爆笑!!人生劇場3
【ばくしょうじんせいげきじょうすりー】
ジャンル
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ボードゲーム
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対応機種
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ファミリーコンピュータ
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メディア
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4MbitROMカートリッジ
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発売元
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タイトー
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開発元
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アクトジャパン
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発売日
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1991年12月20日
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定価
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6,400円(税別)
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プレイ人数
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1~4人
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判定
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良作
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ポイント
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少し異色だが後に活かされる形式
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爆笑!!人生劇場シリーズ
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概要
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前作から9か月後に出た続編で、FCではシリーズ最後の作品になる。前作とは違う会社が制作している。
ゲーム内容
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前作までとは違い、ルーレットを回して進んでいくが、進行方向は前作と逆でほぼ右方向に固定になったほか、マップのマス目がなくなり(給料の所にはちゃんと表示がある)道を進んでいく形になった。学校入学などの節目では必ず止まる。
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場所によっては止まった後に扉を開いて建物に入れるところもあり、店だったり証券取引所だったりする。
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前作同様最初に人間とCPUの人数を設定するため、少人数でのプレイやCPUとのタイマンも可能。
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今作のCPUは固定されているのは名前(何種類かある)のみで、顔はその時によって変わる(傾向はあるようだ)。
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キャラメイクでは名前、性別、顔(髪型、目元、口元)、色を設定し、終わったあとプレゼントを選んでゲーム開始となる。
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プレゼントは1Pから順に5つの箱から1つを選び、知力+3 体力+3、つき+3 お金+1万円、スカのいずれかが出る。他のプレイヤーが選んだ箱は空いたままで選べなくなるため後のプレイヤーほど選べる箱が少なくなる。
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本作ではキャラごとに口癖が設定される。~じゃん。~なのね。といった普通の物から田舎訛りもあり、田舎訛りかどうかで分岐する所もある。イベントで変化することもあり、~だベイビ。などネタ成分が強い物も多い。
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最初は幼児から始まり、幼児~小学校と中学~高校が1つのマップとなっており、高校卒業後に大学(学歴勝負)、就職(キャリアが決め手)のどちらかに進み、最後のマップに合流する。
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各マップで一着ゴールすると神様から褒美がもらえる。学歴勝負とキャリアが決め手は別コースなのでそれぞれの一着ゴールに褒美が出る。
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本作にも刑務所マップが存在するが、ここのみ円の形になっていてゴールがなくグルグル回るだけになる。
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本作ではマップが変わるたび(中学校入学、学歴勝負かキャリアが決め手のスタート時)に顔が変化していき、終盤の海外マップへ誘われるイベントの時に老人に変化する。
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高校卒業後学歴勝負かキャリアが決め手の両コースに行く前に上京マップがあり、誰かが中学~高校マップのゴールに着いて一着ボーナスをもらった時、その時点での持ち金で飛行機で移動するか電車で移動するかが全員決められる。飛行機ならば上空を飛んで1ターンでパスできるが電車だと通常通りルーレットを回して進む。電車の方にも職業のフラグになるイベントがあったりするので一概に悪いわけではない。
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行く先には、宝箱が落ちてくるマスもあり中に入っているアイテムが手に入る。後からほかの人が止まった時には箱は空っぽになっている。
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所持金が足りなくなった場合、本作では幼児であっても容赦なく所持金がマイナスになる。
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本作では仕事の時、3枚の「仕事カード」の中から1枚を選ぶ形式となっている。
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当たりもあればはずれもあり、なかには逮捕されてしまうものも…。
評価点
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良好なゲームバランス
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本作では前の2作と違って誰かがブッチギリの1位になってしまうということがほとんどなく、かなり競った展開になることが多い。一着ゴールのボーナスも1000万と控えめ。
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資産的にも軽く億を超えた前2作に対して本作は行っても7000万がいい所で、大抵は3000万~5000万というところに落ち着く。
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良質なBGM
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前作からマップの他にも、イベントのBGMがより充実している。
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マップBGMは落ち着いた雰囲気の幼児編、青春時代の弾むような曲、社会の荒波に向かっていく大人の雰囲気の最終マップなど、マップによって大きく毛色が変わってくるが、いずれも良BGMとして名高い。
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イベントBGMもプラスイベントやマイナスイベントといった区切りに留まらず、シーンに応じてバリエーション豊かな曲が用意されており、プレイヤーを飽きさせない。
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職業のバランスがかなり取れている。
