【しにがみ しびとまぎれ】
ジャンル | 学園伝承・心霊ホラーADV | ![]() |
対応機種 |
Nintendo Switch プレイステーション4 |
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発売・開発元 | エクスペリエンス | |
発売日 | 2022年12月1日 | |
定価 |
パッケージ版:8,800円(税抜) ダウンロード版:7,800円(税抜) |
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プレイ人数 | 1人 | |
レーティング | CERO:Z(18才以上のみ対象) | |
判定 | 良作 | |
ポイント |
相変わらずのジメっとした嫌な怖さ トゥルーエンドで示される大きな救い 印人の描写不足が惜しい |
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心霊ホラーシリーズ 死印 / NG / 死噛~シビトマギレ~ |
同社の『死印』『NG』に続く心霊ホラーシリーズ第3弾。
登場人物が変わり外伝的な雰囲気であった『NG』と異なり、『死印』の主人公・八敷が再びプレイアブルキャラクターとして登場。物語上でも直接の繋がりを持つ正式続編である。
当初は「シビトマギレ」がメインタイトルで、副題として「八敷一男 怪医譚」と付いていたが、発売前の情報更新に合わせ、現状の題が正式タイトルとなった。
東京都H市の名門進学校「近衛原学園」は、シビトの噂で持ちきりだった。
発端は数週間前、学園の掲示板に奇妙な「予告状」が貼られていたこと。
リボンへ
こんや ハナコが おまえを ころす
わたしは みている がくえんに まぎれ
しんあいなる シビト
翌日、女生徒の失踪が発覚。
そして今日、2通目の予告状が掲示されたことで学園は更なる不安に覆われていた。
「失踪した生徒はトイレのハナコに殺されたんだ」
「いつか自分もシビトに殺されるかもしれない」
「シビトは、学校にいる誰かに化けて紛れている――」
事態の収束を図った校長は1人の男を呼びつけた。歳は40前後の冴えない痩躯の中年男。
心霊事件の専門家、《怪医家》八敷一男を……
序盤から登場する一部の人物に絞って記載する。
シリーズ特有の「ジメジメした暗さ」は健在。
演出面で怖さの削がれるところはあるが、最も重要であるシナリオ面では卒なく一定品質の恐怖体験が提供されている。
むしろ終盤はこれまでのシリーズ中でも特に絶望を感じさせる内容となっており、攻略サイトなどでは「思わずプレイを中断した」というユーザの声が見られた程。
その上でトゥルーエンドでは、そうした暗澹があったからこその「救済」が描かれており、良質な読後感をもたらすものとなっている。
印人の扱いは踏み込み不足だし、価格あたりのボリューム感こそ相変わらずではあるが、その分、新キャラの魅力は高く全体的には良い意味で次回作を予期させる展開。
『NG』の欠点であった「話の途中のような印象」もさほど無く、シリーズ3作目としては十分なクオリティを持った一作といえるだろう。
本作は当初2021年夏の発売予定であったが、1年半もの発売延期を経てリリースされた。
元々進捗遅れが指摘されていたが、新型コロナ影響によるスタッフの退社があったうえ、2021年の6月に発生した「製作データのほぼ全てが消失」する事件の影響が大きかった模様。
当然、「こんな題材のゲームなのにお祓いしてなかったのか?」と心霊がらみを心配する声があがることになった。
*1 2023年1月23日配信のDLCで衣服の変更のみ実装された。
*2 特にゲーム中で「○○エンド」とは示されないが、プレイヤー間では便宜上トゥルーエンドと呼ばれる
*3 四つん這いで突き上げたお尻を手前に向けている、仰向けのまま脚をややM字に開きこちらを見上げている、など
*4 ちなみに海外版については、本作発売時点で『死印』『NG』がそれぞれ『Spirit Hunter: Death Mark』『Spirit Hunter: NG』の題でリリースされている
*5 声は他キャラと同じ声優が一人多役している
*6 ただこのスチルでは、私服姿の愛がパソコンで怪異を調査中と思われる栄太に飲み物を提供している様子が描かれているため、アイドルとファンの関係としてはかなりマズいものではある。
*7 一応、映りこむものには少々のバリエーションあり。