ポケモンレンジャー 光の軌跡

【ぽけもんれんじゃー ひかりのきせき】

ジャンル アクションアドベンチャー
対応機種 ニンテンドーDS
メディア DSカード
発売元 ポケモン
販売元 任天堂
開発元 クリーチャーズ
発売日 2010年3月6日
定価 4,571円(税別)
プレイ人数 1人~4人
レーティング CERO:A(全年齢対象)
配信 バーチャルコンソール
【WiiU】2016年8月3日/968円(税10%込)
判定 良作
ポイント ポケアシストの仕様が大きく変更された
レンジャーサインの導入
ゲーム進行が大幅にスムーズになった
シナリオはさらにシリアスになった
通信プレイ導入
ポケットモンスターシリーズ関連作品リンク


概要

現時点での『ポケモンレンジャー』の最終作。古代遺跡が多く眠る「オブリビア地方」でナッパーズに立ち向かう。
前作の人物であるシンバラ教授やイマチも引き続き登場するが、それ以外の登場人物は本作のオリジナル。
発売時期の影響か、登場する伝説のポケモンは『HGSS』で入手できるものが多い。
本作で通信協力プレイも導入された。通信プレイは専用のミッションが用意されている。

特徴

  • ポケアシスト
    • 使いたいポケモンを選択してポケモンをタッチペンで配置し、その位置でポケモン自身が攻撃をするようになった。攻撃が当たると気持ちゲージが増えるが、ポケアシストで気持ちゲージを満タンにはできない。
    • 一度力を借りたポケモンはしばらくの間使えなくなる。この時間は強力なポケモンの方が長い。なお、ポケアシスト中に攻撃を受けてしまうとそのポケモンは強制的にリリースされてしまう。
    • ポケアシストには同じわざでもレベルがあり、高いほど強化される。「かえんほうしゃ」なら炎が遠くまで届くようになる、「バブルこうせん」なら泡の数が増える、「りゅうのいぶき」なら弾の数が増えるなど。
      • なお、ポケアシストで使う技の名前は明記されていない。表記は「炎を飛ばす」「泡を飛ばす」「青い炎を連続で飛ばす」などとなっている。
  • ポケモンの状態に新たに「こうふん」が加わった。この状態ではきもちゲージが専用である減少方式のものになる。
    • この状態のポケモンはフィールド上でも攻撃をするだけでなく、キャプチャ中に囲んだ時の効果が10分の1になる。ポケアシストには影響がないため、基本的に解除にはポケアシストを使う事になる。
      • ポケアシストが使えない場所でキャプチャするポケモンはこうふん状態にならない。
    • 専用のきもちゲージがなくなると興奮状態は解除される。ただし、その後キャプチャせずに逃げた場合は再び興奮する。リリースしても再び興奮する。
    • セレビイとライコウ、そして「空中でキャプチャするポケモン」を除く「ミッションごとのボスポケモン」はキャプチャ中に気持ちゲージを上げていくとこうふん状態になる。
      • 通信協力専用ミッションのボスの中には2回こうふん状態になるポケモンもいる。
  • 本作で「みんなでターゲットクリア」が導入された。これは対象のフィールドわざを持つポケモンを必要な数だけ連れて来てクリアするというもの。
  • 本作では空中を移動するときに自由に動くことができるようになった。一度行った事のある場所であれば従来通り指定するだけで行くことも出来る。
    • 空中でのキャプチャもできる。グループ「ひこう」のポケモンの多くは空中でキャプチャする事になる。
    • ただし、空中ではポケアシストが使えない。代わりに後述のラティアス・ラティオスに乗っている時はポケモンを画面中央に吸い寄せる「くうちゅうアシスト」が使用できる。
  • レンジャークラス・パワーアップデータが廃止された。その代わりに最初から7匹まで連れて歩けるようになった。
