Surviving Mars

【さゔぁいゔぃんぐ まーず】

ジャンル 都市建設RTS
対応機種 Windows 7-10(いずれも64bit版のみ)
MacOSX(IntelMacのみ)
発売元 Paradox Interactive
開発元 Haemimont Games
発売日 2018年3月16日*1
定価 3,090 円(Steam, Epic Games Store)
3,500 円(Microsoft store*2)
$ 29.99(GOG,Paradox Store)
プレイ人数 1人
レーティング ESRB :E10+ (10歳以上推奨)
IARC :7+(7歳以上推奨)
備考 Win,Mac共に Intel core i3以上の処理能力が必要
判定 なし

概要

『Surviving Mars』は、火星への植民と生き残りをテーマにしたSF都市建設ゲームです。
(Epic Games Storeのストアページより)

  • 地形データは実際の火星のものを用いている。
    • 同じマップはいつも同じ場所に鉱脈がある。
    • 当初はそのようなリアル路線だったのだが、何故か火星では随分と歳をとるのが早いなど、不可解な点もある。
  • Haemimont Gamesは『Tropico 3』『4』『5』を開発したRTS開発の老舗である。
    • 本作のシステムにかすかに『Tropico』っぽさが見られるのはその影響であろう。

ゲーム内用語

Sol
火星の自転周期。本作では時間の単位として"日"ではなく"Sol"が使用されている。
であれば、1 Solは地球の1日(= 24時間)より1時間程度長いだけのハズであるが、何故か火星の人間は歳をとるのが早い。
建物の劣化も、ドーム内の建物であってもびっくりするほど早い。

システム

物流

地球との物資・人員のやりとりはロケットで行う。
火星上での移動は徒歩以外にも幾つかの手段を用意できる。

+ 物流詳細
  • 輸送ロケット
    • 打ち上げ費用と、貨物の代金を払うと地球からやってくる。人間は混載できない。
      • すぐには到着しないので、食料は余裕を見ておかないと…。
    • 火星に到着したロケットは燃料と積み荷を載せて地球へ送り返せる。
      • 古いバージョンではコンクリートや金属なども地球で売却できたのだが、最新版ではレアメタルのみ地球へ送って売却することができる。
      • 研究によって必要な燃料を減らすことができる。
    • ロケット自体を購入することも出来て、ロケットの台数を増やして地球との輸送量を増やせる。
    • 離着陸時に粉塵を巻き上げ、周囲の建物を一気に劣化させる。
      • 着陸パッドを建設してそこへ着陸させれば粉塵の量を大幅に減らすことができる。
    • ゲーム開始時のロケットのデフォルトの荷物に燃料製造施設のプレハブがないので、何かを諦めて燃料製造施設のプレハブを載せないと、最初のロケットは地球へ送り返せないであろう。
    • 研究が進むと、ロケットを"リサイクル"して物資:電子部品に変えることができる。
  • 旅客ロケット
    • 人と食料だけを載せてくる。最大12名まで。食料は1人あたり20単位。
      • ドームの徒歩圏内(後述)に着陸させる必要がある。
    • それ以外は輸送ロケットと変わらない。
  • ドローン
    • 荷物の運搬や建物の建設、地表に落ちている鉱物の回収はドローンが行う。
      • ドローンには種類がなく、1種類のドローンがどの仕事もこなす。
    • ドローンは充電が必要で、ドローンの充電には建物「充電ステーション」が必要である。
      • 充電ステーションを稼働させるには当然電力が必要となる。
    • ドローンを統制するためにロケットもしくは建物「ドローンハブ」が必要となる。
      • ドローンハブ1基で20台のドローンが制御可能。
      • ドローンハブ間やロケットとの間で、ドローンの帰属は変更可能である。
        ドローンハブやロケットには「サービス範囲」というドローンの制御が可能なエリアがあり、ドローンは帰属するドローンハブのサービス範囲内でしか働かない。この「サービス範囲」は設定により規定範囲内でドローンハブやロケットからの距離を拡大縮小できる。
    • ドローンも建物同様に劣化する。
      • ロケットの着陸予定場所に待機させておくと、ロケット着陸時に一気に劣化する。序盤にこれをやると場合によっては詰む可能性がある。
    • ゲーム終了ボタンを押すと「ドローンたちを見捨てないでください!」というメッセージが出る。
  • RCトランスポーター
    • 輸送用無人4輪車。電気の充電も燃料も食わない。1度に30単位の荷物の輸送が可能だが遅い。
    • 2点間の輸送ルートを作成でき、自動化できる。
    • ドローンは自動では荷物を貯蔵庫に運ぶことしか出来ない*3が、RCトランスポーターは地表に置くことも可能。
      • ということは、RCトランスポーターを使えば貯蔵庫を建設する必要もないし、電気も食わないんだぜ!
  • RCコマンダー
    • ドローン最大8体を収容して運搬し、指揮できる無人4輪車。これまた燃料が不要。
    • ドローンに充電が可能。でもRCコマンダーは充電が不要。なにこのフリーエネルギー。
    • サービス範囲はドローンハブよりは狭い。
  • シャトル
    • ドーム間の人員と物資の輸送を行う。建物「シャトルステーション」を建設すると自動運行を始める。
      • シャトルステーションはただの管制施設であり、そこで旅客が乗り降りするわけではないのでドームなどに隣接している必要はない。
      • シャトルは燃料をシャトルステーションで補給するため、シャトルステーションに燃料の補充が必要となる。
    • なお、初期版ではドームを繋ぐ通路が実装されておらず、シャトルが建設されていない場合は入植者がドーム間をどんなに遠い距離であろうと徒歩で移動した。
      • 本当に遠距離の場合、途中で体力や正気度が無くなって死ぬ事態になっていた。
      • これにより、ドームから徒歩圏内という概念が実装された。

