Mission: ISS

【みっしょん あいえすえす】

ジャンル ADV
対応機種 Meta Quest
開発元 Mangnopus
発売日 2019年7月21日
定価 無料
レーティング IRAC:3+
判定 賛否両論
ポイント 最凶クラスのVR酔い
リアリティは抜群
耐えられるならクオリティは高い

概要

Meta Quest向けの無料VRゲームの一つ。
タイトルの通り、ISS(国際宇宙ステーション)を舞台にしており、NASA(アメリカ航空宇宙局)、ESA(欧州宇宙機関)、CSA(カナダ宇宙庁)全面協力というガチガチの布陣から察せられるだろうがISSでの滞在をVRでリアルに体験できるという至って真面目なゲームである。
……あまりにも真面目に、真剣に作りすぎてしまった感はあるが。


特徴

  • 一応ミッションやアチーブメントなどはあるが、基本的にはあまり深いストーリーなどはなく、ISSの中を自由に彷徨いながらあちこち探検していくだけのゲームである。
    • ゲームモードはトレーニングと、ミッションモードと、探検モードの3つ。トレーニングでは自由に動かせず、段階を追って操作を学べる。ミッションでは様々なミッションを体験できる。探検モードは特にミッションはない。
  • 操作は左スティックでの移動と右スティックでの視点操作の他は、原則的に「握る」と「レーザーポインター」のみ。どちらも同じトリガーで発動する。
    • 手の近くに握れるものがあれば自動的に握る。そうでなければ、レーザーポインターで先にあるものを指すことができ、それが調べられるオブジェクトであれば実際の船員による実写動画による解説が見られる。
      • 他、メニュー画面からは船内のどこにでも瞬時にワープ移動が可能。
    • 船外活動や、ロボットアーム操作の体験もできる。

賛否両論点

  • 数あるVRゲームの中でもトップクラスに極悪なVR酔い 。本作の最大の欠点にして特徴。
    • 無重力空間での感覚をあまりにも忠実に再現 しすぎた ために、慣れていないと一撃で酔う。 開始10秒で酔った という感想すらあるが、それも決して大げさではないレベル。
      • こればかりは、実際にVRで体験しないと説明しがたいところがあるが、とにかく視点移動の感覚が他のVRゲームと比較しても非常に独特かつ異質であり、普通に動き回るだけで酔う。 人によってはヘッドセットを外してしばらくしても頭痛が続く レベル。
    • ただし、コレに関しては 実際のISSを忠実に再現した 結果であるだろうことは察せられるため、問題点というか本質的には「そのプレイヤーに合うか合わないか」という話に落ち着くと思われる。逆に言えば、慣れれば他のゲームではまずできないだろう独特の浮遊感を味わえるのは間違いない事実である。
      • また、トレーニングでも指示されるように ちゃんと壁を掴んで少しずつ動く ことを心がければだいぶマシにはなる。実際、宇宙ステーションの中で激しく動くのはご法度なので、「普通に動いたら酔う」のは狙った仕様の可能性も高い。
      • また、船外活動は船内よりは遥かに楽に動ける。まずはこちらで感覚に慣れた方がいいかもしれない。

評価点

  • 当然といえば当然だが、ISSの構造などの再現度は極めて高い。日本人なら是非とも行きたい「きぼう」もちゃんと再現されている。
    • 誰もが一度は行ってみたいだろうが、まず行けない場所に簡単に行けるVRの強みを体験できる。
    • グラフィックレベルも無料のゲームとは思えないほどで、特に船外活動で見ることができる地球はなかなか感動する。
  • 各所で見られる映像も、資料価値は高め。
    • 日本語未対応なのが残念。そこまで難しい英語ではないが。
  • 無料とはいえできることはそれなりに豊富に用意されており、プレイヤーを飽きさせない工夫がある。

問題点

  • 細部のグラフィックなどには適当なところがある。モニターの表示が変化したりすることもない。
  • ロボットアームは操作がかなり遅く、ゲーム的な操作に慣れているとイライラするかもしれない。
    • もちろん、実際のISSのロボットアームを再現した結果なのだろうから、一概に悪いとは言えないかもしれないが……。

総評

「VRセットがあれば無料で宇宙旅行ができる」。
これ自体は間違いない事実であり、技術の飛躍的な進歩と普及を感じさせるところである。
ただその結果突きつけられるのは、やはり凡人には宇宙は遠すぎる場所である、という残酷な事実なのだが……
人によってはまともなゲームプレイすら不可能であるため、 クソゲーとすら呼べない 代物なのだが、その一方で体に合いさえすれば他にはない独特な体験ができるのもまた事実。
作り込みそのものは無料とは思えないほどのクオリティであり、決して単純な手抜きゲーではないのだが、適していない人にはプレイ困難な作品であるため安易には勧めがたいというなんとも難儀な一品。
一応、無料ということもあり、本作が大丈夫なら大抵のVRゲームが問題ないだろう、というお試し的な使い方もできなくはない。逆に本作が体に合わなくてもプレイできるVRゲームはたくさんあるので心配しないように

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ADV 2019年 VR
最終更新:2024年10月18日 23:58