    • 前2作と異なり主人公は新人ではなく、レンジャー本部からオブリビアに派遣された相応の実力者であり、作中ではレンジャークラスについては言及されない。
    • パワーアップデータの代わりにレンジャーポイントが登場。これはミッションやクエストをクリアする度に増えていくポイントで、それらを振り分けることによってスタイラーを強化できる。
  • リザルトボーナスによるキャプチャランクの仕様変更
    • 前作ではポケモンごとに必要なポイントが異なっていたが、今作はポイントがランクごとに統一された。
      • Sランクは10以上、Aランクは5~9、Bランクは4以下。
  • ウクレレピチュー
    • 本作のパートナーポケモン。他のポケモンのポケアシストと異なり、きもちゲージの上に出てきたウクレレピチューをタッチするとウクレレピチューがフィールド上に現れてポケアシストを行う。
    • 最初は音符だけだが、イベント事に強化されていき、電撃も行うようになる。最後の雷撃はポケモンをビリビリにする効果がある。
      • 音符はグループ「ノーマル」、電撃はグループ「でんき」として扱われる。
      • 空中ではラティアス・ラティオスに乗っている時に限り空中アシストを使える。これはポケモンを画面中央に引き寄せる。
  • レンジャーサイン
    • 本作の新機能。スタイラーを使ってサインを描くことで特定のポケモンを呼び出せる。従来の「かわいどう」などに該当する乗って移動するポケモンはこの機能で呼び出すことになる。
      • ラティオス・ラティアスは従来の「そらをとぶ」と同じような効果だが、ムクホークよりも飛行能力が高い。終盤ではこれでしか行けない場所がある。
      • エンテイはフィールド上の岩を壊す事ができる。 攻撃する側にしてもされる側にしてもいわタイプに不利なのに。
      • スイクンは川や池の上を走る事ができる。
      • ライコウは谷を飛び越えることができる
      • エンテイ・ライコウ・スイクンは乗っている時に吠えると隠れているポケモンが出てくる効果がある。
      • ホウオウ・ルギア・ファイヤー・フリーザ・サンダーは生息地でサインを描くと再びキャプチャができる。
    • 他のポケモンは仲間として連れ歩けるポケモンとして登場し、キャプチャしたポケモンと同じくポケアシストやフィールドわざが使える。
      • これらのポケモンのサインはクエストで入手できるほか、当時のキャンペーンなど外部情報で公開された「隠しサイン」も存在する。隠しサインはあらかじめブラウザに登録していないと使えない。
      • 隠しサインを使う事で、ストーリーボスが使うポケモンのうち「リザードン」と「真の黒幕の幹部が使うポケモン」を除くキャプチャできないポケモンを仲間として呼び出せる。
      • 発売時期の影響か、ジョウト御三家の最終進化ポケモンがレンジャーサインで呼べる。
    • チャージサインを使うことで一部のポケモンは強化される。
      • ラティアス・ラティオスは飛行速度が上がる。
      • エンテイ、スイクン、ライコウは野生ポケモンが怯え状態になる。
      • 仲間として連れ歩けるポケモンはポケアシストのレベルが1上がる。ただし、「通信モードのパートナーを呼び出す」セレビィはあらかじめそちらでパートナーのアシストレベルを上げておく必要がある。
    • なお、「仲間として連れ歩けるポケモン」は呼べるポケモンは一度に1匹まで。他のポケモンを呼ぶにはレンジャーサインで呼んだポケモンを事前にリリースしておく必要がある。
    • レンジャーサインで呼べるポケモンのフィールドわざはセレビイと「通常版の野生ポケモンとして登場するポケモン」を除いて強さが1で統一されている。
    • サインは室内や森林では使えない。前述の「乗って移動できるポケモン」も降りてから入る。

