マッドアタック! マックスVS泥々星人

【まっどあたっく まっくすぶいえすどろどろせいじん】

ジャンル アクション
対応機種 ニンテンドー3DS
Wii U
メディア ダウンロード専売
発売元 レイニーフロッグ
開発元 Renegade Kid
配信開始日 2015年6月24日
定価 500円
プレイ人数 1人
セーブデータ 3箇所・オートセーブ方式
レーティング CERO:A(全年齢対象)
判定 良作
ポイント 3ライン通路の横スクロールアクション
実質80ステージのハイボリューム
手強き難易度ながらも上質ゲームバランス


概要

レイニーフロッグ発売によるニンテンドー3DS及びWiiUのダウンロードソフト。開発はかつて存在したアメリカの海外メーカーRenegade Kidが担当。
元は2013年にリリースされた『Mutant Mudds Deluxe』でこちらはその日本語ローカライズ版。

ジャンルは一見スタンダードな横スクロールアクションゲームだが、仕掛けや地形を乗り越えていく場面が多い作風となっている。
宿敵「泥々星人」から地球を守るため、少年「マックス」が水鉄砲とホバー装備を駆使して奴らを退治していくというストーリー設定。


ゲームルール

  • ゲームの流れ
    • 表面上は5ワールド・20ステージが用意されており、順々にステージを攻略していく。一度プレイしたものはステージセレクト可能。
      • ステージ中における分岐式を採用しており、各ステージにおけるクリアまでの道のりは「通常」「Vルート」「Gルート」の3通りに派生する。
    • 各ステージの途中には必ず「Vランド」と「Gランド」という隠しルートへと繋がる扉が配置されている。
      • V及びGランドの扉は下記の強化をしないとほぼ到達できない。特にGランドの扉は並の強化でも到達は許されず、とある切り札を使わなければ確実に進めない。
    • ステージセレクト内にある鏡を潜ると、表面ステージの上級難易度版である「裏ステージ」もプレイ可能となる。
      • ワールド及びステージ数は表面ステージに準ずるが、敵が倒せないなどの過酷な環境となる。なお、裏ステージにはV及びGランドは存在しない。
    • 同じステージにおいて、表面ステージ「通常」「Vルート」「Gルート」と裏ステージ「裏通常」の4通りのクリアパターンが存在する。
      • そのため、同じステージでも実質4ステージ分の攻略を要する。総合的には全80ステージ(20ステージ×4クリア)が攻略対象となる。
  • 操作体系と3ラインについて
    • スタンダードな横スクロールアクションと同じ感覚でマックスを操作する。
      • スライドパッド及び十字キー左右で左右移動。同じく下でしゃがみ動作。特定地形にいる状態においてAかBボタンと下の組み合わせで地形を降りる。
      • AかBボタンでジャンプで、ジャンプ力調整や移動制御も可能。後述のホバリング中はジャンプ入力が効かない制限あり。
      • ジャンプ中に素早くAかBボタンを押すと、一時的な滞空と左右飛行ができるホバリングを行える。ホバリング中の操作キャンセルも可能。
      • YかXボタンでマックス前方に飛び道具である水鉄砲攻撃を撃つ。マックスがいかなる動作中であっても攻撃は可能だが、前方以外の攻撃は不可。
    • 各ステージには手前軸・中央軸・奥軸による3ラインの通路*1があり、上下左右だけでなく軸の移動範囲も視野にいれる必要がある。
      • 装置である「ワープパッド」にマックスを接した上でAかBボタンを押すと、どこかのラインへとワープできる。ワープは原則として一方通行となる。
      • マックスと地形や敵などの位置が違うラインにいる場合、お互いが素通りしてしまう。これにより危険の回避ができる一方で、命取りとなる場合もある。
  • ゴールドダイヤと強化について
    • 表面及び裏ステージには100個の「ゴールドダイヤ」のアイテムが配置されており、ストックしておくと強化の購入資金として活用できる。
      • ゴールドダイヤの最大ストックは表裏すべてのステージ込みで4000個あり、すべての強化を購入するには1個たりとも回収漏れは許されない。
      • ステージクリア後に回収したゴールドダイヤは二度と出現しないため、同じステージを繰り返しプレイして無限回収をする行為は行えない。
    • ステージセレクト内にある「バアちゃんのヤネウラ」という部屋から、3種類の「強化」を購入・装備できる。
      • 装備できる強化は1種類のみという制限がある。一度購入した強化は自由に装備の付け外しが行え、ゴールドダイヤの再消費を気にする心配はない。
      • 上記で述べた通り、本作には通常強化を超えた「切り札」が存在するが、ネタバレの可能性があるのでそれが何なのかはここでは語らない。
    • 以下に装備できる強化の種類を表記する。
+ 強化一覧
パワーショット 水鉄砲攻撃が強化され、通常では壊せない壁を破壊できる。
ホバリングブースト ホバリングの飛行時間が倍増する。
バーティカルブースト 専用操作で驚異的な上昇を行うバーティカルジャンプができる。ホバリングとの組み合わせも可能。
  • ステージクリアとミス条件について
    • 各ステージの奥にあるアイテム「ミズタマ」を獲得すればクリア。
      • ミズタマは4通りのクリアパターンすべてに個別で配置されている。なお、本作にはボスに相当する敵はおらず、奥まで進みきれば容易にミズタマが獲得できる。
    • 3つのライフ制と4分の制限時間を採用しており、どちらかが消滅するとミスになる。残機制限はなく無限に復活が行える。
      • マックスが敵や障害物等に触れるとライフを1つ消費し、落とし穴への転落や即死トラップに触れると即ミス。ライフを回復するアイテム等は存在しない。
      • ステージ途中には「チェックポイント」が1箇所あり、通過後にミスするとここからの再開、通過前ではステージ最初からのやり直しとなってしまう*2
      • ミス後の復活においては制限時間とライフが全快するが、それまでに回収したゴールドダイヤは未回収扱いとなり再回収を行わなければならない*3

