HEXEN II
【へくせん つー】
ジャンル
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FPS
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対応機種
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Windows Mac OS
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発売元
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id Software Activision
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開発元
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Raven Software
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発売日
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1997年9月11日
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定価
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498円(Steam)
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配信
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Steamにてオンライン販売中
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判定
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ゲームバランスが不安定
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ポイント
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サーペントライダー三部作最終章 グラフィックが3D化 更に凶悪さの増したパズル要素
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Hereticシリーズ
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概要
『Heretic』、『Hexen』に続く「サーペントライダー三部作」の最終章として、1997年に発売された一人称視点のアクションRPG。
開発はこれまで同様Raven Softwareが行ったが、前作までのプロデューサーを務めたジョン・ロメロのid Software退社に伴い、同じくid Software社員のケヴィン・クラウドがプロデューサーを務めている。
発売は前作と同様id softwareだが、販売はActivisionが行った。
新たに『QUAKE』に使用された「QUAKEエンジン(id Tech 2)」の改良型を採用し、3Dグラフィックや物理演算といった新要素を実現している。
ストーリー
3人のサーペントライダーが神を偽って7大国を牛耳り、国を守護するエルフ族を異端者として弾圧していた、パルソリスと呼ばれる世界。
一時は全土を支配する絶大な権力を持っていた3人だったが、エルフ族の生き残りによってD'Sparilが倒され、3人の英雄によってKoraxが倒されたことで、残るサーペントライダーは長男Eidolonのみとなった。
Eidoronが統治する、4大陸に跨る巨大帝国サイリオン。各大陸は死、疫病、飢餓、戦争を司る4人の邪悪な騎士によって守られ、魔物を率いて弾圧が繰り返されていた。
この圧政に抵抗し各大陸から立ち上がったPaladin、Crusader、Necromancer、Assassinの4人の英雄たちは、4騎士とEidoronを打倒しそれぞれの目的を果たすべく、大陸を巡り各地に巣食う魔物たちに立ち向かっていく。
キャラクター
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プレイヤーは最初に異なる能力を持つ4人の中からプレイキャラを選択する。キャラクターにはそれぞれ武器や特殊能力、一部アイテム取得時の効果によって差別化されている。
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Paladin
近接攻撃主体のクラスで、前作のファイターに該当する。所持可能武器は「ガントレット」「ヴォーパルソード」「アックス」「ピュリファイアー」の4つ。グリフ(爆弾)の使用法は投擲。
レベルアップで水中機動力と瀕死状態での一時的なパワーアップを取得するほか、アーマーの効果が高く防御魔法アイテムの効果が薄い。
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Crusader
平均的な能力を有する遠近両用枠で、前作のクレリックに該当する。所持可能武器は「ウォーハンマー」「アイスメイス」「メテオスタッフ」「ライトブリンガー」の4つ。グリフの使用法は時限爆弾。
レベルアップで敵殺害時の回復効果を取得するほか、ヘルメットの効果が高くブレーサー(手甲)の効果が薄い。
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Necromancer
遠距離に優れたクラスで、前作のメイジに該当する。所持可能武器は「シックル」「マジックミサイル」「ボーンシャード」「レイヴンスタッフ」の4つ。グリフの使用法は追尾。
レベルアップで攻撃中または殺害時の敵からのエネルギー吸収を取得するほか、防御魔法アイテムの効果が高くアーマー効果が薄い。
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Assassin
新クラス。所持可能武器は「カタール」「ハンドクロスボウ」「グレネード」「スタッフ」の4つ。グリフの使用法は地雷。
レベルアップで不可視化と背面攻撃のダメージ増加を取得するほか、ブレーサー効果が高くヘルメット効果が薄い。
ゲームシステム
