ABZÛ
【あぶず】
| ジャンル | 3Dアクションアドベンチャー |  | 
| 対応機種 | Windows(Steam、Epic Games Store) XboxOne(海外のみ)
 PlayStation 4
 Nintendo Switch
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| メディア | ダウンロード | 
| 発売元 | 505 Games | 
| 開発元 | Giant Squid | 
| 発売日 | 【Win】2016年8月2日(Steam) 2016年8月3日(Epic)
 【One】2016年12月6日
 【PS4】2018年2月7日
 【Switch】2020年2月27日
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| 定価 | 【Win】1,980円 【PS4】2,467円
 【Switch】2,468円
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| プレイ人数 | 1人 | 
| セーブデータ | 1個 | 
| レーティング | CERO:A(全年齢対象)/IARC:7+/ESRB:E | 
| 判定 | なし | 
| ポイント | 行ける場所は案外広くない 人工物が多め、目的は見出しづらい
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概要
アメリカのインディーゲームデベロッパーが開発した海中探索ADV。『風ノ旅ビト』の開発陣の一部が、本作の制作に関与している。
タイトルの『ABZÛ』はシュメール神話、アッカド神話の地底の淡水海アプスーからきており、深海や底に沈んでいった古代文明の片鱗に触れることができる。
システム
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プレイヤーは3人称視点でダイバーを操り、3次元空間で表現された海の中を泳ぎまわる。
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施錠された扉を開いて先に進むのが主な目的。
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息継ぎを気にする必要はない。
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左スティックでダイバーの向いている向きを調節。右スティックでカメラアングル調整となる。
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Rを''押すとゆっくり泳ぐ。Rを押しながらB(あるいは×ボタン)を3段階まで断続的に押すことで一時的なスピードアップとなる。
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近くに大きな魚が居るときにLを押しっぱなしにすることで、魚にしがみつくことができる。
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しがみついた状態で方向転換やスピードアップの操作を行うことで、魚の泳ぐ方向をある程度制御できるので、乗りこなせば高速移動の手段として使える。
 
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調べられるもの
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Yボタンで目の前にソナーのような波動を飛ばし、対象を調べることが出来る。
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調査できる物体に近づくと、物体の上に黄色の正四面体のアイコンが現れる。
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地面に埋まっているカメラを調べると助けることが出来、お供としてついてくるようになる。カメラがお供に居る状態で特定の扉を調べると、カメラが扉を開いてくれる。
 
 
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瞑想
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海中に沈む石像の上で調べるコマンドをとるとその上で座禅ができ、さらに対応したボタンを押すと瞑想できる。
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瞑想すると、周囲を泳ぐ魚を観察できる。なお魚の種名もわかる。
 
 
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ゲーム進行など
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特に何かを読ませるような文章は存在しない。
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チェックポイント制をとっており、一定区画進むごとに自動でセーブされる。
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マップは広いもののゴール地点は定められておりおおむね一本道構成。
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クリア後はチャプターを選んで、ゲームを途中からスタートできる。
 
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コレクション要素
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貝殻が各種マップのどこかに隠されており、見つけるとコレクションされていく。
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暗いイソギンチャクのような場所を調べると、魚を「解放」することができる。解放された魚は周辺のマップで自由に泳ぎだすようになる。
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その他、瞑想した場所はメインメニューにリストアップされる。メインメニューから瞑想したスポットを選ぶことで、瞑想だけすることもできる。
 
評価点
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海の中がきれい
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100種類程度の魚が本作に登場する。実際に居る魚や、絶滅したはずの古代魚も収録されている。瞑想のモードのおかげでゆっくり観察もできる。
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息継ぎを気にする必要もなく、ダメージの概念もない。通常ならもぐれないような深海にも足を運べる。
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古代の水没遺跡もふんだんに登場する。古代都市には水路のようなギミックも出てくる。海の透明度も高いので宙を舞っているような感覚になる。
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序盤・終盤では、色鮮やかな魚群に出会える。序盤はサンゴ礁を堪能できる。
 
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画像処理
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無数の魚がめいめいに行動しているが不自然な動きは見られず、画像の処理落ちも一切ない。
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海草もダイバーがふれるときちんと跳ね除けられる。
 
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音響
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BGMは特に無いが、海流に乗っているときに躍動感のあるオーケストラサウンドが流れる。
 
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終盤の勢いある展開
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ホホジロザメと魚群を携えて、海中機雷を破壊して回るくだりがある。
 
賛否両論点
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海特有の怖さを味わえる
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サメといったいかにも害のある生き物も当たり前のように近くを泳いでくる。
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深海の底知れぬ深さや、目的地がよく見えないときの不安感は一種の演出としては評価できるかもしれない。
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自分よりもはるかに大きなシロナガスクジラの群れとともに深海に沈んでいく様はかなりホラー。
 
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人工物が多い
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海底遺跡のなかを泳げるのは確か真新しさにはつながっているが、本作では人工物の登場率が高め。グラフィックもややローポリゴン調なので、リアルな自然を体感できるゲームではない。
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人工物の扉を機械で解錠するくだりが多いので、自然としての海はあまり堪能できない。
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近づくと電撃を発して妨害してくる機雷も登場する。しかもそこかしこに配置されており、回避が難しい。機雷の爆発に巻き込まれてもダメージは受けず一定時間操作不能になるだけだが、ゲームに配置する必要があった障害ギミックなのかは疑問。
 
問題点
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ゲーム目的が漠然としている
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結局怪しいところでボタンを連打して、目の前のものを調べて回るゲームである。
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本作は先に進む以外にこれといった目標がない。
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ストーリーも特に無い。考えずにプレイできる良さはあるかもしれないが、プレイヤーが能動的にプレイする目標を見つけづらい。
 
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ゲーム進行
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海の中は広いように見えるが、実質マップ構造は一本道。海域も不自然に閉じられた空間になっていたり、見えない壁に阻まれたりする。
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やりこみ要素といえば、瞑想ポイントをさがすか、魚にしがみついたときの反応を楽しむ程度。
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マップのグラフィックは隅々まで作りこまれてはいるものの、寄り道することではじめて発見できるようなことは少ない。
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扉を開ける際に要するギミックも使い回しがみられるので何度もやっているとマンネリ感がある。
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マップの3D構成に関して確かに手が込んでいるところはあるのだが、ゲームクリアまでに要する時間が3時間程度である。そのためボリュームがあるとは言いがたい。
 
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泳ぎ方関連
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カメラアングルの自由度があまり高くない。
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泳ぎに対応したボタンを押しながら、加速に対応したボタンを断続的に押すことで初めて速く泳げる。このことに関してゲーム中にくわしい説明がない。
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最高速度を出すために加速のためのボタンを3回は押さなくてはならない。またこの速度が維持されないので、速く泳ぎ続けたいなら、加速のボタンを一定間隔で何度も連打が必要で面倒くさい。
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左スティックで体勢を変えられるのだが、ずっと同じ方向に倒していると同じところをグルグルと回ってしまう。
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方向転換の操作が独特なので、最初のうちはあらぬ方向に進んでしまうこともよくある。狙った方向に泳ぎだすのはそれなりに訓練が必要。
 
総評
ダメージの概念がなく、ゆったりとプレイできる海中探索アドベンチャーゲームといったつくり。泳ぎまわれる海はリアリティあふれる自然物というよりは、海の怖さや神秘的な人工物も垣間見れるテイストとなっている。貝殻や瞑想といった収集要素はあるが、ゲームは実質一本道。これらがあまり気にならなければ楽しめるだろう。
最終更新:2022年12月30日 20:30