ワンダーボーイ リターンズ リミックス
【わんだーぼーい りたーんず りみっくす】
| ジャンル | アクション |  | 
| 対応機種 | Nintendo Switch Windows(Steam)
 プレイステーション4
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| メディア | ダウンロード専売ソフト | 
| 発売・開発元 | シーエフケー | 
| 配信開始日 | 【Switch】2019年5月23日 【Win】2019年8月8日
 【PS4】2019年8月9日
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| 定価 | 【Switch】1,620円 【Win】1,320円
 【PS4】1,650円
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| プレイ人数 | 1人 | 
| セーブデータ | 1箇所・オートセーブ方式 | 
| レーティング | CERO:A(全年齢対象) | 
| 判定 | なし | 
| ポイント | 『ワンダーボーイ』の原作スタッフ監修によるリメイク 2人のキャラと3つの難易度が選べる
 良くも悪くも原作忠実なリメイク
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| ワンダーボーイ/モンスターワールドシリーズリンク | 
 
概要
1986年にアーケードからリリースされたセガ・エンタープライゼス発売、エスケイプ開発のアクションゲーム『ワンダーボーイ』のリメイク作品。
発売及び開発は韓国メーカーであるシーエフケー(CFK)が担当。『ワンダーボーイ』シリーズの生みの親でもある西澤龍一氏が本作の監修を務めている。
原作との変更点
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原作の主人公「ボーイ」のほかに、さらわれ役だった「ティナ」が使用可能になった(下記)。双方に性能差があり使い勝手が異なる。
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難易度を「ビギナー」「ノーマル」「ワンコイン」から選択できる(下記)。難易度によってルールが異なるものの、根本的なステージ構造の差異はほぼない。
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新操作「チャージショット」が行えるようになった(下記)。溜めが必要なものの、当てた雑魚敵を貫通する上に地面の岩や転がってくる大岩も破壊できる。
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原作では武器・乗り物アイテムを獲得した状態でラウンドクリアすると次へと引き継がれるが、本作ではラウンドクリアした時点で武器等が失われてしまう。
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各ステージに1つずつ、フルーツの山が出現するポイントがある。
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原作では重要アイテムであるドールを全回収しないと最終ステージに進めなかったが、本作ではドールを無視しても最終ステージに到達できるようになった。
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隠しアイテムのE、S、CのパネルがC、F、Kに変更されている。
ゲームルール
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プレイヤーキャラについて
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本作では「ボーイ」と「ティナ」のどちらかのキャラが選べる。全モードで使用可能だがプレイ中のキャラ変更は不可。以下に性能差を表記する。
 
    
    
        | + | プレイヤーキャラの性能一覧 | 
| ボーイ | 武器はオノ。射程が長く、下方向にいる敵を倒しやすい。 専用アイテムを取得するとスケボーに乗る。後退は行えず加速と減速のみで操作を行う必要あり。
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| ティナ | 武器はブーメラン。武器の性質上、投げたブーメランがすぐにティナ側へと戻ってくるため射程が短く低い位置にいる敵に攻撃できないが、壁をすり抜けて向こうにいる敵に当たる。 専用アイテムを取得するとスクーターに乗る。スケボーとは違い後退ができるのでリフトのタイミングなどを計りやすい。
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難易度について
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「ビギナー」「ノーマル」「ワンコイン」の3段階の難易度が選択でき、それぞれのルールに差別化が図られている。以下のルールの差異を表記する。
 
    
    
        | + | 難易度一覧 | 
| ビギナー | ラウンドセレクト制。残機は1ラウンドにつき11機。全ステージにおいてボスが登場しない。ステージクリアごとに残機が戻る。 常時無敵効果のある天使が付いてくる。そのため、敵接触によるミスは一切無縁となる。
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| ノーマル | ラウンドセレクト制。残機は1ラウンドにつき6機。ステージクリアごとに残機が戻る。 |  
| ワンコイン | 全ステージをノンストップで順番に攻略していく。初期の残機は11機でミスすると消費されたままとなる。ワンコインとある通りコンティニューは不可 |  | 
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操作体系
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チャージショットが追加された以外は、おおむね原作と同じ操作体系でボーイ達を操る事となる。
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アナログスティック等で左右移動。攻撃ボタン押しっぱなししながらだとダッシュ移動。
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ジャンプボタンでジャンプ。ボタンの押し加減によるジャンプ力調整は可能だが、ジャンプ中の移動制御が非常に利きづらい。
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武器アイテム獲得中に攻撃ボタンを押すと各キャラ専用の攻撃を投げる。攻撃ボタン押しっぱなし後に離すとチャージショットが発射できる。
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乗り物アイテム乗車時は強制スクロールとなるが、スケボーは減速、スクーターは後退によりスピード調整ができる。
 
