サイバトラー

【さいばとらー】

ジャンル シューティング
対応機種 アーケード (メガシステム1)
発売・開発元 ジャレコ
稼働開始日 1993年
プレイ人数 1~2人(同時プレイ)
レーティング CERO:A (全年齢対象)
※アーケードアーカイブス版より付与
配信 アーケードアーカイブス
【Switch/PS4】2021年2月18日/Switch・838円 PS4・837円(税込)
判定 なし
ポイント 隠れた秀作になり得なかった


概要

縦画面全方位STG。2人同時プレイ可能。全6面1周エンド。
自機は80~90年代的なデザインの7m級ロボット「CYX-0017 " BLANCHE (ブランシュ)"」。オープニングで自機の設定が表示される。

システム

  • スクロールは基本上方向に固定*1だが、自機攻撃方向は進行方向に準じる。ライフ制。
    • コンティニュー後は戻り復活となるため、連コインでのごり押しプレイは不可能。
  • 8方向レバー2ボタン式。ボタンはショットとソード。
    • ショットは長押しで連射するフルオート式。画面下部にゲージがあり、ショットを撃たないとゲージが溜まっていき溜まった状態だと発射数や威力が変化する場合がある。
      • 威力は連射を直撃させれば敵の雑魚を容易く破壊出来るが、射撃への耐久の高いシールド持ちなども出るため頼り過ぎは禁物。
    • ソードは文字通りビームソードを振るう近接白兵攻撃。距離は短いが攻撃範囲がそこそこ広く、威力は高く(ソードは道中の小型や同サイズノーマル雑魚はほぼ一撃)連撃が可能。
      • ソードで敵を切り裂くと特定の敵は真っ二つになって爆発していく。更に一部の敵は斬り付けた方向に応じて縦に真っ二つ横に真っ二つと変化する。尚、ソードでこれらの切断演出がある敵を倒した場合はショットで倒した時の2倍のスコアが入る。*2
    • ショット・ソードのどちらのボタンも長押し中は機体の方向が固定され、移動時に方向を固定したまま攻撃が可能。
  • ステージ間のインターミッション画面で機体の修復と同時に換装が行われ、次の面の自機の装備する武装が変化する。
    • ショットの性能が変化するだけではなく、ビームシールド*3やミサイル*4が追加されたりもする。ソードの性能は変わらない。
  • 1面と2面のみ補給機が現れオプションや得点アイテムを投下したり、3面ではメガバズーカランチャーをその面に限って入手、装着する事ができる。
    • オプションは自機ショットに合わせてショット攻撃を行う。
    • メガバズーカランチャーは自機の攻撃方向が上に固定されるが、非常に強力なショットを撃つ(ショットゲージは共用の為ゲージを溜めるとより強力なショットを放つ)事ができる様になる。
      • 自機とは別の耐久値を持っている為、自機が装着している状態で敵の攻撃を受け過ぎると自機とは別に破壊されてしまう。
      • ソードボタンを押す事で任意のタイミングで手放し、ランチャーへのダメージを避ける事が可能。ただし手放した状態で一定時間経過すると後退し画面からロストするので、その前に再装着する必要がある。

評価点

  • 道中に出現するかませ犬的なライバル機、デモ画面で見られる出撃シーン、大量に出現する敵雑魚機体をソードで真っ二つにする無双要素、ボスの敵巨大兵器。
    縦STGなのにロボットアニメの様な展開が繰り広げられる。
  • プレイヤー次第で変化する攻略方法。ソード中心にするにもショット中心にするにも、異なった立ち回りが要求される。
    • 尤も道中は既存のSTGの様に「基本は遠距離射撃と回避で機会が有ったら近接白兵」戦法よりは「積極的に近接白兵を仕掛けていき、近接では取りこぼしたり厳しい敵を遠距離射撃で仕留める」戦法の方が上手く立ち回り易い。
  • 音楽はなかなかかっこよく、メカデザインや設定等もどこかで見た様な部分が有りつつもカッコイイ(当時基準)。グラフィックも緻密精細で美しい。

