本項ではニンテンドーDS用ソフト『ポケットモンスター ダイヤモンド・パール』と、マイナーチェンジ版である『ポケットモンスター プラチナ』の両方を紹介します。
判定はどちらも「良作」です。



ポケットモンスター ダイヤモンド・パール

【ぽけっともんすたー だいやもんど・ぱーる】

ジャンル RPG

対応機種 ニンテンドーDS
メディア 1024MbitDSカード
発売元 ポケモン
販売元 任天堂
開発元 ゲームフリーク
発売日 2006年9月28日
定価 4,571円(税別)
判定 良作
ポイント 攻撃技が物理と特殊に分離し対戦システムが完成形に
GBA版までと比べるとゲームテンポが悪化
催眠技が猛威をふるった
ガブリアスが初登場
ポケットモンスターシリーズ関連リンク

概要

GBAからDSにプラットフォームを移し展開されたポケットモンスター本編の4作目。北国のシンオウ地方*1を旅する。
略称は「ダイパ」または「DP」、後述の『プラチナ』を含めて「DPt*2」など。


特徴・評価点

  • 新たなポケモンが107体登場し、総数は493匹になった。
    • 「ポケモンの90%は進化する」とのセリフがあり、前作までに登場したポケモンの新たな進化形と進化前が計20匹ほど追加。弱かったポケモンは強化され、元から強かったポケモンはさらに選択肢が増えることとなった。
    • それ以外の新ポケモンも、登場した場所が西か東かでデザインが異なるカラナクシ系、戦った場所によってタイプや進化形が異なるミノムッチなど、これまでにない個性を放つものも多い。
    • また、一部のポケモンは性別により、性能ではなく姿が変化するようになった。例えばピカチュウならオスは旧作同様だがメスはしっぽの先の形がハート型になった。
  • フィールド上では下画面で新機能「ポケッチ」を使用する。
    • 今までの電話型のアイテムとは異なり、こちらは腕時計型。単に時計としての機能を持つだけではなく、メモ帳やマップなど冒険の役に立つもの、タイプ相性を確認できるバトルに役立つもの、育て屋や木の実生育の様子を見ると言ったやり込みに役立つものなど使い道は多用途。
      物語を進めたりお使いイベントをこなすことで機能は増やせる。全23種類。
      • アプリの一つ「マーキングマップ」を使うことでメニューや図鑑を開かずマップ切り替えのみで各地を逃げまわるポケモンを捕捉できる。これは本作のポケッチのみの仕様。
  • 対戦システムの改革、バランスのテコ入れ。
    • 攻撃わざの物理/特殊の分け方が変更された。従来は技のタイプごとに物理または特殊に固定されていた*3ため、能力値と技の性能が噛み合っておらず実力を発揮できていないポケモンが多かった*4
      それが、たとえば従来の炎タイプの技はすべて特殊技に固定されていたが、「ほのおのパンチ」は物理・「かえんほうしゃ」は特殊といった具合に分離され、多くのポケモンが個々のステータスに合わせた実戦級の火力を持てるようになった。
    • 多くのタイプに攻撃技を大幅に追加。まともな攻撃技がなかったタイプの救済になった。
      物理/特殊の分離に伴い、それぞれの分類において主力となり得る技がほとんどのタイプで用意された。
      他、多少のデメリットがあるが威力が高い技も多く追加され、全体的に対戦バランスが火力偏重になり、前作以上に単純な受けが成立しにくくなった。
    • 攻撃技以外にも画期的な補助技やアイテムが登場。5ターンの間すばやさの低い方が逆に早く行動できる「トリックルーム」、場に出たら1つの技しか使えないがすばやさが1.5倍に上がるので奇襲性のある「こだわりスカーフ」、HP満タンから一撃で倒されるダメージを受けた時は一度だけHPが1だけ残るのでチャンスを作れる「きあいのタスキ」などがその最たる例である。
      • これにより、鈍足や低耐久などの弱点によってこれまで対戦では使いづらかったマイナーなポケモンも戦略次第で活躍できるようになり、パーティの幅が広がった。
    • 『RSE』で調整不足が目立ったダブルバトルのシステムも洗練された。複数体にヒットする技の威力が調整され、味方が倒されて次に出てきたばかりのポケモンが技を選ぶ機会すらなく攻撃を喰らうこともなくなった。
    • 他にも「あられ」状態で「ふぶき」が必中になる、「すなあらし」状態で岩タイプの特防が1.5倍になるなど、本作から登場した重要な仕様は数多い。そういった意味では『RSE』と同じく現在の対戦システムの基礎を築いた作品と言えるだろう。
    • 本作初登場のポケモンには対戦を意識したような種族値や特性を持つものが多く、対戦環境を大きく影響を与えた。
      • 本作の強豪として特に名高いのはガブリアス。ユーザーから「600族*5」と呼ばれる高いステータスのポケモンだが、火力・耐久・素早さのすべてが高水準でまとまっており、タイプや習得技にも恵まれている。システムやルールの追加や調整によって浮き沈みやトレンドの変遷が激しい対戦環境の中にあって当初から長らく高い存在感を発揮し続けており、本作以降第6世代が終わるまで対戦での使用率ナンバー1の座に居座り続けるほどであった*6
  • 旧作のポケモンを連れてこられる施設「パルパーク」
    • DSにダブルスロットした『RSE』『FRLG』からポケモンと持ち物を移動させることができる。もちろん、GCからGBAを経由すれば『ポケモンコロシアム』や『XD』からポケモンを連れてこられる。
      • なお、連れてきたポケモンはすぐ手持ちに加わるわけではなく一旦パーク内に放たれる。ポケモンの生態に合った地形に潜んでいるので、探し出して「パークボール」という専用のモンスターボールを投げて再捕獲することで正式に使えるようになる。捕獲ではあるが親名(ID)が変わることはない。
