スーパーブラックバス
【すーぱーぶらっくばす】
| ジャンル | 釣り(シミュレーション) |  
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| 対応機種 | スーパーファミコン | 
| 発売元 | ホットビィ | 
| 開発元 | ホットビィ | 
| 発売日 | 1992年12月4日 | 
| 定価 | 9,800円(税別) | 
| プレイ人数 | 1人 | 
| 判定 | 良作 | 
| ポイント | 7作目にしてようやくまともな釣りゲーに | 
 
概要
ホットビィのSFC参入初作品にして、SFC初の釣りゲーム。
PC及びFC移植の『ザ・ブラックバス』シリーズの続きにあたる。
MDで『キングサーモン』、GBで『ハイパーブラックバス』、そしてSFCでスーパーブラックバスシリーズを展開していく予定だったが……
ゲームの進め方
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『ザ・ブラックバス』シリーズにはお馴染みの、大会で良い成績を残してランクを上げ次の大会へ進行し、バスチャンピオンシップで優勝するのが目標。
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優勝はあくまで目標であり、規定順位以上なら大会クリアとなる。優勝してもお褒めの言葉が変わる程度。
 
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ボートで釣るポイントを移動→ルアーを選ぶ→投げ入れる位置を決めキャスト→リトリーブ→食いついたらアワセ→ファイト→場が荒れるので別のポイントへ移動、を繰り返す。
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時間帯や釣るポイントによって効果的なルアーを使い分け、その種類によってリトリーブの方法も変えなければ魚は近寄ってこない。
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ルアーは全8種類で、色違い含めて27個ずつ持っており、使い切る事はほぼない。次の大会になると補充される。
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キャスト時は投げ入れたい位置にマークをつけることができる。
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ファイト時は魚の力の入れ具合を読みながらリーリングしたりやめたりを繰り返す。魚との距離が0Mになれば釣り上げ成功。
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自分と魚の両方が力を入れているとラインに負荷がかかり、バーメーターで表される。メーターいっぱいまで負荷がかかるとラインが切れてしまい釣り上げ失敗となる。
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バスは水面上に飛び跳ねることもあり、その場合すかさず力を抜かなければならない。また、針外しやエラ洗いをしようとしたらすぐにアワセをしないと針が外れてしまう。
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魚と釣り人の両者に体力値が設定されており、ずっと力を入れていると疲労して△マークのアイコンが青→黄→赤になる。待機して魚の体力を切らすのもランカーを釣る時の戦法の一つ。
 
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大会参加者の釣果スコアはラジオ放送で確認できる。入賞できそうならその場で釣りをやめて大会本部に戻ることも可能。
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スコアは釣り上げたバスのうち重いもの5匹の総重量で競われる。
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終了時間に遅刻すると減量ペナルティが課され、20分以上遅刻で失格となる。
 
 
評価点
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SFCに移行したことで、過去作に比べてグラフィックが格段に進化しリアルさが増した。
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ランカーに対してリトリーブが成功すると、水底から砂煙をあげて動き出す演出が入る。
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サウンド面でも進化し、水の音や小鳥のさえずり等が加わって臨場感あふれる釣りが楽しめる。
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水中に沈んでいる藻に根がかりすることもある。物によってはラインが切れてしまうので、沈まないルアーを使うか、うまくよけて釣らなければならない。
 
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釣竿を持った気分を出すためか、操作と同時にLかRボタンを押す事で「力を込める」ことが可能。
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キャスト時、アワセ時、リーリング時等、使用場面は多い。
 
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環境によるバスの活性の変化を再現。
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主に時間帯と天候、それから気温によってバスが移動し、ランカーが潜む位置も変わる。
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一度ファイトすると環境が荒れて魚がいなくなるので、キャスト位置を変えるか次のポイントに移動するのが基本。時間が経過すると再びバスが元のポイントに戻ってくる。
 
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水中の視認性が良く、魚の発見が容易になった。
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深場にいる魚は影しか見えないが、浅場までおびき出せば魚の色や模様が分かる。
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釣る前からどんな魚なのかを知ることができ、釣ってみたら外道でガッカリという事もない。
 
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夕暮れや雨天時でもちゃんと見える。さすがに霧が出ると見にくくなるが、これは自然現象なので仕方ないだろう。
 
