NEMESIS
【ねめしす】
| ジャンル | シューティング |  | 
| 対応機種 | ゲームボーイ | 
| メディア | 1MbitROMカートリッジ | 
| 発売・開発元 | コナミ | 
| 発売日 | 1990年2月23日 | 
| 定価 | 3,500円(税別) | 
| プレイ人数 | 1人 | 
| 判定 | 良作 | 
| ポイント | ハード制約は強いが『グラディウス』らしさは再現 白黒画面ながら重厚なドットグラフィック
 良質な過去作アレンジ曲+α
 充実したコンフィグ機能で手軽に遊べる
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| グラディウスシリーズ | 
 
概要
コナミが『モトクロスマニアックス』、『ドラキュラ伝説』の次に発売したゲームボーイ用ソフト。
『グラディウス』シリーズのゲームボーイ向け作品第1作であり、ゲームボーイ初の横スクロールSTGでもある。
『ネメシス』とはアーケード版『グラディウス』の日本国外版のタイトル。
携帯機タイトルに海外向けタイトルを流用するという手法はタイトーの『サーガイア』、カプコンの『バイオニックコマンドー』でも行われた。
ストーリー
惑星グラディウスをめぐり壮絶な戦いの末、超時空戦闘機ビックバイパーの前に敗れたバクテリアン軍は、宇宙塵と化し、滅ぼさったかに思われた。
―――ところがその生命は絶えてはいなかった。彼らの宇宙侵略計画は新たに惑星ネメシスに狙いを定め、その美しい星を我が物にしようと侵略攻撃を開始したのである。
微かなS.O.Sをキャッチしたビックバイパーはネメシスへと飛び立った!
(説明書 p.3より引用)
システム・特徴
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他のグラディウスシリーズ同様の即死制・戻り復活の横スクロールSTG。全5面+エクストラステージ(隠し面)で周回あり。
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操作系およびパワーゲージの内容、オプションの最大数、バリアの仕様は基本的にファミコン版初代『グラディウス』を踏襲している。
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スピードアップは3段階、ミサイルは2段階までパワーアップ可能。
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レーザーは単発1連射、バリアの耐久数は5発から3発に変更されている。
 
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ゲーム開始時にまずコンフィグ画面に入り、各種設定を行う。
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ステージセレクト(全5面)、難易度選択(レベル1と2)、残機設定(99まで)、連射設定の有無、ショットとパワーアップボタンの入れ替えが可能。
 
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エクステンドは6万点で1回目、以降は11万点、16万点…と5万点ごとに発生。
評価点
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白黒のGB初期のゲームでありながら重厚なグラフィック。
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ゲームを始めてまず目を引くのはタイトル画面の書き込みだろう。ドットの濃淡で重厚なグラフィックを表現しており、それがゲーム本編でも生かされている。
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1面で見られる地面と山・背景の2重スクロール表現など技術面でも見どころがある。
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ゲームボーイの画面いっぱいに表示されるボスもインパクト絶大。
 
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良質なシリーズ過去作のアレンジ曲+α。
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1面道中BGMの「Free Flyer」「Challenger 1985」(初代「グラディウス」)の複合アレンジを初め、「グラディウスII」(AC・FC)、MSXの「グラディウス2」からの出典が中心。
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コナミックサウンドがGB音源で上手く表現されており、GB付属のイヤホンでステレオサウンドを楽しむこともできた。
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一部のオリジナル曲も場面にマッチしており、聴きごたえがある。
 
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充実したコンフィグ機能。何気に家庭用のグラディウスシリーズで同機能を実装したのは本作が初。
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ステージセレクトにより好きな所を気軽に小時間プレイするという当時の携帯機らしいプレイが可能。
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当時のファミコン通信のクロスレビュー(1990年3月2日号掲載)においても複数のレビュアーがこの機能に言及しており、長らく求められていた機能であることがうかがえる。
 
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当時の携帯機のメインユーザーの若年層向けのほどほどの難易度。
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パワーカプセルの出現数も多めフルパワーアップが容易。ミス後の復活もさほど難しくはない。
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難易度レベル2なら敵弾の数も多くなり、歯ごたえのある難しさになる。
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翌年のSFC版『グラディウスIII』のようなエキストラステージもあり、それを探し出す楽しみもある。
 
問題点
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ハードの制約上、スクロール時の残像を抑えるため自機の移動幅が他ハードに比べて大きくなっている。
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パワーカプセルの取得判定が見た目以上に大きい。
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取得しやすいという点ではプラス要素なのだが、フルパワーアップ後の「バリアが消えた際に直ぐ張り替える」ためにパワーゲージをバリアの位置に温存する場合には画面の狭さもあって避けづらく、障害となる。
 
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スコア・残機数がステージ開始・クリア時およびミス後の再開時にしか確認できない。
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スコアを常時確認できないため、STGの醍醐味であるスコア稼ぎの楽しみが薄れてしまっている。もっとも、これは後にゲームボーイで発売されたコナミ製タイトルの多くでも言える点でもある。
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海外版ではパワーゲージのグラフィックが縮小され、画面右下にスコアが表示されるように改善されている。
 
総評
ハード制約の厳しい中、白黒ながら重厚なグラフィックや良質なサウンドは『グラディウス』のゲームボーイ版として遜色のない出来。
程よい難易度と充実したコンフィグも携帯機の需要にマッチしており、ハード初期のシューティングゲームを語る上で外せない一作と言えるだろう。
移植・その後の展開
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1997年9月25日発売の『コナミGBコレクション Vol.1』にて『グラディウス』に改題されて収録されている。
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海外でのみ発売されたゲームボーイカラー版「KONAMI GB COLLECTION VOL.1」にもカラー化して収録している。
 
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今作は単品での配信経験は無いが、ニンテンドーパワーでは2000年3月1日に上述の『コナミGBコレクション Vol.1』で他タイトルとのカップリング扱いで配信されていた。
余談
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コナミコマンドによるフルパワーアップは本作でも有効である。
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本作のオリジナルBGMである4面道中BGM「Fossil with intention」はイントロとAメロ部分の作曲を山根ミチル氏、サビ部分と曲の命名を竹ノ内裕治氏が担当。
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後年、そのことを竹ノ内氏がX(旧Twitter)にて明かし、アレンジ版も公開している。(ソース)
 
最終更新:2025年05月28日 00:22