    • 『金銀』↔『RS』間で互換が切られただけに、ポケモン引継ぎ要素は大いに歓迎された。余談だが、本作以降も引き継ぎはすべて可能で、GBAのポケモンを3DSの最新作にまで連れていける。
      • 『第三世代』→『第四世代』のみの特徴として、前作でポケモンに持たせた道具もそのまま引き継ぐことができる。
    • ただし、DSからGBAに戻すことはできない点に注意が必要。
    • また、ダブルスロットがあるDSは初期型・LiteのみのためDSi・3DS・2DSでは使用できないため注意。
  • Wi-Fiコネクションを用いた通信要素が組み込まれた。
    • フレンドコードを交換した相手とオンラインで対戦・交換が可能になった*7。フレンドコードを教える必要はあるものの、手軽に直接、ポケモンの醍醐味である通信が可能になり遊びの幅が大きく広がった。
      • これに加えて、現実でのコミュニティや攻略・動画サイトの発展、『ポケモンバトルレボリューション』の発売などを受け、これまでハードルが高かったポケモン対戦の知識が広く共有されるようにななった。以降の作品も対戦要素に主眼が置かれていくようになるなど、実装の影響は大きい。
    • 他にも、世界中の不特定多数のプレイヤーと交換が出来る「GTS」でポケモン図鑑の完成に協力しあえるようになったり、「Wi-Fiタワー」でCPUながらも世界中の強豪と対戦できるように。
      • これと関連して第三世代では5文字しか表示されなかった外国産のポケモンの名前がすべて表示されるようになった。パルパークから連れてきた場合もちゃんと表示される。
        トレーナーとポケモンの出身言語が異なる場合、獲得経験値が1.7倍(同言語で親が異なるだけなら1.5倍)になるボーナスが発生するようになった。
    • 2014年5月20日にWi-Fiサービスが終了したので、現在は利用不可能。
  • 前作の秘密基地とアイテム発掘の要素を持った通信プレイ「ちかつうろ」が登場。
    • 進化の石やハートのウロコなど役立つアイテムが掘れる他、新たなポケモンの化石も発掘できる。クリア後は旧作ポケモンの化石も登場。
    • 掘り出した「たま」は埋めて大きくしたり、交換することで自分の基地の模様替えアイテムが入手可能。
      • 秘密基地は保存されなくなり(現在通信中のプレイヤーの基地のみ表示)、対戦もできなくなった代わりに、相手と旗の取り合いで遊ぶこともできる。友達同士でプレイすると中々白熱すると好評。
  • キャラクターのグラフィックや全体的なカラーリング自体はGBA版と同様だが、マップの建物やダンジョン・フィールドの地形等が3Dで表現されるようになり、立体的な探索が行われるようになった。
  • 時計機能が標準搭載されているDSでの発売に伴い、GBA版では希薄だった時間帯・曜日の概念が復活*8。時間帯によって風景やBGMが変わったり、曜日や時間帯限定で各種サブイベントが起きたりするようになった。時間帯によって進化するポケモンも増加している。
  • 屋内でBダッシュができるようになった。今作以降の全ての本編にも適用されている。
  • 伝説のポケモン(ディアルガ・パルキア・アグノム・エムリット・ユクシー)は戦闘から逃げても一度殿堂入りすれば復活するようになった。
    • 捕獲のタイミングをコントロールできるようになったので特に厳選したい場合はありがたい。ただし倒した場合は復活しない(『プラチナ』以降で改善)。
      • これに関して、初期の攻略本で「逃げたか 倒した 場合は殿堂入り後復活」と余計な誤情報があったせいで泣きを見た人もいたかもしれない。
  • 殿堂入り後同じ種類のポケモンと遭遇し続けることができる「ポケトレ」というアイテムが入手できる。これを使うとシンオウ地方に普段出現しないレアなポケモンが入手できる。
    • さらにこのアイテムで上手く連鎖が続けば色違いのポケモンが確実に出現するという隠し仕様がある。本来色違いのポケモンが出現する可能性は約1/8000という極めて非現実的なレベルのため、現実的な可能性で入手できるようになった。
    • また、言語が異なるポケモンを親にして卵を作った場合、生まれてくる子供が色違いになる確率が通常の4倍になるという仕様も追加された。
  • ストーリーは前作と同じく、伝説のポケモンを巡って悪の組織の陰謀を阻止する展開。
    • 本作の伝説ポケモンは「空間」と「時間」を司るという、設定もさらに壮大なものにスケールアップしている。
  • 全体的に過去作よりもキャラ立ちが強められ、ジムリーダーといったサブキャラのサブイベントなどが増えた。
    • 冒険の途中で、一部のダンジョンでタッグパートナーと共闘する機会がある。
      • マップ移動時は主人公の後ろをついてくる、一部の秘伝技が使えなくなる、野生は必ず2体遭遇する、戦闘終了後に毎回ポケモンを全回復させてくれるといった特徴を持っている。
    • 敵役であるギンガ団のボス・アカギが独特のカリスマと哲学を持っていたり、NPCから彼の過去の一端を知ることができたり、ギンガ団壊滅後の姿が描かれるなどNPCの描写も増加している。
  • 『ファイアレッド・リーフグリーン』と『エメラルド』にあった、「全国図鑑を手に入れるまで他地方のポケモンを交換等で入手できない」制限は本作から撤廃された。
    同世代の他ロムから交換してもらう等すれば、全国のポケモンでストーリーを冒険することも可能。
  • 同系統の♂♀を預けるとタマゴが発見されるタマゴグループのうち「性別不明グループ」が廃止。性別不明のポケモンは全て他のグループに編入された。
    もちろん性別は不明なので、メタモンと預けることでしかタマゴを発見できないことには変わりはない。

