ファミリーピンボール

【ふぁみりーぴんぼーる】

ジャンル ピンボール
対応機種 ファミリーコンピュータ
発売元 ナムコ
開発元 アートマン
キッド
発売日 1989年3月24日
定価 4,900円
プレイ人数 1~2人
判定 良作
ポイント いろいろ遊べておトクな一本
バラエティ豊かなピンボール
ナムコットファミリーシリーズリンク


概要

1989年3月にナムコが発売したピンボールゲームで『ファミリーシリーズ』の1作。
正統派のピンボールを含めて、それをアレンジした4通りのゲームで楽しめるマルチなピンボール。


内容

  • タイトルの通りピンボールのゲームで4通りのゲームモードがある。
    • パックマン(王道なピンボール)
    • ナインボール(スマートボールにフリッパーをつけたようなもの)
    • バトルフリッパー(ピンボールによる対戦)
    • スポーツピンボール(サッカー・アイスホッケーに見立てた対戦ピンボール)
  • 操作方法
    • フリッパースイングは左フリッパーが十字ボタンの左、右フリッパーがAボタン。
    • ピンボールゲーム恒例の「台揺らし」を搭載しており、十字ボタン右で右へ揺らし、Bボタンで左へ揺らす。
      • 「スポーツピンボール」ではフリッパー自身の移動に左右ボタンがあてられている都合上これができない。
    • 「バトルフリッパー」のモードでは十字ボタンの上下でフリッパーを飛ばしたり戻したりできる。

ゲームモード

+ 「パックマン」の詳細

パックマン

  • 得点ターゲットに向かってボールを当てていく王道なピンボール。
    • 交代制で4人までプレイ可能。
    • 上下段の2弾構成で、様々なギミックがある。
    • また上下段の盤面以外に「ボーナスステージ」にあたる「スペシャルステージ」がある。

上段のギミック

  • フルーツボード・フルーツブロック
    • 3枚あるフルーツブロックを1枚でも倒すと、フルーツボードの絵柄がルーレット状に変化を始める。
    • 3枚とも倒すとフルーツボードの変動が止まり、フルーツボードに当てることでフルーツを獲得でき、様々な効果が発生する。
      大体は左上のボーナスルートに何かが出現する。
    • 一度でも下段にボールが落ちるとフルーツブロックが3枚とも元に戻ってしまう。
フルーツ 効果
さくらんぼ 左上から下段に落ちるルートにストッパー(1回のみ有効)が出現。
いちご ボーナスルートにドットが7つ出る。ドットは1つ1000点。
きゅうり コントローラー操作(フリッパースイングと台揺らし)が左右逆になるマイナスアイテム。
りんご ボーナスルートにハードが出現。取るとボールのスピードが遅くなる。
メロン 4つのバンパーにパックマンのモンスターが1つずつ出現。その状態で当てると5000点の高得点(普段は300点)。
パイナップル ボーナスルートに音符が7つ出る。音符は1つ5000点。
にんじん これまで取得した効果が消えるマイナスアイテム。
かぶ ボーナスルートにフラッグが出現。取ると1UP。
きのこ ボーナスルートにドル袋が7つ出る。ドル袋は1つ3000点
みかん ボーナスルートに大きいドットが7つ出る。大きいドットは1つ2000点
なす 一定時間フリッパーが見えなくなるマイナスアイテム。
カギ ボーナスルートにハシゴが出現。ハシゴにボールを乗せるとスペシャルステージ(後述)へ行ける。
  • ボーナスルートは基本左からボールを入れる形になる。
    • 右からだと、ボーナスルートに出現したアイテムを取り切れない。またハシゴは右からでは無効。
  • ポケット
    • 左上から下段に落ちるルートの手前にある。
    • ここに入れると上記のルートにストッパー(1回のみ有効)が出る。つまり、上記フルーツボードのさくらんぼと同じ効果。

