Habroxia

【はぶろきしあ】

ジャンル シューティング
対応機種 Nintendo Switch
プレイステーション・ヴィータ
プレイステーション4
Xbox One
メディア ダウンロード専売
発売元 【Switch/PSV/PS4】eastasiasoft
【One】Lillymo Games
開発元 Lillymo Games
配信開始日 【Switch】2019年9月26日
【PSV/PS4】2019年9月27日
【One】2020年12月2日
定価 【Switch】800円
【PSV/PS4】815円
【One】930円
プレイ人数 1人
セーブデータ 1箇所・オートセーブ方式
レーティング CERO:A(全年齢対象)
IARC:12+
判定 なし
ポイント 『グラディウス』風の縦横スクロールアクション
自機アップグレードと4つのモードを収録
シューティングとしてはかなり微妙


概要

香港のメーカーであるeastasiasoftから発売されたマルチプラットフォームによるダウンロードソフト。開発はLillymo Gamesが担当。

グラディウス』の影響を受けたかのようなデザインで、さらには『沙羅曼蛇』と同じ縦横両用のスクロールシューティングとなっている。
戦闘機「Habroxia」を操作し、邪悪な侵略者の軍勢に立ち向かうというストーリー設定。とはいえ、作中における明確なストーリー描写は特に存在しない。


ゲームルール

  • ゲームモードについて
    • 本作には4つのモードが収録されており、それぞれ個別ルールによる差別化がなされている。
      • 詳しいモードのルールは下記を参照されたし。ゲーム開始時に選べるモードはストーリーモードのみで、他の3モードは特定条件を満たすと解禁される。
  • 操作体系
    • 一般的な縦横スクロールシューティングと同じ感覚でHabroxia(以下:自機)を操作していく。
      • アナログスティックで8方向移動。ダッシュボタンとの組み合わせて一時的な高速移動が行える。高速移動の回数制限はなく、時間経過で何度でも使用可能。
      • ショットボタンでメインショットを撃つ*1。対応ボタンは2つあり、各ボタンの組み合わせで3タイプのショットが撃ち分けられる。
      • 特殊ボタンでボム的性能の特殊効果を発動させる。発動には特殊アイテムのストックが必要で、発動後はストックが失われてしまう。
  • コンボについて
    • ノーダメージかつ敵を1体たりとも逃さずに破壊すると、「コンボ」がカウントされスコアに倍率がかかる。
      • コンボは100ケタ台までカウントされるため、攻略次第では相当なスコアの差異が発生しやすい。なお、隕石や壊せる敵弾は逃してもコンボの影響はない。
  • アップグレードとアイテムについて
    • アップグレード」という項目で、クレジットストック消費と引き換えに自機のアップグレードが行える。強化が反映されるのはストーリーモードのみ。
      • 「メインショットの広範囲化」「初期ライフ増加」などの7種類のアップグレードが可能。種類によっては多段階のアップグレードができるものがある、
      • 一度行ったアップグレードは永続的に効果が続く。また、アップグレードだけではなく、クレジットの買取という形でのダウングレート(弱体化)も行える。
      • 後述のアイテムとは共用する形でのアップグレードとなるので、アップグレード後にパワーアップ等のアイテムを獲得しても表立った効果が得られない場合がある。
    • 主に放置や敵撃破などで以下のアイテムが出現する。厳密にはアイテムではないが、アストロノートもここに表記している。
+ アイテム一覧
パワーアップ 自機のパワーアップ。3種類が存在し、すべての種類の併用パワーアップも可能。
特殊 特殊効果を発動させるために必要。「ボンバー」「シールド」などの種類があるが、ストックできるのは1アイテム1回のみ。
ライフ ライフを1回復する。
クレジット アップグレードの強化を行うために必要。複数種類あり、それぞれモード終了後にストックされる。
アストロノート 一部モードに出現する救出対象者。触れると救出となり後にクレジットアイテムを放出してくれるが、ショットを撃つと消滅してしまう。
  • ゲームオーバー条件について
    • ライフ制を採用しており、敵接触などのダメージで全ライフを失うとゲームオーバー。全モードにおいて途中コンティニューは不可。
      • 初期ライフは2で最大値10まで溜まり、ダメージは一律1消費で固定。地形にぶつかると自機が破壊されるが、途中復活となり即ゲームオーバーにはならない。
    • インベーションモードとレスキューモードでは先述以外でのゲームオーバー条件もある。詳しくは下記参照の事。

ゲームモード

ゲームオーバー条件は全モードにおいて上記のものが適用されるが、ここでは触れないものとする。
各モードはネームエントリーによるベスト5までの記録がなされる。ただし、ストーリーモードの総合スコアのみネームエントリーやベスト5には非対応。