賛否両論点

  • 進化先が追加されたポケモンは良くも悪くも大幅にデザインが変わるものが多く、発売当時はかなり賛否を呼んだ。
    • 中でも恰幅が良くなったデザイン(ドサイドン、エレキブル等)は賛否の声が強い傾向にあった。
    • 後に『X・Y』でメガシンカが追加された際も似たような反応が巻き起こるなど、既存ポケモンの進化デザインに対するファン感情はデリケートな模様。
  • ポケモンのお菓子「ポフィン」について
    • 前作の「ポロック」に相当する、「きのみ」を材料にして作るポケモンのお菓子。コンテストに影響するコンディションを高めることができるが、通信の有無で極端な格差が発生する。
    • これは前作から引き継いだ「味(コンディション上昇量)は合算されるが、なめらかさ(食べられる総量)は平均される」という仕様によるもの。つまり味を打ち消さない限り、人数が多ければ多いほど質はよくなる。前作で「ブレンドが下手」「ろくな木の実を持っていない」と顰蹙を買ったNPCですら、なめらかさの軽減には大いに貢献してくれていたのである。
    • タッチペンの筆跡を一致させることでなめらかさに下方修正が入るという隠しボーナスがある。

問題点

ストーリーでの問題点

  • ゲームテンポが悪い
    • ポケモン登場時のアニメーションが長く、HPゲージの減る速度が非常に遅いため、戦闘のテンポが非常に悪い。シリーズでも最も戦闘テンポが良いGBAシリーズと比べると差は歴然。
    • 波乗りでの移動スピードも極端に遅く、各所を繋ぐゲートに自転車に乗ったまま入ると強制的に降ろされる*9
    • フィールドが3Dになったことにより、エリア切り替え時のロード時間も発生するようになった。
  • セーブにかかる時間も前作までと比べて非常に長くなった。
    • パソコンに預けたポケモンの配置や情報がほんの少しでも変わっていると、全てのポケモンの情報を変わっていない部分も含めて上書きしなおしているらしく、約15秒も待たされる。電源ランプが赤のときにプレイするのは非常に危険。
    • ポケモンシリーズでパソコン操作は頻繁に行う必須動作のため、明らかなストレス要素となっている。
  • 本編中に登場する新旧混合150匹のポケモンのタイプの偏りが激しい。
    • 炎タイプのポケモンが最初に貰えるヒコザル系とポニータ系しかおらず、ヒコザルを選ばないとポニータしか選択肢はない。困ったことに炎タイプでしか弱点を突けず状態異常の技も嫌らしいドーミラー系*10が野生・トレーナー戦両方で終盤まで登場し続ける。
      氷タイプもユキカブリ系とニューラ系のみ、電気タイプはコリンク系とピカチュウ系とパチリスのみ。反対に、水タイプは新旧ともども数が多く、150匹中の30匹ほどを占めている。
      • モデルとなった北海道は湿地帯や豪雪地帯はもちろん、意外に火山も多くある地域である。本作でもクリア前には豪雪地帯を冒険するのに氷タイプが少ないのは少々妙なことになっている。火山はクリア後マップに登場するが、出現する炎タイプは他の地方のもの中心。
    • そうした事情もあり、スズナ・デンジ・オーバなど上記のタイプの使い手は得意タイプのポケモンのみでは手持ちが足りないせいか、特意タイプの技を覚えた別タイプのポケモンで埋め合わせをしている*11。また、そういったジムの一般トレーナーは埋め合わせに使われるようなポケモンしか持ってないこともある。
      • ジムリーダーや四天王が得意タイプ以外のポケモンを所持していることや数の少ないタイプのポケモンを得意としていることは多くの前例があったが、過去作のポケモンを登場させる余裕があった本作ではかなりアンバランスな感が否めない。
    • また、虫タイプ使いの四天王であるリョウは頭数こそ揃っていても、種類は多くないためにアゲハントやドクケイルなどの低ステータスの虫ポケモンを使用していて弱い。そして切り札は毒/悪タイプのドラピオン(進化前は虫タイプ)と本作の隔たりを大きく受けている。
  • 御三家(最初に選ぶ3匹)のシナリオ攻略での扱いにくさ。
    • 草タイプのナエトルは物理に強いが素早さが低く、最終進化すると地面タイプが追加されるが、耐性追加と同時に弱点の付与も多い。
      • 草タイプを弱点とする水タイプのポケモンを持つトレーナーは、後半になると例外なく氷タイプの技を持たせている。地面弱点のポケモンも対策で(例えば四天王のリョウのドラピオン)氷技を持っていることが多い。氷4倍のドダイトスにはかなり辛く、有利に倒せるポケモンはタイプ相性ほど多くない。
    • 炎タイプのヒコザルのタイプ一致技は補正込みで威力90の「かえんぐるま」や威力60の「マッハパンチ」など物足りない威力か、威力180だがPP(使用回数)が少なくデメリットもある「フレアドライブ」「インファイト」しかなく、戦闘ごとに回復されない*12シナリオでは使い勝手が悪め。わざマシンで補強するにも「かえんほうしゃ」「かわらわり」は寄り道しないと入手できないため気づきにくい。また、前述したように本作には水タイプが多いので常に弱点を突かれる傾向にある。
      • ただし、前述したように本作では炎タイプが非常に貴重なため、はがねタイプの弱点を突けることや、タイプ一致技以外に覚えられる技の範囲がそこそこ広いため、他二匹より使い勝手は優れる。
    • 水タイプのポッチャマはバランス系の性能だが、自力習得技や技マシン技の威力やラインナップが微妙とこれまでの水御三家とは毛色が異なる。素早さも低めで先手をとれないことが多い。2番目のジムは弱点を突いてくる草タイプ使いで、相性を相殺し合う水タイプも多いなど、手持ちメンバーでのフォローは必須。
    • ジムリーダーとのタイプ相性はどれにも活躍の機会は与えられているため、『金銀』のチコリータ程厳しくないものの、なにかと使い勝手の悪さが目立ってしまっている。
      • ただし、ポケモンシリーズ自体が6匹のポケモンを連れていくことができるので、前述した出現するポケモンのタイプの偏りはあるものの、有利不利を補いあうことはあまり難しくない。
  • フィールド内に設けられた地形「湿原」「雪原」
    • 自転車で入ることができず、ハマってしまうと十字ボタンをガチャ押しして抜け出すまで動けないため面倒。特にメリットもない。
      • 湿原の上にくさむらがある場合、脱出しようともがいていたらエンカウントすることも多い。
    • 設置されている場所も多く、サファリゾーンにあたる「だいしつげん」、ストーリー攻略上何度も訪れる「キッサキシティ」「エイチこのほとり」「テンガンざん(外部)」までこの地形がある。
  • 一部フィールドでのみ、常時発生する新天候「きり」
    • 霧状態では敵味方問わず技の命中率が0.6倍になるため、攻撃が当たらず戦闘がいたずらに長引くストレス要因にしかなっていない。
    • ひでんマシンの「きりばらい」で解除することは、入手には一般人に話しかける必要があるので貰い損ねる確率が高い。使わなくても命中率の低さに目をつぶればクリアは可能なのだが、もらったらもらったで新たな問題が発生してしまう(後述)。
    • プレイヤーがこの天候を操ることはできず、同世代の『バトレボ』『HGSS』では運が良ければ見られる程度のもの。第5世代以降では存在自体が抹消され、ただの風景という扱いにされている。
  • 移動・探索のために使う「ひでん技」は前作同様の8種類だが、問題点も前作同様。
    • シリーズ共通のハマりを防ぐための仕様として、秘伝技は新たな技で上書きができず、わすれオヤジに頼まないと忘れることができないようになっている。
      ポケモン1匹につき4つしかない技スペースを占有されてしまうのはストーリー中では不便。わすれオヤジの登場も前作と同じ中盤ごろのままである。
    • 通常のわざマシンに格下げされた「フラッシュ」も安価で買えるようになった代わり、必須同然な扱いは変わらない。実質9種類秘伝技があるようなもの。
      • ただし、フラッシュが必要なダンジョンは一箇所のみであり、普通の技扱いなので忘れさせる事も容易に可能。
    • 新たな秘伝技には「きりばらい」と「ロッククライム」が登場したが、使い勝手の悪さが際立つ。
      • 「きりばらい」は相手の回避率を低下させ、相手が貼った壁技(リフレクターなど)を取り除くが、自分が相手フィールドに設置した技(まきびしなど)まで取り除くあんまりな性能。
        対戦では壁技の除外に使うことはあるだろうが、ストーリーでは壁技も設置技もあまり使わないだろう。回避率低下効果に至っては対戦・ストーリー共に使う場面が全く無く、このような秘伝技に技枠が奪われるのは苦しい。
      • 「ロッククライム」は秘伝技の「かいりき」と相互互換に当たる性能。フィールドで使用する崖を登れるためストーリー上では必須技なのだが、こちらは技のたくましい印象からか覚えられるポケモンが不足気味。最初のポケモンではポッチャマのみが覚えられず、進め方によってはメインメンバーの誰も覚えられない状況もありうる。
      • 第5世代『BW』では2つとも早々にリストラされ、ストーリーでも秘伝技をあまり使わずにクリアできるようになった。
        ちなみにきりばらいは第6世代『XY』でようやく相手に設置された罠を撤去できるようになったが、相手の場に設置した罠も撤去してしまうのは変わっていない
    • 一応、戦闘では「なみのり」の下位互換だった「たきのぼり」は物理特殊の分離を受けたことにより、実用的な技になっている。
  • サファリゾーンに当たる「だいしつげん」の旨みが少ない。
    • ここで出現するポケモンは通常ポケモンと日替わりポケモン、さらにクリア後のダブルスロットを含めての3種類に分けられる。
      • だが、ルリリとキバニア(すごいつりざお入手後のみ)以外の通常ポケモンはここ以外の場所でも手に入る。そのルリリも進化形のマリルを手に入れて、そこからタマゴを孵したりすれば容易に入手できてしまう。従来にもこのようなことはあったが、ここまで新規出現ポケモンが少ないのは初。
      • 日替わりポケモンは6つのエリアにそれぞれ1種類ずつ追加されるが、通常ポケモンの大半と重複しており、目当てのレアポケモンを入手したい時は邪魔。どんな日替わりポケモンが出たかは、中に入らずとも双眼鏡を何度か使えば確認できるのは救い。
      • ダブルスロットで出現するのは『ファイアレッド』使用時のアーボックだけ。そこまでレアではない。
  • (今作に限らないが)無理のある足止め理由。
    • RPGでは「何かの条件を満たさないと進めない*13」という展開は当たり前だが、ポケモンシリーズでは理不尽な理由で道をふさぐ人がしばしばおり、今作では最後の町に行く道を 「停電だから」 と通行止めにしている警備員がいる。
      • これが電車で移動などならおかしくはないが、「普通の徒歩移動による信号も送電線もない道」が通行止めなのはいくらなんでも理不尽である*14

