ファミリートレーナーシリーズ3 エアロビスタジオ

【ふぁみりーとれーなーしりーずすりー えあろびすたじお】

ジャンル 体感型スポーツ(エアロビクス)
対応機種 ファミリーコンピュータ
(ファミリートレーナーB面使用)
発売元 バンダイ
開発元 ヒューマン
発売日 1987年2月26日
定価 5,800円
プレイ人数 1人
判定 なし
ポイント ゲームというよりエクササイズの実用ソフト
ボイスの発生数ではファミコンソフトでトップクラス
ファミリートレーナーシリーズリンク


概要

『マットコントローラー』を使って足で走ったり跳んだりしてキャラを動かす「体でするゲーム」の『ファミリートレーナー(通称『ファミトレ』)』のシリーズ第3弾。
エアロビクスのビデオを見て、その動きを真似をするエクササイズは当時からあったが、それをゲーム機を通して行うようなものである。
そのため本作は得点という概念はあるものの、どちらかといえばファミコンでエクササイズをするための実用ソフトに近い。


内容

エクササイズスタジオ

  • 下記「エアロビコンテスト」の練習モードのような位置付けになっている。
  • クラス(レベル)が8段階になっていて、画面上のインストラクターの動きと同じことをマットキーの上で行う。
    • まず最初にインストラクターが、模範演技を見せる。その後本番に入る形なので、最初にその動きを見ておけば見る必要もなく行うことが可能。
      • インストラクターのカウント「ワン、ツー、スリー、フォー」など音声合成がされている。
    • 押す位置や押したり離したりするタイミングを間違えるとミスとしてカウントされ、10回ミス(コインのマークで表示され、ミスをするたび減っていく)でゲームオーバーならぬプレイオーバー。
    • プレイヤーが今何を押しているかは画面下のマットキー表示で確認できる(黒っぽくなっている部分が押されている部分)。
    • すべてのステップをクリアーできれば、次のクラスに移行する。

エアロビコンテスト

  • 5分・10分・15分・20分の4コースが用意されている。
    • 具体的なルールは「エクササイズスタジオ」と同じでインストラクターの動きをマネしてマットキーを押さえるというものだが、得点が方式が少々異なっている。
      • 得点方式は100点からスタートしてミスするごとに減点されていく方式。
      • ただし、そのステップをノーミスで終えるとインストラクターから「グッド!」と褒めてもらえて10点が加算される(100点は超えない)。
    • また「エクササイズスタジオ」とは異なりインストラクターの動きを最初に見せてもらえず、ぶっつけ本番で行うことになる。

プレイスタジオ

  • 「メロディステップ」「メロディダンシング」「エアロステッピング」の3つから成り立っている。
  • メロディステップ
    • 外周部分を右回りに音階になっており、「6」「7」は音が出ないプレイヤーのニュートラルポジションとなる。
      • つまり「1」=ド・「2」=レ・「3」=ミ・「4」=ファ・「8」=ソ・「12」=ラ・「11」=シ・「10」=高いド・「9」=高いレ・「5」=高いミ
      • コノモードでは特に縛りはなく、好きなように演奏できる。
  • メロディダンシング
    • 上記「メロディステップ」を、実際の曲に合わせて演奏するミッションの要素を加えたモード。
    • 100点からスタートして、ミスするごとに減点される。最終的に80点以上が残っていれば合格で、次の曲に進める。
  • エアロステッピング
    • 画面に表示されたマットコントローラーに足と手のマークが表示され、それを押していく。
      • 最初は足で踏むのみだが、そのうちに手まで表示され4ヶ所を押さえていくことになる。
    • 手足のマークが表示してから押し切るまでの時間が一定のタイミングより早いと2点、遅いと1点。
    • 80点以上を取ると次の回からそのスピードが速くなり難易度が上がっていく。

評価点

  • ビデオと同様一人でエクササイズができる。それに加えてその出来具合が採点される。
    • ビデオなどで見て行うよりも具体的な採点がされるので、その出来具合を客観的に測ることができる。
  • タイミングを取るインストラクターのカウントはただのSEでも用は足りそうではあるが、そこはしっかり音声合成が用いられている。
    • これにより、特にエクササイズスタジオでは、そのリズムを取りやすくなっている。
    • タイトルの「ハロー!レッツゴー!」やカウントの「ワン、ツー、スリー、フォー」など音声合成がされている。
  • 単なるエアロビクスだけでなく、足で電子オルガンを弾くような「メロディステップ」など、一味違った体の動かし方もできる。
    • いくら実用ソフトの一面が強いとはいえ、それ一辺倒ではゲームソフトを採用した意味が薄いので、違った趣旨で体を動かせるのは良い。
    • また、こういったものは一種の気分転換にもなる。

問題点

  • 画面上のインストラクターは手の動きもあるのだが、それは感知できない。
    • 実際エアロビクスは全身を使って行うものだが、手の動きをサボっていてもマットの特定部分さえ押さえられていれば、できたものと判断されてしまう。
    • 上記の「エアロステッピング」は、手と足のマークが表示されているが、どっちで押そうが「押されているか押されていないか」しか判断できないので、本来のエクササイズにならないこともある。
      • 仕様上仕方ないが半ばインチキがまかり通ってしまうことになる。
  • 採点基準外とはいえ、マットに関与しないインストラクターの手の動きは少々見づらいこともある。
    • ゲームとしては問題なくてもエクササイズ目的なら無視できない部分。
  • ゲームとして考えれば退屈な部類に入る。
    • タイトルの通りなので、まずこれをゲームそのものとして期待して買う者は少ないと思われるが単調にならないよう工夫されているとはいえゲームと考えると内容はかなり薄い。
      • このあたりはゲームありきで作られている後の『ダンスダンスレボリューション』などとは完全に別物である。

総評

得点要素はゲームとしてのハイスコア狙いなどではなく、既定の動きができているかチェックするための指標という位置付けに近い。
エクササイズ目的で購入したならばマットで判定されない手の動きまで怠らないでしっかり行うことが大事といえるだろう。
「プレイスタジオ」のような一風変わった工夫もあるが、全体で見ると良くも悪くもゲームというよりはファミコンと『マットコントローラー』を用いてエアロビクスをするための実用ソフト。


その後の展開

  • 同年5月29日に第4弾『ファミリートレーナーシリーズ4 ジョギングレース』が発売。
    • ランニングスタジアム』同様走ることを重点に置いているが、攻撃をする要素もありそれを走りながら足で行わなければならなかったり、走りとジャンプの認識が甘く、普通に足を上げて走っているとジャンプして止まってしまうなど操作性は悪い。
      • ジャンプがないモードならジョギングの実用ソフト的としてそれなりの出来。
    • 当初はこの作品が第3弾『栄光のランナー』として1月、延期後も2月の内に発売が予定されていたが結果的には5月まで発売は延び本作とナンバリングが入れ替わった。本作の取説でも「近日発売!!」だったので、これほどまで後になることは想定外だったと思われる。
      • これで第1弾『アスレチックワールド』で告知されていたものは全て発売を終え、次は7月31日に第5弾『ファミリートレーナーシリーズ5 迷路大作戦』が発売。これまでのスポーツ路線から体感型アクションへシフトする。

余談

  • 上記の通り「ゲームオーバー」ではなく「プレイオーバー」という独特な言い回し、更に説明書でも「ゲーム」という文言が使われていないことから公式にゲームという扱いにしていないと思われる。
  • CMでは「母と娘のファミリートレーナー」として紹介されていた。
+ CM

最終更新:2023年05月28日 20:48