通信プレイ専用ミッション

  • 通信プレイは本編の中盤からできるようになる。通信プレイは過去のオブリビア地方にある神殿が舞台になっており、「ときわたりのせきひ」でセレビィの力を借りて過去へ行くとできる。
  • 神殿には本編と同じく「緑のワープゾーン」「スイッチ」という仕掛けがある。また、2人や4人で同時に乗らないと起動しないスイッチもある。
    • 通信プレイの際には参加者全員が神殿の前でキーアに話しかけて挑む。一応、通信配布専用ミッションを除いて一人でもクリアできるが、難易度は極端に高くなる*1
    • また、2人で行う「シンクロキャプチャ」や3人以上で行う「コンバインキャプチャ」というテクニックもある。
      • これはチャージキャプチャと同じ手順でパワーを貯め、ラインを複数人でつないでポケモンを囲むと成功。通常のよりも多くの気持ちゲージを増やせる。
  • 神殿には「森・炎・氷・雷・闇・光」の6つの場所がありミッションは計23ある。
    • 最初の森の神殿のミッションは6種あり、順に攻略していく。
    • 炎から闇の4か所の神殿のミッションは神殿ごとに4種用意されている。
      • 最初に選べるのは3種で、3種全てのミッションをクリアすると神殿最後のミッションに挑めるようになり、そのミッションをクリアすると次の神殿に行けるようになる。
    • 最後の光の神殿のミッションは最終ミッション1つだけ。
    • 通信プレイ専用ミッションでは「本編では水中に出現するポケモン」は登場しない。
  • ミッションは全て「制限時間内に特定のポケモンをすべてキャプチャし、赤いワープゾーンの先にいる最後のボスのポケモンをキャプチャ」するとクリア。その前に「参加者1人でもスタイラーのエネルギーが0になる」「制限時間が無くなる」「通信エラー」のうち1つでも起こると失敗になる。
    • ランクはミッションクリア時の残り制限時間で変わる。5分以上でSランク、5分未満3分以上でAランク、3分未満1分半以上でBランク、1分半未満でCランク。
  • アイテムには宝箱に入っており、ターゲットクリアで開ける。フィールドわざはどれでもクリアできる。アイテムには以下の種類がある
    • 通常の宝箱
      エネルギーリカバー 拾った人のスタイラーのエネルギーが回復する
      タイムプラス 制限時間が延長される
      こころのせきばん ミッションクリア時に選べるパートナーポケモンの種類が増える。このアイテムはクリア後に山分けする
      • この「こころのせきばん」はAランク、Sランクでクリアした時の報酬としてもらえるポケモンもおり、この場合は人数分配布される。Sランクでクリアすると低確率でそのボスポケモンの石板になる。
  • 属性付き宝箱
    • この宝箱は対応するフィールドわざで開ければ同じマップにいる参加者全員がアイテムの効果を得られる。効果はミッションが終わると消える。
      スピードアップ フィールド上での移動速度が上がる
      ガードアップ ダメージが減るようになる
      パワーアップ スタイラーのパワーが上がる
      パートナーアップ パートナーのパワーが上がり、アシストレベルが5の時に限りアシストレベルが上がる
  • フィールドわざは基本的に本編と同じだが、本編では「ターゲットクリアに使わないフィールドわざ」のポケモンに限り差し替えられている。
    • 「そらをとぶ」は「きる」、「じゅうでん」はでんき、「テレポート」はサイコパワーに差し替えられている。
  • 神殿パートナー
    • 通信協力プレイでポケアシストとターゲットクリアを行うポケモン。1人につき1匹まで連れ歩ける。
    • 最初はポッチャマだけだが、のちに上記の「こころのせきばん」を手に入れると選べるポケモンが増えていく。
    • キャプチャするポケモンの攻撃がパートナーポケモンに当たった時のペナルティが「再び使えるようになる時間が長くなる」になっている。
      • 通信協力ミッションのパートナーポケモン専用のポケアシストも多い。「10まんボルト」「はどうだん」「はかいこうせん」などが該当。
  • ゲームを進めるとスタイラー経験値同様手に入る「AP」を使ってパートナーポケモンの強化を行う。
  • パートナーの性能は以下の通り。
    レベル 上記のアシストレベルに該当。
    かいふくりょく ポケアシストを再び使えるようになるまでにかかる時間
    パワー ポケアシストを当てた時に増えるきもちゲージの量
    • 本編でセレビィのレンジャーサインを描くと指定したパートナーポケモンを本編でも連れ歩き、通信協力ミッションと同じポケアシストを使える。
  • スペシャルミッションをクリアすると「DPPT・HGSS」のどれかに「シェイミ」「ふんかを使えるヒードラン」「マナフィのたまご」「デオキシス」を送る事が出来る。
    • 「デオキシス」は通信交換ミッションをクリアすると送れる。
  • エクストラミッションでは「ギラティナにはっきんだまを!」「アルセウスへのちかい」がある。これらで登場するギラティナ、ディアルガ、パルキア、アルセウスはこのエクストラミッション限定の登場。