対戦での問題点

  • 全体的なバランス面。
    • 対戦システムを根本から変更した『RSE』と比較するとアイテムや技の追加、技の物理/特殊の細分化によって救済されたポケモンは数多く存在するが、さらに強化された上位層と中堅以下の層との格差は広がった傾向にある。
    • 最たる例としては先述のガブリアスに代表される高スペックポケモンの増加。高速・高火力・広範囲のガブリアスに対して、相性が悪い・低耐久のポケモンが一方的にやられてしまうのはもちろん、ガブリアスと似た傾向のアタッカーは「ガブリアスの劣化」と揶揄されて対戦から姿を消し、多くのポケモンが持つガブリアス対策がそのまま通用するポケモンは「ガブリアスのついでに狩られてしまう*15」ことが多く、ガチ対戦で使えるポケモンの幅を狭めてしまっていた。
    • 特にこの時期のネット上では、こうした高性能なポケモンは「中学生が適当に使っても勝てるポケモン」の意味で「厨ポケ」と言われて否定的に称されるようになり、その使用を巡ってユーザー間で論争の種になることも珍しくなかった。
      • とはいえ強いポケモンさえ使えば本当に適当なプレイングで勝てるようなバランスでは決してなく、中堅ポケモンでそれらを倒すことも十分可能であった。また第5世代の『BW』以降ではいわゆる勝利至上主義を肯定するレーティングバトルが公式で実装されたこともあり、現在はそういったポケモンを使用することに対する批判は沈静化している*16
    • 一方、種族値・特性・習得技のいずれか、あるいは全てにおいて性能が低く対戦では使いづらいポケモンを示す「不遇ポケモン」「マイナーポケモン」という言葉も出てきた。シリーズを経るにつれて強化され不遇を脱するポケモンも多いが、未だにテコ入れされないままのポケモンも依然として存在する。
    • とはいえ元来ポケモンシリーズはキャラクターの数が非常に多いのが魅力のひとつであり、新ポケモンが登場するたびに格差が生じてしまうことは避けられない問題でもある。
  • 強力過ぎる催眠技。
    • 状態異常「ねむり」は、かかってしまうとターン経過で目覚めるまで何もできないのだが、催眠技による「ねむり」の継続ターンの下限が前作から1ターン伸び、最低でも2ターン行動不能になったことで大幅に強化された(1~6ターン行動不能から2~6ターン行動不能に)。
      • この状態異常にする技「さいみんじゅつ」の命中率が60%から70%にアップしたことも受け、素早さが高く先手でこの技を使えるポケモン(ゲンガーなど)は大きく強化された。これが命中するかどうかで試合が決まるといった身も蓋もない運任せの展開になることもしばしばあり、対策は必須級となった。
      • 特に幻のポケモン・ダークライの専用技「ダークホール」はダブルバトルで相手2匹に同時ねむりをかける技で、両方に当たれば相手を一気に無力化できてしまう凶悪極まりない性能。命中率も80と高い。ダークライ自体は公式大会などでは使用できないものの、代わりにダークホールを「スケッチ」で習得したドーブルがダブルバトルで暴れ回ることになった。
    • 上記の戦法があまりに強力なため、相手のポケモンを2匹以上同時に眠らせてはならない(「重複催眠・複数催眠」の禁止)というローカルルールが生まれるほど。しかしこれは別に公式ルールなどではなく*17(そもそも前述のダークホールの効果自体が重複催眠を前提としている)、仕様的にも問題なく複数眠らせることができるため、これまたしばしば論争の種に。
      • 本作のWi-Fi対戦はフレンド対戦のみなので、対戦前に重複催眠に関するルールの合意をとることができたが、本作準拠の仕様である『ポケモンバトルレボリューション』のランダム対戦ではそれができないため問題となった。
    • この仕様があるのは本作の日本版のみで、海外版はねむりの継続ターンが以前の最低1ターンの仕様に戻され、やマイナーチェンジ版の『プラチナ』以降の作品で「さいみんじゅつ」の命中率も60%に修正されてバランスはやや改善された。
      • それでも2006年以前と異なり公式ルールで重複催眠が解禁されていたために修正後でもなお強力すぎた面は否めず、ねむり状態は第5世代の『BW』以降でさらに大幅に弱体化されることになる。
  • タイプごとの優遇・不遇の差。
    • 本作では弱いと言われ続けてきたタイプにも高火力技が登場して格差は埋まりつつあるも、それでもなお格差は存在している。
      • 特に優遇されているのが格闘タイプ。手軽に使えてデメリットも軽微な高火力格闘技「インファイト」が登場した上、苦手である飛行タイプの弱点を突ける岩タイプの高威力技「ストーンエッジ」をほとんどの格闘タイプのポケモンが習得できるようになった。
      • 名前の割に微妙だったドラゴンタイプも本領発揮。デメリットばかりが目立って使いにくかった「げきりん」の威力が90から120に上昇し、物理技に変更されたことで高い攻撃力を活かせるようになった。特殊技にもデメリットはありながらも威力140の「りゅうせいぐん」が登場するなど、高いステータスを持て余すことなく使えるようになった。
    • 半面、技の最高威力が100を超えないタイプも存在する他、一致技の威力不足に悩まされるポケモンも多い。
      • 特にでんきタイプの物理技は問題視された。最高威力の技はピチュー系のみ覚える「ボルテッカー」(威力120)で、次点は威力75の「かみなりパンチ」や威力65の「スパーク」「かみなりのキバ」が限度。新ポケモンのエレキブルやレントラーは攻撃の高さを活かせない。
      • また岩タイプの特殊技はさらに悲惨。条件次第でタイプが変化する一部の技を除いて最高威力が「パワージェム」(威力70)止まりであり、追加効果すらないため、ほとんどのポケモンが覚える「めざめるパワー」と同等でしかないという有様であった。

