ここではMD版を解説。
同名タイトルのGG版はソニック・ザ・ヘッジホッグ2 (GG)を参照。
ソニック・ザ・ヘッジホッグ2
【そにっく ざ へっじほっぐつー】
| ジャンル | アクション |  
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| 対応機種 | メガドライブ | 
| メディア | 8MbitROMカートリッジ | 
| 発売元 | セガ・エンタープライゼス | 
| 開発元 | ソニックチーム セガテクニカルインスティチュート
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| 発売日 | 1992年11月21日 | 
| 定価 | 6,800円(税別) | 
| 判定 | 良作 | 
| ポイント | 相棒のテイルスが初登場した続編 クラシックシリーズの基礎が出来上がった作品
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| ソニックシリーズ | 
 
概要
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高速アクションで好評を博した超音速ハリネズミ『ソニック・ザ・ヘッジホッグ』のシリーズ第二作。
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今作でソニックの相棒となるキツネ「マイルス・"テイルス"・パウアー(以降、「テイルス」と表記)」が初登場した。
特徴
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スーパースピンダッシュの追加。
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地上にて方向ボタンを下に入力した状態でボタンを押すと、その場で回転を始める。そして、その状態から方向ボタンを離すとスピン状態のまま勢いよく加速することができるようになった。
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地上での攻撃や加速が容易になり、さらにスピード感のあるアクションが出来るようになった。
 
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2P側でテイルスを操作可能。
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通常テイルスはソニックの後を付いていく動きをするが、これを2P側で操作が可能。テイルスがダメージを受けたりミスになってもソニックには影響しないし何度でも復活してくるので、ゲームに慣れていない初心者に対しても入り込めるように配慮されている。
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ソニックやテイルス単体での冒険も可能。オプション画面から選択できる。
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テイルス単体でプレイした場合はゲームの展開の都合上一部のデモがカットされる。
 
 
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ゾーン構成が基本2アクト構成になった。
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ゾーン内のステージ数が前作よりも減った反面、ゾーン自体の数が前作の7から11まで増やされている。
 
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2人対戦プレイの実装。
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画面を2分割して2人で同じステージを使ってどちらがうまくステージをクリアできるかで勝敗を競う。
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このモードで利用できるステージは既存のステージから3つ。また、スペシャルステージでの対戦も可能。
 
評価点
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ステージバリエーションが豊富。
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1ゾーンに2アクトという構成でゾーンの数を増やしている、前作とほぼ同じステージ数を維持しながらもバリエーションはさらに豊富になっている。
 やや冗長気味だった3アクト構成の前作よりも評判はよく、この構成は続編にも受け継がれた。
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ステージのギミックバリエーションもさらに増加。カジノナイトゾーンのピンボールエリアやスロットエリアでリングを稼いだプレイヤーも多い。稼ぎ過ぎてタイムアップになったプレイヤーも多い。
 
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新キャラのサイドキック「テイルス」の追加。
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その健気さや可愛らしさからプレイヤーの評判もよく、ソニックの弟分である天才メカニックとして定着することになった。
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余りの可愛さから、「このキツネ(テイルス)は女の子なのではないか」と勘違いされてしまうことも度々あった。
 
 
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スーパースピンダッシュの実装による移動バリエーションの追加。
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前作では地上でスピン状態に移行するのにやや手間がかかっていた分、その場で即時に高速移動と攻撃が行えるこの動作は爽快感もあいまって以降のシリーズでは定番となった。
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簡便な操作性も損なってないので遊びやすさも前作に比べ確実に向上している。
 
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相変わらずクオリティの高いBGM。
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カオスエメラルドを全て集めるとスーパーソニックへの変身が可能になった。
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変身条件は、スペシャルステージをすべてクリア=カオスエメラルドを全て集めた状態で、リングが50個以上のときにジャンプすることで変身可能。
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スーパーソニック状態のときは地形関連の即ミス以外には無敵状態となりスピードも大幅に向上するが、時間経過でリングが減少し、0になると変身が解除される。
 
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カオスエメラルドを全部集めてもエンディングが変化する以外特にメリットがなかった前作とは違い、このフィーチャーのおかげで集めるモチベーションも上がることとなった。
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以降のシリーズではストーリー上の強制変身・隠しラスボスステージなど、様々な形で定番となったフィーチャーである。
 