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前作同様、相互接続された広大なマップを行き来しつつアイテム収集やギミックの操作を行い、探索範囲を増やしていく一人称視点の探索アクションゲーム。
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全5章に分かれており、ブラックマーシュ→マザエラ→サイシス→セプティマス→ブラックマーシュの順番で各大陸を攻略していく。
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各所の最後に待ち受けている、大陸の支配者である4人の騎士を倒し、最終的にブラックマーシュ最深部に待つEidoronを倒すことでゲームクリアとなる。
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最初に操作キャラクターを選択し、以降その職のみでクリアを目指していくという流れは前作と同様。
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本作では新たに経験値システムと、レベル上昇によるステータス増加・特殊技能獲得、防具アイテムの効能変化といった職業ごとの育成要素が追加されている。
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プレイヤー選択時に知能、知恵、器用さ、力、HP、MPが上下差4~5程度でランダムに決定され、以降戦闘によるレベルアップごとにHPとMPのみが上下差3~5程度でランダムに上昇する。
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隠しパラメータとして移動速度も設定されており、ネクロマンサー<クルセイダー<パラディン<アサシンの順で移動速度が速い。
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レベル3とレベル6でそれぞれ1つづつ固有のスキルを獲得できる。最大レベルは12。
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道中に落ちているアイテムは一部回収でき、前作同様に[/]で選択、Enterで使用することができる。
評価点
美しい3D世界
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前作までは疑似3Dだった同シリーズだが、本作では3Dで描画され、不気味なダークファンタジー世界観をより迫力ある姿で楽しめるようになった。
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DOOMエンジンが苦手とする立体交差なども多用され、より複雑かつ緻密なマップ構成となっている。
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また、各所の本棚や木、机、家具といったさまざまなオブジェクトに攻撃判定があり、攻撃が当たると破壊されるようになっている。
簡易的ながら物理演算も搭載しており、投石器で大ジャンプしたり猫車を転がしたりといったギミックも登場している。
良質なBGM
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過去作のBGMのアレンジで構成されており、MIDIだったオリジナル版よりも豪華になっている。
異国情緒あふれる各大陸描写
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単純に中世ヨーロッパ調だった前作から発展し、西欧風建築の立ち並ぶブラックマーシュ、メソアメリカ文明の遺跡が聳えるマザエラ、番人やトラップによって守られた古代エジプト風のサイシス、ギリシャ文明のような荘厳な雰囲気を持つセプティマスといった個性的な大陸が舞台となっている。
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各大陸にのみ登場する敵も存在し、マザエラでは近接武器で襲い来る野蛮な獣人が、サイシスではアヌビスのような顔を持つ魔法攻撃が得意な番人が、セプティマスでは神話に出てくるような魔物たちが、というようにしっかりと差別化が図られている。
賛否両論点
中立NPCの欠如
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謎解きの増加・複雑化に伴い、新たにヒントとなるテキストが表示される場面が追加された。
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しかし、どのテキストも表示されるのは壁の文字板や書見台の書籍といった配置物のみ。前作と同じく、人間NPCの類は一切登場しない。
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本作では敵の居城といった明らかな戦闘区域以外にも市場や鍛冶屋のある市街地、農場、教会といった人間の存在を示唆するマップが複数存在する。しかし死体含め人間は一切登場しないため、どのマップも非常に殺風景。
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唯一の敵でないモブキャラとしては羊が登場するのだが、こちらも特に何かイベントがあるわけでもないただの飾り同然の扱いとなっている。
少ない武器数
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武器数は前作同様の各4種のみという寂しいもので、最強武器も中盤までには手に入るためアイテム入手によるカタルシス感は前作と同じく少ない。
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クラスは増加しているため実質前作より4つ増加してはいるものの、各クラスで4回周回しないことにはその量を実感することはできない。
諸要素の説明不足
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前作同様、アイテムの説明をゲーム内で一切放棄しているため単純にゲームのみをプレイすると何が何を表しているのかよくわからない事が多い。
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アイテムはアイコンのみで表示され、効果は一度使ってみるまで分からない。簡単な説明テキストすらも表示されずかなり不親切。
問題点
凶悪でテンポの悪い謎解き
