしての完成度を誇る、良い意味で値段と内容が釣り合っていない一作。
ゲームとしての目新しさはさほどないが、昔ながらの横スクロールアクションが好きならば問題なく楽しめるであろう手堅き良作である。
最終更新:2020年10月15日 05:57