その他の問題点

  • 道具預かりシステムの廃止
    • 持てる道具の種類に限りがなくなったことで廃止されたのだが、移動や並べ替えが手動なのでアイテム整理が面倒になった。
    • 本作では進化のための道具や、戦闘用の道具の増加が顕著であるため、面倒さが強く強調されてしまっている。
      • 初代からある不便さを加速させている問題として、「バッグに道具を入れるとその道具はバッグ欄の1番下に置かれる」仕様がある。
        すると、「よく持たせ変えるような道具は頻繁に一番下」「使わない道具が上を占める」ということになってしまう。電源を切るまでカーソルの位置は記憶されるが、面倒な仕様なことには変わりない。
      • どうしても道具を預けたければ、ボックスに預けたポケモンに持たせる以外の方法はない。
    • 次回作以降ではフリースペースが作られる、自動並び替えが登場するなどの改善はされても、根本的な解決にはいたらずに最新作にまで後を引いている。
  • ゲームコーナーの景品のわざマシンの引き換えに必要なコイン数が多すぎる。
    • たとえば「かえんほうしゃ」「れいとうビーム」「10まんボルト」といった威力・命中が安定した需要が高いわざマシンの引き換えに必要なコインが、前作の4000枚から10000枚と倍以上に増加した。コインの価格は500枚1万円のままなので、必要なコインを全部現金で買う場合8万円から20万円まで高騰したことになる。
    • 遊べるゲームが『FRLG』同様絵合わせスロットに限られ、それが前作よりも多少稼ぎやすくなったことにより景品の価値も倍増したと思われる。しかしスロットの内容も相変わらず単調で、人によっては1000枚集めることすら苦痛に感じるほど面白みがない。
  • 参加できるポケモンが少なすぎる「ふれあいひろば」
    • ヨスガシティにある施設で、中に入るとプレイヤーの後ろをポケモンがついてきてくれるのだが、一緒に入ることができるポケモンがたったの7種類(フワンテ・ピンプク・ピカチュウ・ピッピ・ミミロル・コダック・パチリス)しかいない。全国図鑑入手後も4種(プリン・アチャモ・エネコ・キノココ)が追加されるだけ。
      • 上記のポケモンはフィールド上でNPCが連れているものが大半であり、それを流用してのこの施設なのだろうが、ポケモン全体の数から比べてあまりに少なすぎる。
      • 進化させてしまうと入れないことや、入手方法の兼ね合いもあり普通にプレイしているとほとんど利用することができない。数多くのポケモンの中からお気に入りを選んでパーティを組むというゲーム性とも反してしまっている。
    • ただ、ポケモンのかわいらしい反応が見られるというコンセプトそのものは評判が良い。後の『HGSS』では連れ歩きシステムとして全ポケモンと一緒にフィールドを移動できるようになり、このシステムの汚名を返上した。
  • パルパークの不便な仕様
    • ある意味仕方ないことではあるが、GBA/DS間の輸送が一方通行なのは、GBA版を引き続きやりこみたいプレイヤーやイベント限定の特別なポケモンをGBAに入れたままにしておきたいコレクターから不評を買った。
      • ダブルスロット連動で、GBAソフトで集めた要素をDSソフトに持ち込めるゲームは他にもある*18が、いずれも「GBA側からは無くならない(DS側にコピーされる)」方式である。ただし、ポケモン本編の場合は転送後の通信交換が可能なので事情は大きく異なるだろう。
    • GBAから送れるのは1日1回6匹までと非常に少ない。大量のポケモンを輸送するにはかなりの日数が必要となる。
      • もっとも、送り込むポケモンをじっくり吟味させる意図があったとも考えられる。
    • 面倒で面白みのないミニゲーム
      • パークボールは捕獲率100%ではあるものの、ポケモン一種ごとに希少度に応じた出現率*19と5つのエリアが設定されており、エリアがバラバラだったり貴重なポケモンを送った場合は非常に時間がかかる。
    • 秘伝技を覚えたポケモンは連れてこれない
      • いわゆる「詰み」を防止するためだと考えられるが、現実的に対処不可能な状況に陥るケースは極めて限定される。
        本作に存在しない「ダイビング」を覚えたポケモンは再現できず*20、そもそも秘伝マシンでは覚えない「なみのりピチュー」のような配信限定ポケモンをそのまま連れてくることができない。それ以外でも、せっかくポイントアップを使った技であっても忘れさせなければならない。
    • 『HGSS』では1日に何回でも送れるように改善されたが、秘伝技の制限とミニゲーム部分は据え置き。
  • GTS関連について。
    • ゲーム内で見たことがあるポケモンしか募集できない。これを考慮してか道中のトレーナーを全て倒せばシンオウ図鑑は埋まるようになっているものの、第三世代のROMが無いと入手しにくいポケモンを募集することができない。
    • 進化形態のLv1~10など、現実的にありえないレベルでもあっても募集することが出来てしまう。また、ユーザー側の問題であるが野生で手に入る一般ポケモンと引き換えに伝説・幻のポケモンを要求するパターンが多く、まともな交換をしたいユーザーにとって非常に邪魔。
    • 明らかにおかしい改造産ポケモンも多数見受けられた。この手の物に限って上述した通常プレイで入手できないレベルや価値が釣り合わないような禁止級を要求してくるパターンが多く尚更邪魔であった。
    • これらについて5世代で改善するどころかむしろ悪化しており、6・7世代になってある程度改善されたが新たな問題が噴出したり改造対策がおざなりだったりする。
  • 本作で初登場したエルレイド・ユキメノコは進化前のポケモンが特定の性別の場合のみ進化できるため、図鑑埋めならともかく対戦用に厳選する場合やや手間がかかる。
    • もっともラルトス・ユキワラシは雌雄ともに1/2なのでそこまででもないが、メスしか進化できないミツハニーはメスが生まれる可能性が1/8のため厳選に非常に手間がかかる。ラルトスやユキワラシと違って元々の進化形が存在しないこともあって、オスのミツハニーは完全に使い道がない。
  • バトル中のステータス確認画面が簡素なものとなり、性格を確認出来なくなった。
    • これにより本編ではステータス確認する暇もなく戦闘を挟む場合(本作や『BW』の御三家イベント等)の性格厳選が面倒になっている。
      また、『プラチナ』『HGSS』ではポケモンをレンタルして戦うバトルファクトリーにて実害が生じている。
      なお、以降の作品においても改善されていない。
  • 野生ポケモンが2体いると捕獲することができない。
    • 本作においてはタッグパートナーを連れている時しか発生しないが、捕獲するには1体にしなければならない。
    • 捕獲できない理由も「狙いが定まらない」というあんまりなもの。
      これも、以降の作品においても改善されていない。特に『SM』で大きな問題となった。

