テラテック(Switch版)

【てらてっく】

ジャンル オープンワールド型サンドボックスアドベンチャー
対応機種 Nintendo Switch
発売元 Teyon Japan
開発元 Payload Studios
発売日 【ダウンロード版】2021年4月28日
【パッケージ版】2021年12月9日
定価 【ダウンロード版】2,200円(10%税込)
【パッケージ版】3,500円+税
プレイ人数 1~4人
セーブデータ 各モード別に3個(+キャンペーンのオートセーブ1個)
レーティング CERO:A(全年齢対象)
備考 パッケージ版は有料DLCと限定スキンを収録
判定 良作
劣化ゲー
ポイント 自分の好きなようにパーツを組み立てる楽しさ
PC版と比較すると劣化点が目立つ


概要

大元は2018年8月10日にWindows(Steam)版と海外のXboxOne版が発売されたタイトル。当初はSwitchとPS4の日本版リリースを2020年秋に予定していたが、開発が難航し発売が延期された末、日本におけるPS4版は発売中止となった*1

システム

  • ゲームモードは3つ。オープンワールドを舞台にGSO社所属の調査員としてサバイバルを楽しむ「キャンペーン」、敵の出ない世界で全てのパーツを使用して思うままにテック(以下、車体)の設計・保存*2ができる「クリエイティブ」、レースによって腕を競う「ガントレット」が用意されている。本項では本作の基本となる「キャンペーン」を基準に記載する部分もあるためご了承されたし。
  • プレイヤーは核となる「操縦ブロック」を起点に車体のパーツを組み立て、ライバルとしのぎを削りながら惑星開拓を行っていく。
    • 操縦ブロックが破壊されると最寄りの操縦ブロックに操作が切り替わり、操縦ブロックが全滅するとゲームオーバーとなる。
    • 組み立ての際はYボタンを押してカーソルを呼び出し、Lスティックで組み立てたいパーツに照準を合わせてAで掴むことで組み立て可能。Bボタンを押せば車体を宙に浮かせて真下からパーツを組み込むことも可能。
      尚、パーツはそれぞれに設けられた接続ポイント同士で繋げなければならない。勿論、車輪もこの接続ポイントで繋ぐことで装着する。
      • ライバルを倒したり資源を入手するための武装は勿論の事、ミニマップに情報が追加されるレーダーやバッテリー残量のHUDを表示する物、インベントリから自由にパーツを出し入れできるようになるストレージデバイス、発電機や資源精製マシン等、多種多様なパーツを制限の許す限り好きなように組み立てられる。ただし、重さの概念があるため重心が偏ると簡単に横転してしまうので注意。
    • 銃やドリルは装着した状態でZRを押すことで、 車体に搭載された全ての武装が一斉に稼働を開始する。 ただし、射線が自分パーツによって遮られている場合、該当パーツは稼働しない。
    • 銃口は基本的に最寄りの敵テックに自動で照準を合わせてくれる他、Rスティック押し込みでロックオンも可能。ロックオンしている場合はその敵に対して自動でカメラが追従する。
    • 組み立てたパーツは攻撃や落下、地面との摩擦でダメージを受け、ダメージが一定量に達すると剝がれてしまう。そのため、如何に自分の操縦テックがやられる前に敵の操縦テックを破壊するかが勝負の肝となる。
      • また、敵を撃破した場合はその敵が装備していたパーツの一部が残るため、基本的にそのパーツを使って自分の車体を増築・改造していく事になる。
    • 尚、パーツは敵から奪うほかに資源の納品で得た報酬を使って購入することも可能。
      他企業とも競争はしているがパーツを購入できないと言う事はなく、ミッションをこなしてライセンスグレードを上げればその分プレイヤーが任意で購入できるパーツも増えていく。
    • ただし、Switch版となる本作ではパーツ毎に「積上制限」という数値が設けられており、組み立てに使用したパーツの積上制限の合計値が2500以下に収まるように組み立てなければならない。また、操縦ブロックを組み込んで作る場合は組み立てられるサイズに制限がかかるようになっている。
+ 企業一覧
  • Galactic Survey Origanisation
    • プレイヤーが所属している企業。通称GSO社。
      耐久力、火力、速力、バリエーションのどれを取っても特化した物は無いが、堅実な性能が特徴。
  • GeoCorp
    • 土木系の企業で採掘向けの重機系パーツに特化しており、牽制用の武装は取り扱っていない。「ゲオ」ではなく「ジオ」と読む。
      パーツが大きく重いため機動性は乏しいが、車輪が大きい分車体の最低地上高が高く、オブジェクトの破壊に特化した武装パーツが特徴。山岳地帯を探索する時や、資源確保の際に重宝する。
  • Venture
    • 耐久力を犠牲にスピードに特化した、軽量、小型の高速機向けのパーツを取り扱っている企業。
      資源精製や納品マシンが地面にアンカーを刺さずとも自動で稼働する等、かなり独自の強みを持つ。
  • Hawkeye
    • レールガン、重機関銃、砲塔付戦車砲、誘導ミサイルなどの強力な武器やローター、無限軌道などといった超大型・高火力のパーツを取り扱う民間軍事会社。
      高耐久かつ全体的な性能も高いが、高額かつかなり重い。