評価点

  • ポケアシストが使いやすくなった。
    • 前作まではポケアシストを使うとポケモンはリリースされていたが、今作はキャプチャ中に攻撃を受けない限り再び使えるようになった。その為、使わないデメリットがほぼなくなった。
      • そのためポケアシスト用とターゲットクリア用のポケモンを個別に用意する必要も少なくなった。
    • また、前作では「浮いているポケモン」には一部のポケアシストが効かなかったが、今作では撤廃された。
  • ストーリーも大幅にシリアスになり、脱力感のあるシーンが激減した。
    • ポケモンナッパーズは最初は「ポケモンの密売集団」程度の組織でしかなかったが、のちにさらに巨大な陰謀が明かされる。
    • エリアレンジャーのタルガ、その妻の考古学者のレイラ、その夫婦の娘の発明好きの少女のパネマ、木彫りのブッカーといった仲間や敵対するナッパーズの幹部にも本編のキャラクターにも負けない魅力を持っている。
    • 真の黒幕も終盤までなかなか分からず、緊張感が保てる。
      • 再プレイなどで真の黒幕の正体を知っていても十分に緊張感がある。
    • 通信協力ミッションのストーリーも作りこまれている。
      • なお、エクストラミッションのストーリーと通信協力ミッションのストーリーは繋がっている。
    • クリア後に起こる真の最終ミッションの発生条件も「該当ミッションのボスポケモン以外をすべてブラウザに登録」になっているため、真の最終ミッションクリアと同時にブラウザコンプリートを祝ってもらえるようになった。
      • なお、本作では上記の「該当ミッションのボス以外のポケモンをすべてブラウザに登録」するためにはすべてのクエストをクリアする必要がある*2
  • レンジャーサインの導入により、フィールドわざの為にポケモンをキャプチャする手間が省けるようになった。
    • 前作は川を移動する時などにポケモンをキャプチャする必要があったが、本作ではレンジャーサインでの代用ができるようになった。
    • なお、本作では「水中でポケモンを追いかける」場所もあるが、その時は自分で泳いで追いかけていく。 じゃあ普段からスイクンに乗らずに自分で泳げばいいんじゃないか?
  • 一度に受けられるクエストの制限が撤廃された。
    • 前作では一度に一件ずつしか受けられず、キャンセルにも依頼を受けた場所にまで行く必要があったが、今作では撤廃されたため、一度に複数のクエストをこなせるようになり、攻略がスムーズになった。
    • 一度受けたクエストは前作同様確認できる。
    • この為「クエストを見つけ次第片っ端から受けていく」が可能になった。ただし一部、キャンセルしないとその場所を離れられないクエストがある。
  • 後述の「キャプチャアリーナ」に該当する場所では、前作ではポケアシストに制限があったが、本作では撤廃された。ストーリーモードでは空中でキャプチャするポケモンが相手でもポケアシストを使える。
    • ストーリーモードでは空中でキャプチャするポケモンもこうふん状態にはならないままの為、ポケアシストなしでのクリアも十分にできる。
  • 本作では空中でも操作できるようになったため、「空中で敵の攻撃や雷をよけながら進む」という場所も追加された。
  • BGMも良質なものがそろっている、それだけにサウンドテストがないのが惜しまれる。

賛否両論点

  • シリーズ伝統にもなっているが、一部キャラのセリフ回しや言動に独特な空気感があり、見ようによっては稚拙ともとれ、ややテンポを損なうこともある。そういうギャグともとれるが。
    • 例を挙げると発明家キャラであるパネマ。彼女の発明品のネーミングは長すぎて利便性にかけ、脱力感がある上、名前を呼ぶときにがゲーム進行が少し遅くなってしまう。
      • 上記のレンジャーサインの当初の名称は「ラインでサイン おえかききぶんでポケモンよびだせちゃうモード」。スタイラーのAIが「レンジャーサイン」を提案した。
      • 他にも接着剤の「てつでもプラスチックでもいしでももうなんでもくっつけクリーム」、スタイラー充電機の「バッテリーばっちりーミニチャージャー」、前作の「キャプチャアリーナ」に該当する「いつでもなんどでもキャプチャにトライできるんだマシン」など。
      • スペシャルミッションでもこの癖は健在。あまりに長すぎるのか、シンバラ教授がパネマに無許可*3で大幅に短くしていた。
  • 前作のポケアシストはノーマルであれば「ラインを長くできる」、あくであれば「設置した攻撃を消せる」といったものあるが、今作ではなくなった。
    • 「ラインを長くする」は上記のカスタムでできるが、「設置した攻撃の撤去」は出来なくなった。
  • 「たいあたり」と「もやす」の強さが4まで設定されているが、どちらも対象ターゲットも強さが3までのターゲットしか用意されておらず、意味をなしていない。ポケアシストの強さを暗示しているとは言えるが…それだったら「こわす」などに設定する方が良かっただろう。
    • しかも「たいあたり」でクリアするターゲットは中盤までしか出てこない。
      • 一応、ターゲットクリアでポケモンが落ちてくる木*4もターゲットになっている。これはその都度ターゲットクリアが必要だが、すべて強さが1となっている。
    • 「もやす4」に設定されているのは本編でもほのおタイプではない ボーマンダ1種だけ。
      • このポケモンは「かえんほうしゃ」をレベルアップで習得できるようのは『オメガルビー・アルファサファイア』からで、それ以前のソフトではわざマシンを使わないと覚えられない。発売時にレベルアップで習得できるほのおタイプの技は「ひのこ」と「ほのおのキバ*5」だけ。
      • もっとも、それ以前のソフトのポケモン図鑑でも「進化直後は嬉しさを表現するために炎を吐く」「ひとたびキレると山火事を起こす」「怒ると何もかも燃やす」と表記されていた他、ポケモンカードゲームでは炎エネルギーを付けないと技を使えないカードが多い、アニメではよく「かえんほうしゃ」を使う*6など、なにかと炎に縁があるが…
  • 他にも一部、フィールドわざの設定が微妙なポケモンもいる。
    • ポッチャマは「みずかけ」だが、ポッタイシとエンペルトは「きる」になっている。本編での種族値はこうげきよりもとくこうの方が高く設定されているにもかかわらずである。
      • もっとも、腕は刃物のようになっており、ぶつりわざでも十分に活躍できる*7ポケモンではある上、レベルアップで「メタルクロ―」も習得できる。ポケモン図鑑でもエンペルトの解説は「翼で流氷を真っ二つにする*8」という解説がされている。
    • タマザラシ系統は全て「こわす」になっている。トドゼルガは技思い出しで「かみくだく*9」と覚えるものの、タマザラシとトドクラーは発売当時はレベルアップで習得できるぶつりわざが「アイスボール」「のしかかり」だけ*10となっている。
      • タマザラシとトドクラーは「みずかけ」にした方が良かったのではないか。
    • また、このタマザラシ系統とポッタイシ・エンペルトは本編では水タイプにもかかわらず生息地の周りに水場がない。
      • 生息地が雪山なのだが、他の山には水場がある。