バグ・不具合

  • 本作では、手順さえ知っていれば簡単に再現できる上、通常では有り得ないポケモンが手に入ってしまうバグが2つもある。
    • 後期版のロムや、後述のプラチナでは修正されている。
  • 「へんしん」「ものまね」バグ
    • これらの技を使い、ある手順を踏むことで、通常は覚えない技を覚えさせたり、道具を増殖することができてしまう。
    • 特に「へんしん」バグは準備も簡単。再現に必須なポケモン「メタモン」はどのポケモンともタマゴが見つけられる仕様も持っているため、これを悪用すれば通常では不可能なタマゴ技の組み合わせを他のポケモンで行うことができる。
  • 「なぞのばしょ」バグ
    • 手軽な方法で「なぞのばしょ」と名の付いたバグ空間に侵入が可能。内部を探索しているとフリーズしたり動けなくなったり、場合によってはデータが破損する可能性もある。基本的に徒歩での脱出はできないが、特定の場所まで行けばアイテムなどの使用で脱出できる他、所定の場所でのセーブ→リセットで通常マップに戻れる。
    • この「なぞのばしょ」を経由することで、ダークライやシェイミ、アルセウス*21といった映画館でしか配布されない幻のポケモンを入手することもできた。このためネット上では真偽が混ざった様々な情報が出回り、さながら初代のミュウ入手バグの再来となった。
      • このバグを実行した結果、進行不能に陥ったプレイヤーも続出してしまい、任天堂が対策ソフトを配布する事態になった。現在ではソフトを送っての修理が必要。
      • 第四世代初の幻のポケモンには専用のマップに行き、そこで幻のポケモンを捕まえるイベントが用意されていたようだが、イベントアイテムではなく、ポケモンそのものを配布する方針になった。後にダークライとシェイミの捕獲イベントは『プラチナ』限定で配布がされていた。
      • シェイミは『プラチナ』、アルセウスは『HGSS』に専用イベントが新たに用意されている。以降の幻のポケモンは入手後のイベントが用意される傾向が強くなった。

総評

ハードをDSに移したことでグラフィックやサウンドは順当に進化し、ストーリーもポケモンらしい無難な作り。
本作独自の要素として、バラエティに富んだフィールドや、適当に遊んでるだけで楽しい地下探検、下画面を存分に活かしたポケッチなどの評価は高い。
前作からの改善点としてクリア後行ける場所が豊富なことや、第三世代で縮小された時間帯・曜日などの要素をパワーアップさせて復活したこと、細かい面では屋内で走れるようになったことなども好評を得ている。
また、対戦面では攻撃技が物理と特殊に分離したことでバトルバランスは大きく変わり、完成度が高まった。画期的な技やアイテムも増え、戦術次第で様々なポケモンが活躍できるようになり、戦略性が上がった。 Wi-Fi対戦が可能になったことで気軽に全国のプレイヤーと対戦できるようになり、ポケモン対戦が盛んになる礎を築いたと言える。
ただし、道具欄の使いづらさや戦闘や波乗りのモッサリ感、レポートの長さ、自転車の使えない地形など全体的に不便だったり、テンポが悪い部分も目立ち、長時間プレイするとうんざりする面もある。


ポケットモンスター プラチナ

【ぽけっともんすたー ぷらちな】

ジャンル RPG
対応機種 ニンテンドーDS
メディア 1024MbitDSカード
発売元 ポケモン
販売元 任天堂
開発元 ゲームフリーク
発売日 2008年9月13日
定価 4,571円(税別)
判定 良作
ポイント テンポやプレイアビリティが大幅改善