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バスを釣ると経験値が入ってレベルアップする。
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過去作の『ザ・ブルーマリーン』では釣り方等によって成長する能力が違ったが、本作では特にそういう要素はない。
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体力のパラメータがなくなり、小魚を釣りまくる作業を必要としなくなった。
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レベルが低くても操作が上手なら大物を釣ることができるようになり改善されている。
 
 
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バス以外の魚も釣ることが可能。
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釣っても経験値にはならないが、バスのように飛び跳ねたりエラ洗いをしないため釣り上げやすく、ファイトの練習台になる。
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本番ではバスかどうかを見極めて釣らないようにすれば良い。
 
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小魚はリトリーブが甘くても近寄ってくるので、「まず魚が釣れない」という過去作の問題がなくなった。
 
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バスとのファイトが楽しい。
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バスはラインを引っ張るだけでなく飛び跳ねるなどのアクションを取り、うまく対応できないとルアーが外れたりラインを切られたりする。そう簡単には釣り上げさせてくれない。
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この駆け引きこそがバスフィッシングの醍醐味であり、ランカーがヒットしたときに釣り上げ成功するまでのワクワク感が半端ない。
 
 
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やりこみ要素として、各湖のランカー記録更新がある。
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大会開始時の湖の紹介画面で記録重量が表示されるが、それ以上の大物が釣れることもある。
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記録更新すると計量の時に歓声が上がり、審査員も驚きのコメントを残す。
 
 
賛否両論点
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セーブ機能がなくパスワード制。
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パスワードを残しておけば、好みのステージ(湖)をいつでも好きな時にプレイできる。
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入力文字数は26文字とそれほど多くないが、アルファベットと数字のほか、トランプのスートマークなどが使われていてややこしい。
 
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リアルさを追求したぶん、珍魚や人魚など非現実的な魚がいなくなった。
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続編では徐々に復活していくので、需要はあったと思われる。
 
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キャスト時はサミングをかけてバックラッシュしないようにするのが一般的だが、本作にあるのはサミングだけでバックラッシュは起きない(次回作から採用)。
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その代わり、ルアーを飛ばしすぎると画面外へ飛んでいき失くしてしまうペナルティがある。
 
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あまり当てにならない魚探。
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たまに魚の影が映って音も鳴るが、魚の種類や大きさまではわからない。
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水深は正確に分かる。海溝のように急激に深くなっている場所もあり、そういう場所を探すのには役立つ。
 
問題点
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大会終了時にしかパスワードを取れず、大会途中で中断ができない。
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専門用語の説明がない。
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例えば早朝のアドバイスでは「バスはシャローに集まっています」と出るが、シャローの意味を知らない人はどこへ行けばいいのかわからない。
 
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大会参加以外のモードがなく、フリーで魚を釣ることができない。
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天候や風向きの切り替わりがランダム。
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雷雨になってしまうこともある。こうなると釣りを打ち切るか天気が変わるまで待たなければいけなくなる。
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向かい風から突然追い風に変わると、うっかりルアーを飛ばしすぎて失くしてしまいやすい。
 
総評
過去作から不評・非現実的な要素を廃止し、リアルさを重視したバス釣りゲームがここに完成した。
釣り道具を集めたり糸が絡まったりなど面倒な要素がなく、ただ魚を釣るだけという、いたってシンプルな作品。
SFC初の釣りゲーということもあり、とりあえず「バス釣りとはどういうものか」を体験してみたいという人にはもってこいのゲームと言えるだろう。
余談
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本シリーズは日本よりも海外で先行して発売されている。
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『スーパーブラックバス2』の海外版発売後、日本版の発売前にホットビィが倒産してしまい、以降のシリーズは版権を引き継いだスターフィッシュから発売されることになった。
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ゲーム内の舞台もアメリカに移っている。本作の正当進化系で、アドバイザーが追加されて親切設計になり、隠しルアーやライバルキャラ等の新たな試みがなされている。
 
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『スーパーブラックバス3』は舞台が日本に戻り、日本の湖や用語解説に重点を置くなど方針転換を図った。
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良くも悪くも初心者向けにした結果、大会レベルが非常に低いものとなってしまい、シリーズ経験者には物足りない。
 
 
最終更新:2023年12月19日 20:37