ソニック アドバンス2
【そにっく あどばんすつー】
ジャンル
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アクション
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対応機種
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ゲームボーイアドバンス
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発売元
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セガ
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開発元
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ディンプス
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発売日
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2002年12月19日
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定価
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5,800円(税別)
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プレイ人数
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1人(通信対戦では1~4人)
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配信
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バーチャルコンソール 【WiiU】2016年2月24日/715円(税10%込)
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判定
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良作
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ポイント
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2Dソニックシリーズ史上屈指のスピード感
最強の新キャラ、クリーム
ブーストが初登場 カオスエメラルドの取得は苦行
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ソニックシリーズ
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概要
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ソニックアドバンスシリーズの2作品目。
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トリックアクションとブーストの追加により前作より爽快なアクションゲームになっている。
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好奇心旺盛なウサギの幼女「クリーム・ザ・ラビット」(と、その相棒のチャオ族「チーズ」)の初登場作品となる。
システム
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キャラクターは、ソニック、クリーム、テイルス、ナックルズの4人(+隠しキャラ)。
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今回は最初はソニックしか選べない。
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ソニック以外のキャラクターはエッグマンに捕まっており、ソニックでゲームを進めると救出でき、プレイヤーキャラとして使用できるようになる。
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クリームは前作のエミーと入れ替わりでプレイヤーキャラとなった。
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前作のエミーと違い、共通アクションであるスピンはきちんと使用できる。
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前作は、アクト2の最後にボス戦があったが、今回はアクト2のクリア後に「Boss Attack 」というボス戦専用のステージでボス戦になる。
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アクトの数は実質変わっていないが、ゾーンが前作より一つ増えており、7ゾーンに対しアクトが2つ+ボス戦+ラストステージ(+エクストラステージ)という構成。
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新アクションである、ブーストとトリックアクションが追加された。
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ブーストは、最高速度が格段にアップする上に、加速性能もアップするため、スピードが落ちてもすぐに最高速になれる。
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ブーストは近年の作品ではよく採用されているシステムだが、初登場である本作は少々仕様が違っており、「しばらく走り続けることで自動的に発動する」「発動中は攻撃判定はない(敵に当たるとダメージを受けてしまう)」というシステムになっている
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トリックアクションは、ジャンプ台やスプリング、グラインドから飛び出した後に、十字キー(ニュートラルも可)+Rボタンで空中制御ができる。
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使用機会、利便性ともに優れており、どのキャラクターでも行動範囲が格段に広くなっている。
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新アクションではないが、グラインドは全キャラ使用できる共通アクションに格上げされた(前作はソニックとエミーしか使えなかった)
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各ゾーンのアクト1と2のどこかに、スペシャルリングが7個ずつ設置されており、全て回収してステージをクリアするとスペシャルステージに進める。アクト1と2のどちらからスペシャルステージに進んでも同じである。
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スぺシャルステージはリングを規定個数集める、というお馴染みのものだが、3Dのフィールドにリングがばら撒かれており、連続でリングを撮り続けることで取得倍率が上がっていくシステムになっている。リングを規定個数取れば「カオスエメラルド」を取得できる。
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「カオスエメラルド」を7個集めた状態で、ソニックでラストステージをクリアすると、エクストラステージに進める。
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前作同様、キャラクター選択=セーブデータ選択 と言う扱いであり、ステージの進行状況はキャラクターごとに個別にセーブされる。
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しかし、前作と違い「カオスエメラルド」の取得状況もキャラクターごとに個別になったので、集めたいキャラを使用してカオスエメラルドを入手しなくてはならない。
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今回も通信により、4人対戦が可能。