追加・変更点

  • イベントが大幅追加。
    • 国際警察のハンサムやギンガ団新幹部のプルートなど、新キャラの追加によって一部イベントが変更・追加された。
      • ハンサムは以後のシリーズにもたびたび登場する。
    • シロナは『DP』ではギンガ団絡みに関わることは皆無な先輩トレーナー的な位置づけであったが、ひでんマシンやタマゴを貰えたり、新エリアのやぶれたせかいに同行する、アカギと口論するなどと出番が大幅に増えている。
    • アカギについてはカンナギタウンでの戦闘が追加されている。また、ギラティナのイベントにも関わるため、ギラティナ出現時の彼のセリフがネタにされることになった。
    • 伝説のポケモンイベントも追加。パッケージを飾るポケモン・ギラティナにまつわる新イベントはこれまでにない異色の雰囲気で印象的である。
    • 主人公は服装が長袖・マフラーなど北国らしいものに変更。ポケッチのデザインも別物に。
    • ストーリーの攻略順やトレーナーの配置・使用ポケモンも『DP』から所々変更されている。
      • ボス格のトレーナーは使用するポケモンのレベルも上昇しており、本編の難易度がアップしている。原作で5番目のジムリーダーだったメリッサとは3番目に戦うこととなり、高いステータスのムウマージを使ってくるなど。
  • Wi-Fiを利用した機能が充実。
    • そのなかでは対戦の一部始終を撮影し、他のプレイヤーにも見せられる「バトルビデオ」が特に人気が出たようで、次回作以降も必ず搭載されている。
    • ポケモン図鑑が多言語に完全対応。海外産のポケモンを入手すれば該当する言語の説明文が追加される。
  • ポケモンの新たなフォルムチェンジ形態が追加され、ギラティナ、シェイミ、ロトムらが新たな姿を得た。
    • ロトムに至っては5種類もの新フォルムが用意されたが、第4世代のうちは新たな技を覚えるのみでタイプは変化しない。タイプ変化は『BW』を待つこととなる。
  • ポケモンの出現分布が大きく見直された。
    • 殿堂入りまでに登場するポケモン数が210匹に増加。
      • 数が少なかったタイプのポケモンも過去作から補充され、旅で使うポケモンの選択肢も増えている。
      • オーバなど得意タイプのポケモンの数が少なかったトレーナーも、得意とするタイプのポケモンのみでパーティーを構成して一般的なジムリーダー・四天王らしくなっている。
      • 他のジムリーダーや四天王たちも手持ちが強化され、リョウ以外の四天王は切り札ポケモンも変更された。
    • 『DP』で追加された旧作ポケモンの進化形態はその進化前に出会えるのがクリア後だったり、そもそも進化前が出現しないのでGBA版から連れてくる必要があったが、それらがクリア前までに発見・捕獲することができるようになった。
    • 結果、『DP』を買わないと手に入らないポケモンはパールル系のみ。
  • 伝説のポケモンも入手手段が増加。
    • 『DP』ではパッケージに映っている方しか入手できなかったディアルガ・パルキアの両方が入手できるようになった。
    • 配布された特別なレジギガスを持っていると、レジロック・レジスチル・レジアイスら3匹が出現する。
      • 第4世代での3匹の入手手段はこれのみで、特別なレジギガスの入手は現在極めて困難。この3匹は全国図鑑完成に必要なので、どうしても第4世代で完成させたいなら『RSE』で捕まえてパルパークで転送するのが現実的である。
    • ディアルガ等伝説のポケモンを倒してしまった場合も殿堂入りすれば復活するようになった。
  • やり込み要素の追加。
    • 『エメラルド』からバトルフロンティアがリニューアルして復活。完全制覇は廃人ですら匙を投げるような鬼畜難易度であったためか、今作ではそれなりの知識と根気があれば完全制覇が十分見込める難易度に調整された。
      • 「バトルタワー」は『エメラルド』『DP』と同じくオーソドックスな3対3の勝ち抜きバトル。
      • 「バトルファクトリー」も『エメラルド』に引き続き登場。ランダムにピックアップされるレンタルポケモンを使用するし、バトル後には相手のポケモン1匹を自分の手持ちと交換することができる。戦術はもちろん、様々なポケモンや技の特徴を把握する「知識」、戦闘中に相手のポケモンの構成を見抜く「観察力」、そしてなにより「運」が求められる難関施設である。
      • 「バトルルーレット」ではバトル前に回すルーレットの結果によって様々な効果が発生する。ランダム性に対応できるパーティを組む必要がある。
      • 「バトルキャッスル」ではバトルに勝つと貰える「キャッスルポイント(CP)」を使用する。CPを消費することでポケモンのHPを回復させたり*22相手のレベルを下げたりと有利な効果が得られるため、どのタイミングでCPを使うかがポイントとなる。
      • 「バトルステージ」は1匹のポケモンだけを使って1対1の戦いを繰り返していく施設。苦手なタイプ相手をいかに乗り切るかがカギ。
    • 「しょうぶどころ」で強化されたジムリーダーと戦えるようになった他、強化四天王も再登場。それに加えて殿堂入り20回以上でさらに強化されたライバルと戦えるようになった。
    • めざめるパワーのタイプを判別してくれるNPCが追加された。『DP』まではある程度レベルを上げて外部ツールで確認するかカクレオンに攻撃する必要があったが、このNPCのおかげでかなり効率が上がった。
    • ある場所で条件を満たせばふしぎなアメを奪える敵が現れるようになり、個体値の特定もしやすくなった。ただ1日1回しか挑戦できず、不確定要素があるので大量に集めることは困難だが。
  • 覚えられる技関連。
    • レベルアップで覚えられる技が対戦面・冒険面で役立つように一部変更された。
    • 教え技が『エメラルド』からラインナップを変えて復活したことで戦略の幅が広がった。
      • ハッサムの代名詞ともなった「バレットパンチ(通称バレパン)」は本作から。他に強化されたポケモンも多い。教え技と『DP』での追加特性や新たなタマゴ技を両立することも可能となった。
      • ただし、教え技の中には削除されてしまった有用なものも存在。「カウンター」「すてみタックル」「ちきゅうなげ」などは第七世代においても未だに教え技として復活していないため、もし使いたければGBA版で育成するか、バーチャルコンソール版から連れてくる必要がある。
      • 技マシンの「タネマシンガン」や教え技の「ふいうち」などは続編で習得手段が消滅してしまったため、ポケモンによっては未だに本作や『HGSS』でしか覚えられない。
  • 個々のシステムの改善。
    • 登場時モーションの簡略化、HPゲージの減りが速くなるなど戦闘のテンポが速くなった。その他、波乗り移動の速度が上がり(それでもGBAシリーズと比べると遅いが)、ゲート通過時にも自転車から下車しなくなるなど、テンポの悪さがある程度改善された。
      • ただしレポートを書くのにかかる時間はむしろ伸びている
    • 上述の通り、批判の声が多かった「さいみんじゅつ」の命中率が60に戻り、「ねむり」の持続ターンも最短1ターンに戻った。
    • コンテストポケモン育成の煩わしさも多少解消されている。
      • そこそこ高品質のポフィンを店で買えるようになった。このため通信相手がいなくても、コンディションを3箇所程度ならMAXにできるようになっている。
      • 一部の木の実も店で買えるようになった。これによりソロプレイでもヒンバスを簡単に進化させられるようになった。
    • ポケッチのアプリのページ移動が前にも後ろにも進められるようになった。
    • ふれあいひろばに本作の御三家全種類が参加できるようになり、極端なプレイをしていない限りはふつうに進めていても参加できるようになっている。
  • 一部のダンジョンやオブジェクトのグラフィックが一新された。
    • ポケモンのドット絵も描き直され(主にシンオウ図鑑に載っているポケモンが中心)、『HGSS』での3~4世代のポケモンはこの立ち絵が使われるようになった。
      • 妙な面構えをしていたグライオンがはっきりとした顔立ちになったり、怪しさの増したダークライ、勇ましいアルセウス、わんこ座りがかわいいグレイシアなど好評なものも多い。
      • その一方で、「マヌケな顔になったマリル」「迫力のなくなったヨノワール」「ポーズに力のないカビゴンやユキノオー」など以前の方が良かったと言われるものもいくつかある。
        また、「『DP』のものから顔の向きを左右反転しただけのムックル」「元からあった2枚目のものにしただけ」など手抜き工事も多い。シンオウ図鑑に載っていないものは全く変化していないものが殆どである。

