アーバンチャンピオン
【あーばんちゃんぴおん】
ジャンル
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対戦格闘アクション
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対応機種
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アーケード(VS.システム) ファミリーコンピュータ
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発売・開発元
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任天堂
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稼働開始日
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1984年12月
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発売日
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1984年11月14日
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定価
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4,500円
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プレイ人数
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1~2人
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レーティング
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CERO:A(全年齢対象) ※ファミコンミニシリーズ版以降より付加
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配信
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【FC】バーチャルコンソール 【Wii】2006年12月2日/500Wiiポイント(税5%込) 【WiiU】2013年10月23日/500円(税5%込) 【AC】アーケードアーカイブス 【Switch】2018年11月9日/838円(税10%込)
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判定
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なし
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ポイント
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ボクシングと言うよりパンチで行う相撲
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概要
1984年11月に任天堂がファミリーコンピュータソフトとして発売した格闘アクションゲーム。
任天堂としては初のジャンルである。
格闘アクションとは言えファミコン初期作品らしく技はパンチのみで、体力概念が無く相手側に詰め切ると勝ちと言うシンプルなルール。
内容
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1対1で戦う格闘アクションゲーム。技はパンチのみとシンプルな構成。
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相手を画面ギリギリまで押し込めば勝ちとなり、後の格闘アクションでは必須となる体力ゲージは無い。
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上を押して顔面ガード、下でボディをガード、左右は前にあたる方が前進、後ろにあたる方がスウェーバック、後ろを長押しで後退。
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パンチはAが繰り出しは速いものの当たっても相手のスタミナは4減るだけで一歩後退させるだけのスピードパンチ、Bが繰り出しは遅いものの当たれば相手のスタミナを10減らしてダウンさせるパワーパンチ。
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どちらのパンチも繰り出すと自身のスタミナを1消耗する。
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スタミナがゼロになっても負けではないが、遅い上に弱いパンチしか打てなくなる。つまりBパンチのスピードなのに威力は弱いAパンチと同等。同時に相手のAパンチでも喰らうとダウンさせられるようになる。
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時間切れになるとパトカーが現れ、自身のスタート地点に近い方が連れて行かれて負けとなる。
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つまり、いかに相手の陣内寄りに詰めていくかがカギとなる。
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説明書にはボクシングと書かれているが、ボクシングと言うよりパンチで相撲をしているような感覚。
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パトカーは戦っている途中でも不規則に出現し、その時は両者がスタート地点に戻される。当然ながら、その間も残りタイムは減っていく。
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バトルフィールドはいずれも二階建ての建物の前になっており、時折2階からガラの悪い男が現れ、植木鉢を投げ落としてくる。
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これに当たると、スタミナを5失い、少しの間フラフラと無防備になってしまう。
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バックの建物はバーや書店など様々な種類があるが、機能的にはどれも同じ。
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相手側まで詰め切ってパンチを当てると、スピードパンチでも相手がゴロゴロと画面外へ転がっていき、その隣の画面に移って次のラウンドを戦う。
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3本で1勝のような形になっており、相手を2回詰めると、次は相手側のスタート地点にマンホールの穴が開いており、その状態で詰めると相手をその穴に落として勝利となる。
同時に2階から植木鉢とは別の男が現れ、紙吹雪で祝福してくれる。
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プレイヤーも通算で2回負けると、スタート地点にマンホールが現れ、その状態で負けるとマンホールに落ちてゲームオーバー。
評価点
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押し切れば勝ちというシンプルで独特なシステム。
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後の対戦格闘系アクションはいずれも体力ゲージ方式だが、本作はそれらとも全く違ったスタイルである。そのため後々まで個性として輝いている。
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ファミコン初期作品ながら、パンチに速遅、強弱の特徴を持っている。
賛否両論点
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スタミナの初期値が200は多すぎる。
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途中で乱入してくるパトカーも相まって、普通にプレーしていればまずスタミナ切れになることはない。
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「気にせずパンチ打ち放題できるのは悪くない」と取れるかもしれないが、裏を返せば温存することによる駆け引きが必要ないということでもある。
問題点
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パトカーによる運要素。
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パトカーが乱入すると、二人とも初期位置に戻されるので、それまでどんなに片方が優勢でもご破算になる。
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せめてCPUにもスタミナがあって「スタミナが少ない方が負け」という判定基準にできなかったのだろうか。
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CPU思考が単調。
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CPUはパワーパンチしか打ってこず、スピードパンチとの使い分けがない。
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CPUはスタミナが無限というのも不公平。ただこれはプレイヤーもそれに近いのであまり気にならないが。
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相対的に2Pが不利。
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2人での対戦プレーの場合二人がちょうど中間点になった場合、2P側が負けになるので公平性に欠ける。
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微々たる差ではあるが、上記のパトカーもあり、元がシンプルなだけにそれが後の作品に比べて響きやすい。
総評
スタミナが多すぎてあまり意味がないものになっていたり、パトカーによる位置リセットの仕様によるバランスの悪さなど、練り込みの足らない部分はゲーム草創期ということを考えれば仕方ない一面もある。
多少の粗はあれど、ファミコン初期作品ゆえにシンプルながら格闘アクションとしては独自の要素を備えており、悪くない出来となっている。
余談
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当時のゲームでは日常茶飯事だが、画面で実際に登場するキャラとパッケージのキャラが似ても似つかない。
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本作発売の翌月にはアーケード版の『アーバンチャンピオン』も稼働を開始している。
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FC版との相違点は「残数制で3回負けるとゲームオーバー(初期値)」、「スコアシステムがあるため一定のスコアで負け許容回数がエクステンドする」と言った要素がある。
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任天堂による格闘アクションはファミコン末期の1993年5月発売の『ジョイメカファイト』まで登場しない。
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こちらはスタンダードな体力制で、本作のようなスタイルは踏襲されていない。
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2006年4月にニンテンドーDSから発売されたテトリスDSに本作のステージが収録されている。
最終更新:2024年07月06日 18:23