下段のギミック

  • エンドゾーン
    • 一番下にある、落とすとミスになる大穴。
  • エンダー
    • 左右にあり、ここにボールが通るとそのままエンドゾーンへなすすべなく直行。ただしフリッパーの間から落とした場合と違って1000点が入る。
  • 右ポケット
    • ここに入れると、右のエンダーにストッパー(1回のみ有効)が出る。
  • 左ポケット
    • ここに入れると、左のエンダーにストッパー(1回のみ有効)が出る。
  • スター
    • 下段フリッパーの上に位置しており、その上にあるゲートを通すと、その下の星が点灯する。
    • 点灯した状態で、もう一度通すと消灯する。
      • 3つとも点灯させた状態では加算される得点が倍になる。
  • スイッチ
    • 右エンダー上に2つ上下に並んでおりスター同様、ボールを当てるとその左にあるランプが点灯。点灯状態でもう一度当てると消灯する。
      • 2つとも点灯していると、下段フリッパー間にあるヘルプ(任天堂版でいうアップポスト)が飛び出して、そこからの落下を防いでくれる。
  • スピナー
    • 右フリッパーの矢印の先にあり、弾を入れて回転させると3000点が入り、ボールは上段へ運ばれる。

スペシャルステージ

  • 所謂「ボーナスステージ」にあたる。
    • ここでは、左右からモンスターが4体ずつ出現。
      • モンスターは一度当てると、グロッキーな顔になり(本編でパワーエサを取った状態)、もう一度当てることで倒せる。
      • モンスターを4体とも倒すと、上部の巨大パックマンが一定時間口を開くので、その中にボールを入れることで高得点がゲットできる。
    • このステージではフリッパーが小さく、また左右のエンダーに落ちやすくなっている。
      • 落ちると、元の通常ステージ盤面の上段ポケットから再スタート。
    • スペシャルステージでの得点は、スペシャルステージでのみ累積し、通常ステージでミスした時にその分が加算される。
+ 「ナインボール」の詳細

ナインボール

  • ピンボールとスマートボールビンゴをくっつけたようなゲーム性。或いはフリッパーとエンダーのついたスマートボールビンゴといったところ。
    • 1人プレイ専用。
    • 穴の配置は5×5のマス目の四隅と中央3×3マスの9つで計13。この穴にボールを入れてその並び方などで得点となる。最下端のエンダーに飲まれたら当然そのボールは無効となる。
    • ベットして、そのスコア分がベットの配当倍率になる(ベット1000枚で4点なら4000枚)。0点なら負けでベット分が没収となる。
    • 5ゲーム行うか、コインをすべて失うとゲームオーバー。
  • 得点になる役パターンは下記の通り。
    • ①中央3×3の中でタテまたはヨコに3つ一列に並ぶ(1点)。
    • ②斜めに5つ一列に並ぶ(2点)。
    • ③四隅の4つすべてに入れる(2点)。
    • ④ド真中と、その上下左右に(+状)に入れる(3点)。
      • 必然的に①×2も満たすので実質5点。
    • ⑤中央3×3の9穴すべてに入れる(6点)。
      • 必然的に①×6と④も満たすので実質15点。
  • 「ささやかな夢」を選択して、その提示されている範囲内の得点(コイン)を目指す。
    • 「ささやかな夢」の達成は範囲内でなければならず、多すぎてもダメである。
    • そのささやかな夢の条件を達成すると、タイトル画面で入力する裏技コマンドを教えてもらえる。
  • 最初の持ち点(コイン)は1000枚。
    • ゲームスタート前に、ボーナスポケット(1点or2点)の位置をルーレットよろしく決める。その後にベット枚数を決める。
    • 上記①~⑤の役対象となる穴にボーナスポケットが含まれる場合、そのポケットの数字が加点される(例・斜め5つが1列できて、対象の穴に1点のボーナスポケット2つある場合「2点+1点+1点」→4点)。
ささやかな夢 達成条件 内容
10-BALLS 9000~10000 ナインボールで本来1ゲームあたり9つのボールが10個仕様できる。
SPECIAL 1P 1400~15000 バトルフリッパーを1人で両方同時に操作できる。
5-BALLS 19000~20000 パックマンでボールを5つ持ってスタートできる(本来は3つ)。
MAX FLIPPER 24000~25000 フリッパーの反発力が最大になる。
PAIR A 29000~30000 パックマンで上段フリッパーをIコン、下段フリッパーをIIコンで個別に動かせる。
PAIR B 34000~35000 パックマンで右フリッパーをIコン、左フリッパーをIIコンでそれぞれ専用で動かせる。
+ 「バトルフリッパー」の詳細