建設関連

  • プレハブ
    • 一部の建物の建設を行うには、プレハブが必要となる。
    • 各プレハブは1回しか使用できない。
    • プレハブは購入できるが、地球からロケットで送る必要がある。
    • プレハブを火星上に設置して、ドローンに必要な物資を運ばせて建設を行う。
    • ゲーム開始時にプレハブが必要だった建物も、研究によってプレハブなしで建てられるようになるものがある。
      • こちらは一度研究が終われば何回でも建設が可能。
      • 建物の建設頻度によって、研究してわざわざ設計書を手に入れるか、プレハブで済ますかを考える必要はある。
        プレハブはロケットのペイロードをそれなりに使用するため、その点も考慮したほうが良い。
  • 劣化とメンテナンス
    • 建物は時間経過で劣化する。嵐が来ると大幅に劣化する。
      • コンクリート採取場などの採掘施設は稼働することにより周囲の建物を劣化させる。
      • 貯蔵庫はそこに置かれた食料品すら劣化しないので、採掘施設の周囲に建てても問題ない。
    • ドローンは物資を消費して建物の劣化をメンテナンスする。
      • どの物資が必要かは建物ごとに異なる。
        ポリマーをギリギリの量しか持っていなかった場合、蓄電池が劣化してもメンテナンスできず、稼働が止まって泣きを見ることになる。そうなったら挽回不可能であろう。
  • リサイクル
    • 建物を解体する。建物の種類によっては、いくらかの資源が戻ってくる。
  • 再建
    • リサイクルした建物を再建する。建設時と同じ量の物資が必要。
    • プレハブが不要というメリットはあるものの、ただの救済措置であって、積極的にこの仕組を利用するのは特定のシナリオのみであろう。
  • 爆破
    • リサイクルでは建物の残骸が残る。そのままでは跡地を再利用できないため、跡地を再利用するには爆破が必要。
    • 爆破命令後にカウトダウンがあるが、カウントダウン中なら命令の取り消しが可能。
    • 爆破を行うと周囲に粉塵が飛び、周囲の建物を劣化させる。
  • 優先度
    • 建物には「高程度」「中程度」「低程度」の3段階の優先度設定が可能となっている。
      • 例えば、コンクリート鉱山を"低程度"に設定しておくと、電力不足になった時に最初に停止することになる。
      • 逆に水分凝結機や酸素発生装置、ドローンハブ、ドームなどは"高程度"に設定しておくことで、電力が優先的に割り当てられる。
      • 燃料製造施設の優先度を下げておくと、水不足の時に稼働が止まる。
  • 稼働停止
    • 建物には「稼働/停止」のボタンが付いており、状況によって手動で「稼働/停止」が可能となっている。
      • 優先度を使ったほうがスマートではある。
    • 「停止」中も劣化は進むが故障状態になってもドローンは修理しない。稼働状態になって初めて修理を行う。
      • 長期間使用しない場合に、劣化→故障→修理→劣化→故障→修理…ということを繰り返さないので、こういう仕様のほうがマシではあるが、いざという時のバックアップとして期待していた場合は、修理が終わるまではその設備は稼働しないため、即効性がないので注意が必要。
