ソニック アドバンス
【そにっく あどばんす】
ジャンル
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アクション
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対応機種
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ゲームボーイアドバンス
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発売元
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セガ
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開発元
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ディンプス
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発売日
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2001年12月20日
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定価
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5,800円(税別)
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プレイ人数
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1人(通信対戦では1~4人)
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配信
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バーチャルコンソール 【WiiU】2015年2月18日/715円(税10%込)
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判定
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良作
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ポイント
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久しぶりのセガ発売の2Dソニック 旧作ファンなら嬉しい演出アリ カオスエメラルドの取得は大変 ストーリーはシンプル
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ソニックシリーズ
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概要
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ゲームボーイアドバンス初のソニックシリーズ。セガから発売されたセガハード以外の初のソニックシリーズでもある。
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メガドライブ時代の作品と同様、シンプルな操作性。ただし、Bボタンによるアタック技が使える点が異なる。
システム
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キャラクターは、ソニック、テイルス、ナックルズ、エミーの4人。
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最初からどのキャラクターでも選択可能。
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キャラクターにより性能が違っているが、ソニック、テイルス、ナックルズはメガドライブ時代とほぼ同じ能力である。
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メガドライブ時代にはなかった能力として、Bボタンでアタック技を使うことができる。また、ソニックはジャンプダッシュが使える。
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エミーはメガドライブ時代は2Dアクションでは使えなかったキャラであるためか、他の3人とは大幅に能力が違っている。
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スピンジャンプ、スピン移動、スピンダッシュが使えず、Bボタンによるハンマー攻撃でなければ敵を倒せない。
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6ゾーンに対しアクトが2つずつの12ステージ+ラストステージ(+エクストラステージ)。アクト2の最後はエッグマンが出現し、ボスとして戦う。
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12ステージのどこかに、スペシャルバネが7個設置されており、これを使うとスペシャルステージに進める。
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スペシャルステージは旧作と同様、リングを規定個数取れば「カオスエメラルド」を取得できる。
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「カオスエメラルド」を7個集めた状態で、ソニックでラストステージをクリアすると、エクストラステージに進める。
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本作は、キャラクター選択=セーブデータ選択 と言う扱いであり、ステージの進行状況はキャラクターごとに個別にセーブされる。
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ただし、「カオスエメラルド」の取得状況だけは4人で共通なので、誰か一人でも手に入れたカオスエメラルドは、他のキャラで集める必要はない。
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通信により、4人対戦が可能。
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マルチカートリッジでは、チャオ探しと競走。
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1カートリッジではリング集め。こちらは、各キャラ固有のアクションは使えない。
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本編以外に「チャオのプチガーデン」と言うおまけモードが収録されており、ゲームキューブの「ソニックアドベンチャーDX」「ソニックアドベンチャー2バトル」と連動機能がある。
評価点
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メガドライブ時代と同様、操作がシンプルで遊びやすい
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Bボタンによるアタック技が追加されてはいるが、無理に使わなくてもクリアは可能。
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後の作品によるブーストは本作にはまだないが、走り抜ける爽快感は十分にある。
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操作キャラクターが4人
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ニンテンドーDS以降のソニックシリーズでは、操作キャラが減らされている傾向にあるので、テイルス、ナックルズ、エミーが使えるのは嬉しい点。
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ステージのバリエーションは豊富
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砂浜、遺跡、エッグマンの基地ステージや、シリーズお約束のカジノステージも実装。