 
問題点
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アクション作の続編であるためかやはり難易度が高い。
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前作に比べ敵や罠による初見殺しが大幅に増えており、シリーズ初心者にはやや厳しい構成。
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特に2面である「ケミカルプラントゾーン」は初見では対応が困難なトラップ・ギミックの多様さ、ジャンプのシビアさに加え、水中地帯がもう登場しているなど、序盤にしては妙に自重しない大盤振る舞い。
『ソニック ジャム』のEASYモードでは水面を無くしてコースが大幅に短縮されたほどで、MDオリジナル版を遊んだ初心者ファンの間ではトラウマステージとして有名。後の『ソニック ジェネレーションズ 白の時空』で出てきた際にも、テイルスにその旨のセリフを言わせていたりも。
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ラストステージである「デスエッグゾーン」での戦いは、前作同様リング0。そしてメカソニック+デスエッグロボという強敵2連戦が待ち構えているため非常にシビア。さすがに厳しすぎたのか、CD以降やソニック ジャムなどの再収録作品では、難易度調整モードにおいてラスボス戦ステージの最初にリングが数枚ほど設置されている。
 
 
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セーブ機能がない。上記した難易度も相まって慣れないうちはプレイ時間はかなりの長丁場になりやすいため、この問題点は厳しい。
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スペシャルステージではテイルスが単なる邪魔になってしまいやすい。
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スペシャルステージは「長いチューブを走りながら一定数リングを集める」という形になったが、2人プレイの場合はノルマが2人用になる上にテイルスがトラップに引っかかりまくり、実質ソニック1人より難しくなる。
 
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テイルスがただソニックの後をついていくだけのキャラでしかない点も言及されるが、まだ初登場でキャラが確立していないためそこは仕方ない。
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終盤でトルネード号を運転しソニックと共に逃げていったエッグマンの船を追いかけるという見せ場はある。ちなみに「飛行機操縦の腕は抜群」という設定で、そのゾーンでは高速で走り回ろうがスーパースピンダッシュを行おうが基本的にソニックが落ちてしまうことはない。
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テイルスでプレイしている時はソニックがトルネード号を運転することになるが、こちらもどれだけ暴れようと基本的に落下死することはない。
 
 
総評
前作から順当な進化をとげ、新キャラ「テイルス」の評判もよく、シリーズの認知度向上に大きく貢献した作品。
難易度がやや高め、PSN等を除いてセーブがないという欠点はあるが、今でも十分に楽しめるので遊んでみて損はない一品。
余談
その後の展開
その他余談
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作品内では珍しく、ロボに乗ってないエッグマンをソニックが追いかけるシーンがあるがどれだけスピードを出しても絶対に追いつけない。このことが度々ネタにされる。
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開発中はもっとステージが多かったが、開発期間の都合で製品版ではカットされたステージがあった。(中裕司のコメント)
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また「ケミカルプラントゾーン」は本来は攻略後半の面にする予定だったがゾーン数が当初より減った影響で2面になったことが書籍「ソニックジャム オフィシャルガイド」にてスタッフによって語られている。
結果阿鼻叫喚となったが
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「ケミカルプラントゾーン」には別説があり、「デスエッグゾーン」が開発当初は複数アクトを予定しており、ボス戦のみの単アクトにするにあたって本来使う予定だったステージをそのまま移したという説もある。
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両者のパレットセットがほとんど同じこと、「デスエッグゾーン」でメカソニックと戦う際にソニックがリングを落とした時にエッグマンが喜ぶグラフィックになるようプログラムされていること、実際のプレイでは5秒ほどしか流れないゾーンのBGMがちゃんと他ステージと同じように作られていることなどがその根拠として挙げられている。
 
 
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カオスエメラルドやスーパーソニックにはドラゴンボールの影響を受けたことが指摘されているが、本作でカオスエメラルドがドラゴンボールと同じ7個になったのは全くの偶然であることがテイルスのデザインを担当した斗々屋氏から明かされている。
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『SEGA AGES』版の配信記念インタビューで同ディレクターを務める小玉理恵子は、美術担当当時の思い出として「カジノナイトゾーンの背景を手伝ったが製品版では山口恭史が書き直した」事を語った。
最終更新:2025年07月26日 00:06