  • スケジュール
    • 各設備には、1 Solを「午前」「午後」「夜間」の3部に分けた稼働スケジュールを設定可能。
      • 入植者が働かないと稼働しない設備では、スケジュール画面が勤務シフト表を兼ねている。
      • 農園などは勤務シフトは午前だけだが、どの時間帯もスケージュールからは稼働停止に出来ない。農園などは前述の「稼働停止」を行っても植物の生育は続いて「食べれる作物は収穫できませんでした」となる。
      • チュートリアルで習う例だが、発電設備がソーラーパネル主体の場合は昼間発電力と夜間発電力の差ができるため、電気を消費する優先度の低い設備の夜間のスケジュールを稼働停止とすることで夜間の電力不足を回避できたりする。
        ただし、このゲームは効率化に走りすぎるとメテオストライクで破綻しやすいので注意が必要。どんぶり勘定のほうが意外と持ちこたえられる。

探査

鉱脈やアノマリーは初期から判明しているものは少なく、探査で探す必要がある。
ゲーム開始時は1エリアだけ初期スキャン済みで始まり、それ以外のエリアは広域マップから探査したいエリアをクリックすると、探査予定に入れることができる。

+ 探査詳細
  • プローブ探査衛星
    • ロケット発射時に購入する。
      • ロケット到着後に広域マップから未探査のエリアをクリックすると、即座に探査終了となる。
        「ロケットの到着位置を決めてください」の状態で使用可能であり、最初にスキャンされている場所以外のエリアをスキャンして、そこへ着陸できる。
  • センサー塔
    • 建設して通電すると、周囲のエリアの通常の探査が早くなる。
    • 研究により、通電不要にできる。
  • アノマリー
    • RCエクスプローラーで探索すると研究ポイントが得られる、得られる研究ポイントはアノマリーによる。
      • それ以外の資源が得られることもある。
      • RCエクスプローラーで探索後、そこが鉱脈になったりすることもある。
  • 鉱脈
    • 鉱脈には、コンクリート、金属、レアメタル、水がある。
    • 鉱脈の上にのみ、採取できる資源に対応した採鉱設備が建設できる。
      • 金属、レアメタルの採鉱設備は入植者が勤務していないと稼働しない。
    • どの鉱脈も埋蔵量が決まっている。
      • つまり、同じマップで延々と遊べるゲームではなく、全ての金属鉱山が枯れたらそこで終わりなのである。
  • 深度スキャン
    • 研究により「深度スキャン」が可能となる。より深いところにある鉱脈を見つけられるようになり、かつ(従来型の設備を用いて)採鉱できるようになる。
      • 「deep mine」という発想自体は『widelands』に既にあった発想であって本作独自のものではない。
        ただし、『widelands』の場合は表層採鉱と深層採鉱では設備が異なる。
  • その他ポイント
    • 景観ポイント
      • この場所を徒歩圏内に含むドームの居住性が上がる。
    • 研究ポイント
      • このポイントの上に研究所を建てると、得られる研究ポイントが通常より増える。

