新・燃えろ!!プロ野球
【しん もえろ ぷろやきゅう】
| ジャンル | スポーツ(野球) |  | 
| 対応機種 | ファミリーコンピュータ | 
| 発売元 | ジャレコ | 
| 発売元 | トーセ | 
| 発売日 | 1989年7月13日 | 
| プレイ人数 | 1~2人 | 
| 定価 | 6,300円(税別) | 
| 判定 | クソゲー | 
| ポイント | まるで球場観戦しながらプレーするアングル 新しいアングル導入により操作性が一気に悪化
 今は亡き当時の実在球場の再現は見モノ
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| 燃えろ!!シリーズ | 
 
概要
『燃えろ!!プロ野球』のシリーズ第3弾であり『燃えろ!!シリーズ』の第6弾となる野球ゲーム。
ピッチャー投球時の画面は一新され、それまでとは違う上に、他の野球ゲームでは見られなかったアングルで展開されるようになった。
BGMや音声は前作のものを流用している。
またペナントのシステムも前作と変わらない。
本項目では前作からの変更点を中心に記述する。
変更点
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投球、打撃時は今までのようなピッチャーとセカンドの間からピッチャー越しに打者を見る「テレビ中継」のアングルではなく斜め上からの視点に変更斜め上からの「球場での観戦」でのアングル。
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右打者相手の場合1塁側のスタンドから見た格好になり、左打者相手なら逆に3塁側スタンドからの視点になる。
 
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コールドゲームが1回から発生するようになった。
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前作では「5回以降で9点差」だったが、いつでも9点差になった時点でコールドゲームになる。
 
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バッターが『ファミスタ』『ハリスタ』同様ポジショニングできるようになった。
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その反面、バットスイングは8方向に調整ができなくなった。
 
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球場が11パターンに増えた。
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グラウンドは3パターンだがスコアボードはナゴヤ球場、東京ドーム、広島市民球場、横浜スタジアム、明治神宮野球場、阪神甲子園球場、西武球場、藤井寺球場、西宮球場、平和台球場、川崎球場と当時のセ・パ12球団フランチャイズ球場のパターンが用意されている。
 
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試合後、スコアボードを前に女性キャスターが登場し、プロ野球ニュース風な演出が入る。
問題点
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ユーザー目線でスタンド観戦の斜め視点は非常に真新しいが、とにかくクセが強すぎて操作がしにくい。
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ピッチャーから投げられたボールの高低がイマイチつかみにくい。
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これがかなりやりづらく、ピッチングのコントロールがつけにくい(特にボールの高低コントロール)。
 
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バッティングにしても、ボールの位置が把握にしくく狙いを付けるのが非常にやりにくい。そのため、これもろくに満足に操作できない。特にそれが必須なバントはままならずピッチャーにストライクをプレゼントするだけになる。
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ただ対COMでは、バットを上下させず左右だけで大まかに打っていれば案外バカスカ打てたりする。自分のピッチングコントロールがまるでなっていなくても打たせて打つクロスカウンター方式で勝つことはそんなに難しくない。
 とは言っても、こんなやり方で勝っても運ゲーじみていて野球ゲームの面白さとは程遠い。まるで前年のあれのようだ。いや、あれほどひどくはないが…
 
 
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上記の仕様と相まってバッテリーエラーが発生しやすくなった。
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前作の時点で発生するようになったが、それが更に発生しやすくなった。
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キャッチャーに横向きで捕球する新しいアクションがついたのはいいが、それに付随してか取れる範囲が意外と狭く、少し逸れただけでも後逸しがち。
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ピッチャーにしても、上記の通りピッチングの操作が極端に難しく意外と左右の変化球は良く曲がるのが災いして、ちょっと曲げるつもりが予想より極端に曲がってしまい、上記のキャッチャーが取れる範囲を超えることが日常茶飯事。
 
 
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打者もボックス内で左右に動かせるようになった影響で、8方向にスイングできなくなった。
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逆サイドを突かれても手を伸ばしたようなスイングで打てなくなった(もっとも、それ以前の問題が大きすぎてあまり気にならないとも言えるが)。
 
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せっかちなコールド制。
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プロ野球なのにコールドがあるのはライバル野球ゲームシリーズも同じなので今更ツッコむことではないのだが、本作の場合、表のイニングでも9点差をつけられた時点でぶった切られて後攻のチームはウラの攻撃をやらせてもらえずコールド負けになる。
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前作はしっかりウラの攻撃が終わるまでは待ってくれたのに何故このような改悪をしてしまったのか…
 
 
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ホームランが味気なくなった上に演出そのものがカットできてしまう。
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本来盛り上がるホームランの演出が極端にシンプルになりすぎるあまり味気なくなった。
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スピードある展開を生み出していると言えなくもないがイマイチ盛り上がりに欠ける。
 
評価点
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同点や勝ち越し時はホームイン時に「ワーッ」と歓声が出るようになった。
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ちゃんと現実で盛り上がって歓声が上がるポイントが抑えられている。それにしてはホームランの扱いがあんまりなのは疑問が残るが…
 
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きわどいホームイン時にはズームアップが出るようになった。
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ライバルシリーズ『究極ハリキリスタジアム平成元年版』でも取り入れられた同時期だが、本作の方が8日ほど早い。
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しかもハリスタの方は3頭身のコミカルなキャラにだが本作は高頭身のキャラという差別化もできている。
 
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スコアボードの再現度がかなり高い。
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当時の12球団のフランチャイズのものがしっかり再現されている。
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しかも、そのスポンサーのロゴも社名こそもじられているが、そのフォントが再現されており雰囲気がしっかり出ている。現在見たら懐かしいと感じるものばかりだろう。
 
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試合前や試合中にバイオリズムが確認できるようになった。
総評
クセの強いアングルのせいでピッチングやバッティングの感覚がつかみづらく操作性は非常に悪いものになった。特にこれは最も多く操作する場面なので、そんな場面での操作性が最悪なのは致命的で当時のプレイヤーから敬遠されたのが色濃い。
前作の時点で守備では取り入れられていたアングルだが、同じアングルでピッチングやバッティングをするにはかなり無理があると言わざるを得ない。
ただし、ズームアップや球場のスコアボードの再現度の高さなどが象徴しているように拘りは充分に感じられる。その大多数が失われた現在ならば、懐かしい気分にさせてくれるのは間違いない。
その後の展開
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翌年は「燃えプロ!」が正式名称となり『燃えプロ!'90 感動編』が発売され、1991年の『燃えプロ!最強編』を最後に年次リリースは打ち止めとなる。
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本作のようなアングルはあまりに操作しにくく不評だったため、ピッチング、バッティング時のアングルは元通りに戻っている。
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その後は再び正式名称を「燃えろ!!プロ野球」に戻し、年次ではないものの時折新作が登場している(現在最新はプレイステーション4、ニンテンドー3DS『燃えろ!!プロ野球2016』)。
 
 
余談
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前々作は158万本という歴代稀に見る大ヒット、前作もそれには及ばないものの当時の野球ブームの中で恥ずかしくない売上げを記録したが、本作はまだブームが続いていた最中ながらほとんど売れなかった。
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本作はゲーム誌などで紹介された時、特徴的アングルが既に公開されていたことから操作しにくそうなイメージが先行したことなどが濃厚だが、同時に前年大ヒットを記録した『究極ハリキリスタジアム』の続編『平成元年版』の方が話題性が高く、発売時期がまともに被ったことも災いしたと言えるだろう。
 
最終更新:2024年01月06日 05:35