本項ではプレイステーション版、セガサターン版を基準として紹介しています。
【ななつのひかん】
ジャンル |
アドベンチャー (メーカー公称:謎ベンチャー) |
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対応機種 |
プレイステーション セガサターン Windows Macintosh |
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メディア | CD-ROM3枚組 | |
発売・開発元 | 光栄 | |
発売日 |
【SS】1996年4月5日 【PS】1996年8月9日 |
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定価 |
【SS】【PS】7,800円(税別) 【Win】【Mac】9,800円(税別) |
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廉価版 |
【SS】KOEIBestコレクション 1998年4月9日/2,800円(税別) 【PS】KOEItheBest 1998年12月10日/2,800円(税別) |
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プレイ人数 | 1人 | |
レーティング | 【SS】セガ審査:全年齢推奨 | |
判定 | バカゲー | |
ポイント | カオスな志茂田ワールド | |
七つの秘館シリーズ
七つの秘館 / 戦慄の微笑 |
表題の通り、七つの館を舞台としたアドベンチャー。
原作・シナリオに直木賞作家でタレントの志茂田景樹を招いている。
ジャンル名「謎ベンチャー」を標榜し、館に仕掛けられた謎を解き明かして進む謎解きゲームの性質を持つ。
パッケージ裏の煽り文句によると「今までのアドベンチャーより7倍楽しめる!」(*1)とのこと。
スペードの女王が笑うとき キングはリングを捨てる
死せる孔明に目を与え 静かに沼に行くべし
時を刻む蠍が、水に帰る
風車回らば 耳に栓をして闇で照らせ
スフィンクスは口を開け 封印の部屋へ歩くであろう主人公・一平は、叔父であり飛鳥家(*2)の5代目当主である周太郎に呼び出された。
飛鳥家は明治初期、初代・喜兵衛が事業を興して栄えてきた由緒ある家系である。
70年ほど前、有り余る金に任せて七つの不思議な館「岬の七館」を建てたのだが、それが半年後に取り壊しが決定したという。
しかし先代である4代目・周平は生前、七館に一族の秘密が莫大な財宝と共に隠されていることを話していた。
飛鳥家は初代が事業を興す以前の記録が全く残っておらず、また初代もどこから来たのか誰も知らない。
七館を建てた3代目・銀次郎はその秘密を知り、何らかの理由で七館に封印したのだと言う。
七館には仕掛けが施されており、一から六の館の謎を順番に全て解き、本館の秘密を明かせば財宝も一族の秘密も手に入るらしい。
そして先代はそれを成し遂げたものの、秘密も財宝の在り処も自分の胸に秘めたままこの世を去った。
取り壊される前に一族の秘密と財宝を探し出す。これが一平への依頼だった。
一平は冒険心と好奇心の赴くまま、恋人の玲奈と一緒に岬の七館へと向かった。
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怪しい館を探索して謎を解く、というありふれたゲーム性に奇才・志茂田景樹のセンスによって唯一無二の味付けが為された珍作。
天然、悪質な遊び心、意外な生真面目が同居したともされる作風は、世界観やストーリーのみならずゲーム全体に行き渡っている。
故に「謎解き好きなら誰にでも勧められる」などとはとても言えないが、ぶっ飛んだノリを楽しめる人、
一風も二風も変わった謎解きゲームに興味がある人は手を出してみてもいいかもしれない。
*1 セガサターン版のみ「7倍おもしろい!」
*2 プレイヤーが設定した主人公の苗字に応じて変わる。
*3 後に判明するが既に三人組に殺されており、遺体は湖に遺棄されている。
*4 「アイアンメイデン」とも。聖母マリアなどを象った鉄の人形の内側に無数の針が仕込まれており、中に入った人間を刺す拷問・処刑道具。作中では「鉄娘」と表記される。
*5 作中では霊体の人物が登場するのだが、明らかに生者とは思えない振る舞いが満載なのに全く疑いを持たず、最後に正体を明かして初めて幽霊だったと気付く有様。やはり深く考えていないようだ。
*6 例外を挙げると、ベートーヴェン像に話しかけて一族の話を聞くシーンがあるが、どちらにせよまともな相手ではない。
*7 これだけダメージトラップ。邪魔してどうするのか…。
*8 よりによってここでヒロインが敵に連れ去られるが、そんな重大なイベントとて例外ではない。
*9 ちなみに劉備、関羽、張飛の人形は何故かCGではなく同社の『三國志』シリーズ調のイラストで描かれている。
*10 撃退アイテムの大半はストーリー上の通り道にあるので、目についたアイテムを片っ端から回収していればこの先制攻撃を見る機会はあまり無い。
*11 しかも主人公の方も泳いで館に到達するので結局は大した妨害も出来ていなかった。
*12 一人だけこのイントネーション。
*13 信長像とヴィーナス像のオブジェを入れ替えたり、ナポレオンの絵に武田軍の軍旗で有名な「風林火山」のプレートを填めたりなど、謎解きのテーマとしても不統一。最後だから敢えてごちゃ混ぜにしたのだろうか。
*14 当初は前作となるはずだった『EMIT』では同じく著名な作家の赤川次郎を招いていた。