GOD EATER OFF SHOT
【ごっどいーたー おふしょっと】
ジャンル
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ゴッドイーター生活密着型撮影ゲーム
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対応機種
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プレイステーション4 プレイステーション・ヴィータ
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発売元
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バンダイナムコエンターテインメント
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開発元
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シフト
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発売日
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雨宮リンドウ編
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2015年11月26日
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アリサ・イリーニチナ・アミエーラ編
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2015年12月23日
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ソーマ・シックザール編
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2016年1月28日
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シオ編
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2016年2月25日
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藤木コウタ編
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2016年3月24日
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橘サクヤ編
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2016年4月21日
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定価
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PS4
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各7,800円(税別)
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PSV
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非売品 |
プレイ人数
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1人
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レーティング
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雨宮リンドウ編
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CERO:B(12才以上対象)
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藤木コウタ編
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アリサ・イリーニチナ・アミエーラ編
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CERO:C(15才以上対象)
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ソーマ・シックザール編
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シオ編
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橘サクヤ編
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備考
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アニメ版『GOD EATER』の特別デザインBlu-rayディスク同梱 全て限定生産 PS4パッケージ専売
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判定
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シリーズファンから不評
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ポイント
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コンセプト自体は好評だが……
キャラの扱いの格差
定価総額46,800円+税
コンプリートでようやくおまけモード並のボリューム 実質メインはアニメBD
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GOD EATERシリーズリンク
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概要
バンダイナムコのハンティングアクション『GOD EATER』シリーズにおける、『RESURRECTION』(以下『R』)のスピンオフ作品。
“極東支部 第一部隊”のゴッドイーターたちの日常に密着し、フェンリルの広報誌作成のための写真撮影を行う。
全編にアニメ2話分が収録された特別デザインのBlu-rayディスクも同梱されており、『R』の限定版と買い揃えることで全巻集まるようになっている。
システム
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フィーチャーされるキャラクターが各巻ごとに用意されており、それぞれのキャラクターが過ごす思い思いの日常に密着取材するのが目的となる。
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キャラクターにフィーチャーした撮影は一度一日を通して撮影した後、撮影シチュエーションをチャプター別に選択可能になる。