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ナックルズのアタック技は使っていて気分が良い
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Bボタンを連続で押すことでパンチ・パンチ・アッパーの3連続技になるのだが、やたらと豪快な効果音が使われており、爽快感がある。
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あまり使う機会がないのだが、それでもついBボタンを押したくなる。
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サウンドテスト画面が妙に凝っている
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エミーが待機しており、曲を流すとマラカスを振って踊り出す。
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曲を止めると投げキッスをしてしめる。
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待機中もただ棒立ちしているのではなく、左右にリズムを取ってアクションを続ける。
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サウンドテスト画面から抜けるときは手を振って見送る。
賛否両論点
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Bボタンを使う必要があまりない(エミー以外)
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アタック技は、見栄えはあるのだが、大抵の場合スピンジャンプやスピンダッシュで倒したほうが手っ取り早い。
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もっとも、ソニックシリーズはシンプルな操作がウリの作品なので、『敢えて使わなくても支障がない』と言うゲームデザインは間違ってはない。
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ストーリーはシンプル
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『エッグマンが悪さをはじめ、それをソニックたちが打ち砕く』というただそれだけの内容。
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本作はステージクリア型の2Dアクションなので、ストーリーがなくても特に気にならないといえばならない。
問題点
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カオスエメラルドの取得が難しい
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スペシャルステージにアクセスするためのスペシャルバネ(7個)の場所をノーヒントで見つけなければならない。
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旧作のように、アクセスできる場所が複数あったり、ステージクリア時に条件付きで出現する、という仕様ではダメだったのだろうか。
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ソニックアドバンスシリーズは2や3も発売されているが、この問題は改善されるどころかさらに悪化することになった。
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スペシャルステージ自体もかなり難しくクリアは至難。時折現れる黄色く光る壁(のようなもの)を通過する際はタイミング良くBボタンを押すとリングが多く手に入るが、この仕様に関してはゲーム内でも説明書でも説明は全く無し。そのせいで余計に難しくなってしまっている。
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エミーが使いにくい
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前述したとおり、エミーだけはスピン攻撃やスピンダッシュが出来ないため、使うのが非常に難しい。
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Bボタンを押すとエミーおなじみのハンマー攻撃ができるが、エミーはいちいちBボタンを押さないと敵に攻撃できない。
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スピンダッシュの代わりに使えるステップ移動も、スピンダッシュほどスピードに慣性が付かないので坂を駆け上がるのも一苦労。
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一応優れている点として、空中で↓+Bで発動できる空中回転ハンマーは判定が強い上、攻撃中はこちらはダメージを受けないなど、高性能。
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地上で↓+Bで使えるハンマージャンプは、大ジャンプが可能。高所への移動手段については、ソニックよりはエミーのほうに分がある。
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ステージに設置されているスプリングをハンマーで叩くと、普通にスプリングに触れた時より格段に高く跳ぶことができる。4人の中ではスプリングを最も有効活用できるキャラと言える。
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当時のエミーは「敵に追われる」「エッグマンにさらわれる」「登場するがプレイヤーキャラとしては使えない」
「か弱い女の子を自称する」
と言った『戦闘に不向きな女の子』として扱われていた傾向があり、実際、本作のエミーは「ソニックアドベンチャー」のエミーの性能を2D作品に落とし込んだものである。
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そのため使いにくいのは仕方がないと言えるのだが、「他の3人にはない独自の強力な能力が使える」とか「使いにくいけどクリアすると特典がある」といったメリットがない。『風船飛行で上に向かって制限なく飛んでいける』『他キャラに比べてアイテムの配置個数が増える』『ダウジングでスペシャルバネの位置を探ることができる』『エミーでクリアするとチャオのプチガーデンで買えるアイテムが増える』等、色々とやりようはあったはずである。
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つまり、エミーは単に使いにくいだけのキャラであり、ゲームとしての実利的には選択する意味がないのである。
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勿論、他の3人とはまるで操作感覚が違うため、『一人だけ別のゲームをやっている気分になる』『トリッキーなアクションを楽しめる』という見方もできる。
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(表向きの)ラスボスの見た目がショボい
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エッグマンは、最後は巨大なロボットに乗り込むことが多いが、本作のラスボスはプレイヤーキャラよりちょっと大きい程度で、迫力がなく、弱そう。実際、あまり強くない。
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ただし、ソニックのみ行けるエクストラステージの真のラスボスは流石に巨大で迫力があるが。
総評
当時としては、『久しぶりの2Dソニック』として期待されており、その期待に十分に応えたといえる作品。
カオスエメラルドの取得方法については流石に不親切なゲームだが、今なら攻略動画などでスペシャルバネの情報は容易に仕入れられる。
近年のソニックシリーズと比較するとアクションゲームとしてはオーソドックス過ぎる感はあるのだが、興味があればぜひ手に取って遊んでみて欲しい作品。
最終更新:2023年12月27日 17:47