ライフライン

火星で生きていくには水と酸素が必要。
また電力を必要とする機器もある。

+ ライフライン詳細
  • 発電機
    • ソーラーパネル
      • 大と小がある。太陽の向きに動く。夜間は発電できない。
      • 砂嵐が来ると自動で折りたたまれ、その間は発電できない。
    • 風力発電機
      • 昼夜問わず発電が可能だが劣化が早く、メンテナンスコストが高い。
      • 高所に設置すると発電効率が上がる。
      • 砂嵐の間は発電効率が上がる。
    • スターリング発電機
      • 昼夜を問わず発電が可能。
      • 砂嵐の間は完全には止まらないものの、発電量は大幅に落ちる。
  • 蓄電器
    • 送電網につなげておけば自動で蓄電/放電する。手動での蓄電/放電の制御はできない。
  • 水分凝結器
    • 大気中の水分を結露させて水を集める。
    • 水分凝結器どうしは一定の距離をあけて建設しないと、生産効率が落ちる。
      • そのためにパイプラインが長くなるハメになる。
  • 地下水採取器
    • 氷を掘る鉱山施設。水脈の上にしか建てられない。
    • 稼働中は廃棄物が出る。そして稼働中は周囲に塵を撒き散らして建物を劣化させる。
  • MOXIE
    • 酸素発生装置。
  • パイプライン
    • 水と酸素を両方同時に運べるスグレモノ。しかも高架なので地表配線される電線とデフォルトで立体交差はもちろん、同じヘックス内で上下の並走が可能である。便利すぎて、本ゲームをヌルくしている元凶とも言える。

入植

入植者達はドーム内に居住させることができる。

+ 入植詳細
  • ドーム
    • 人間の居住空間を提供する。
    • ドーム内に建物が建設可能な区画があり、そこへドーム内専用の建物を建設する。それらがないと、酸素や電気を消費するただの箱である。
    • 周囲に徒歩圏が設定されており、ドームの住居者は徒歩圏内のレアメタル採掘所などの職場へは徒歩で通勤する。
      • 入植者がドーム外の設備に勤務すると、体力を大きく消耗する。
  • 通路
    • ドームとドームを繋ぐ。電気と水、酸素も供給する。
      • 通路は最長で20ヘックスまで。両端がドーム内に収まっている必要がある。
      • ドローンは通路をそのままでは越えられないが、"坂道(跨道橋)"を建設することで通路の上を迂回できるようになる。
        短すぎる通路はこの坂道(跨道橋)が建設できないので、そこを考慮する必要がある。
        大きいドームであれば、坂道(跨道橋)がない場合はドローンがドーム内を通り抜けるという迂回をとるが、"坂道(跨道橋)"があるよりは遠回りになる。
    • 繋がれたドームが一部でも徒歩圏内に掛かっていれば、人間はお互いのドーム間で通勤する。
      • ただし、効率が-10されるペナルティが掛かる。このため、職住近接のほうが良い。
  • 入植者
    • 地球から旅客ロケットで運搬する。最大で12名である。
      • 志願者のリストがあり、その中からプレイヤーが入植者を選べる。
      • 火星コロニーのPRをする動画を作成するという研究項目を研究すると、志願者が増える。
      • 各種ミッションを遂行すると、その見返りに志願者が増える。
    • 初回の入植のみ、次回の入植まで10 Solの再入植禁止期間がある。
      • 入植者は食料を持ってくるため、入植を繰り返せば食料の自転車操業ができるからだろうか。
    • 入植者にはパーソナリティーがあり、専門職の者もいて、それに適した職種がある。
      • ちゃんと年齢を確認しないと老人ホームになることもある。
      • 『Tropico』のように、入植者の勤務場所と勤務時間を設定する。専門性と職種が合わない場合は不満が溜まって病気になる。
        職種と入植者の専門性が合っていると、その職場の出力が上がる。
      • 専門職が「観光客」の者がいる。5 Sol以上滞在すると、次のロケットで地球に帰る。
        観光客が無事帰還したなら、帰還後に旅行代が振り込まれる。観光客が満足した場合は入植志願者が増える。

