SIMPLE1500シリーズ Vol.19 THE すごろく
【しんぷるせんごひゃくしりーず ぼりゅーむじゅうきゅう ざ すごろく】
ジャンル
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ボードゲーム
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対応機種
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プレイステーション
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発売元
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D3パブリッシャー
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開発元
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アメディオ
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発売日
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1999年11月18日
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定価
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1,500円(税別)
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プレイ人数
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1人~4人
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判定
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クソゲー
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ポイント
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本当にただのすごろく ほぼサイコロを振り続けるだけ 2時間でほぼ遊びつくせる内容
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SIMPLE1500シリーズ
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概要
D3パブリッシャーが販売する、定価1500円という廉価な価格を売りとしたゲームシリーズ「SIMPLE1500シリーズ」の19作目。4人対戦型のシンプルなすごろくで、人が足りない場合でもCPUを混ぜて好きな人数で遊べる。
開発元のアメディオ(AMEDIO)は本作以外にもいくつかSIMPLE1500シリーズを手掛けているメーカーで、後に『SIMPLE1500シリーズ Vol.55 THE ダーツ』や、『SIMPLE1500シリーズ Vol.99 THE 剣道 ~剣の花道~』などを開発した。
特徴・システム
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ゲームモードは「ノーマルスタイル」「ニュースタイル」の大きく2つに分かれる。ノーマルスタイルはシンプルなすごろく、ニュースタイルは通常のすごろくにオリジナル要素を追加したものとなっている。
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ノーマルスタイルは文字通り普通のすごろくで、ひたすらサイコロを振り、止まったマスの「1回休み」「〇マスすすむ」といった指示に従ってゲームを進め、最初にゴールしたプレイヤーの勝利となる。
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ニュースタイルはそれに若干のアレンジが加わっており、道中のお宝マスで集めたお宝に設定されたポイントと、ゴール順位ごとに設定されたボーナスポイントの合計が高かったプレイヤーの勝利となる。
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なお、オプション機能もあり、出目がちょうどでないとゴールできないかオーバーしてもよいかと、ゲーム終了までのゴール人数(1人あがりもしくは全員上がり)を設定することができる。
問題点
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価格を考慮してもあまりに薄いボリューム。
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ゲーム内容は本当にすごろくをするだけ。マップも「商店街マップ(小)」「世界探検マップ(中)」「宇宙マップ(大)」の計3種類のみ。
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一応それぞれにノーマルスタイルとニュースタイルが存在しており、マップの内容も若干変化するが、それでも実質6種類である。
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そのため、プレイ時間は各マップを両モードで一通り遊んでも2時間にも満たない。
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乏しいゲーム性。
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ノーマルスタイルは技術介入要素が全くない完全な運ゲー。ニュースタイルで追加されるシステムにもそういった要素はほとんどない。
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というか、ニュースタイルで追加される要素はお宝、ミニゲームマス、分岐でのルート選択のみである。
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3種類のミニゲームの内容はそれぞれカード引き(くじ引き)、パネルめくり(神経衰弱)、スロットといった内容で、腕前が出るとは言い難い。唯一スロットは目押しが効くので、自分がお宝マスに移動するような目で止めることは可能ではある。
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結局やることがひたすらサイコロを振り続けて時々おまけレベルのミニゲームを遊ぶだけで、シンプルに内容が薄くつまらない。マス目の種類やミニゲームの結果で起こる効果も、「ワープする」「1回休み」「〇マスすすむ、もどる」「お宝ゲット」しかなくバリエーションに乏しい。
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お宝システムもあまり意味がない。
