龍炎高校伝説コレクション
【りゅうえんこうこうでんせつこれくしょん】
ジャンル
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アクション
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対応機種
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Nintendo Switch PlayStation 5 PlayStation 4 Xbox Series X/S Xbox One
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メディア
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ダウンロード専売
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発売元
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ラタライカゲームス
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開発元
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HUNTERS
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配信開始日
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2022年5月20日
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定価
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【Switch/XSX/One】500円(税込) 【PS5/PS4】550円(税込)
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プレイ人数
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1人
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セーブデータ
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2作×1箇所・オートセーブ方式
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レーティング
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IARC:7+
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判定
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なし
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ポイント
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『くにおくん』風のベルトスクロールアクション 強化の繰り返しでごり押しクリア 全体的にかなりあっさりとした内容
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概要
Steamで発売されている『龍炎高校伝説』(以下:『1』)と『龍炎高校伝説2』(以下:『2』)をカップリングした作品。
Xbox関連のみ英語である『The Legend of the Dragonflame Highschool Collection』のタイトル名で表記される。
ジャンルはベルトスクロールアクション。2頭身版の『熱血硬派くにおくん』を意識したと思われるコミカルな外観である。
主人公の高校生「八神龍一」が様々なライバル高校の猛者と戦う設定。『1』はさらわれた妹の救出に、『2』は大阪の修学旅行中での戦いに挑む。
ゲームルール
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ゲームの流れ
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『1』と『2』のタイトルのいずれかを選んでプレイしていく。双方共に最初から選択可能。各タイトルの互換性はなく、お互いが独立した扱いとなる。
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『2』のみ「4か所の到達ステージへのワープ選択」と「技のコマンド一覧が確認できる表示」の機能が搭載されている。
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操作体系
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アナログスティック等の8方向移動と、「ジャンプ」「パンチ」「キック」の各ボタンで龍一を操作していく。
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各操作の組み合わせで様々な技が出せる。奥義(下記)を購入すると使用できる技がさらに増加。『2』では『1』における購入奥義の一部が初回から使用可能。
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ステージによっては武器が落ちている場合があり、それを拾っての攻撃ができる。ただし他のステージへの武器持ち込みはできない。
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お金と店について
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敵を倒すと必ずお金を落とし、それを貯める事で後述の買い物が行える。お金は1枚につき一律100円の取得。
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ボスクラスの敵を倒すとお金を3枚落とす。ステージによって敵の強さに相違はあるが、落とすお金は1枚(100円)か3枚(300円)でほぼ固定。
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特定のステージには店があり、貯めたお金で以下の買い物ができる。商品の売価の変動はなく、奥義以外のものは何度でも購入可能。
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「HP全回復(無料)」「HP・攻撃力・防御力のステータス上昇」「奥義取得」「ミニゲームのプレイ(『2』のみ)」の品揃えあり。
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ゲームクリアとミス条件について
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『1』『2』共に「4組織のライバル高校の生徒」が待ち構えており、順々に奴らを倒しステージを進めていく。ラスボスを倒せばオールクリア。
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スクロールは一切なく、画面内に出現する敵全員を倒せばそのステージのクリア。ステージによっては敵殲滅後にボスクラスの敵が出現する。
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1高校につき大体3ステージで構成されている。ただし最後の高校のみは初戦と四天王戦の計5ステージ分の戦いが待ち構える。
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ステージの切り替えを行う度に敵の状況が初期化され、その都度に同じ敵との再戦が可能。一度クリアしたステージであれば敵を無視して先に進める。
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戦いの最中であってもステージを抜けたり、店へと立ち寄ったりができる。ステージ非クリア時やボスクラスの敵との戦闘時であっても例外ではない。
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数字表示のHP制。龍一が敵の攻撃を受ける度にHPが減少し、HPが0になると敗北となってしまう。
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『2』のみ時間経過でHPが微量に回復する性能が初回から付いている。それ以外のHP回復手段は店を利用する以外ではない。
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本作はオートセーブにより、ステータスと進行状況を引き継いだままゲームが続行できる。敗北後もゲームオーバーにならず、先述と同様の続行となる。
評価点
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ベルトスクロールアクションとしての分かりやすさ
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ベルトスクロールアクションとしてはごく分かりやすい内容であり、小難しいルール抜きで楽しめる。
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基本は「主にパンチとキックで目の前の敵を倒していく」というシンプルなもの。長い演出やウエイトも皆無で、ひたすらにさくさくとゲームを攻略できる。
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単純明快ではあるものの、奥義購入により様々な技を増やせるため、多彩な操作が行える要素も含まれている。
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シュールさ満載な謎世界観
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「高校生がライバル高校の猛者に戦いを挑む」という王道設定でありながら、その世界観はシュールそのものである。
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ライバル高校の面子が「おとぎ話風」「忍者風」「ホラー映画風」といった、変てこな容姿の者が大多数で、どうみても真面目な設定ではない。
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最後のライバル高校の名称が、「地獄高校(『1』)」「悪魔高校(『2』)」と狂気感満載。大半の敵が中二ネーミングなのも突っ込みポイント。
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いかなる戦闘中であっても、いつでも戦線離脱が行える制限のなさもシュールそのもの。
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「強敵と戦闘中」⇒「そのままステージを抜ける(店に立ち寄る)」⇒「何事もなかったかの様に再び強敵と戦う」というフリーダムな行動ができてしまう。
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いかにも強面のラスボスすらも先述の行動ができるため、いまいち戦いの緊張が薄いのがこれまたシュール。敵全員が紳士な性格という事なのだろうか?
