ワープマン
【わーぷまん】
ジャンル
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アクションシューティング
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対応機種
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ファミリーコンピュータ
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発売・開発元
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ナムコ
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発売日
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1985年7月12日
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定価
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4,500円(税別)
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プレイ人数
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1~2人
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判定
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良作
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ポイント
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異なる2つのスペースアクション 2人プレイは協力も対戦もヨシなゲーム性
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概要
1985年7月にファミリーコンピュータ用カセットとして発売されたナムコのアクションシューティングゲーム。
大元は1981年7月にアーケードで販売された『ワープ&ワープ』で、そのアレンジ移植となる。
2人同時プレイが可能。お互いにスコアアタックするような形での対戦となる。
内容
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スペースワールドとメイズワールドを行き来しながらソルジャーベムを20体倒すことでステージクリアーとなる、ステージクリア型のゲーム。
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当時のゲームらしくハイスコアを目指してエンドレスにループプレイするスタイルで、何ステージクリアしてエンディングといった概念はない。
敵キャラ
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ソルジャーベム
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ベロ
特に特徴はなく一番弱い。
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ドッペ
産卵して数を増やしてくる。
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ガラモ
時折、潰れた状態になり、その状態ではこちらの攻撃が効かない。
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上記ソルジャーベムは一定時間で色が周期的に変わる。同色同種で3体やっつけるとソルジャーベムよりも高得点の「ミステリーベム」(クワガッタン・オニガマラン・シシガトリン)が登場。
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「ミステリーベム」は画面四隅に現れ一直線に移動して消える(曲がることはない)。
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また文字「E」「X」「T」「R」「A」を持って出現することがあり、その状態でやっつけるとその文字がストックされ「EXTRA」と5つ揃うと残機が1人増える。
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既に持っている文字とダブった場合は倒しても意味はない(得点のみ)。
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ソルジャーベムの残り数は画面左側に表示されている。
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ワールドをワープすると、今画面に出ているソルジャーベムは一旦消えるが、左側の残り数に還元される。
スペースワールド
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リニアガンを撃って敵を倒すステージ。
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プレイヤーキャラを撃つと、撃たれた方はその場でクルクル回って一瞬動けなくなる。
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パワーアップターゲットを取ってから来ると一定時間リニアガンの弾が発射した弾が外壁、岩、敵に着弾すると後述の爆弾のように広範囲に爆発する強力なものになる。
ただし、爆発に自分まで巻き込まれて死ぬ恐れもある。ステージクリアすると時間に関係なく効果がなくなる。
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中央部の銀河(星雲のようなもの)が回転しながら光っている間に触れると「メイズワールド」へワープする。
メイズワールド
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時限爆弾をセットして敵を倒す、まるで『ボンバーマン』のようなステージ。
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当然だが、自分たちの仕掛けた爆弾の爆風に巻き込まれるとミスになる。
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設置時にボタンを長く押すほど、爆発までの時間が長くなる。また同じ場所にダブって配置することも可能。
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パワーアップターゲットを取ってから来ると一定時間爆弾が敵が触れると吸着するようになる。また、爆風の範囲も大きくなり斜め方向にも爆風が届くようになる。
これもステージクリアすると時間に関係なく効果がなくなる。
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爆風がかかっても爆弾同士の連続爆発はしない。この点は『ボンバーマン』とは異なる。
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特定のアイテムを取ると「ワープドア」が出現。
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これに爆弾の爆風を当てると開いて入れるようになり、入ると「スペースワールド」にワープする。
評価点
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当時としては珍しい2つの異なるタイプのゲーム性を融合。
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一般的だったシューティングに、ボンバーマンのようなタイミング重視のアクションを融合させている。
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しかもただ一方に滞在するだけではできないパワーアップなど、ちゃんとそれぞれのワールドをワープすることそのものに価値を持たせている。
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対戦においても、自分の得意な方にいかに誘い込むかといった駆け引きも生まれてくる。
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汎用性の高い2人プレイ。
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後の『スカイキッド』のようにスコアで対戦するもよし、お互い協力するもよしで違った楽しみ方ができる。
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実際、メイズワールドでは後の『ボンバーマン』のような対戦もできるし、スペースワールドではリニアガンがプレイヤー同士で撃ち合った時の特殊な効果まで完備されている。
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後の『ボンバーマン』にも無い爆弾機能。
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起爆までの時間を変えられたり、同じ場所にいくつも置けたりと、いろいろ自分好みな使い方ができるようになっている。
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基本的にはとっつきやすいゲーム性で、難易度もそこまで高くない。
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当時のゲームは長く楽しませるため、高難度な傾向にあったが、本作は序盤のステージは低年齢層でも楽にクリアできるほど。
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メイズワールドは爆発のタイミングが掴めず多少は難しく感じるかもしれないが、操作自体はシンプルなので後述のクセはあるもののゆっくり慣れていけるぐらいの難易度である。
問題点
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メイズワールドでは少々シビアな操作が求められる。
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特にこれが大きく影響するのが連続で壁や柱にちょっと引っかかっただけで進めなくなったり、思わぬ方向に向いてしまったりと予期せぬことが起きるため、慣れるまで厄介なものになる。
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連続でセットすると大体すぐ爆発するので、自身が巻き込まれるアクシデントに繋がりやすい。
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ミステリーベムがどれも違いがなく事実上同じものでしかない。
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得点はクワガッタンが500点、オニガマランが1000点、シシガトリンが2000点と差があるものの、いずれも同じスピードで横切るだけ。
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『スペースインベーダー』のUFOのようなボーナスキャラなので、あまり気にする必要もないのだろうが、折角見た目も得点も違うので、ここにも個性があればより面白くなったことだろう。
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変わり映えのしなさ過ぎるステージ。
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ステージが進んでも、フィールドは障害物の位置が違うだけ。広さは同じ。敵も3種類は変わらず、ステージによって出ないものがあるだけ。
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つまり、いくら進んでもステージがまるで変わり映えしないため、飽きやすい。
総評
当時のゲームの中でもシンプル路線だがとっつきやすいバランスで、2人同時プレイが可能であるのに加えて、その内容も対戦から協力までできるなど楽しみ方に自由度がある。
異なるゲーム性の2つのワールドを単に行き来するだけでなく、パワーアップもそれに紐づいているなどタイトルにもある「ワープ」そのものを重要視するコンセプトも一貫している。
手軽に始められて、慣れていくことで広がるスコアアタック、2P同時プレイの面白味などもあり、初心者から熟練者までウェルカムな点はナムコ作品らしい良さがある。
移植版
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Nintendo Switch用ゲームソフト『ナムコットコレクション』の有料DLC第2弾として2020年8月20日から配信されている。
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原作である『ワープ&ワープ』はMSX等に移植されているほか、2023年11月22日よりアーケードアーカイブスの1作品として配信が開始された。
余談
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本作は当時のナムコで「神様」と呼ばれていたプログラマーの深谷正一氏が手掛けていたが開発中に急逝。深谷氏の遺作となってしまった。
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ゲーム画面上でプレイヤーキャラはずんぐりした可愛らしいデザインだが、パッケージデザインではこのゲームのルーツになっている『ワープ&ワープ』に近いやや高頭身でスリムな体型をしている。
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本作とは関係ないが「ワープマン」という名称は後にカプコンの定番シリーズとなるSFアクション『ロックマンシリーズ』でバグを利用したTASのタグとして使われている。
最終更新:2023年11月22日 06:25