評価点

  • 手強いながらもやり応えありな難易度
    • 作風としては地形を乗り越えていくタイプのもので、その難易度はなかなかに手強いものとなっている。
      • ジャンプやホバリングなどの操作を的確に駆使しないと、死亡フラグまっしぐらといわんばかりに落とし穴や即死トラップがみっちりと配置されている。
      • 3ラインによる軸移動の概念もあるため、マックスのいるラインがどこなのかを見極めなければならず、トリックアート的な判断力も必要となってくる。
      • ダメージ後の無敵時間が短く、勢い任せで突っ込んでいくプレイも非常に危険。通行の邪魔となる敵は的確に排除(回避)しなければ生き残れない。
    • 手強い難易度ではあるものの、ゲームバランスは上質でプレイヤーの腕前が確実に反映される。
      • 運が絡む要因はなく、パターンと腕前が一致すれば十分にクリアが可能。敵などの配置も生かさず殺さずの絶妙加減で、手強さはあっても理不尽なものではない。
      • ステージ自体は短めの構造で、よほどもたつかない限りは制限時間を気にする心配は薄い。さらにはチェックポイントのおかげで、ミス後のやり直し負担は少ない。
  • ボリューム満載のステージ内容
    • 実質80ものステージ数があり、価格の割には遊べるボリュームが非常に多い。
      • 個々のステージは短めながらも、上記の難易度の高さもあってすべてを制覇するにはやり込みが必要。全ミズタマ獲得までの道のりは長い。
      • 敵や仕掛け等の種類はさほど多くないが、ステージ毎に異なる配置の工夫がなされているためマンネリをほどんど感じさせない。
  • 味わい深いレトロゲーム風の外観
    • グラフィックはいわゆる8bitゲーム風の外観であり、レトロ感溢れる味わい深さが堪能できる。
      • 粗いドットながらも、書き込みはかなり上質。マックスや泥々星人などの登場キャラも個性的に描かれており、作中の世界観にも特有の魅力感があり。
    • BGMに関しても外観に似合ったレトロ風の楽曲で統一されており、派手さはあまりないもののピコピコ感が印象的な良曲揃いとなっている。

問題点

  • ラインの位置が分かりにくい
    • 3ラインすべてが画面内に混合表示される関係上、各ラインがどういう環境なのかが把握しにくい場合がある。
      • 一応はラインによって色彩の濃度に差別化がされているものの、別ライン同士が重なってしまい事の状況が混乱してしまいがちである。
      • とはいえ、ステージそのものは余計な表示が極力排されているため、慣れによるラインの感覚を掴んでいけば大分把握しやすくなる。
  • ホバリングの誤爆操作
    • 重要操作であるホバリングが結構な頻度で誤爆しやすく、状況によってはストレスに感じてしまう局面もある。
      • 本作はホバリングの飛行位置や距離が少しでも足りないと、地形踏み外しによるダメージやミスとなりやすい。地形が複雑なステージではより厄介な事になる。

総評

横スクロールアクションゲームとしての完成度は極めて高く、ステージのボリュームも500円とは思えないほどに多彩な一作。
難易度はなかなかに手強いもののプレイの繰り返しで着実にクリアへと近づく、良い意味で硬派な出来の上質アクションといえる。


余談

  • 今作を製作したRenegade Kidは後に『Xeodrifter』(ゼオドリフター)を製作。
    • 同作は今作同様に複数のラインで展開されるゲーム性を継承しつつ、様々な惑星でアイテムを回収しつつ探索していく所謂「メトロイドヴァニア」ライクなゲームへと変化している。
    • 同作は海外では今作同様に3DSで発売されていたが、国内では発売されず。国内では後に発売元をレイニーフロッグからフライハイワークスに変えた上でNintendo Switch版が発売された。

最終更新:2025年01月13日 06:20

*1 ラインを採用している他のアクションゲームとしては『餓狼伝説シリーズ』『ガーディアンヒーローズ』『星のカービィ トリプルデラックス』などが有名。

*2 V及びGルートの突入後にミスしても、通常側に戻されることはなく該当ルートからの復活で済む。なお、V及びGルートの途中にもチェックポイントが1箇所存在する。

*3 チェックポイント通過後におけるミスでは、通過前に回収したゴールドダイヤは回収のままで、通過後のもののみが未回収扱いとなる