問題点

  • ポケアシストの「じゅうでん」が使いづらくなった。
    • 前作まではキャプチャ中でも選択するだけで充電できたが、本作では他のポケアシストと同じく配置が必要になり、充電に時間がかかるようになった。
    • その間に攻撃を受けたらもちろんリリースされる上、画面中央から離れた場所に置くと回復に時間がかかるようになる。
      • 他のポケアシスト同様、「攻撃が当たらなければ回数制限がない」というメリットあるが、攻撃が当たらないようにするのはほぼ不可能である。
    • 一応、充電なしでもクリアできるような難易度にはなっているが…ポケアシストとしてはとても使いづらくなった。
  • ポケアシストには一部、不自然な解説がある。
    • 「じわれをおこす」などが該当。一切割れておらず、どう見ても「X・Y」以降の「ストーンエッジ」。「だいちのちから」表記ではダメだったのだろうか?
      • また、このポケアシストを使うポケモンは本編では「とくこうよりもこうげきの種族値が高いポケモン*11」ばかりになっている。もっとも、じめんタイプはとくこうよりもこうげきの種族値が高いポケモンが多い*12故だが…「じしん*13」を導入できなかったのだろうか?
    • 「ソーラービーム」は「光のビーム」表記になっている。ビームは「光線」を意味するため、「光の光線」という屋上屋を重ねた表記になってしまっている。「草のビーム」などではダメだったのだろうか?
      • このシリーズの英語版でも技名の「光線」は、「Beam」になっている。「バブルこうせん」なら「Bubble Beam」、「サイケこうせん」なら「Psybeam」など*14
  • 本編で複数のタイプを持つポケモンもグループが1つになっているが、グループの設定が微妙なポケモンもいる。
    • 例えばルンパッパ系統は全てキャプチャ時、ポケアシスト時共に「くさ」グループ。本編では「みず・くさ」タイプであり、「みずのいし」で進化する上、2種類ある特性はともに雨に関係するもの*15で、当時はレベルアップで習得できる技が「すいとる」「メガドレイン」くらいしかないにもかかわらずである。
    • ヘラクロスはキャプチャ時は「むし」であるものの、ポケアシストは「ノーマル」。動作は「メガホーン」に近くなっているが。
      • 「ミサイルばり」にしようにも使えるようになったのは「X・Y」からではあるが…「かくとう」にできなかったのか…
    • 通信協力ミッションではモウカザルやゴウカザルが「かくとう」になっているなど、微妙な設定もある。
  • ポケアシストの「でんき」を使えるポケモンは少ないまま。一応、セレビィによる神殿パートナーでの代用はできる*16が、呼べる場所が限られる。
    • 前作では「でんき」だったメリープ系統はじゅうでんになった。
    • ビリリダマ、マルマインはグループが「ノーマル」の「じばく」。一応、フィールドわざは「でんき」のまま。
      • 本編や関連作品では「じばく」と非常に深い関わりを持つポケモンではあるが…*17。実際にフィールド上での攻撃手段は「じばく」だけ、ビリリダマはキャプチャ中の攻撃も「じばく」だけの上、橋の爆破に用いるシーンもある。
      • 一応、ポケアシストで「じばく」を使っても「使用直後に強制リリース」「スタイラーにダメージ」などのペナルティはない。
    • ポケアシスト「でんき」が使えるポケモンははライボルト系統、レントラー系統、サンダース、エレキブル系統だけ。
    • 攻略の面では、「でんき」が使いにくいことによる影響は少ない*18。グループ「みず」のポケモンを相手にする時なら「くさ」でも事足りるし、グループ「ひこう」のポケモンはそもそもポケアシストが使えない空中でキャプチャする事が多い*19。オーダイルがボスとして登場するミッションでは付近に「くさ」ポケモンがいないがきちんと「でんき」のポケアシストが使えるルクシオがいる。
      • ただし、ボスとしての登場ではないものの、こうふん状態*20ヌマクロー、ポッタイシ、エンペルトがいる場所の付近には両方ともいない。もっとも、ヌマクローは火山、ポッタイシとエンペルトは氷山*21にいる為、いたら問題になるだろうが…
      • また、ヌマクローは本編ではじめんタイプも持ち合わせているため、「でんき」が弱点であることに気がつかない人も多いかもしれない。
    • なお、本作発売時までに発売された本編に登場するでんきタイプのポケモンは「ロトム」を除いて本作に何らかの形で登場する。