  • ストーリーモード
    • 全15レベルを順々に攻略していくメインモード。一度プレイしたものはレベルセレクトが可能。
      • ほとんどのレベルには奥に待つボスを撃破すれば、一部レベルは奥まで進み切ればレベルクリア。後者レベルはボス不在の代わりにアストロノートが出現する。
      • 横スクロールがメインだが、レベルによっては途中でシームレスに縦スクロールへと切り替えが発生する場面もある。
    • クリア後はレベル別及び総合でのハイスコアが登録される。
  • インベーションモード
    • スペースインベーダー』感覚で敵の集団を全滅させていくモード。
      • 敵集団の襲撃が「ウェーブ」としてカウントされ、敵集団を全滅させるとすぐさまに次のウェーブが始まる。一部ウェーブではボスが出現する場面あり。
      • スクロールは縦固定で、自機は下位置の左右しか動けない制限がかかる。敵の逃走は許されず、下位置のボーダーラインに敵が到達すると即ゲームオーバー。
    • ゲームオーバー後は最高到達ウェーブとスコアが登録される。
  • レスキューモード
    • どれだけ多くのアストロノートを救出できるかを競うモード。
      • スクロールは横固定。アストロノートを1体でも画面から見逃す(消滅させてしまう)と即ゲームオーバー。要は見逃しが許されないドットイートといえる。
    • ゲームオーバー後は救出した最高アストロノート数とスコアが登録される。
  • シールドメイデンモード
    • どれだけの時間を生き残れるかを競うモード。
      • スクロールは横固定。メインショットの性能が極端に低い上に初期ライフが1しかなく、さらにはアイテムの出現率も控えめとなる。
      • 敵とまともに戦うにはあまりにも戦力不足なため、長期生存が目標というルールも相まって敵などの避けに特化したプレイスタイルになってくる。
    • ゲームオーバー後は長期生存時間とスコアが登録される。

評価点

  • レベル・モード数が多彩
    • 異なるルールのモードが4つも収録されており、遊びの幅がそれなりに広い。
      • メインとなるストーリーモードは全15レベル(ステージ)と、出来はともかくそれなりのボリューム感がある。各レベルの構造も丁度いい位の長さで収まっている。
      • インベーダー感覚のインベーションモード、ドットイートのレスキューモード、避け特化のシールドメイデンモードと各モードの差別化もされている。

問題点

  • シューティングとしての微妙さ
    • シューティングとしての完成度はお世辞にも高いとはいえず、全体的に漂う微妙さが半端ないものとなっている。
      • 敵の配置がワンパターンかつ間延びが発生する場面が多く、眠気を誘うほどにゲームが単調に感じる。敵の種類も似たようなものが多く先の変化に乏しい。
      • 自機側の攻撃もひたすらに質素で、一斉に敵を破壊していく爽快感は極めて薄い。結果、ちまちまと攻撃をしていくだけ面白みの薄い操作になりやすい。
  • ゲームバランスが良くない
    • ストーリーモードにおいて、アップグレードをするのとしないのでは難易度に大きな差が発生する。
      • アップグレード抜きでは敵の撃ちこぼしが頻発するほどに自機性能が貧弱なのに対し、アップグレード後はいとも簡単に敵を瞬殺できるほどにヌルゲー化してくる。
      • いくらアップグレードをしようとも難易度の補正がかからないばかりか、難易度選択も存在しない。バランス調整をする気が全くないとしか思えない。
    • アップグレードが反映されない他3つのモードに関しても、ゲームバランスはあまり著しくない。
      • どのモードも先の展開に乏しく、展開の手順が分かってくるとゲームオーバーになる気配がないままに長期戦化してしまいやすい。
  • グラフィック・BGM周りも地味
    • レトロ感を表現したかったためなのか、終始地味なBGMが流されるだけである。
      • どのモードでプレイしても色彩に乏しいグラフィックが延々と映され続け、どれだけ先に進んでも地味な色使いが延々と続く。
      • グラフィックの書き込みは良い意味でレトロ感はあるものの、外観の変化性や凝った演出が殆ど無いために、やはり地味に感じてしまう。
    • BGMに関しても環境音楽のような地味な楽曲が多く、ゲームを盛り上げるものとはいい難い。

総評

正直なところ、シューティングゲームとして破綻してはいないものの、決して優れた完成度・面白さではない。
しかし本作はあくまで800~900円で買えるインディーズゲームであり、その点では値段相応のクオリティと言える。
一般的なゲームメーカーのような品質を、格安のインディーズゲームである本作に求めるのは野暮というものである。
暇つぶし程度には十分なるので、ウォレットに小銭が余っていたら買ってみるのもいいだろう。


余談

  • 本作はトロフィー/実績の達成難度が非常に低く、所謂「トロフィーブーストゲー」として知られている。
    • 参考までに、2023年1月23日における本作のプラチナトロフィー獲得率は、他作品を遥かに上回る64.2%である。
      • 元より格安な上に頻繁にセールで安くなるので、トロフィーレベルを上げたい人は是非トライしてみよう。

その後の展開

  • 2021年2月3日に、本作の続編となる『Habroxia 2』が発売・配信されている。
    • 対応機種はSwitch/PS4/One/PSV/Win(Steam)と、新たにPC版が加わっている。
  • 2023年10月4日には本作のWin版がSteamにて配信を開始している。続編が出てから後になって1作目が出たという変わった展開である。
最終更新:2024年08月19日 22:22

*1 パワーアップすると放てるホーミングミサイルは何も操作しなくとも自動発射となる。