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密着撮影は視点を移動させてベストショットを撮影できる位置を見つけ、R1ボタン(Vita版はRボタン)で撮影する。また、撮影には時間制限があるが、キャラクターにリアクションを起こさせることで撮影時間の延長が可能なため、リアクションを狙って如何にうまく撮影するか試行錯誤する必要がある。
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また、『R』のセーブデータを読み込んでプレイヤーキャラをゲーム内に出現させて撮影する事も出来、ポーズやシチュエーションを細かく指定して時間無制限で撮影可能。
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尚、後発の編を購入することで既存の編と連動して解放される専用のキャラモデルを使用した撮影ができる「エクストラシチュエーション」、全6巻をそろえた場合には
水着姿の女性キャラとのツーショット
が出来る「バカンス編」の解放と言った要素が存在する。
評価点
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本編では描かれなかったキャラクターの姿や、本編内では使用できない視点でのアナグラの設備、ムービー内でしか訪れることが出来なかったロケーションといったものを観察・撮影できる。
例えば、アリサなら普段部屋に散らかっている衣服が綺麗に片付けられている他、
シャワー上がりの胸元をはだけた姿
まで撮影できたりする。
眼福。
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こういったことから本作のコンセプト自体は好評を得ており、PS4に搭載されているスクリーンショット機能よりも短いインターバルで撮影できる点も評価されている。
だからこそ「『R』本編のおまけモードとして実装してほしかった」という声が多いのだが。
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眼福この上ないコンプリート特典「バカンス編」
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アリサやカノンは勿論の事、
エリナやコウタの家族二人
まで含めた『R』に登場する女性陣の眩しい水着姿を拝めるゲームは後にも先にもこのバカンス編だけ。アリサの水着も『BURST』の予約特典のデザインから変更されているため、一見の価値があると言える。
高いが。
賛否両論点
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販売形式と(ゲーム作品としては)強気すぎる価格設定
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「本作をゲームとして楽しみたかったファン」から不評を食らった最大の要因。
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本作をゲーム作品として考えた場合、各2話収録のBDとの抱き合わせ商法もさることながら、極薄ボリュームで1巻辺り7800円と言うフルプライス価格に思わず目を疑うのも無理はない。
ただし、
当時のアニメのBDとして考えた場合、1巻につき2話の収録+特典でこの価格というのは、特別高額とは言えない一般的な販売形態ではある。
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以上の事から
本作のメインはあくまでアニメBDであると捉えられる
のだが、公式サイト等を見てみるとそれを全く前面に出さない宣伝方法を取っており、それらがユーザーに所謂「バンナム商法」を連想させてしまう結果となった。
問題点
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ゲーム性と1巻毎のボリュームの薄さ
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本作が「おまけモードの6分割販売」と揶揄される最大の要因。バンナムで分割販売と言うと過去にも前例があったが、そちらとの決定的な違いは
本作のゲーム性や1タイトルあたりのボリュームが極めて薄い
事にある。
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基本的にゲーム内容が一日密着と主人公とのツーショット、そしてエクストラシチュエーションしかないため、
1時間とかからずトロコンまで出来てしまう。
そのため、実際にプレイすると「本来Rに収録する予定だったものを切り離したのでは」と考えてしまう。
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更に、連動要素「エクストラシチュエーション」も「一本だけでそのキャラの要素を全て楽しめない」として不評。
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また、『ポケモンスナップ』のような採点機能や、「本作をプレイすることによって『R』に何かしらの恩恵がある」といったような要素も存在しない。
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キャラクターの扱いの格差
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シリーズファンが本作を全て通しプレイした上で最も印象に残る問題点。
特にシオ編以降のキャラに該当する。
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特にシオは「訓練場でのツーショット撮影時、神機ではなくジャンボトウモロコシを所持した状態での撮影になる」「サクヤ編の連動特典で解放される結婚式場のツーショット撮影が一人だけ不可能」という仕様のため、他キャラとの扱いの差を感じるプレイヤーは少なくない。
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また、シオとコウタはエクストラシチュエーションが他キャラと比べて少なく、サクヤに至ってはそもそもエクストラシチュエーションが用意されていない。逆にアリサは人気キャラであるためか衣装やエクストラシチュエーションが多く、この格差はどうしても目に付いてしまう。
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本編『R』から据え置きの要素
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撮影ゲームだからという理由でグラフィックを刷新しているという訳ではなく、『R』のグラフィックを流用して作られている。そのため、必然的に被写体や造形物のポリゴンの粗さ(特に小物)が本編以上に目立ってしまっている。
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また、バカンス編ではボイス格差も顕著。特にエリナやコウタの家族といった本編でほぼ出番がないキャラは応答ボイスすら用意されていない。
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撮影時の仕様