  • ポケアシストの中には一部微妙なポケアシストの設定がされているポケモンも存在する。
    • ミズゴロウ系統やブイゼル系統は本編では使えない「バブルこうせん」。グループが「みず」のポケアシストはこれが多いのだが…。
    • ムックル系統は本編では使えない「かぜおこし」。もっもと、グループ「ひこう」のポケアシストは他には「エアスラッシュ」しかないし、「エアスラッシュ」にしようにも、発売当時はわざマシンにはなってない技だが…
      • ただし「エアスラッシュ」に似た「エアカッター」は発売当時も教え技で習得できる。
    • フォレトス系統は両者ともポケアシストが「じばく」。前作ではクヌギダマは「むし」、フォレトスは「はがね」だったのだが…
      • アニメでは過激な愛情表現としてよく「じばく」していたり、カードゲームでは「じばく」のような技しかないカードも少なくない*22など何かと「じばく」に縁のあるポケモンではあるが、アシストでタイプ一致でないのにじばくというのは…
    • 通信協力ミッション時のヒノアラシ系統も習得できないはずの「ほのおのうず」の上、このポケモン専用のアシスト。「かえんほうしゃ」などでも良かったのでは…
      • 本編ではヒノアラシとマグマラシは「やきつくす」、バクフーンは「ブラストバーン」。
    • エイパム・エテボースはタイプ一致ではない上、本編でも習得できない「がんせきふうじ」になっている。
  • 水中のポケモンはチョンチーとランターンを除いて全種グループが「みず」で統一されており、陸上からポケモンが連れ込めないために殆どのポケアシストが「こうはいまひとつ」になってしまう。
    • 水中でもポケモンはこうふんすることがあるため、こうふんの解除にやや過度に苦労する。チョンチーやランターンはこうふん状態にならないためいずれかを連れ回す事を前提にしていると考えられる。
    • 前作の水中にはポケアシストが「あく」のハンテール、「エスパー」のサクラビスなどがいたが、今作ではその2種の他「みず・いわ」タイプのサニーゴやジーランスなどのポケモンでもグループがキャプチャ時、ポケアシスト共に「みず」に統一されている。
  • 一部、「多くのポケモンを指定の場所に連れていく」場所があり、連れ歩くポケモンの多くが固定される場所がある。主にエンディング後のやりこみクエストで起こるが、1か所はエンディング前。
    • 終盤に上記の「みんなでターゲットクリア」で4匹のポケモンを必要とする場所がある。
      + エンディング後の該当するクエスト
    • 1つめは「いつでもなんどでもキャプチャにトライできるんだマシン」を起動させるクエストが該当。マルマイン・エレキブル・デンリュウ・ライボルト・サンダースを一度にパネマの元に連れていく。このクエストをクリアするとボスとの再戦ができる。
    • 2つめは「ブッカー宅に6匹のピチューを連れていく」というクエスト。キャプチャには全く苦労しないが、外部情報なしだとあちこちに大量のピチューを連れ歩く事になる可能性が高い。
    • 3つめは前作にもあった「イマチ杯コンテスト」。このクエストは7匹ものポケモンを一度にブッカーの所に連れていく必要がある。もっとも、7匹とも強力なポケアシストを使えるが。
      • なお、「トゲキッス」「ドンカラス」は空中に出現するが、必ずしも見つかるとは限らない。しかも空中に出現するポケモンはブラウザの生息地の欄では全て「くうちゅう」にまとめられている為、外部情報なしではやや見つけづらい。
        • 特にトゲキッスは逃げるのが速く、チャージサインで呼び出したラティオスorラティアスでなければとても追いつけない。
      • もっとも、前述のレンジャーサインによって、順不同で集められるだけよくなっている。
        • 前作は順番も考える必要があった。
  • エンディング前の終盤に黒幕の内の1人とそのポケモンが巨大化して登場するのだが、グラフィックをそのまま引き延ばしているため非常に粗い。
  • エンディング後のミッションではポケモンナッパーズが操るポケモンたちと同じく興奮した野生ポケモンを相手する*23所があるのだが、BGMが通常の野生ポケモンと同じで緊迫感に欠ける。
  • レンジャーサインで再戦するポケモンはそのポケモンごとの場所に行かなければならない
    • ファイヤー・フリーザー・サンダーは指定の山の山頂でレンジャーサインを描く必要があるが、その指定の山の山頂で降りる事ができず、自分で山を登っていく必要がある。
      • 降りる時はレンジャーサインで呼べるラティアス・ラティオスで簡単に降りられる。