バトルフリッパー

  • ピンボールによる対戦ゲーム。
    • 根本的には2人対戦ありきだが、CPU相手に1人でのプレイやCPU同士対戦の観戦も可能。
  • 「BOMBER」「THUNDER」「ATTACK」の3種類の盤面が用意されている。
  • いずれも相手のエンドゾーンにボールを落とすことで1点が入り、3点を先取した方がそのセットを取れる。
    • ゲーム開始前に3セットマッチ(2セット先取で勝ち)、5セットマッチ(3セット先取で勝ち)、7セットマッチ(4セット先取で勝ち)から選択する。
  • 画面上方と下方に分かれており、イメージとしては2つのピンボール台が向かい合っている形になっている。
    • 画面上端、下端から画面中央に向かって登り傾斜になっている。
    • そのためボールは中央に向かうほど減速し、中央を超えると加速する。
    • 1ゲームが終わると、次のゲームでは上下が逆転する。ボールの打ち出しは前回負けた方が行う。
    • このモードでは十字ボタンでフリッパーを相手側に飛ばしたり、戻したりできる。
      • 相手側に飛ばすと、相手の打ったボールをダイレクトに返す攻撃的な使い方ができるが、その間に自分の陣内に打ち込まれるとガラ空きなのでピンチ。ここで後述の「飛ばす速さ」がガギになる。

各盤面の特徴

  • 「BOMBER」…非常にギミック満載の盤面。
    • 左右からエンドゾーンに落ちるルートに1回限り有効のストッパーがある。
    • 中央左側に「サイドスピナー」があり、ここに通すと上記のストッパーが復活する。
    • 盤面右側に特殊パネルがあり、それが2つ揃うと様々な効果がある。
      • 「爆弾」…ボールが時限爆弾となり点滅し、一定時間後に爆発。自陣内で爆発した側が負けとなり、相手に1ポイントが入る。
      • 「ドクロ」…相手側のフリッパーが一定時間見えなくなる。同時に相手側のストッパーがなくなる。
      • 「イナズマ」…相手側のフリッパーが一定時間しびれて動けなくなる。
      • 「EXIT」…自分側に出口が出現する。そこに入れることで勝ちとなり1ポイントが入る。
  • 「THUNDER」…ギミックの少ないシンプルな構成。
    • ギミックはレーンと、フリッパー下のストッパーブロック3つのみ(いずれも1回限り有効)。
      • 両サイドからのエンダーから入った場合は、フリッパーがジャマで結局エンドゾーンに落ちてしまうように見えるが、ストッパーブロックに当って跳ね上がる瞬間にフリッパーを飛ばしていれば、跳ね上がって事なきを得られる。
      • 自分と同じ色のレーンに通すと、このストッパーブロック3つが復活する。
  • 「ATTACK」…上記2つの中間のような盤面。
    • 左右からエンドゾーンに落ちるルートに1回限り有効のストッパーがある。
    • 下段側は右に、上段側は左に「サイドスピナー」があり、ここに通した時の効果は、後述のスイッチの効果を全て「OFF」にする。
    • 中央にもフリッパーの間に同じ大きさのストッパーがあり、これは何度でも跳ね返してくれる。
    • 「サイドスピナー」から壁を挟んで反対側に「ATTACK」「HELP」「STOP」3つのスイッチがある。ボールと当てることで「ON」「OFF」が切り替わる。
      • 「ATTACK」…これがオンだと相手のストッパーの前に左右に動く邪魔な「横移動ブロック」が出現する。
      • 「HELP」…これがオンだと、フリッパー間のストッパーがまるで丸太のように太くなる。
      • 「STOP」…これがオンだと、サイドのストッパーが出現する。
+ 「スポーツピンボール」の詳細

スポーツピンボール

  • スポーツに見立てた変則ピンボールによる対戦ゲーム。
    • 「バトルフリッパー」同様根本的には2人対戦ありきだが、CPU相手に1人でのプレイやCPU同士対戦の観戦も可能。
    • お互いに、左右に動く1本のフリッパーと、キーパーを操作する。
      • フリッパーの動きは下段はAで左回転、Bで右回転、上段側はその逆。
      • キーパーはボールに触れたタイミングでAを押すと強く跳ね返し、Bを押すとキャッチングして強く投げる。どちらも押さずボールに触れると弱い跳ね返しになる。
    • フリッパーやキーパーの左右移動はキャラクターの「移動の速さ」に直結している。
  • 「サッカー」と「アイスホッケー」2種類の盤面が用意されている。
  • いずれも相手のゴールにボールを入れることで1点が入り、3点を先取した方がそのセットを取れる。
    • ゲーム開始前に3セットマッチ(2セット先取で勝ち)、5セットマッチ(3セット先取で勝ち)、7セットマッチ(4セット先取で勝ち)から選択する。
  • 画面上方と下方に分かれており、イメージとしては2つのピンボール台が向かい合っている形になっている。
    • 画面上端、下端から画面中央に向かって登り傾斜になっている。
    • そのためボールは中央に向かうほど減速し、中央を超えると加速する。
    • 1ゲームが終わると、次のゲームでは上下が逆転する。ボールの打ち出しは前回負けた方が行う。

