ライフオブフライ

【らいふおぶふらい】

ジャンル アドベンチャー
ニンテンドーeshopより
対応機種 Xbox One
Nintendo Switch
メディア ダウンロード専売
発売・開発元 EpiXR Games
発売日 【One】2021年1月14日
【Switch】2021年3月4日
定価(税込) 【One】1,750円
【Switch】1,599円
プレイ人数 1人
セーブデータ 1個
レーティング IARC 7歳以上
判定 クソゲー
ポイント ハエの進行方向を変えるだけのゲーム
ADVゲームを日本で発売にもかかわらず日本語非対応


概要

プレイヤーは一匹の光るハエとなって、3Dで描かれる12の建物の内部を転々とすることになる。
それぞれの建物では個別の小話(英語)がリスニング形式で展開される。海外のみPlayStation 4でも配信された。


システム

  • ハエの挙動
    • 建物の中を浮遊しゆっくりと前進しつづける。プレイヤーはハエの進行方向を変える操作のみ可能。
    • ボタンを押すことでハエがきりもみ飛行するが、特に意味はない。加速減速の操作は実質不可能。
    • カメラアングルは、常にハエの後ろから3人称視点で追従するような形となる。プレイヤーが自由に向きを変えることは出来ない。
  • 光の輪
    • ハエが飛び回る建物内部に浮かぶ輪。ひとつくぐると付近に次の光の輪が現れる仕組み。
    • 光の輪をくぐるたびに、英語でハエにまつわる小話が少しずつ述べられる。
    • ハエが壁や障害物に衝突すると少し前の場所からやり直しとなる。ゲームオーバーとはならず、それまでにくぐった光の輪の数がリセットされるようなこともない。
  • セーブはチャプターをクリアした際に自動でされる。最初はチャプター1しかプレイできないが、クリアに応じてチャプター12までできるようになる。
  • 1つのチャプターにて指定される数の光の輪をすべてくぐりぬけないとセーブされない。中断するとチャプターの最初からやり直し。

問題点

  • やれることが少なすぎる
    • システムの繰り返しになるが、ハエは勝手に進むので、プレイヤーはハエの進行方向を変える操作しかできない。加速・減速はできずカメラアングルすら直接変えられない。
    • チャプターが変わるごとに、ハエが飛び回ることになる建物の外観はガラリと変わるが、ゲーム中の変化といえばそれくらい。
    • ボリュームも不足している。1時間程度あれば完全クリア可能。一貫して光の輪をくぐるだけのゲームであり、やりこみ・周回要素が皆無。強いてゲーム性をあげるとすれば、光の輪がどこにあるか探せるかどうか、といったところ。
    • 光の輪は白色系統の色をしているので、攻略しているマップが明るいとやたら見つけづらい。
  • 日本語非対応
    • ただただハエが飛ぶ姿を眺めながら、英語のリスニングをするゲームとなっている。日本でパブリッシングするにあたって、最低でも英語の字幕(欲を言えば日本語字幕)ぐらい用意してもよかったのではないだろうか。
    • このゲームの本来の価値は、ハエを操作するのではなく哲学的な「12 short stories」を体験できることであるはずなのだが、なぜかこれらが日本語非対応。
    • なお日本語版のソフト紹介用ページでは「short stories」を短編小説と訳しているが、小説と呼べるほどのボリュームではない。
    • 話者の発話は聞き取れないレベルではないが、英語のリスニングができない人からすればやはりプレイする意義に乏しい。
    • 英語のshort storiesはリピートで聞きなおすことができない。当然のようにバックログ等もないので、聞き逃した部分をもう一度聞きたい場合はゲームをやり直す必要がある。
  • 3D酔いしやすい
    • ハエを急旋回させたりすると、カメラアングルも無理に変化することが原因とみられる。
  • ロードが長い
    • 1ステージ読み込むのに10秒弱暗転してロード、ハエが動き出せるようになるまで5秒ほどフリーズする時間がある。
  • 光の輪の場所を目視以外で確認できない
    • 輪を潜り抜けるとたいてい次の輪も近くに出てくるのだが、この次の輪を見つけられないとゲーム進行が無駄に停滞しやすい。
    • マップも無駄に広いことが多い。端から端まで移動するのに10分近くかかる場合もあるので、輪をくぐった場所から無闇に離れるのは危険。

評価点

  • ステージの作りこみ
    • ハエ目線でプレイすることになるので、攻略することになるステージ自体はかなり広い。人間が住んでいるであろう部屋を高いところから見下ろしたり、箪笥の裏に入り込んだりも出来る。
    • 現実にありそうな風景が出来上がっている。日本の学校の美術室やラーメン屋台も出てくるが、日本人から見ても違和感は特に無い。
    • 観葉植物のツルや、椅子の細い足にも障害物としての当たり判定がある。椅子の足が密集しているようなところだと、すれすれで障害物を回避して飛行する楽しみは見出せる…かもしれない。
  • ストーリーの内容
    • 英語のストーリー自体に聞き応えがないわけではない。
    • 小さくはかない動物である「ハエ」に生まれたら一体どんな感じなのだろうかといった疑問からストーリーが始まり、人生でとるべき選択についてといった難しい話に発展していく。
    • あくまで、英語のリスニングができないとほぼ内容を理解できないこと、日本での発売にあたって日本語話者のプレイヤーへの配慮が一切なされていないことが問題なのである。
  • ハエはデフォルメされたデザインなので、虫が苦手な人でも安心してプレイ出来る。

総評

日本でのパブリッシングの仕方に問題があったゲーム。本作の最大の特徴は哲学的な小話であるはずなのだが、日本に展開したにもかかわらず小話が和訳されなかったため、ゲーム部分が薄く非常に単調なだけの作品となってしまった。


余談

  • SteamやSwitchのソフト紹介ページでは一応日本語で本作について紹介・宣伝されているが、既にそこから日本語がたどたどしい。

その後の展開

  • 2021年6月10日に『ライフオブフライアナザーデー』がSwitchで、11日に『Life of Fly 2』がOne/Win(Steam)向けにそれぞれDL販売された。
    • 内容はどちらも同一で、本作の続編に当たる。こちらも日本語には対応していない。
最終更新:2024年01月23日 16:55