バグ・不具合(Pt)

  • 上述の致命的なバグは治っているが、新たなバグが見つかっている。
  • 通称「おいうちバグ」。
    • 天候変化、または技「トリックルーム」や「じゅうりょく」状態の時に、「おいうち」の効果*23を発動させて相手を倒すと、天候が異常な状態になってしまう。
      • 発動していない天候のメッセージやバグメッセージが表示されるだけでなく、チェリムやポワルンなど天候によって姿が変わるポケモンは永遠に変身を繰り返してしまうため、こうなってしまうと電源を切るしか脱出手段がない。
    • 天候を強制的に砂嵐にする特性「すなおこし」を持つバンギラスは、このバグを防止するために実質おいうちが使えなくなり、対戦環境にも支障をきたした。

総評(Pt)

テンポの悪さなど『DP』の問題点を改善し、完全新規になったバトルフロンティアなどやりこみ要素も充実した完成度の高い一本。


余談

  • 所々に『金銀』のストーリーを思わせる発言をする人物や、同作のジムリーダーがゲスト出演していたことから「『金銀』のリメイクをDS世代で行うのでは?」と噂になっていた。
  • 冒険を進めていくと一般トレーナーの中に紛れた「ポケットモンスターアドバンスジェネレーション(『RSE期』)」の劇場版のトレーナー達に出会う事が出来る。手持ちポケモンの特徴もそのままなので、当時のポケモン映画を楽しんでいたファンはすぐに気が付いたものだろう。 特に、「ミュウと波導の勇者 ルカリオ」の登場人物「アーロン」とそっくりな姿をしたトレーナー「ゲン」はこうてつじまで共に行動した後にリオルをくれる他、エンディング後もバトルタワーのダブルバトルやファイトゾーンのしょうぶどころ(『プラチナ』のみ)で再会できる。
  • 規制の関係*24か、欧州版『プラチナ』および韓国版ではゲームコーナーにあるスロットマシンで遊ぶことができなくなっている。
    • コイン自体は単にスロットマシンを調べるか、またはゲームコーナーの受付で入手可能。
  • 『プラチナ』の項に書いた強化ライバルの御三家ポケモンの最終的なレベルは85になる。
    • これは当時『金銀』のレッドのピカチュウのレベル81を抜いて(経験値を取得できるバトルでは)歴代最高だったが、『ハートゴールド・ソウルシルバー』にてレッドのピカチュウのレベルが88に上がり、わずか1年で歴代最高レベルの座を奪還されてしまった。

*1 北海道がモデルで、マップも現実の北海道と非常に近い。

*2 ポケモンカードでシリーズ名として使われていた。

*3 例えばノーマルタイプは物理、炎タイプは特殊、と分けられていた。

*4 キングラーは攻撃の種族値が高いが、タイプ一致で威力の上がる水技は特殊技なのでせっかくの高い攻撃を生かせない等。

*5 種族値の合計が600になる一部のポケモンを指す

*6 第7世代である『サン・ムーン』ではナンバー1から陥落して久しいが、それでも使用率は未だに10位前後に居座る程高い。

*7 ポケモンシリーズのオンライン対応要素はこれ以前に『クリスタル』のバトルタワーがあるが、ネット環境を用意するハードルの高さなどからユーザー数はあまり多くなかった。

*8 『ルビー・サファイア・エメラルド』ではある場所の潮の満ち引き・きのみの育成関連・エーフィとブラッキーの進化ぐらいにしか影響はなく、フィールドグラフィックの変更はない。『ファイアレッド・リーフグリーン』ではそもそも時間帯の概念自体存在しない。

*9 この仕様があるのは本作だけ

*10 ドーミラー系の特性はじめん技無効の「ふゆう」かほのおタイプ技ダメージ半減の「たいねつ」のどちらかだが、CPUが持つのは「ふゆう」のもののみ。ちなみにHGSSでは「たいねつ」のみ

*11 ただし電気タイプ使いのデンジはパチリスを差し置いて別タイプポケモンを2匹使用している。

*12 タッグパートナーを連れている時とアカギ最終戦前のみ強制回復が存在する。

*13 何かの仕掛けを作動・キーアイテム入手・ボスの撃破など

*14 ちなみに停電の理由もギンガ団などをはじめとする本筋と全く無関係で、町のジムリーダーによる電力の浪費が原因による偶発的なもの。

*15 ガブリアスは氷が4倍弱点であるため、同じく氷を弱点とするポケモンはそれだけで肩身が狭くなってしまった。

*16 現在でも強いポケモンの存在が問題視されることはあるが、今作当時はそういったポケモンを「使用すること」に対する批判が本当に多かった。

*17 本作以前の作品では重複催眠が禁止されていたが、2007年以降の公式ルールでは禁止されていない。

*18 『[[ポケモン不思議のダンジョン 青の救助隊>ポケモン不思議のダンジョン 青の救助隊・赤の救助隊]]』、『[[ロックマンエグゼ5DS>ロックマンエグゼ5 チーム オブ ブルース/チーム オブ カーネル]]』『[[甲虫王者ムシキング ~グレイテストチャンピオンへの道2~]]』

*19 全5段階あり、4以上は数分歩き回っても出現しないことがザラ。なお、4には主に御三家の最終進化系や伝説のポケモン、5には幻のポケモンが該当する。

*20 『プラチナ』では教え技として復活。

*21 ダークライとシェイミは発売当初で入手方法が特定されていたが、アルセウスの入手方法が判明したのは発売から10年経った2017年である。

*22 この施設では対戦ごとにポケモンの回復がなされない。

*23 相手が交換を選択している場合、通常の技は相手が交換→自分の攻撃となるが、「おいうち」は自分のおいうち→相手の交換となる。

*24 ギャンブル要素を含むゲームはPEGI(欧州)やGRB(韓国)などのレーティングだと問答無用で12歳以上になる。