 
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アイテムについて
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そのまま放置や卵を割ると以下のアイテムが出現する。フルーツ・フード・ミルク・キノコはスコアアップの効果も兼ねる。
 
    
    
        | + | アイテム一覧 | 
| フルーツ フード
 | バイタリティゲージを少量回復。キノコ獲得後はフルーツがフードに変化する。 |  
| ミルク | バイタリティゲージを中程度回復。ボスの前には大回復するビッグミルクが置かれていることもある。 |  
| キノコ | そのラウンド限定でフルーツがフードに変化し、入手スコアが大幅に増す。 |  
| オノ ブーメラン
 | 武器アイテム。ボーイはオノ、ティナはブーメラン。取ると各キャラに応じた攻撃が可能となる。 |  
| スケボー スクーター
 | 乗り物アイテム。ボーイはスケボー、ティナはスクーター。取ると乗車後に強制スクロールとなる。 |  
| 天使 | 卵を割ると一定時間フェアリーが付き、無敵化により敵を体当たりで倒せる。ビギナーではデフォルトで常時付いている。 |  
| 死神 | 卵を割ると死神が付きバイタリティの消費が激しくなり、一定の残量になるまで離れない。ビギナーでは登場しない。 |  
| ドール | スコアアイテム。原作ではライフボーナスが2倍になる&最終ステージへ進むためのカギとなるなど重要アイテムだったが、本作ではそのポジションが薄らいでいる。 |  
| ティナの落とし物 | ボスを倒すたびに入手できるスコア兼イベントアイテム。ビギナーでは初めから全て取った状態となっている。 |  | 
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ステージクリアとミス条件について
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全難易度共に8ステージ×4ラウンド構成。ボスのいないラウンドは奥に進み切れば、ボスのいるラウンドは奥にいるボスを倒せばクリアとなる。
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プレイ中は常にスコアとクリアタイムが表示されており、ステージ全体のベスト記録のほかにビギナーとノーマルではラウンド単位でも記録される。
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マルチエンディングを採用しており、どの難易度をオールクリアしたかによってエンディングが異なる。なお、キャラ別でのエンディングの差異はない。
 
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ボーイ達が「敵やそれに相当するものに触れる」「落とし穴に落ちる」「バイタリティゲージが時間経過消費等で0になる」のいずれかでミス。
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各ラウンドには4つの立て札があり、ミス後は最後に通過した立て札からの再開となる。また、再開後は獲得していた武器が消滅してしまうペナルティ。
 
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残機をすべて失うとゲームオーバーとなる。どの難易度でもコンティニューは行えず、ゲームオーバーになった時点でゲームが終了してしまう。
 
評価点
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遊びやすくチューニングされたゲームバランス
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原作に比べるとゲームバランスが遊びやすい方向へとチューニングされており、比較的クリアが容易になっている。
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ジャンプ力が上がっており、ダッシュしていなくても原作のダッシュジャンプ位の飛距離が出る。
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チャージショットの岩・大岩破壊能力が非常に強力で、これを出しているだけでも大分攻略が楽になる。チャージショットの溜め時間も約1秒で済む手短さである。
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ラウンド開始時(ミス後の復活時)における武器アイテムがすぐに手に入るため、原作における武器を失った後の危険性は消え失せたといっていい。
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敵などの配置にもマイルドな修正が加えられている箇所が多数あり、原作では難関だったラウンドも楽に攻略できるようになった。
 
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ビギナー及びノーマルは1ラウンドにつき多くの残機があるため、ミスの許容回数がかなり緩い。
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特にビギナーは敵に対して完全無敵なため、実質落とし穴以外でのミス要因とは無縁であり、よほどの事でもない限りはバイタリティが枯渇する心配もない。
 