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サラリーマン(OL)は給料が少なめだが結婚すれば扶養手当がつき、退職金ももらえるなど役得が手厚くなっていて、ギャングなどは出世が早く給金も高いがこれらの手当てなどは一切なく、演歌歌手はレコードの印税が入るなどの役得があるが退職金はなく仕事で逮捕されるというリスクもあるなど、職業観の格差がかなり詰められていてどの職業も一長一短あるものとなっている。
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恋愛相手に好みのものが設定された。
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選ぶデートスポットによってハートの数が大幅に上昇したり、好みに合わないと逆に減ったりするようになった。
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中学卒業式で必ず告白してくるキャラが登場。ずっと恋人がいないままという状態になりにくくなった。
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不倫のペナルティがちゃんとしている。
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前作まではイベントがないか、やってもパラメーターが少し下がるだけだったが本作では重いペナルティがついてくる。
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不倫するとアイテム欄に愛人のアイテムが入り、最後の精算の時に1000万ものマイナスを食らう。
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また、不倫イベントの少し先に発覚するイベントがあり、止まれば離婚となり、止まらなかった場合はエンディングが離婚にほぼ決まってしまう。
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更にその後のイベント次第では不倫相手と「隠し子」を作ってしまうケースも存在。こちらも愛人同様、実質的なマイナスアイテムとなっている。
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ゴールとエンディングがちゃんとしている。
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前2作ではゴールした時の資産計算がバグっていたが、本作ではちゃんと計算してくれる。
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またエンディングもプレイヤーのその後が紹介された後、スタッフロールに続くというしっかりした作りになっている。
賛否両論点
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突き落としシステム
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今作では誰かが止まっているマスに後から他のキャラが止まった場合、真下に別コースがあれば先に止まっていたキャラを下のコースに突き落としてしまう。大抵は違う分岐に行くだけだが最終盤にはゴール目前から定年退職前の所まで落とされるところもある。
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落とされた方はそのコースを進むしかなくなり、予定が狂ってしまうことがある。やや理不尽だが先行する相手を妨害できたり、先行する方にもスリルがあったり、落とされたおかげで好転することもあるので悪い事ばかりでもない。
問題点
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劣化した点が目立つキャラメイク
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本作では名前にカタカナが使えなくなっていて、濁点・半濁点もそれだけで1文字使ってしまうなど、前作より大幅に劣化している。
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顔づくりで目元を操作しても実際に変化するのは前髪と眉毛で、これが一回りすると次の目に切り替わる。という不自由な設定になっている。
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結婚イベントがしょぼい。
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前作までは結婚するときに専用の服装と音楽が用意されていたのだが、本作では普段着のまま&専用ではない短い曲であっさりと終わる。
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最後のマップに入る前に結婚すると学生結婚になって普通と違うメッセージが出るように工夫されているが、これは少しもったいなく感じる。
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ミニゲームが少ない
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本作にはミニゲームが少なく、叩いて被ってジャンケンポンとクイズと競馬くらいしかない。
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カジノはハイアンドローとブラックジャックがあるが使いまわしのコンパチで印象が変わらないうえ、本作の海外マップにあるギャンブルコースは非常に短く、止まらずに通り過ぎてしまいやすい。
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一応、クイズには受験や老後のアップダウンクイズなどのイベント、叩いて被ってジャンケンポンにはタイトーの服部名人と対戦するイベントなどはあるが前作までと比べると小粒である。
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コンピューターのテンポが悪い。
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コンピューターは選択肢が出るとカーソルを上から下に何回もループさせた後に選ぶようになっていて進めるのが遅い。競馬場でもルールを聞くをよく選ぶ。
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デートでも相手をランダムで選ぶためハートが全然たまらないことが多い。ハートが満タンになった時のプロポーズのみ即決するようになってはいるが、全般的にテンポの悪さにつながっている。
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結婚相手にとんでもない奴が混ざっている。
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前作にもハズレといえる人がいたのだが、本作ではそれを上回る人がまぎれこんでいる。
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りりいさん と せいこくん の二人で、これがなんとニューハーフでありゲイバーで知り合うことになる。
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ニューハーフにもかかわらずしっかりと子供が生まれるなど結婚後のイベントに差はないものの…。
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しかも前作の二人とは違い中学校から出てくる上にゲイバーに行った(知り合った)だけでハートが+5されるため、もう一度ゲイバーに行ってしまえばそれだけで満タンになってしまう。プロポーズを拒否すればいいだけだが。
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口癖による格差
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ゲームスタート時にランダムで決まるが、男性・・「だべ」「ですたい」、女性・・「だっちゃ」「じゃけん」の人は、田舎に強制転校(不良になりにくいが、ステータスの伸びが悪いコース)、電車で都会に出てきたときに職務質問を受ける、ディスコの服装検査に引っかかるなどデメリットが大きい。
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一応日本語教室で「ござる」「ざーます」になれば回避できるが、止まるかどうかは運次第
総評
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マス目がない、サイコロではなくルーレットなど異色な雰囲気ながら完成度は高く、前作より時間はかかるもののしっかり楽しめる作品。
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シリーズがファミコンからスーパーファミコンへ移るにあたって題材を多方向に発展させるきっかけになった作品である。
余談
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本作の開発を担当したアクトジャパンは本作の開発によって得たノウハウとルーレットや口癖などの要素を活かして、名作『ドキドキ青春編』を生み出すことになる。
最終更新:2023年09月03日 20:30