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アイテムや地形ギミックが増えた結果、単なるスイッチ探しの多かった前作よりも謎解きは複雑・高難易度化した。
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再序盤のブラックマーシュから農場に向かい、厩舎で砂を入手→町に向かい、鍛造場の炉でガラスに加工→砥石でレンズに加工→とある場所でそれを使用という複雑な工程を経て中ボスを倒す必要がある。
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僅かな亀裂を目印に壁を破壊したり、何も目印のない場所をスコップで掘ったり、過去を現在をひたすら行き来して星座を合わせたりといった難解なものが多く、アクションゲームにもかかわらず非常にテンポが悪い。
一応随所にある石板や本の英語テキストがヒントにはなっているものの、それを理解してもそもそものマップが広大かつ入り組んでいるため各目的地の往復自体が非常に面倒くさい。
一部ザコ敵の凶悪さ
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壁に隠れても特大ダメージの誘導弾を当ててくるメデューサや、常時無敵な上、唯一攻撃が通るのが特大ダメージのレーザー攻撃を放つ前後のみの隋天使など、主にセプティマス大陸で出現するザコ敵が異様に強い。
パラディンなどの近接比重の強いクラスの場合、まず接近前に殺害されることが多くまともに倒すのは至難の業。
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特に隋天使は一度飛び上がるとなかなか降りてこないため、パラディンでMPが尽きた状態でそうなると倒す手段はひたすら降りてくるのを待つ以外に対処法は無くなる。
あまり活かされていない経験値システム
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新たに経験値とレベルアップが実装されてはいるのだが、前作には存在した雑魚のリスポーンは廃止されているため初期配置の敵以外で経験値稼ぎを行うことはできない。
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経験値上昇で獲得するスキルは強力なものも多いのだが、取得しても効能が解説されるわけではないため前作同様に取説を読んでいないと謎のままのスキルも多い。
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6つもあるパラメータのうち、知能と器用さの2つは何の意味もない飾り。
知恵は経験値ボーナスだが実際は隠しステータスでレベルアップのタイミングを全クラス均等にされているため、実際にパラメータとしてまとも機能しているのは前作と同じくパワー(近接攻撃力)、HP、MPの3つのみ。
不遇なパラディン
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近接職であり所持武器の半分が近距離武器のパラディンだが、ボスとして登場する4人の騎士とエイドロンは遠距離攻撃や空中移動を得意としているため非常に相性が悪い。
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ザコ敵の場合も遠距離攻撃を使用する敵が前作よりも多く、3D化の恩恵で三次元的に動く敵も増加している。
プレイヤー側に遠距離攻撃を防ぐ手段があるわけでもなく、クラス選択画面で最初に来るクラスにしてはやや弱すぎると言わざるを得ない。
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途中で調整を諦めたのか、前作における大剣クワイエトゥスに位置する本作のパラディン最強武器はもはやただのマシンガンといって差し支えない魔法連射武器となっている。
総評
シリーズ初の3D化を果たし、選択クラスの増加やクラスごとの個性化、経験値システムの導入といったRPG的な要素が多く追加された作品。
その不気味なグラフィックや音楽が織りなす独特な世界観はシリーズファンを中心に評価されてはいるものの、マップや謎解きの更なる複雑化やいまいち機能しているとは言い難いレベルの概念、クラス格差、それらが齎すテンポの悪さなど問題点も多く抱える作品となってしまっている。
前作同様、中途半端なRPG要素の追加が「アクションゲームとしてのテンポの悪さ」と「RPGとしての不親切さ」という二重の問題点を生み出しており、決して万人に勧められるような作品とは言い難い内容となっている。
ただ、雰囲気や大まかなゲームプレイはこれまでのシリーズに忠実なため、同シリーズが気に入ったファンであれば手を出してみるのも悪くはないだろう。
余談
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残念ながら売り上げは振るわず、シリーズは本作と『Heretic II』を以って一旦完結となった。
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同1997年には開発のRaven softwareはid softwareとの協力体制から離れ、Activisionに1200万ドルで買収された。
しかし2022年にはマイクロソフトがActivision Blizzardを買収したことにより、Zenimax Mediaに買収されたid softwareと同一会社傘下に収まることに。同年1月21日のインタビューではXbox部門トップを務めるフィル・スペンサーに注目しているIPの一つとして同シリーズが言及されるなど、シリーズファンの期待が高まる展開となった。
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1998年には拡張パックとして、『Hexen II Mission Pack:Portal of Praevus』が発売された。
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全2章構成で、新たに第5の職業としてデモネスが登場している。
上述の買収経緯もあり、前作の拡張パックである『DotDC』とは異なりこちらは現在配信が行われていない。
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SS/PSへの移植版の発売も計画されていたがこちらはキャンセルされている。
最終更新:2022年01月23日 21:39