評価点

  • チュートリアルが丁寧である
    • 2018年12月のアップデートでヒントメッセージに動画が追加され、各種操作がわかりやすく説明されている。
  • 各種縛りプレイオプションが用意されている
    • 刺激が足りないとお嘆きの貴兄に、縛りプレイオプションが用意されている。一部のものを除き、オプションは組み合わせて指定できる。
      例えば…。
      • アマチュア
         専門知識を持つ志願者がいなくなる。各設備の効率が確実に落ちることになる。
        また、観光客もおらず、観光で儲けることも出来ない。
      • アルマゲドン
         隕石の落下が激化する。
      • 最後の方舟
         旅客ロケットは1回しか使えない。最大で12名しか入植させられない訳で、観光客を呼ぶという儲けかたもできなくなる。
    • 一方で、本作をさらにヌルくするオプションもある。
      • メンテナンスの容易化
         建物が劣化しても故障しないので放置しても良い。このオプションを選ぶと、さすがに実績獲得不可となっている。
      • 無料の建物
         建築コストが常に不要となる。こちらも実績獲得不可である。
      • 鉄の入植者
         入植者の体力、正気度(最大100)が50以下にならない。こちらも実績獲得不可である。
      • 災害なし
         これは実績獲得可能である。
      • 生産力増加
         各設備の生産量が倍になる。これも実績獲得可である。
  • modが適用可能
    • 有志による日本語訳modが公開されている。
      • 本稿は、この日本語化modで用いられている訳語を使って記述を行っています。
  • BGMが心地よい
    • 本作に似合った雄大でゆったりとしたBGMであり、プレイの邪魔にならないという点も良い。

賛否両論点

  • modマネージャーを利用するのにParadox Interactiveアカウントが必要となった。
    • ただし、mod製作者には新規DLCのクローズβテストへの招待もあるとのことなので、そういう機会が得られることに前向きなmod開発者もいるかもしれない。
    • この仕組みにより、発売当初はユーザー作成のmodはSteam Workshopの仕組みを使っていたが、現在ではmodマネージャーのみを介して行われている。
      • このことにより、Steamのユーザーが作成したmodであってもSteamユーザーと同じ仕組みでEpic Gamesなどの他のプラットフォームのユーザーが利用可能となっている。
        これはちょっと珍しい事例である。
      • 同社の『Stellaris』も同時期にランチャーを導入してmodマネージャーを付けたが、結局Steam Workshopの仕組みを利用しているのと、modマネージャーのリリースから2年経ってもmodマネージャーにバグが有るのに比べると、本作のmodマネージャー機能は同じParadox Interactiveの製品とは思えないぐらいに驚くほどスムーズである。

