It Takes Two
【いっと ていくす とぅー】
ジャンル
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アクション
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対応機種
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Windows 8.1/10(Steam/Epic Games Store) PlayStation 4 PlayStation 5 Xbox One Xbox Series X/S Nintendo Switch
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発売元
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Electronic Arts
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開発元
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ヘイズライト・スタジオ
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発売日
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2021年3月26日 【Switch DL版】2022年11月5日 【Switch PKG版】2022年12月8日
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定価
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4,300円(税込)
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プレイ人数
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2人
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レーティング
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CERO:B(12才以上対象)
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備考
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「The Game Awards 2021」 Game of the Year受賞作品
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判定
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良作
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ポイント
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全編通して2人プレイとなるアクション パズル要素多し 1人が購入すればもう1人誘ってプレイ可能
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概要
全編通して2人プレイで攻略していく3Dアクション。プレイ感覚としてはラチェット&クランクが近い。
画面は基本的に左右に分割され、お互いの様子は相互に確認できる。
タイトルは「2人いてこそ」などを意味する。
特徴
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ストーリー
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あるところに離婚を決意した夫婦がいた。しかし彼らは娘の持っている赤い本(夫婦生活アドバイス本)による謎の力によって人形になってしまった。途方に暮れた2人のもとに自我を持った赤い本がDr.ハキムと名乗り現れる。
Dr.ハキムは2人に仲直りと、それを実現するための「共同作業」をするように迫る……。
果たして2人はもとに戻れるのか、そして本当に仲直りを成し遂げることになるのだろうか。
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2人プレイ専用の協力型のアクションゲーム。
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オンラインプレイにも対応。1人がゲームを購入することで無料の「フレンドパス」を用いて協力プレイが可能。
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ただし、ランダムマッチング機能はない。オフライン、オンラインでやるにせよ1人誘ってプレイする必要がある。
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2人のプレイヤーはそれぞれ「メイ」と「コーディー」の2人を操作する。
基本操作は移動とジャンプだが、ステージが進むごとに他にできるアクションが変わっていく。
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基本的なアクションは双方で相違はないが、ゲームの進行によってメイとコーディーで使用できるアクションが変わることもある。
評価点
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飽きを感じさせないゲーム性
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ステージが進むたびにゲーム性が変わる。基本的には3Dアクションを使ったパズルが多いが、ときには2Dアクション風、ときにはシューティング、ARPG、レース、格ゲー、音ゲーなどといった様々なジャンルを取り揃えている。
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パズルもネタかぶりが殆どなく、それでいて難易度はほどほどにストレスの少ない難易度に調整されている。
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ステージも主人公の家の中や周辺が舞台だが、人形になったことと謎の拡大解釈により子供の玩具部屋がとんでもないアスレチックになっていたり、庭が密林のようになっていたりと身近ながら大冒険感のあるデザインとなっている。
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ステージ固有のアクションは主人公によって違うが、お互いがお互いを協力し合うアクションになっているのは共通。2人の力を合わせなければ先には進めないだけに、上手く行ったときの達成感がある。
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片方が死亡してももう片方が持ちこたえていれば復活できるためギスギスしにくい。
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このゲームは2人プレイが要求されるため、飽きさせない作りになっていることでプレイヤー同士のモチベーションを維持させ続けることの意味は大きい。
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ストーリー
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険悪な関係である主人公2人もゲームの進行によりだんだんと打ち解けていく。次第にプレイヤーもゲーム上での協力に慣れていくのと合わせて没入感が高まるようになっている。
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敵NPC
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彼らの家の近くに住む生物だけでなく彼らの家の家具も自我を持っており、人形化したことに伴ってか会話による意思疎通が可能となっている。
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主人公が人間だった時に粗雑に扱った家具や放置してしまった蜂の巣、娘を悲しませようとする主人公たちに正義感で対峙する娘の玩具など、コミカルながらバラエティ豊かに、魅力的に描写されている。
