tERRORbane
【てらーべいん】
ジャンル
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アドベンチャー
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対応機種
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Windows(Steam/Epic Games Store) Nintendo Switch
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メディア
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ダウンロード専売
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発売元
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WhisperGames
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開発元
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BitNine Studio
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発売日
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2022年4月1日
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定価
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1,640円(税込)
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レーティング
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IARC:7+
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プレイ人数
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1人
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判定
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良作
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バカゲー
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ポイント
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バグだらけの世界を攻略するRPG風ADV バグだらけと謳いつつ作り込みは本物 ゲーム関連のパロディネタがてんこ盛り 無料アプデで開発者のCVが杉田智和氏に
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概要
BitNine Studio開発、WhisperGames発売のインディーゲーム。
タイトルの「Terror」が大文字で「ERROR」と強調されていることからもわかるように、本作はゲーム内の「バグ」を見つけ出すアドベンチャーゲームとなっている。
システムこそ違うが、作風やコンセプトで言うなら『There Is No Game: Wrong Dimension』に近いか。
特徴
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昔ながらのファンタジーRPG風のアドベンチャーゲーム。
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あくまでも雰囲気がRPG風となっているだけで、システム自体にRPG要素はほぼない。
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ただし、ゲーム内には「バグ」が多く存在し、それらを見つけながらゲームを進めていく。
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ここで言う「バグ」とは、意図的に仕組んだ演出のことであり、本来の不具合という意味でのバグではない点に注意。
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ルートごとに一定数以上の「バグ」を見つけ出し、全て「壊れた」状態にすることで真エンドへと行くことができる。
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ゲーム開始直後から「ゲームの開発者(という設定のキャラクター)」が登場する。
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ゲーム内でバグ等を見つけたり、ストーリーを進めると、開発者がプレイヤーに対して様々なリアクションを見せてくれる。
評価点
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作り込まれた仕掛け・ルートの数々
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本作のストーリーは大筋・エンディングこそある程度決まっているものの、そこに至るまでのルートは2~3程度用意されている。
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プレイヤーの好奇心をくすぐるような仕掛けも多い一方で、メタ的な視点で試行錯誤することで、新たなルートを見つける楽しさもある。
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ボリュームも十分ある。ゲーム開始からエンディングまで到達する時間自体は2~3時間程度であるが、全てのルートやバグを見つけ出そうとすると、10時間はかかるであろう。
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質の高い日本語ローカライズ
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日本語訳も非常に丁寧。キャラクターごとの喋り方など、個性付けが上手くされている。
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手書き風の文字もちゃんと手書き風の書体を保ったまま日本語に訳すなど、しっかりと作り込まれている。
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無料アップデートで開発者の日本語吹き替えボイスも追加されたのだが、担当声優はなんと人気声優である杉田智和氏。どういう経緯で実現に至ったのだろうか……?
おバカな点
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メタ視点全開の台詞やネタの数々
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開発者はもちろん、ゲーム内の登場人物も、自分たちのいる世界が「ゲーム」であることを理解しており、それらを平然と口に出してくる。
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バグったNPCに言及する・RPGのあるあるにツッコミを入れる・自分の設定に関してファイルにそう書いてあるからとぶっちゃける……等々、とにかく豊富。
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ストーリーの中盤~後半で、プレイヤーはデバッグ・チート的な動作を起こせるようになるのだが、それらも演出等が凝っていて、プレイヤーを唸らせる。
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パロディネタもとにかく多い。それもゲーム関連のパロディネタは特に多く、ゲーム好きな人ほど、笑える内容となっている。
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この手の海外インディーゲーにありがちな、マイナーな洋ゲーのパロディはほぼ無く、パロディの元となる作品の殆どが、「世界的に知れ渡る有名作」か「国産ゲーム」を占めている。
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国産ゲームのパロディネタに関しては、本作が典型的なファンタジーRPGの世界観であることを考慮してか、『ポケットモンスター』や『ファイナルファンタジー』といった、JRPG関連のパロディネタが特に多い。
問題点
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主人公の移動が遅い
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マップの広さに対して、主人公の動きが遅く、地味にストレスが溜まる。
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特にSwitch版の場合、スティックでの斜め移動が、方向キーの斜め移動よりも何故か遅い。そのため、速く移動したいなら方向キーの利用を推奨する。
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一部の謎解きがノーヒント
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基本的にある程度は多くの謎解きにヒントはゲーム内で提示されるのだが、ほんの僅かだが謎解きがノーヒントで詰まりやすい箇所が何点か存在する。
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一応、真エンドへ辿り着くには全てのバグを見つけ出す必要はなく、一定数のノルマを満たせばOKなので、無理にコンプリートする必要がないのは幸い。
総評
バグだらけのゲームを攻略していくという、一風変わったRPG風ADV。
一周するだけなら短くクリアできるが、ゲーム内の全てのバグや台詞などを回収するなら、かなりの遊びごたえがある。
ゲーム関連のパロディネタやあるあるネタが非常に多いため、ゲーム好きな人であればあるほどおすすめできる作品となっている。
最終更新:2024年03月08日 21:02