スーパー五目ならべ連珠

【すーぱーごもくならべれんじゅ】

ジャンル 五目
対応機種 スーパーファミコン
発売元 ナグザット
発売日 1994年3月25日
定価 9,500円
周辺機器 スーパーファミコンマウス対応
判定 良作
ポイント 初心者には茨の道
日本連珠協会推薦


概要

SFC初の連珠ソフト。
日本連珠協会推薦のお墨付きであり、坂田吾郎八段監修により本格的に仕上がっている。

五目ならべのゲームとしてはゲームボーイの『対局連珠』(トーワチキ)以来4年ぶりで据置機に限ればファミコンの『五目ならべ 連珠』(任天堂)以来なので実に10年半ぶりとなる。

特徴

  • 初心者から熟練者まで幅広いプレーヤーを対象にしており「対局」「詰め連珠」「連珠辞典」「オプション」が用意されている。

「連珠辞典」

  • 連珠のルール*1から、黒側の禁手*2について実演付きで解説される。

「対局」

  • 「フリー対局」と「名人戦」が用意されている。
    • 対局前には豊富な対局相手や置き石などの条件を選ぶことが出来る。

設定

  • CPUは級外、十級~一級、名人まで用意されている。名人は格調高そうな人物であり、級外のみ何と犬である。
    • 2P同士の対局も可能。
    • 更には、盤面の絵柄なども色々と選ぶことが可能。

珠型を選択

  • 連珠には3手目までは決められた打ち方をするのが習わしであり、黒番第一手は必ず「天元*3」。そして、白番の2手目は天元の周囲8マスのいずれかに置く決まりになっている。天元の隣なら直接型、天元の斜めなら間接型であり、12号ずつ決められている。
    • 直接型
      • 寒星、渓月、疎星、花月、残月、雨月、金星、松月、丘月、新月、瑞星、山月
    • 間接型
      • 長星、峡月、恒星、水月、流星、雲月、浦月、嵐月、銀月、明星、斜月、名月
    • これらの星や月に応じて黒が打つ3手目が決められており、自由に打てるのは白の4手目からである。
    • 迷ったら「COM任せ」でランダム選択も可。
    • 尚、2P対戦で相手の承諾を得たとしても、珠型の選択は必ず行うのがルールである。

対局

  • 相手の顔グラは勝敗に応じて表情を変えたり、「待った」コマンドなど色々と用意されている。
  • 制限時間はない。
  • 黒側が禁手を打ったり打たされた際はどういう負け方なのか表示されている。
  • 「名人戦」
    • フリー対局の級外~名人がトーナメント形式で勝ち上がっていく内容である。
    • 3回勝利すれば優勝して表彰されるのだが、1度でも負けたらゲームオーバーなので厳しい。
    • 尚、フリー対局では出てこなかった相手の名前が表示されている。
      • ペス級外、まさお十級、のりひさ九級を始め、じゅんじ、えいこ、げんしち、みみ、めいじん名人まで参加するトーナメント形式となっている。
      • 尚、名人は名前もめいじんである。

「詰め連珠」

  • 「追い詰め」「二手勝ち」「四追勝ち」「実力認定」では問題が豊富に用意されている。
    • こちらも制覇すると表彰状が出るのだが、難解とある通り難易度は非常に高い。
    • 「実力認定」
      • ランダムで5問出題されて正解手順を入力してパスワードが出たらNAXATまでおくってください。と言われるが、今は募集は締め切っている。

「オプション」

  • 文字の表示など色々な設定が行える。サウンドテストも出来る。

評価点

充実した内容

  • 連珠辞典
    • 基本的なルールから色々な用語が盤面で実演されながら解説されるので分かり易い。黒の禁手がどういう経緯で取り入れられたのかも教えてくれる。
    • ここまでは初心者にも優しいと言える。ここまでは……
  • 対局の構成
    • 専門家の監修が行われているため、連珠のルールに基づいた流れは完璧である。
      • 置き石を選ぶ際は、カーソルを乗っけただけで配置を示しているので快適に選べる。
  • CPUは強い
    • CPUは本当に早くて強い。特に勝ちがある場合は確実にやってくるので厳しいものがある。
  • 詰め連珠の出題
    • 「追い詰め」50番、「二手勝ち」20番、「四追勝ち」40番と実に豊富であり、意匠を凝らした出題も用意されている。
  • 表彰状
    • 「名人戦」「詰め連珠」をクリアすると表彰状のグラフィックが出て来る。
  • 本作を引き立てる素材も良質である。
    • 色々なモードでは一枚絵が豊富に用意され、背景や盤面のデザインも実に豊富。対局相手の顔もアニメーションをまじえ表情豊かである。
    • 音楽も高品質であり、更には音声も少しだけ用意されている。BGMには掛け声が多数盛り込まれていたり、選択した際はいよーっと出る。
      • 対局中は、同じ曲だけではなくさくらじんせいたびなどの曲が流れて来るようになっている。
  • 高品質な書体
    • フォントは筆体で漢字も多く使われており格調高い。
    • 操作性も良く、表示する際は押しっぱなしで速く表示、しかも次の改行の際は押しっぱなし状態から一度離すまで待ってくれるようになっており快適である。

問題点

  • 難易度は高い
    • 「連珠辞典」でルールを覚える事は出来るが、それ以降のモードで行き詰るケースが多い。それというのも「対局」「詰め連珠」ともに高難易度しかないからである。
    • 「対局」はCPUが猛威を振るって来るのでペス級外に勝つ事すら難しい。強さ的には、ペスというよりも地獄の番犬といったところであろう。
    • 「詰め連珠」も難しい問題しかなく1問目からして正解手を3回要求される。
  • CPU同士の対局は出来ない
    • 強力なCPU同士の対局を鑑賞できないのは勿体ない。
  • 対局相手の名前が分かり辛い。
    • 名前が出て来るのはトーナメント戦のみであり、それも相手と当たった時にようやく出るのみである。初戦で当たる3人の級外、十級、九級あたりはリセマラで出せるとしても、以降のキャラは当たってみるまで分からない。
  • 負けた際
    • 負けた際は、黒がどういう禁手をやったのか一応出るのだが、すぐに消えてしまう。
    • そして、詰め連珠の方ではそれすら表示されない仕様になっている。
  • 「詰め連珠」の「実力認定」の操作性
    • パスワード入力画面から表示されて右下の「始めから」を選ぶ仕様になっているので分かり辛い。
    • パスワードを入れる際にも、入力後に「始めから」を選んでしまうと入力を棒に振る。まあ8文字だから大した事ではないにせよ、良い事ではない。

総評

本作は、強いCPUに豊富な問題集に良質な素材などあらゆる方向から高品質に仕上がっておりまさに本格連珠という看板に偽りなしと言えよう。
初心者については厳しいものがあるが、それでもCPU対局しかない他作に比べてみると用語集があったり、問題集もCPUとの対局に比べればかなり戦える部類なので、
本格的に始めたいというのなら茨の道を覚悟で本作に手を出すのが一番現実的なのかもしれない。


余談

  • ナグザットは本作から月を跨いだ2週間後の4月8日に『スーパー囲碁 碁王』を発売している。
  • 1999年6月25日には『坂田吾朗九段の連珠教室』がGBCで発売される。
最終更新:2022年03月20日 16:58

*1 縦横各15本の碁盤に交互に石を置いていき、先に5つ並べた方の勝ち

*2 黒は四々、三々、長連をやると負け。

*3 天元とは中央の黒い点の事である。連珠では1手目は必ずここに置く決まりになっている。