だるま道場
【だるまどうじょう】
ジャンル
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パズル
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対応機種
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アーケード スーパーファミコン
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開発元
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メトロ
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発売元
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【AC】エイブル 【SFC】DEN'S
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発売日・定価
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【AC】1994年4月 【SFC】1995年2月10日/9,680円(税別)
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プレイ人数
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1~2人
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セーブデータ
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パスワード方式
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判定
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良作
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概要
だるま落としをモチーフとして、積まれたブロックを横から叩くことでブロックを移動させるというギミックが独創的なパズルゲームである。
本記事ではSFC版に基づいて紹介する。
ルール
「だるま落としの塔を何本か密接して一列に並べた状態で、任意の段を横から叩くとスライド移動して反対側からコマが1つ叩き出される」という現象を利用し、同じ色のコマを集めるのが目的となる。
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縦横それぞれ数マスのフィールドに、色分けされたコマが積まれている。
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叩き担当の操作キャラがフィールドの右側に待機しており、上下キーで移動。○ボタンでハンマーを振り、その段のコマ全てを1つ左側へスライド移動させる。
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左端のコマは叩き出され、フィールド下のスペースへ回収される。
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叩いたコマの上に乗っていたコマは足場を失うため、そのまま落下する。
+
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図解
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△|
△|▲▲△
△|▲△▲ ←この段を右から叩くと、
△|△▲▲
△━━━━━
△|
△|▲▲
▲|△▲△ 左に叩き出された▲が回収される。
△|△▲▲
△━━━━━
→→→→▲
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回収スペースが全て同じ色のコマで揃った場合、そのコマは全て消える。
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それ以外の場合は、その配列のままフィールド最下段にせり出す。
+
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図解
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△|
△|▲
△|▲△
△|△▲▲
△━━━━━
△△△▲▲ ←全て同じコマが揃わなかった場合は、
△|▲
△|▲△
△|△▲▲
△|△▲▲ ←そのまま最下段にせり出す。以下ループ
△━━━━━
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コマを全て消すことが、ステージクリアの条件となる。
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せり上がった結果としてコマがフィールド最上段を超えるか、画面左に表示されたタイマーが切れるとゲームオーバーとなる。
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タイマーは直接的な数字ではなく、「壁をよじ登っていく妖怪」という形での表示。コマを消すごとに攻撃が発生し、妖怪の動きを数秒間止める。
ゲームモード
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だるま道中記(ストーリーモード)…化け物退治の旅と称し、 全24ステージに挑む。
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このモードのみ、1Pキャラ(坊主)はタイマーが時間制、2Pキャラ(巫女)はタイマーが手数制と性能が差別化されている。
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だるま修行編(エンドレスモード)…一定時間おきにコマがまとめて降ってくるので、コマが最上段を超えないようにひたすら消していく。
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だるま問答(クイズモード)…提示された配置の通りにコマを組み替える。ルールの性質上、コマの色を揃えても消えないようになっている。
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ふたりで対決 (対戦モード)…画面分割で対戦。特定のコマを消すと相手にコマを降らせることができる。
評価点
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シンプルなルールでありながら、奥が深い。
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「同じ種類のコマを1つ残らず連続して叩き出す」。言葉にするとたったこれだけである。
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ランダム要素が一切存在しない、沈思黙考型のゲームである。最短手数クリアなどの美しさを追求するならルービックキューブのように逆算して手順を決めていく必要があり、考え甲斐がある。
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コマの多い初期配置が一番難しく、コマが少なくなるほど楽になっていく点も含めて『上海』のゲーム性に近い。
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ストーリーモードの序盤はコマ3つ x 4種だが、最終的に同8つ x 10種まで増大する。常にせり上がりによるゲームオーバーの危険がつきまとう終盤の歯応えはなかなかのもの。
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連鎖の概念や忙しい操作を要求されることがないので、初心者と経験者の対戦でもそこそこ良い勝負になることが多い。
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簡単な操作。
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上下キーと1ボタンのみである。左右キーと1ボタンの『パズルボブル』シリーズと並ぶ単純さだが、微妙な角度調整といった要素が無い分、本作はより取っつきやすいと言えるだろう。
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可愛らしいキャラクター。
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主人公の2人をはじめ、敵役の妖怪である河童・一つ目小僧・猫又などもコミカルで親しみやすい。
問題点
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リプレイ性が低い。
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ストーリーモードに収録されている初期配置のパターン数が少なく、2周目を遊んでいると「この問題、前にも見たな」と気付くレベル。チュートリアルを兼ねる序盤はともかく、せめて終盤だけでもコマがランダム配置になれば一人プレイでも長く遊べるのだが。
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加算されるスコアは「消したコマの種類に応じた得点」「ステージクリアボーナス」だけである。コマを全て消したらステージクリアというルール上、必然的に得られるスコアは初期配置のパターン毎に固定となり、ハイスコア更新を目指してやり込む余地が無い。残り時間が得点に換算されない点が悔やまれる。
総評
格ゲーブームの真っ最中にひっそりとAC版が稼働し、末期のSFCへひっそりと移植ということもあり知名度は低いが、パズルゲームとして遊び応えがある作品であることは間違いないだろう。
操作が簡単かつ忙しくないパズルゲームとして、普段ゲームをやらない人も交えたパーティゲームとしての利用にもオススメできる。
題材的に、祖父母と孫世代のコミュニケーションツールとしても良いのではないだろうか。
最終更新:2024年01月28日 15:07