評価点

  • パーツ構築の自由度の高さ
    • 本作の最大の特徴。制限が許す限りではあるが、パーツさえ揃えばいくらでも自分で考えた強力な戦車を作り出せるため、組み立てに夢中になっていると何時間も過ぎていることもしばしば。
      「自分が最高だと思う戦車を作り上げ、クラフトや資源採取、売買、戦闘などの活動を行う」という本作のゲーム内容を紹介するPVを見てワクワクを感じた人にとっては正しく「時間が溶ける神ゲー」となるため、 本作の根幹にして最大の評価点と言える。

問題点

  • 積上制限や機体の大きさ制限の導入、パーツの削減による自由度の大幅な低下
    • Switch版最大の問題点。
    • PC版は ゲームが落ちない限り無限大にカスタム可能な仕様である のに対し、Switch版となる本作ではゲームが落ちる事への対策としてか、Switch版独自の制限が設けられている。
      PC版では採掘拠点や大規模な充電用の基地といったものも作れたのだが、積上制限はそのオープンワールド内で組み立てに使用した全パーツ分が合算されてしまう仕様で、2500という上限値では中サイズの戦車を2つ作るのがやっとのレベル。味方NPCを救難するミッションをクリアした瞬間に超過することもしばしば。
    • パーツの削減は、パーツの活用法を求めて攻略wikiを覗くとすぐに分かる事実。PC版から「BetterFuture」と「ReticuleResearch」の二社分のパーツが削除されている他、PC版にしか存在しないパーツも散見される。
    • ハードウェアスペックの都合もあるとはいえ、これほど格差があると流石に劣化移植と言うほかない。
  • キャンペーンモードの進行不能バグ
    • その内容は「一部のミッションで出現するオブジェクトが地中に埋まってしまい、進行できなくなる」というもの。
      • 本作は最初にセーブデータを作成する際の「シード」の組み合わせによってミッションの座標が決められる仕様なのだが、 一部のミッションの出現座標が地中に埋まってしまい、進行不可能になるシードの組み合わせが存在する。 どのミッションで発生するかは完全にランダムで、尚且つ キャンセル不可能な重要ミッションでも発生する可能性があり、仮に遭遇した場合はゲームを一からやり直すしか解決法がない。 なんか似たバグを見たような……
      • 初稿投稿者が実際に遭遇し、日本Switch版のパブリッシャーであるテヨンジャパンにこの件を報告、テヨンジャパンによる調査が行われたことで詳細が判明したバグ。開発元に報告は送られたとの返事があったが、それから半年以上経過したパッケージ版発売時点(Ver.1.0.6)でもこのバグの解消は行われていない。
        + 実際のスクショがこちら 「?」アイコンの場所にエージェント・パウが出現していると表記されているが、パウが地中に埋まってしまいミッション進行が不可能になっている。

  • パーツや仕様面での説明不足
    • ゲーム中ではパーツの仕様が詳しく説明されておらず、ざっくりとした説明しか書かれていない。一応チュートリアルミッションはあるが、そのチュートリアルが一回しかできないため不親切さが目立つ。
    • 特に「マシン本体に発電機や納品マシンを搭載した状態で車体に組み込んでいるアンカーを地面に刺すとそれらが一斉に稼働する」という仕様は気付かないプレイヤーも少なくない。
  • 車体の移動操作がラジコン式のため、操作に慣れが必要。特にロックオン中に背後に回り込まれたりするとこんがらがる事請け合い。

総評

  • 一本のゲームとしては十分な面白さがあるものの、PC版と比較するとどうしても劣化点が目立ってしまう惜しい作品。
    しかし、その制約があってもクラフトの楽しさは健在であり、Switchのスペックを考慮するなら十分良移植と言える。

余談

  • 本作の面白さが如何にして広がっていたのかは不明だが、発売から一か月以上もの間、本作がeショップのダウンロードタイトルの売上TOP30に入り続けていた。
  • また、モンハンプレイ日記『逆鱗日和』シリーズの著者として有名な大塚角満氏も 「あまりに楽しすぎてGWの計画が破綻した」 ブログで語っている。
+ タグ編集
  • タグ:
  • サンドボックス
  • インディー
  • ADV

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最終更新:2023年12月01日 10:20

*1 海外ではPS4版が2018年8月14日にリリースされ、Switch版も2019年5月29日にリリースされている。

*2 クリエイティブとキャンペーンで保存した車体はどちらのモードでも呼び出せる。ただし、キャンペーンではパーツが不足している場合、当然呼び出せないので注意。