    • 特にフリーザーの場所は「雪崩がおこる坂道を柱の陰に隠れながら進む」場所がある。この場所は足が極端に遅くなるため、フリーザーのキャプチャよりもこの雪崩地帯の方が時間がかかる。
  • 「いつでもなんどでもキャプチャにトライできるんだマシン」の問題点
    • セレビィと「ミッションごとのボスポケモンを除くポケモン」は全てきもちゲージが変わっていない。そのため、ストーリーをクリアするほどスタイラーを強化しているとセレビィとラプラスは一回囲むだけで簡単にキャプチャ出来てしまうため、キャプチャに全く苦労しない為面白みが皆無。
      • 一応、Sランクを満たしたいだけなら支障はない*24
    • 本編ではこうふんするポケモンも「ミッションごとのボスポケモン」を除いてこうふんしないため、難易度がかなり低くいまいち面白みがない。
    • 最終ボスは第2形態まであるのだが、第1形態の最終ボスとの再戦が出来ない。一応、ブラウザでは形態による違いがない。
    • 本編では空中でキャプチャするポケモンでも空中アシストを使えなくなっている。
    • 仮想空間にもかかわらず、途中で止めたくなっても逃げられない。ここでエネルギー切れを起こしてもゲームオーバーにはならないが…
    • 支障はないが、背景を初回のボスと同じにできない。
  • 上記の「空中で敵の攻撃や雷をよけながら進む」「泳いでポケモンやナッパーズを追いかける」場所は1度クリアするとスペシャルミッションやエクストラミッションを除いてデータを初期化しない限りやり直せない。
    • 流石に出入りの度に入るのも考え物だが、再プレイができるミニゲームも欲しかった所。
  • 通信協力ミッションのボスポケモンは入手できる確率がやや過剰に低く、入手済みの石板も再度手に入るため、特定の石板が欲しければ同じミッションを何度もSランククリアする羽目になる。
    • その最たるものが、光の神殿のSランククリア時のみ抽選に含まれる「ミュウ」。その確率は約2%とされており、数十回クリアして1回も出てこない事もある。
      • なお、本作では「ミュウ」の出番は神殿パートナーとしての登場だけ。
  • 一部、「通信協力ミッションを指定の所までクリア」しないと通常の野生ポケモンとしてキャプチャ出来ないポケモンがいる。
    • このポケモンはナッパーズが操るポケモンとしては登場するため、通信協力専用ミッションをクリアしなくてもブラウザコンプリートはできるが、Sランクを狙って再挑戦する場合はそうはいかない。
      • 一応、1人でクリアできないのはデオキシスのエクストラミッションに限られるが、縛りプレイ並みの難易度になってしまう。「いつでもなんどでもキャプチャにトライできるんだマシン」での代用はできない。
    • 特にチャージキャプチャが使えるようになる前に登場するポケモンはSランクでのキャプチャが難しい上、エクストラミッションやスペシャルミッションでの代用も出来ない。
  • 登場するポケモンについて
    • グラードン、カイオーガ、レックウザが登場しない。「HGSS」で捕獲できるのだから、登場させてもよかったのではないか。
    • また、ユクシー、エムリット、アグノムが登場しないため、いわゆる準伝説なのに「ポケモンレンジャーシリーズ」には登場しないままとなってしまった。
      • この3匹は「HGSS」では捕獲できない為、前作の時点で出しておくべきだったのかもしれないが…
    • リザードンとドダイトスは御三家にもかかわらず野生ポケモンとしての登場はしないため、ポケアシストがない。前作にはあったのだが。
      • リザードンに関しては前述の通り空中でキャプチャするというのもあるが、それでもレンジャーサインで呼べるようにはできたであろう。
    • リザードンに関してはレッドアイが使う為、「ほのおタイプのポケモンの空中キャプチャ」にしたかったためと思われる。この条件に加え「伝説のポケモンにしない」という条件だとリザードン一択になる。
      • ただし、ボーマンダをボスにも出来たと思われる。ほのおタイプではないものの、上記の通り「かえんほうしゃ」を使っても不自然でないし、本作でも「本編でタイプが一致しないわざを使うポケモン」は結構いる*25
    • また、御三家の中ではゼニガメとカメールが登場しない。カメックスもエンディング後まで登場しない。
    • 他にも進化前や進化後だけ登場しているポケモンもいる。前者はムチュール、後者はドードリオやユキメノコ*26など。