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意外と移動範囲が狭かったり、キャラクターに引っかかって移動が止まることがよくある。
撮影はタイムリミットがある上に延長条件が不明瞭なため、こういったことでのタイムロスが地味に響いてしまう。
また、スタートメニューを開いても時間が止まらないため、一日密着となる初回時は特に焦らされる。
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ツーショット撮影時に主人公とアリサは神機の形態を指定できるが、形態を変えるためには一度撮影を終了しなければならない。終了時に長めの操作不能時間が生じるため不評。
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また、ツーショット時のポージングの指示も、キャラの返答→デフォルトのポーズに戻る→指示したポーズを取る→完了した旨の返答…というプロセスを待たなければならず不評。
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その他、『R』からインポートした主人公の衣服や神機を変えるには『R』を起動していじった後にまたインポートをやり直さなければならないため、非常に手間がかかる。
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画面上部の操作ガイドにカメラ回転の操作方法が載っておらず、操作方法を確認しない限りL2/R2(Vita版はSELECT+L/R)がそうであると気付けない。
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その他、ダウンロード中のデータファイルがあると撮影後のインターバルが2~3倍に延びてしまうという仕様も。本体のキャプチャーギャラリーと連動している都合上仕方ないが、そうとは知らずに遭遇するとストレスが溜まる。
Vita版関連
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事実上の非売品扱い
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Vita版はPS4パッケージに付属しているコードを入力する以外の方法での入手手段が無い。そのため、「アニメBDの売上を出すためにこのような売り方にした」とも捉えられる本作は、特にGE本編の『無印』や『BURST』の頃を知るシリーズファンを落胆させる事になった。
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クロスセーブ非対応
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公式サイトにも記載があるのだが、この仕様のせいでPS4版とVita版の『R』を揃えなければツーショット撮影時の主人公モデルを共有・導入できない。
すぐに終わるゲームではあるが、別売りならともかく、同梱非売品ソフト扱いでありながら非対応なのは残念なポイントといえる。
総評
キャラクター像に違和感を感じたりすることは無く、コンセプト自体は良いものの、おまけモードレベルのボリュームと分割商法、そして本作のキャラ格差はかつて「バンナム最後の良心」と評されたGEシリーズのイメージを大きく損ねる事になった。
また、そもそも再リメイクとなった『R』が使い回しで評価を落としていた上、
本作のゲーム部分を楽しみたかったユーザーには手を出しづらい販売形式をとった事でゴッドイーターシリーズに対する不信感を更に募らせる結果になってしまった事は否めない。
売り方次第で作品そのものへの評価はおろか、売り手側に対する信用低下の大きな要因になるという典型例といえる。
余談
Vita版について
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Vita版のDLコードは発売後半年間で期限切れになってしまうが、レシートがあれば期限切れでも公式サイトから申請することで使用可能になるという救済措置があった。
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2020年2月以降はその申請の必要もなくなり、未使用であれば入力・入手ができるようになった。
発売後の状況について
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本作は限定生産なため流通数が少なく、ダウンロード販売が現在でも全く行われていない。
しかし、上記の悪印象が影響したのかプレミアなどもほぼ付いておらず、Amazonやフリマアプリ等では(巻にもよるが)未だに新品が定価以下で買えてしまう。
数は少ないものの、中古価格となると更に安く、状態を考慮しないのであれば現在でも入手は難しくない。
アニメ版『GOD EATER』について
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『Fate/Zero』及び『Fate/Stay Night』のアニメ版、GEシリーズのアニメ映像や、2019年以降大ブームを巻き起こしたアニメ版『鬼滅の刃』を手掛けるufotableが制作し、2015年7~9月と2016年1~2月に放送されたアニメ作品。オリジナル主人公・空木レンカの成長と生き様を軸にした物語が描かれている他、オラクル細胞発見からの研究に関するエピソードも断片的に挿入されている。また、アラガミの侵攻によって荒廃した重い世界観を強く描く形となっており、作品全体の表現に映画的部分を取り入れている。
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しかし、事前情報で
「限りなく”線”を薄くして描いている」「影の付け方を四段階に塗り分ける」「アラガミ以外の作画は全て手書き」
と発表したことから、大きな期待を受ける一方で同時期に他の作品も手掛けていたufotableのアニメーター達が納期に間に合わせられるのかと不安視するファンが続出。
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そしてその不安は見事に的中し、
第1話の放送は延期されて特別番組『GOD EATER EXTRA』が放映。
その後も放送期間中3回の延期とEXTRAへの差し替えが行われ、当該クールの最終話である9話放送後に10~13話の放送延期(所謂「分割1クール」)を発表したことで、アニメファンに衝撃を与えた(当時のexciteニュースの記事)。
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過去のGEシリーズに続いて本アニメを担当した平尾隆之監督は過去に劇場版作品を手掛けた事はあったが、地上波の作品はこれが初であったため、そう言った制作体制に慣れていなかったゆえの弊害と言えるかもしれない。
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ただし、以上の内容は全て放送当時や制作過程における経緯故の物であり、劇伴はゲーム版を手掛けた椎名豪氏が続投。未回収の伏線についてはゲームのシナリオを知っている必要があるものの、作画は言うに及ばず高評価であり、ゲーム内では直接の描写が避けられていた/描写できていなかったシーンもあるなど、作品単体としての評価は悪くはない。
最終更新:2024年05月18日 10:23