問題点

  • 地表に落ちているただの岩と鉱物とが見分けがつきにくい。
    • なお、隕石(後述)がそのまま鉱物になることがある。
  • 縛りがゆるい
    • 先行の『Offworld Trading Company』では風力発電機は周囲に建物があると発電効率が落ちるのだが、本作では風力発電機は密集して建てても何のペナルティもない。
    • 水と酸素が同じパイプラインで同時に運べる。
      • Cities:Skylines』では上下水道が明確に分かれて別々に建設する必要があるが、本作では下水道は必要ない。下水処理場は研究によりドーム内に建設可能となる。その効果はドーム内の水消費量が抑えられるというもので、わざわざパイプラインで外部とやり取りする必要はない。
        また、『Cities:Skylines』や『Factorio』では配管の太さによる流量制限にも考慮が必要だが、本作ではそんな事を気にする必要はない。
      • ドームを通路で繋ぐと、電気、水、酸素が通路を通じて供給される。
        その通路に隕石が直撃したら…。
    • なお、初期版はさらにヌルかったので、過去のアップデートでバランス調整が行われている。
+ バランス調整のためにアップデートで変化した点
  • 初期版は火星で作ったものは何でも地球へ売れたので、入植者がいない段階で黒字化出来た。
    • 現在は入植者が掘らなくてはならないレアメタルのみが地球へ販売可能。
    • 電子部品等を過剰生産しても「売ったらいいや」とはいかなくなった。
  • 運要素がある
    • 隕石が降ってくる。
      • 隕石は7ヘックス程度の範囲攻撃である。
      • これが序盤に蓄電池やタンク類をメテオストライクすると、もはや挽回できないことがある。
      • 研究によりMDSレーザーというものが建設可能となり、そのMDSレーザーで一定範囲内の隕石を撃ち落として守ることができるようにはなるが、序盤にMDSレーザーを設置できることはほぼ無い。
    • 研究の項目がツリーではなくある程度のランダム性をもって提示されてくる。
      • 研究すると報奨金が貰える(だけ)の研究を最序盤に引き当てるかどうかで大きく違ったりする。
      • ある程度研究が進むと提示される数が増えるため、必要性の低い研究を後回しにすることが出来る場面はある。
      • 「飛躍的研究(ブレイクスルー)」という研究分野があり、システム的には55種類あるようなのだが、1回のゲームプレイでは最大で13個までしかオープンされない。55種類もあるので「充電ステーションから3マスまでワイヤレスでドローンが充電できる」というしょぼいものもあれば、「各種生産量が倍増」というものまであり、どれがオープンされるかで難易度が大きく異なることになる。

総評

バニラでは『Offworld Trading Company』のようにライバルに邪魔されるわけでもなければ『Space Colony』のようにエイリアンが攻めてくるわけでもない、平和な宇宙開発シミュ。
人間のことも考えなければならないが『Space Colony』のように変人だらけということもない。それら先行2作品のどちらかをプレイ後なら刺激が足りないであろう。
一応、本作にも隕石などによりサバイバル感はあるものの、本作の難所はポリマーなどを自給できるようになるまでかもしれない。本作のゲーム序盤に必要な下準備は、他のシミュレーションゲームよりも圧倒的に長くて遠く、そして入念さが必要である。流石に平均的な7歳児にクリア可能な難易度ではないであろう。
鉱物を掘り尽くすとそれでおしまいであり、同じマップを延々とは遊べない。このため、自分の創り上げた街を眺めて悦に浸るという、都市建設シミュの楽しみが奪われている。


その後の展開

  • 発売から2018年3月31日までSteamにて『Cities:Skylines』所有者は10%オフで本作が購入可能だった。
  • 2019年10月11日に無料DLC『Mysteries Resupply Pack』が配布されている。
  • 「Surviving Games シリーズ」第2弾として『Surviving the Aftermath』のアーリーアクセスが2020年10月22日から始まっている。
    • 世界滅亡後の未来を舞台にしたサバイバルで、UIやゲーム性は本作と全く異なる模様。
最終更新:2023年06月25日 03:36

*1 Epic Games Storeでは「2015年3月15日」と記載されているがおそらく誤記。

*2 PC用Xbox Game Pass加入者は無料プレイ可。

*3 手動で命令したなら可能ではある。でも、置いた荷物はサービス範囲内に貯蔵庫があれば、自動で貯蔵庫に運ばれてしまう。