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マルチカートリッジでは競走。
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1カートリッジではリング集め。こちらは、各キャラ固有のアクションは使えない。
評価点
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とにかくスピード感が高い
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前作に比べると、格段にステージが長くなっている。
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ブーストとトリックアクションを駆使することで、ハイスピードを維持しつつテンポよく駆け抜けられるようなステージ構成になっている。そのため、長いわりにゴール地点までたどり着く時間は前作と大差ない。
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公式サイトでも「今回はスピードを追求した」と語っている通り、2Dソニックシリーズでも屈指のハイスピードアクションを楽しめる。
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ステージのバリエーションは相変わらず豊富
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氷上、空中都市、電子エリア(?)など。勿論最後はエッグマンの基地ステージ。
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今回はカジノステージはないのだが遊び心に溢れたステージとしてミュージックプラントが存在する。
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サウンドテスト画面は今回も凝っている
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今回はクリームが待機しており、曲を流すと鈴を叩いて踊り出す。
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曲を止めるとお辞儀をしてしめる。勿論待機中も棒立ちはせず(以下略
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新キャラであるクリームが非常に強い
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Bボタンを押すとチャオアタックという技を使える。これが遠距離から敵を自動ホーミングして攻撃できるというとんでもない性能。
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ボスキャラですら、遠距離からBボタンを連打しているだけで倒せる。ラスボスも例外ではない。
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前作のエミーは「嫌でもBボタンを多用しなくてはならない」のに対し、クリームは「Bボタンがあまりにも高性能なので多用すると強い」キャラになっている。
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テイルスと同様に空を飛ぶこともできるため、ステージ攻略の面でも隙がない。
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はっきり言って強すぎるほど強いのだが、クリームがこのような能力になったのは意図的なものである。クリームが仲間になるのも非常に早く、ゾーン1のクリア後。「初心者でもクリアできる」というコンセプトは果たせているので評価点にすべきだろう。
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ソニックがボス戦に強い
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前作ではテイルスやナックルズよりも使いにくかったソニックだが、今回はジャンプダッシュでボスとの間合いを容易に詰められるため、ボス戦むきのキャラクターとなっている。
+
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ネタバレ注意
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隠しキャラ、エミーの存在
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前作のエミーと入れ替わりでクリームが使えるようになったため、エミーはリストラされたのかと思いきや、4人全員でカオスエメラルドを7個集めると隠しキャラとして使用できる。
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キャラ性能も格段にアップしており、スピンダッシュなどの共通アクションが使えるようになっている。
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しかし、ハンマージャンプが使えなくなっている上に、空中回転ハンマーも使いにくくなっているため、『前作よりも使いやすくなっているのにソニックの下位互換になってしまっている』というなんとも歯痒さを感じる能力になっている。
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前作のような「一人だけ別ゲームをやっている気分」にもならない。それこそ隠しキャラクターなのだから、もう少し操作感覚を変えても良かったのかもしれない。
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賛否両論点
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各キャラの性能差
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性能は前作同様差別化されてはいるのだが、今回は共通アクションであるブーストとトリックアクションを駆使してステージを駆け抜けるのが最適解である。
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やりこめばやりこむほど、どのキャラを使用しても似たりよったりの攻略法になってしまうためキャラクターが4人もいる意味が薄れていく。
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とはいえ、やりこんでいなければテイルスやクリームの飛行、ナックルズの壁のぼりは使う機会は多いだろうし、スペシャルリング集めでもこれらのアクションは役に立つ。性能差を完全に否定することにはなっていない。
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また、ボス戦では各キャラの性能の違いを実感しやすい(後述)。
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旧作要素がない
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前作のような旧作のBGMやボスが登場しない。無敵状態のBGMも新規のものに差し替えられた。
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マンネリを防ぐ、あるいは使いまわし感をなくすという意味では、旧作要素をなくしたのは良いこととも取れる。
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ナックルズのアタック技の劣化
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今回は、1・2パンチに変更されており、Bボタンを1回押すとパンチを自動的に2発出す。
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アッパーがなくなっている上にパンチのスピードも前作よりもたつくので爽快感が減っている。