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敵と対面後には必ず軽い会話が挟まれるのだが、この最中に一方的な先取攻撃ができてしまう。むしろ卑怯なのは龍一側の方という事に…。
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ラスボスを倒すとエンディングの後に、登場キャラ全員の紹介と共にボーカロイドが歌う青春チックなボーカル曲が流される(『1』『2』共用)。
問題点
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ゲームバランスは極めて大味
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ゲームバランスという意味では極めて大味で、まともなベルトスクロールアクションとしての楽しみは期待できない。
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正面から敵を攻撃しようものなら高頻度で割り込みダメージが入り、しかも回避不能の連鎖ダメージも頻発するため、HPが一瞬で削られてしまう。
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強敵になってくると「複数の敵の囲まれて袋叩きにされる」「ダウン後にワープしてくる」「飛び道具を連発する」といった対処困難な奴らも登場する。
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しかしステータス上昇の買い物を繰り返すと、今度は龍一側の性能がチート化してしまい、苦戦する局面がほとんどなくなる。
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HPと防御力を強化すればダメージが雀の涙程度にまで減少し、攻撃力を強化すれば攻撃一撃で敵に致命傷を与える程の火力と化してくる。
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しかも強化の売価が非常に安価な上に、購入制限や値上げもないため、買い物を繰り返すだけで公式チートなヌルゲーになる。
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以上の事から本作は「アクションゲームというよりはRPGのレベル上げのノリ」なプレイスタイルといえる。
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奥義の実用性が薄い
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実のところ、一部のものを除いて奥義の実用性が薄く、趣味でもない限りは操作の使い分けを行う必要は薄い。
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そもそも上記のステータス上昇のチート具合が凄まじいため、わざわざ操作の使い分けで対処するよりも、強化のごり押しで挑んだ方が効率的。
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実用性のある奥義としては「複数の敵を一斉に吹き飛ばしてダウンさせる飛び蹴り」「隙は大きいが当てると敵を吹き飛ばせる飛び道具」などがある。
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申し分程度の武器が使用できるものの、奥義以上に使いものにならないガラクタっぷり。なにせ「強化こそがパワー」なゲームバランスなので…。
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ボリュームの薄さとエンディングのあっけなさ
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順調にプレイすれば『1』『2』共に約1時間ほどでオールクリアできるボリュームで、遊べる範囲は大分乏しい。
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明らかにがっつりとプレイするような内容ではなく、良くも悪くもあっさりとした小粒さであるため、そこをどう捉えるかによって価値観が変わってくる。
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エンディングを迎えても非常にあっけない終わり方を迎える上に、やり込める要素もほとんどなくなる。
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強いていえば「奥義を全部購入する」「ミニゲームをやり込む(『2』)」「強化抜きで縛りプレイ」あたりがやり込みといえなくもないが…。
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一応はラスボスよりも強い隠し猛者も登場するのだが、倒しても負けセリフとお金3枚を落とすだけで、結局は他の敵との同じ扱いでしかない。
総評
ベルトスクロールとしての完成度は微妙であり、それよりも「シュールな雰囲気の中で強化無双していく」というネタ的な楽しみが本編といえる一作。
2作品収録とはいえ総合的なプレイ時間は短く、全体的にかなりあっさりとした内容であるため、ベルトスクロールの本格性は求めない方が無難。
最終更新:2023年11月04日 12:08