総評

前作と比較すると難易度がやや下がったため、人によっては物足りなさを感じるかもしれない。
しかし、前作からはストーリーには改善が見られ、ゲーム進行も大幅にスムーズに進められるようになった。
通信協力ミッションにも力が入っており、ポケモンレンジャーシリーズの集大成にふさわしい良作と言える。

余談

  • 本作は「スペシャルミッション未クリア」のソフトが希望小売価格とさほど変わらない値段で取引されている。これはゲームソフト1本につき1回しか送れないためである。
    • 特に「ふんかを使えるヒードラン」は本作から3年半も経った『X・Y』や、そこからさらに1年後の『OR・AS』におけるトリプルバトルで突然需要が急増したため、当時本作をスルーして中古をひたすら買い集めることになった人も。トリプルバトル自体がマイナーなルール*27であったため大きな問題にはならなかったが。
    • デオキシスはその都度ミッションをクリアすれば送れる回数に制限はない。
  • 2010年3月18日放送のテレビアニメで本作のスペシャルエピソードを元にした話が放送された。
    • サトシ一行が本作の男主人公「ナツヤ」と出会う。ナツヤはレンジャーサインでオーダイルを呼び出していた。
      • このサインはゲーム内で実際に入力できる隠しサイン。
最終更新:2024年08月10日 22:06

*1 ゲーム上で表記される推奨レベルは3人から4人で挑む前提で表記されている。

*2 最後のクエストでルカリオを登録できる。

*3 短縮は気に食わない模様。

*4 「HGSS」の「ずつき」に近い。

*5 ボーマンダに進化すると思い出しで習得できるようになる。

*6 アニメでの初登場は劇場版の「七夜の願い星 ジラーチ」で、その時は「かえんほうしゃ」以外の技を一切使用しなかった。

*7 「ブラック・ホワイト」でステータス低下時にこうげきを上げる「まけんき」が隠れ特性として設定された。

*8 実際のペンギンも人間を骨折させる程の腕力がある。

*9 ポケモン図鑑では「10トンもの氷山でも牙で崩してしまう」という説明文がある。

*10 「オメガルビー・アルファサファイア」から「ころがる」をレベルアップで習得できるようになった。

*11 ネンドールやトリトドンは「じめん」ではない。

*12 「エメラルド」まではじめんタイプの攻撃技はぶつりわざだった。もっとも、エメラルドまでに登場した攻撃わざで「DP」からとくしゅわざになったのは「マッドショット」「どろかけ」だけだが…

*13 それらしきポケアシストもあるが、グループが「かくとう」になっている。強引にであれば「しんくうは」と解釈できるが…

*14 「はかいこうせん」は直訳ではなく「Hyper beam」になっている。直訳すると「Destroy beam」になる。

*15 「ブラック・ホワイト」で隠れ特性として雨とは関係ないマイペースが追加された。

*16 しかも通信協力ミッションをかなり進める必要がある。

*17 ポケモン図鑑でも「やたら頻繁に爆発したがる」「電気が溜まると気晴らしに自爆するので危険」「別名は爆弾ボール」「ベテラントレーナーでも扱いは慎重」などとある。本作発売時には導入されていなかったが、隠れ特性は「ゆうばく」。

*18 中盤からはウクレレピチューでの代用も効く。

*19 通信協力ミッションのボスにも選抜されなかった。

*20 ポッタイシとエンペルトはエンディング後にこうふん状態になる。

*21 ユキノオー系統はいるが、グループは「くさ」ではない。

*22 エメラルドまではタイプ一致の攻撃技を使えなかった。

*23 この時はキャプチャしても仲間にはならない。

*24 「7秒以内にキャプチャ」「ダメージを受けずにキャプチャ」「チャージキャプチャできもちゲージを満タンにする」を全て満たすだけでSランクをとれる。

*25 「ほうでん」を使うポリゴンZ、「サイコショック」を使うヨルノズクやルカリオなど。

*26 ユキワラシだけでなくオニゴーリも登場しない。

*27 「サン・ムーン」では廃止された。