各盤面の特徴

  • 「サッカー」
    • ゴールは盤面最上端と最下端にある。
    • ゴールの両サイドに「コーナーキックポケット」があり、ここに入ると攻め側がコーナーキックよろしくフリッパーにパスのようにボールを弾き出せる。
      • 弾き出すタイミングは任意で決められ、上ボタンで強いボール、下ボタンで弱いボールとなる。
  • 「アイスホッケー」
    • ゴールは最上端と最下端ではなく、その少し内側に配置されている。
    • 最上端と最下端には「バンパーショット」というギミックがあり、これに触れたボールは強く打ち出される。
    • サッカーに比べるとギミック要素は少なめだが、フリッパーとキーパーが近いため、いかにフリッパーで有効打を繰り出せるかに比重が寄っている。

キャラクター

  • ナインボールを除く3つのゲームではキャラクターを選択する。
    • それぞれ得意不得意の特性がある。カイのみすべてに亘って弱く、手慣れたものが初心者と対戦する時などにハンデをつけるキャラのような位置付け。
    • 対戦系ゲームでは、同キャラでの対戦も可能。
キャラクター フリッパーの長さ 跳ね返しの強さ 移動する速さ
パックマン 中間 中間 中間
たろすけ 短い 強い 中間
景清 長い 強い 遅い
モモ 短い 弱い 速い
ワルキューレ 長い 弱い 速い
カイ 短い 弱い 遅い

評価点

  • 多彩なゲームモード。
    • 「ピンボール」としか冠していないが、王道なピンボールだけでなくスマートボールと合体したような「ナインボール」や対戦ゲームなど、楽しみ方は多岐にわたる。
      • 特に対戦においては、普通にボールを打ち返すことを重視した者からギミック重視なものまで選択の幅が広く、更にスポーツにアレンジしたものまであるなど、非常に選択の幅が広い。
      • 王道なピンボールにしても自社の看板パックマンとのマッチングを実現し、ボーナスステージではモンスターを倒す要素を入れるなど両者のゲーム性がしっかり融合できている。
    • 操作性自体は非常にシンプルなので、低年齢層でもすぐ馴染めてとっつきやすく様々な盤面で対戦ができるため、変化に富んだゲームが楽しめる。
  • キャラの個性が出せていて選択の幅も広い。
    • いずれも強みを持っており、お好みのキャラを使うもヨシ、自分にプレイスタイルに向いた性能のキャラを使うもヨシで選択の幅が広い。
    • 唯一何のとりえもない弱キャラのカイも、上記の通り低年齢層でもすぐ馴染めてとっつきやすいゲーム性を考慮すると、ハンデ用のキャラとしてしっかり機能する。
  • 「ナインボール」による隠しコマンドで、更に広がる楽しみ方。
    • 少々マニアックなものもあるが、低年齢層向けに「ナインボール」を10個にする救済など、使い方次第でただでさえ多彩なゲームスタイルをよりプレイヤー向けにカスタマイズできる。
  • ナムコのオリジナルキャラゲーとしても秀逸。
    • ファミスタシリーズ』や『ファミリーサーキット』でも、ナムコキャラの連合チームなるものはあったが、いずれもキャラグラは汎用で名前だけの存在でしかなかった。
      • 特に前者はナムコキャラの登場作品として最もメジャーだが、その「ナムコスターズ」はグラのせいか男キャラに限られており実際ワルキューレやモモが登場したのは4年もあとの『スーパーファミスタ2』でやっとの初登場だった。
    • その点本作は、それらを思えばキャラ数こそ6人と少ないものの、ちゃんとキャラグラまでしっかり描かれての登場である。
    • 「バトルフリッパー」や「スポーツピンボール」での対戦後のキャラの台詞もしっかり特徴が捉えられたものになっている。