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ボリューム
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15時間程度となっており、2人でやるにはダレない長さとなっている。
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お遊び要素
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ステージギミックには本筋とは関係ないが軽いお遊び要素も多く、それに対する主人公の反応を見る楽しみもある。
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また、ミニゲームも点在しており、プレイしている2人でマリオパーティ感覚で楽しめる。
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2人が買う必要はない
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前述したフレンドパスがあるため、片方の人が持っていれば誘ってプレイ可能。一緒にプレイするための敷居は低い。
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ただしクロスプラットフォームには対応しておらず、異なる機種間でのオンラインプレイはできない。
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一応、PS4とPS5、OneとXSXのように同じ会社のゲーム機であれば、別機種でもオンラインプレイ可能。
賛否両論点
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人によって嫌悪感のあるデザインのキャラ
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家の近くの庭を舞台とするステージが多い弊害か登場敵やNPCが虫であることが多い。
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とくに蜘蛛、蜂が苦手な方は要注意。
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もっとも、それなりに憎めない性格をしているキャラは多いのだが……。
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ボス
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ボス戦中にチェックポイントがあり、戦闘中に2人が死亡してもボス戦の途中からスタートになってしまう。
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そのため、ボス戦というよりはステージの途中といった趣になっており、ボスを倒した気がしなく感じられる。
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ネタバレのため格納
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ラスボスが存在せず、最終ステージを踏破したらそのままエンディングになる上、その最終ステージも最終ステージっぽさはない。
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キャラ設定
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主人公となる夫婦は夫のコーディーが専業主夫、妻のメイが社会人となっている。
彼らはどこにでもいる普通の夫婦という体で描かれているが、専業主夫という立場の人間は現実では非常に少ないため、あまりメジャーな形の夫婦ではなくしっくりこない、感情移入が削がれやすいと感じる人もいる。
特に男性に対して甲斐性を求める人にとっては見るに堪えないだろう。
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またメイの言動は一昔前の家庭を顧みない父親を彷彿とさせる内容が多く、聞いててげんなりするものも多い。離婚寸前という設定上仕方ないのだが。
問題点
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一部イベント描写
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ネタバレのため格納
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人形から元の姿に戻るための手段を見つけられない2人は考えあぐねた結果、人形になる瞬間に「娘の流した涙が自分たちが乗り移った人形に落ちたこと」を思い出し、今の自分達が娘の涙を浴びればもとに戻れるのではないかと考える。
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切羽詰まってたとは言え根拠に乏しい考えではある。だのに彼ら2人はそれで解決すると信じ切ってしまい、あろうことか2人は娘の大事にしていた象のぬいぐるみを破壊して無理矢理泣かせる事を画策する。
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象のぬいぐるみは他の家具と同様に自我があり、キューティと名乗る心優しいNPC。そんな象を「殺す」ことになる。抵抗を跳ね除け耳や足を引っ張って千切れさせ、最終的には高所から突き落とす。この部分だけ飛び抜けて趣味の悪い描写となっており不評。
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挙句の果てに予想通り、娘の涙にもとに戻る効果はなく、この一連の行動は無意味だった。
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エンドロールではぬいぐるみが修復された描写があるが、人間に戻った2人には自我を認識できないため、象のぬいぐるみの自我が如何になったかは明かされることはない。
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ゲームバランス
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メイ側操作のほうが若干難易度の高いアクションを求められるポイントが多い。
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足場をコーディーが操作し、メイがアクションで乗り継いでいくというパートがとても多く、後者のほうが難しく感じられるだろう。
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また格ゲーを求められるイベントがあるが、出来るのはメイのみ。
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また、中盤ステージに難易度の高いステージが多く、最終盤は逆に難易度が低めであるなど難易度設定がちぐはぐな印象を受ける。
総評
2人で協力してクリアを目指すというテーマを、ストーリー、ステージデザインやゲームデザインの選定の秀逸さで最大限に高めた作品。
どこまでも共同作業が求められ一筋縄ではいかない面もあるが、クリアしたときの達成感は協力という行為が心に残すインパクトの大きさを実感できる。
気心の知れた人と一緒に楽しんでみよう。
余談
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2022年11月5日にはNintendo Switch版が発売。
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Switch版のみ新たに日本語吹き替えに対応している。その他プラットフォームでも2022年12月3日のアップデートで日本語吹き替えに対応した。
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「The Game Awards 2021」のGame of the Yearに輝いた。
最終更新:2023年04月22日 18:49