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しかし、元々使う機会があまりないのでそこまで目くじらを立てる話でもない。
問題点
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カオスエメラルドの取得が前作以上に難しい
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スペシャルリング(7個)の場所をノーヒントで見つけなければならず、それを全ゾーン(7回)でやらなくてはならない。
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折角スピード感を楽しめるゲーム性なのに、スペシャルリングを集めていたらスピードなどまるで感じられない。
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しかもスペシャルステージでカオスエメラルドの取得に失敗した場合、またスペシャルリングを7個集めなくてはならない。場所を把握していても大変。
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さらにタチの悪いことにカオスエメラルドの取得状況が各キャラ個別になってしまったため、真のエンディングを見たければソニックを使って集めなければならない。(ソニック以外は必ずしも集める理由は薄い)。
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ボス戦が難しい
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常に走りながら戦うことになる。ボスに接近するのがやや難しく、ボスに攻撃を仕掛けるタイミングはシビアである。
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しかもある程度ダメージを与えるとBGMが焦燥感をあおるものに変化し、ボスの攻撃頻度が上がる。ただでさえ難しいボス戦がさらに難しくなる。
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ただし、結果的には4人のキャラによる面白さの違いが顕著にでているともいえる。
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ソニックはジャンプダッシュが使えるので攻撃面では有利だが、敵の攻撃はかわしにくいので防御面では不利。また、ジャンプダッシュの存在に気付けるかどうかも問題(後述)。
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クリームはボスに接近する必要がない(前述)上に、飛行能力によりボスの攻撃もかわしやすい。攻防ともに極めて有利。
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テイルスはボスに接近しにくいので攻撃面では不利だが、飛行能力があるのでボスの攻撃の回避は楽。
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ナックルズは、テイルス同様攻撃面では不利。滑空も回避にはあまり役に立たないため、本来ボス戦では一番強そうなナックルズが最も不利な戦いを強いられるという逆転現象が起きてしまっている。
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ラストステージでは、ラスボス戦の前座がゾーン1~7のボスラッシュ(耐久力は減らされている)になっており、クリーム以外のキャラでは超高難度ステージになっている。
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安易な落下死をさせるようなステージ構造
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落下死だけならメガドライブ時代のソニックでもあることだが、今作では高速に走らせておいて適切な操作をしないと起きる落下死が多々あることが問題。具体的にはトリックアクションを使って高度を稼いだり左右方向の調節でレールの傾いていない部分から乗る(傾いている部分からは乗れない)といった、高速で走らせている状態からやることにしてはやけに精密な操作が求められる。失敗すると何画面も縦にスクロールしてから落下死するのもMD時代のソニックではなかった光景であると言える。
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3面のミュージックプラントゾーンから落下死しやすい構造になっており、4面のアイスパラダイスゾーンからはより顕著になる。
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MD時代のソニックは基本的に落下死する可能性がある場所は事前に速度を落とさせる構造になっているし今作ほど理不尽に落下死しやすいわけでもないので、経験者からすれば過去作より理不尽に死ぬ様に余計にイライラさせられる。仮に高速で何らかのアクションをさせるにしても失敗したら即死でなく別のルートに行くようにすればいい話である。
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海外ではディンプス製ソニックは底なし穴(Bottomless Pit)での落下死の面で悪名高いが、今作とMD時代のソニックを比べただけでもこの評価は妥当であると言えるだろう。
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ストーリーがやや説明不足
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前作同様シンプルなストーリーなのだが、「エッグマンがテイルスやナックルズをさらう」という設定が盛り込まれた。しかし「なぜさらったのか」が説明されない。
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テイルスとナックルズをさらったのは「ソニックに対する挑戦」という意味で脳内補完は可能なのだが、クリーム(+クリームの母親)もさらわれてしまっている。
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クリームは今回初登場したキャラクターであり、ソニックとは面識がないため、何故攫ったのかまったくわからない。新キャラとして登場させるためにはやむを得ない描写なのかもしれないが・・・
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隠し要素の水増し感
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カオスエメラルドを7個集めたキャラの人数に応じて隠し要素が解禁されていくのだが、サウンドテストやチャオのプチガーデンは前作では最初から解放されていたため、これを隠し要素にされてもプレイヤーにとっては嬉しくない。
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4人でカオスエメラルドをコンプリートしたときの隠し要素は流石に嬉しいが、はっきり言って苦行である。労力に見合うかと言われると人それぞれである。
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ソニックのジャンプダッシュの存在に気付きにくい
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前述したとおりボス戦で有利に戦える能力なのだが、何故か説明書に書かれていない。使用方法も2Dアクションのソニックとしては若干特殊な操作になっているので、偶然気付くことはあまりない。
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事実上、前作プレイ済みのプレイヤーにとっての特典技のようになってしまっている。
総評
前作よりもパワーアップしている2Dソニック作品。
このスピード感やテンポの良さは後の作品でも舌を巻くほどである。ソニックと言えばスピード感なのはお約束だが、本作は2Dアクションのソニックシリーズでは屈指のスピード感を誇る。
カオスエメラルドの取得は苦行にも程があるが、前作と同様バーチャルコンソールでも配信されているので、こちらも興味があれば遊んでみて欲しい。
最終更新:2024年07月25日 06:17