問題点

  • 難易度が異様に高い。
    • ゲームバランスが悪い訳ではなく、本作のために構築されたシステムの難易度自体が高い。ボタン長押しによる方向固定と振り向き撃ちを要求されるステージ展開が繰り広げられる。
      • 特定の行動を採る事で取得できる「スペシャルボーナス」が存在するが「補給機のアイテムを全部拾った上で射撃をしない(ソードしか使わない)」「ランチャーを持った状態でステージクリア」など難しい物が多い。
    • 道中入手できる隠しアイテム「シールドユニット(レバーとソードボタンによるコマンド入力で全方位をカバーするバリアが張られ一定時間敵弾を無効化)*5」が強力なのだが、これの使用を前提とした思しき猛攻をラスボスが仕掛けてくる。
      • ラスボスはそれまでに出現するどの敵とも比べられない程攻撃が激しく、縦横無尽に画面を動き回る。
        大気圏に突入し降下しながらの戦闘はその激しさも相まって印象深くカッコイイのだが、隠しアイテム前提のバランスと言うのはいかがなものか。
        一応距離を離した回避重視での射撃主体でならシールド無しでの撃破も出来ない事は無いが。
      • また、シールドはレバーとソードボタンによるコマンド入力という発動方法のため、暴発しやすい。シールドを使いたくない場面ではソードの使用を控える必要を迫られてしまう。また、その逆の肝心なタイミングで出ないという状況も。

総評

同年の縦STGに『戦国エース』に『VV(ヴイ・ファイヴ)』、『大王 DAIOH』と言ったキワモノSTGが揃っている事を考えると、本作の知名度が低いのは当然といえば当然である。
しかもその癖の強い操作性と、それを要求するゲームバランスから、食い付きこそ良かったのだが定着せず、すぐにアーケードからその姿を消してしまった。
よしんばやりこんでいたとしても、隠しアイテムに気づかなければラスボスに駆逐され挫折する(ワンクレジットクリアに拘るなら、だが)。

だが、「もしこのアイテムが隠しアイテムでなく必須入手だったら」と考えると、操作性の癖こそ強いものの、それを乗り越えた先に待っているのは計算された敵配置、ロボットアニメの様な演出、ドラマチックな展開、ラスボスとの激しい攻防。
名作扱いは難しいが、少なくとも多くのファンを捉えた「クソゲー扱いされ易い佳作」位のポジションを得ていただろう事は想像に難くない。

またこのゲームは長年アーケード版のみの展開だったのが惜しい。
ゲームの全体的なデザインやメカの設定等はどちらかと言えばCS機との相性が良い面が多くみられるので、当時のCSハードへの移植や模型などの拡張CM展開がされていればもう少し高い評価を得られていただろう。

移植

アーケードアーカイブス(Nintendo Switch/PlayStation4、2021年2月18日)

  • 稼働開始から28年目にして初の家庭用移植が実現。

余談

  • 2018年8月30日にPS4およびNintendo Switchで発売された『サイヴァリア ミディアムユニット』および同『リビジョン』のリメイク移植版『サイヴァリア デルタ』のDLCとして本作の自機である「CYX-0017 "BLANCHE"」が追加機体として登場している*6
    発売元のシティコネクションがジャレコの版権を持っているのと、「サイ」繋がりという半ばジョークの2点で収録が決定した。
    • 本作の8方向への撃ち分け(方向ロックはローリングボタンで行う)やビームソード攻撃、ビームシールドが再現されている他、ショット形態も本作に有った物が通常の『サイヴァリア』の自機「AXION(アクシオン)」同様にBUZZレベルアップによってパワーアップしていく様になっている。
      • ビームシールドによる一回だけ被弾しても大丈夫な所や特定の敵のみ近接で狙って倒し易いビームソード、ボムと化したシールドユニットなどを使い熟した上でBUZZレベル上げによるショット威力向上をする事が肝要な機体で、AXIONの様にBUZZ狙いのギリギリ回避とショット中心の戦法だけだとそこまで強くはなく、機体の特長を理解すると強みを引き出せる機体である。
      • ちなみに機体の方向を変えられる事の恩恵でボス敵などの裏に回って攻撃するといったプレイも可能。
    • BGMも本作のもののアレンジ版が選択可能となっている。
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  • タグ:
  • 1993年
  • AC
  • STG
  • ジャレコ

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最終更新:2024年01月06日 06:17

*1 最終面のみ下方向の「降下」になる

*2 たまにソードで倒しても切断されない場合があり、その場合はスコア2倍にならない。

*3 発生時一回だけ敵弾の被弾に耐える・喪失後時間経過で回復

*4 ショットボタンを押すとショットと同期発射される物、発射はボタンを随時押す(押しっ放しでは発射されない)必要が有る

*5 ちなみに使用可能回数はそれまで取って来た「スペシャルボーナス」の数に比例し初期値が15回で最大30回まで

*6 PS4/Switch版は初回版特典、2019年1月31日発売のSteam版は最初から付属。