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ニュースタイルでは「お宝」の要素が追加されるため、単純なゴール順位だけでは決着が付かないとされているのだが、実際はゴール順位の影響が大きすぎる。
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道中で手に入るお宝は、商店街マップでは200~500前後が3個、世界探検マップで300~500程度の安いお宝もしくは2000~3000程度の高いお宝が合計5個程度、宇宙マップで700程度の安いお宝もしくは3000程度の高いお宝が合計7~10個程度。
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それに対して、1位でゴールした時のボーナスが商店街で2000、世界探検で8000、宇宙で16000と非常に大きい。
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そのうえ、2位のボーナスは1位の1/2、3位のボーナスは1位の1/8しかない。結局、ノーマルスタイル同様に1位でゴールしたプレイヤーの勝ちとなりやすく、特に3位以下にはほとんど希望がない。
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特に、オプションで上がり人数を1人あがりに設定すると1位がゴールした時点で1位だけにボーナスが入ってゲームが即終了してしまうため、ほぼ確実に1位の勝ちとなる。なのにデフォルトではノーマルスタイルが全員あがり、ニュースタイルが1人あがり。
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お宝同士が特定の組み合わせになると特別ボーナスが入るが、宇宙マップ以外ではほとんど成立しない。また、ボーナスになる組み合わせは確認できないので、突然「○○ボーナスが入りました」と言われるだけの分かりづらいシステムになっている。
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同じマスに2人が止まるとお互いにサイコロを振って出目で勝負し、後からそのマスに止まった側が勝つとお宝を一つ奪えるという逆転要素もあるのだが、これもあまり機能していない。
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そもそもワープマスの影響でプレイヤー同士が離されやすいので同じマスに止まること自体が稀。その上、お宝が0個だと奪えない、効果のない普通のマスでしか奪えない、出目が同じだと奪えない、奪えるお宝はランダムと制約が多すぎる。
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運ゲーと割り切って楽しむにしても盛り上がりに欠ける。
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主にワープマスの影響が大きすぎる。ワープマスは2つのマスがセットになっており行き来する仕様になっているため、一気に10マスほど進む、もしくは戻ることになる。
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このせいで全員の位置に大きく差がつきやすく、単純にゴール順で勝敗が決まるノーマルスタイルでは、早々に大勢が決してしまったように感じられやすい。ニュースタイルでも前述の通りゴール順で勝敗がつきやすいため大して変わらない。
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実際のところは、ワープマスで再度逆転することもなくはない。しかし、世界探検マップや宇宙マップではマップが無駄にグルグルと入り組んでいるため、あちこちワープしているとそのうち今のワープが進むワープだったのか戻るワープだったのか、誰が今1位なのかもよく分からなくなってしまう。結果的に再びワープマスで逆転しても状況を理解しづらく、よく分からないままサイコロを振り続けていたら、いつの間にか逆転してゲームが終わっていたということも珍しくない。
評価点
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手軽に遊べる。
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1回のプレイ時間は狭いマップならわずか5~10分、広いマップでもせいぜい20~30分ほど。特に難しい操作などもなく、誰でも簡単に遊べる。
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また、セーブ機能が一切ないため、メモリーカードも不要。コントローラーも1個もしくは2個を全員で回すだけで最大4人が遊べる。
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マルチタップなしで4人で遊べる初代PSソフトはそこそこ貴重。もっとも、同じく初代PSで出ている『桃太郎電鉄シリーズ』や『いただきストリート ゴージャスキング』なども本作同様の形式で4人遊べるのだが……。
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コマ、お宝の種類数は多い。
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自キャラとなるコマは各マップに8体ずつ計24キャラ存在している。
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また、お宝もマップごとに異なるものが用意されており、種類数も比較的多い。ゲーム的にはポイント数と組み合わせのボーナス以外に違いはないが、見ている分にはある程度楽しめるかもしれない。
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宇宙マップは他のマップに比べればまだ遊べる出来。
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宇宙マップではマップが大きいためお宝の組み合わせでボーナスが発生するなどして順位ボーナスが覆ることもある。そのため、分岐で近道して順位ボーナスを狙うか遠回りしてお宝を集める機会を増やすかという選択肢は一応生まれる。
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ただし、多少分岐で考える余地があるくらいで、ひたすらサイコロを振り続けるだけのゲーム性に変わりはないので、30分近く飽きずに耐えられるかどうかは微妙なところ。
総評
ただただすごろくをするだけという内容は、ある意味「看板に偽りなし」と言えなくもないのだが、それにしてもあまりにも内容が薄すぎる。小さい子どもでも遊べる易しいゲームとして見ても、どうにもパーティーゲームとしての盛り上がりに欠ける節があり、たかだか30分程度のプレイの途中で飽きかねないレベル。
どうせ運ゲーにするなら派手な逆転要素などがあれば盛り上がったかもしれないが、それすらないため手軽に遊べる運ゲーとしての需要にも乏しい。
ダラダラとサイコロを振り続けるだけで、プレイ時間が短いのにそれでも飽きるという点ではある意味かの「ゲー無」に近い部分すらある。
余談
最終更新:2023年11月24日 04:16