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その一方でジャンプ制御の利きにくさや実質一撃ミスという厳しい環境も残されており、難易度がシビアな一面もある。
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操作のタイミングを誤ると一瞬でミスとなる点は原作と大差ないので、残機が多いとはいえ油断は禁物。ある程度のパターン把握はクリアする上で必須といえる。
 
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ドールが岩や敵に化けているのも原作通りだが、今作では無敵以外でなら倒してもドールが出るようになったのでうっかり倒しても大丈夫になっている。
 
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ティナが使用できる
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可愛らしいヒロインであるティナがプレイヤーキャラに加わったのは嬉しい。
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ティナはボーイに比べ下方向の攻撃が当てにくいという弱点があるため、扱いにくいという程でもないがどちらかといえば中級者向けのキャラといえる。
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本来のティナはさらわれ役だが、さらわれるまでの経緯はビギナーのエンディングが語られる。これが他の難易度へと繋がるという粋な演出となっている。
 
 
賛否両論点
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良くも悪くも原作忠実なリメイク
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良くいえば下手な改変を加えていない、原作の魅力を再現したリメイクといえる。
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親しみやすいアニメ風の外観でありつつも原作の雰囲気はそのまま残されており、原作と比べても違和感の少ない外観のリメイクといえる。
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基本的な操作体系はチャージショットが加えられた以外は原作との変更はなく、アーケードでいうところのレバー+2ボタンと同じ感覚でプレイできる。
 
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悪くいえば原作との内容の代わり映えが少ない、今の感覚では物足りなさを覚えるリメイクでもある。
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基本的なゲーム内容はあくまで原作尊重なため、敵・仕掛け・アイテムの顔ぶれもほぼ変化がなく、先に進んでも似たような展開になりがちで新鮮味が薄い。
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各ステージのボスの行動パターンが高耐久度化・高速化する以外での差異がなく、どのボスでも根本的な倒し方は変わらない点も原作同様となる。
 
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ティナでクリアしてもエンディングが変わらないのも少し残念。せっかく使えて性能にも差があるのだから変化がほしかったところである。
 
問題点
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難易度が下がりすぎている所がある。
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どこからのスタートでも武器が取れる&フルーツの山のせいで難関ステージが形骸化している所がある。
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6-1のスタート直後、6-3と8-1のゴール前、8-4の3の看板の先の死神が出なくなっている。リフトの配置が変わっていたりする。
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5-2と7-3の4の看板の先では2-3同様にリフトが階段状になっていので同じように行こうとするといきなり左右に動いて(割れて)転落死するというトラップになっているのだが、これが再現されておらず動かないリフトが2つ配置されているだけになっている。
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8-3の通称「3匹のコウモリ」に至っては、なんといなくなっている。こんな安直な方法ではなくもう少し調整の仕方があったと思う。
 
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オリジナルの仕様が再現できてない所がある。
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N-4の2の看板の前にある卵は普通に割るとキノコ、2の看板の所まで蹴っ飛ばせばミルクになるという特殊な性質を持っているのだが、これが再現できておらずどこで割ってもキノコしか出ない。
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カエルやカジキなどの連続ジャンプが再現できてない。
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オリジナルではカエルがピョンピョン跳んで迫ってきたり、8-2の2の看板の所で落ちるリフトに合わせてカジキが飛んできて非常にかわしにくくなっていたのだが、今作では1回跳んだら2度と跳んでこないようになっている。このせいでカエルそのものが著しく弱体化しており、8-2の難易度が大きく下がっている。
 
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3-2の逆向きカエルの仕様が再現できてない。
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3-2の逆向きカエルはドールが化けていて4回跳ばすとドールになるという仕様があったが、これが再現できておらず他と同様触るか倒すだけで正体を現す。
 
 
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5-4の落ちる丸太の仕様が再現できてない。
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5-4には地上にいくつか丸太のリフトが置かれていて、その中には乗ったままだと地面をすり抜けてミスになってしまう罠があったのだが、今作では乗ったままでも着地するだけで全く意味のないものになっている。
 
総評
原作尊重としてのリメイクという意味では丁寧に作られた内容であり、遊びやすくチューニングされたゲームバランスが加えられた点も嬉しい。
しかし、リメイクならではの追加要素はあまりなく、今風のアクションゲームとしてはベーシックすぎる節もある。そこをどう解釈するかはプレイヤー次第だろう。
最終更新:2021年07月30日 19:23