問題点

  • 「ナインボール」は、特定の範囲の点数(コイン枚数)を目指すだけになっていて、このようなゲームでの醍醐味であるハイスコアを目指す要素がまったくない。
    • もちろん、自主的にそれを目指すことはできるものの、記録する気すらないようなゲームシステムはピンボールゲームとしては疑問視される部分である。
    • しかも、特定の範囲を目指すだけならその範囲内のある程度のコイン枚数になったら、あとはベットを限りなく少なくして自滅するだけの作業になってしまう。
  • 「パックマン」の通常ステージはギミックが少々寂しい。
    • 5年前の任天堂版『ピンボール』も、上下段2段構成+ボーナスステージとそっくりな構成だったが、ギミックの多彩さでは5年も前のゲームながらかなり豊富だった。
    • 特に下段は「早く上段に戻す」以外の目的意識が薄い。任天堂版では下段のアップポストを出すとほぼ安泰になるので、そのために下段に滞在させる価値があったが、そういったものもない。
      • 下段で「ヘルプ」を出しても、スイッチに触れるだけですぐ消えてしまう。
    • 全体的にスコアの核となる部分を「スペシャルステージ」に集約しすぎている感もありアンバランスな一面もある。
      • このため、フルーツボードは「カギ」以外、ほとんどハズレ同然になっている。
  • 「パックマン」の「スペシャルステージ」は滞在し続けてモンスターを倒し口に何度も入れることで得点の伸びは目覚ましいが、簡単に落ちてしまいすぎる構造。
    • そのため、大抵は入った喜びもつかの間…すぐ落ちて戻されて呆気なく終わることばかり。
      • もちろん、また入れればいいだけの話だが、それを狙うことに集約されすぎて何度も繰り返しているうちにだれ気味になることもしばしば。
    • 折角自社の看板パックマンを模したステージでもあるので、得点が伸びる瞬発力を少々抑え気味にしてでも多少長く滞在できるバランスの方が楽しめただろう。

総評

普通のピンボールゲームのようにスコアアタックに徹するもよし、スマートボールのようなゲーム性も楽しめ、更に対戦プレイもできるなどお手軽なゲームの詰め合わせで非常に使い勝手のいいゲームである。
ゲームモードのみならずキャラクターによるフリッパーの特性も豊富で、対戦の幅に厚みがあり、更にスコアアタックでも自分のスタイル合ったものを選ぶことで伸びやすくなるなど重要なものとなり、同じゲームでも感じ方が変わってくる。
それだけにメインのピンボールである「パックマン」におけるスコアアタックや楽しめるポイントがスペシャルステージに集約されすぎたアンバランスな点が玉にキズではある。
それでもゲームモードの多さは充分すぎるほどの魅力で、更に『ファミリーシリーズ』特有のソフトの安価さも見逃せないポイント。お手頃な値段でここまで手広く楽しめるのは非常にお買い得な1本と言えるだろう。


その後の展開

  • ピンボールとしては本作限りで姉妹シリーズ『ワールドシリーズ』でも登場しない。
    • 『ファミリーシリーズ』全般で見てもこの年の7月に発売した『ファミスタ'89 開幕版!!』で本シリーズから半ば独立した野球の『ファミスタシリーズ』を除けば、この次は2年以上を経た『ファミリーサーキット'91』(1991年7月19日発売)まで登場しない。
  • Nintendo Switch『ナムコットコレクション』(2020年6月18日発売)のDLC第3弾として移植された。2020年8月20日配信。
    • まとめ買い2400円+税、単品300円+税。

余談

  • 本作はファミコンでナムコ唯一のピンボールゲームではあるが、実は完全な形でのピンボールゲームではそれを抜きにしても唯一だったりする。
    • 1978年~1979年のアーケード作品『ジービー』『ボムビー』『キューティQ』合わせた俗に言う『ジービー一家3部作』は、それっぽいゲーム性ではあるがフリッパーで弾くのではなく『ARKANOID』のバウズのようなパドルをダイヤル式のコントローラーで左右に回してボールを跳ね返す方式なので、完全なピンボールではない。
  • 海外では『Rock 'n Ball』のタイトルでバップから発売された。
    それに伴いナムコ要素はカットされている。
最終更新:2025年01月03日 13:01